エニアグラム|「不安」…タイプ6と8つの不安パターンを比較する

不安だからタイプ6?

もしかすると、あなたは今、自分がエニアグラムの「タイプ6:忠実な人(The Loyalist)」ではないかと感じているかもしれません。

最近になって不安が強まり、ふとした瞬間に「本当はタイプ6なのでは?」という疑念が湧いてきたのかもしれません。

けれども、ここで立ち止まってほしいのです。

「不安が強い」=「タイプ6」という誤解

エニアグラムにおいて、タイプ6は非常に誤認されやすいタイプです。なぜなら、「不安が強い=タイプ6である」という単純な図式が、あまりにも広く信じられているからです。

しかし、それは正しいようで間違いです。

すべてのタイプが不安を抱える

実際には、健全度が下がったとき、どのタイプであっても不安を示します

これは非常に重要なポイントです。

ストレス、疲労、孤立、トラウマ、人間関係の問題などによって、各タイプの健全度が低下すると、すべてのタイプは不安を強く感じるようになります。

たとえば:

  • タイプ1は完璧主義が行き詰まったとき、「間違えてしまったのではないか」という不安に苛まれます
  • タイプ2は拒絶を恐れて、相手の気持ちを繰り返し確認してしまいます
  • タイプ3は失敗への恐怖から、休むことができなくなります
  • タイプ4は見捨てられ不安から、感情が不安定になります
  • タイプ5は知識だけでは守れない現実に直面して、パニック状態に陥ります
  • タイプ7は苦痛から逃れるために、次々と予定を詰め込んでしまいます
  • タイプ8は裏切られる不安から、攻撃的になります
  • タイプ9は対立への恐れから、優柔不断になり、決断を先延ばしにします

つまり、今あなたが感じている不安は、タイプ6特有のものではなく、健全度の低下によって引き起こされている可能性があるのです。

では、何が本当の違いなのか?

答えは、不安の「種類」と「質」にあります。

そして、その不安に対して、あなたがどのように反応し、どのような防衛パターンを築いているかという点にあります。

すべてのタイプが不安を感じますが、その不安が何に向けられているのか、そしてその不安にどう対処しようとするのかは、タイプによってまったく異なるのです。

本記事の目的:不安を言語化し、自己理解を深める

本記事の目的は、あなたに「タイプ6である」と確信させることではありません。

むしろ、あなたの内面にある不安の正体を見極め、その奥にある根源的な願いや恐れを理解することです。

タイプ6を中心に据えながら、他の8つのタイプがそれぞれどのような不安を抱き、どのように対処しようとするのかを比較することで、あなた自身の内的な構造を明らかにしていきます。

エニアグラムは、診断ツールではありません。それは、あなたの心の奥底にある「不安の地図」なのです。

各タイプの不安:比較表

以下の表は、9つのタイプそれぞれが抱える不安の核心を示しています。

タイプ不安のテーマ内面の声・思考主な防衛反応
タイプ1間違い・不道徳「私は正しくあれているか?」完璧主義、自己批判、ルール依存
タイプ2拒絶・不要感「私はまだ愛されている?」過剰な尽くし、自己犠牲
タイプ3失敗・無価値「成果がなければ私は空っぽだ」過活動、感情の抑圧
タイプ4喪失・欠如感「私は特別でないなら存在する意味がない」感情の強調、孤立
タイプ5無力・侵入「この世界は自分には過酷すぎる」引きこもり、知識の武装
タイプ6信頼の欠如・裏切り「この人は信じていいのか?」「備えは十分か?」警戒心、疑念、依存と反発の揺れ
タイプ7苦痛・制限「止まったら、壊れてしまう気がする」逃避、過剰な楽観主義
タイプ8支配・弱さ「自分がコントロールされるのは死と同じ」攻撃、支配、強さの演出
タイプ9対立・喪失「争いが起きたら、私は消えてしまう」無関心、自己消失、優柔不断

タイプ6の本質的な不安とは何か?

タイプ6の不安は、単なる「心配性」ではありません。

それは「信頼できる基盤がない」という根源的な恐怖です。

タイプ6の人は、世界を本質的に不確実で予測不可能なものとして体験します。そのため、常に「最悪のシナリオ」を想定し、それに備えようとします。

これは単なる悲観主義ではなく、安全を確保するための生存戦略なのです。

タイプ6特有の不安の特徴:

  1. 信頼への渇望と疑念の共存 — 誰かを信じたいと強く願いながら、同時に「裏切られるのではないか」と疑い続ける
  2. 権威への両価的な態度 — 権威に従うことで安心を得ようとする一方で、その権威を疑い、反発もする
  3. 終わりのない「もしも」の思考 — 「もしこうなったら?」という想定が次々と浮かび、準備と確認が止まらない
  4. 忠誠心とテストの繰り返し — 関係性において忠実であろうとしながら、相手が本当に信頼できるか何度もテストする

他のタイプの不安と決定的に違うのは、タイプ6の不安が「誰を、何を信じるか」という問いに集中している点です。


あなたへの問いかけ:自分の不安を言語化してみてください

ここで、あなた自身に問いかけてみてください。

あなたが最近感じている不安は、どのような言葉で表現できるでしょうか?

  • 「間違えてしまったのではないか」という自己批判でしょうか?(タイプ1)
  • 「愛されなくなるのではないか」という見捨てられ不安でしょうか?(タイプ2)
  • 「失敗したら価値がなくなる」という恐怖でしょうか?(タイプ3)
  • 「自分には何かが欠けている」という欠如感でしょうか?(タイプ4)
  • 「世界に対処できない」という無力感でしょうか?(タイプ5)
  • 「誰を信じていいかわからない」という信頼の問題でしょうか?(タイプ6)
  • 「苦しみに囚われてしまう」という逃避欲求でしょうか?(タイプ7)
  • 「コントロールを失う」という脅威でしょうか?(タイプ8)
  • 「対立によって関係が壊れる」という恐れでしょうか?(タイプ9)

言語化することで、不安の輪郭が見えてきます。

そして、その不安の奥にある、あなたの根源的な願いや価値観が明らかになるのです。

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木村真基

Kimura Naoki

ウェブデザイナー/エニアグラム講師

プロフィール

「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。

・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我

などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

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