エニアグラム-タイプ3:達成する人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ3「達成する(リソ式)/成功を求めて達成する者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ3についてみていきます。
1.タイプ3の特徴
<タイプ3の性格>
- 本音をいうと、私の動機は、「優れた人でありたい」の一言に尽きる。勉強、仕事、対人関係とあらゆる面で努力を怠らない
- 社会的な成功、身近な人からの賞賛、異性からの評価は勿論、自分は優秀であるという感覚…は常に持っていたい。素の自分には何の価値を感じられない
- ひたむきに努力をしている人や向上心が高い人を見ると応援したくなる。一方で、自分よりも要領がよく何かをこなしている人がいると妬ましく感じるときがある
- 小説や物語をじっくり読んでいる時間があったら、ネットでググってあらすじや要点を端的に教えてくれるページを探す
- 「仕事を通して何か成功したことがあれば教えてください」と質問したら、スグに答えられる。(そんなのは事前に作っている)
タイプ3のキーワードは「価値の獲得」です。タイプ3は、本来の自分に何の価値がないことを恐れています。
何かを成し遂げることで、周囲に好印象を与えて、その結果として自分が価値ある存在であるとみんなに思わせたいのです。
タイプ3:達成する人の正体
タイプ3は生粋の達成者です。
実際にタイプ3は、学業、スポーツ、仕事、恋愛、プライベートの活動を通して、なんらかの実績を残して、みんなから認めてもらえる存在になるように努力をしてきました。特に、他者に好印象を残すための努力を惜しみませんでした。
いきなりですがあなたはタイプ3でしょうか?もしも、あなたの内側にある動機が、たくさんの人から認めてもらいたい!だったらタイプ3かもし知れないです。その「認めてもらいたい」欲求に突き動かされ、タイプ3は絶え間ない努力をします。
恐れ:自分を認めることができない
タイプ3の本体は、人から認められようと努力はするけれど、本来の自分を認めることができない…という業を背負って生きています。
人からお手本とされる存在にならないと、自分は何の価値もない…と自分に言い聞かせてきたのです。
学生時代を思い出してください。
もしかしたら、あなたは学生時代に勉強とスポーツに励んでいたかもしれません。スクールカーストで上位にいることを目指したかもしれません。自分より輝きを放っている人たちを見て、羨望、競争心、嫉妬、劣等感に取りつかれていた経験はないでしょうか?
この羨望、競争心、嫉妬、劣等感は、タイプ3を高みにもっていくために駆り立てます。良い大学に行き、よい会社に入り、社会的ステータスを手に入れて、皆の憧れの対象になるべく、様々なものを犠牲にする事に迷いがない人はタイプ3でしょう。
でも、ここに落とし穴があります。
成功しても満たされない現実
どんなに達成しても、どんなに成功しても、なぜか心の底は満たされない…そんな現実に直面します。
華々しい成功を収め、周囲からの称賛を得ても、夜一人になると不思議な空虚感に襲われます。売上目標を達成し、昇進も果たし、SNSには祝福のコメントが並びます。「これで満足なはずなのに…」そう思いながらも、胸の奥には確かな違和感が残ります。
周りは「もう十分じゃないか」と言います。確かにそうかもしれません。しかし、鏡に映る自分の表情には何か足りないものがあります。まるで、誰かに求められる「成功者」を演じ続けているような感覚。数字や地位という形のある成功は手に入れたものの、本当の自分が何を望んでいるのかが分からなくなっています。
ネタですが、タイプ3の曲を作りました。
実は、成功は私たちの心を満たす十分条件ではありません。むしろそれは、本当の自分を見失うための巧妙な逃避かもしれません。評価される自分、期待に応える自分、完璧な自分—それらの仮面の下で、本来の自分の声は次第に小さくなっていきます。
もしかしたら「成功」という結果ではなく、ありのままの自分でいられる安心感なのかもしれません。華やかな成功の影に隠れた、その小さな真実に気付くまでに、どれだけの時間が必要なのでしょうか。
はい…改めてタイプ3の正体です。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間
- 何かを成し遂げるための手段である、無駄にしない
- 短時間で生産をあげるためのもの
- 賞賛を浴びる時間を増やしたい
タイプ3は最も時間を大切しますが、最も時間を無駄にします。なぜなら、自分の内面を満たすために時間を使わずに、他人から認めてもらうために時間を費やすからです。
健全な状態
タイプ3は、「今、ここで何が必要か」を的確に判断し、時間を効果的に活用します。朝は30分早く出社して資料を整理し、日中はチームメンバーとの対話も大切にしながら、時間を効率よく使っていきます。自分の成果だけでなく、チーム全体の成功を意識した時間の使い方ができるようになり、むしろ「みんなで良い仕事をしたい」という純粋な思いから、時間を有効に活用していきます。
通常の状態
通常の段階に入ると、タイプ3は、常に自分がどう見られているかを気にかけています。メールの一文字一文字に神経を使い、プレゼン資料の微細な修正に何時間も費やし、会議での自分の発言を何度も頭の中でリハーサルします。「これで大丈夫だろうか」「もっと良い方法があるのでは」という不安が、効率的な時間の使用を妨げています。
評価への恐れが、本来の生産性を低下させているのに、そのことになかなか気付けません。
不健全な状態
タイプ3は、虚像の維持に膨大な時間を費やしています。実際の仕事は進んでいないのに、常に忙しそうに振る舞い、成功しているように見せることに必死です。上司への言い訳を考え、失敗を隠すためのストーリーを練り、架空の成果を示すためのデータ作りに没頭します。心の中では「こんなことをしている自分が嫌だ」という声が聞こえているのに、評判を落とすことへの恐怖が勝り、偽りの時間の使い方を続けてしまいます。
自分の評判を守ることへの執着が強まるほど、本来の業務や人間関係が損なわれていくことに、どこかで気付いています。でも、その現実から目を背け、更なる見せかけの時間管理に逃げ込んでしまうのです。「本当の自分」を取り戻すためには、まず「演じることをやめる」という勇気が必要なのかもしれません。
主観的な自己成長そのものを楽しむのではなく、客観的な価値…特定の人から有能な存在であると認めてもらえるように、その多くの時間を何かに使ってきました。よって、投下した時間や労力に見合わず、結果がついてこなかったとき、タイプ3は人生で挫折を味わうことになるでしょう。
受験、就職活動、出世レース、給与から社会的地位、頭のよさや自分が異性からモテるか、どうかなど客観的な価値を裏付けてくれる対象を求めました。
実際にどうなるかはわかりません。自らを動機づける人として、挽回する人もいるでしょう。途中であきらめてしまい、自暴自棄になる人もいます。引きこもる人もいれば、社会復帰できなくなる人もいます。
タイプ3にとって、実績や魅力など人にPRできる材料がない状態は恐怖でしかないのです。
人間関係
- 健全な状態:つながりそのものに価値を見出す
- 通常の状態:評価を気にしながら、バランスをとる
- 不健全な状態:似た者同士のテイカー地獄
健全なタイプ3:つながりそのものに価値を見出す
健全なタイプ3は、成功への情熱を持ちながらも、人との関係に“利用”や“見栄”を持ち込まなくなります。
「この人と一緒にいたいからいる」「話していて楽しい」「価値観が合う」といった、純度の高い関係性を自然に築ける状態です。
自分の価値を、他者の評価に依存せずに感じられているからこそ、
他人にも「そのままでいいよ」という安心感を与える存在になります。
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相手の才能や成功を心から喜べる
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競争ではなく、相互成長という視点で人を見る
-
表面的な人付き合いを減らし、深い関係性に集中する
この段階のタイプ3は、自分を偽らない人、率直な人、誠実に努力している人に惹かれます。
人間関係が“名刺交換”ではなく、“魂と魂の交流”に変わってくるのです。
通常のタイプ3:評価を気にしながらも、バランスを取る
通常のレベルでのタイプ3は、お互いの「見せ方」や「評価」を気にしてしまう自分がいます。
それが人間関係にも影響し、「どんな人とつながれば自分がよく見えるか?」という意識が無意識に働いてしまいます。
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SNSの投稿は“誰に見られるか”を常に意識
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話す相手によってキャラが変わる
-
評価してくれる人には懐くが、批判には過敏に反応
この段階のタイプ3は、人に対して「リターンの有無」を基準にしやすく、人脈を“財産”と考え、関係性を戦略的に整理する傾向があります。
また、「成功している自分」を保つために、“落ち込んでいる姿”や“弱っている姿”を誰にも見せず、つながりの深まりを自ら制限してしまうこともあります。
不健全なタイプ3:似た者同士の“テイカー地獄”
健全度が低下すると、タイプ3の人間関係は、本来の温かさや信頼から遠ざかっていきます。
代わりに寄ってくるのは、自分をヨイショしてくれる人、見せかけだけで近づいてくる人、そして“似た者同士のテイカー”たち。
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利害でしかつながらない
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自分を評価してくれる人以外とは距離を置く
-
他人の成功を見てイラつき、見下し、距離を置く
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妬まれることを恐れて、さらに“成功者の仮面”を厚くする
この状態のタイプ3は、もはや「人が好きでつながる」のではなく、“自分のブランドを維持するための小道具”として他人と関わるようになります。
するとどうなるか?
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「この人、すごいですよ〜」と言って寄ってくるが、利用価値がなくなると音信不通になる人たち
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SNSでは賞賛を送ってくるけど、裏では冷笑している人たち
-
自分をヨイショしてくれるけど、実は自分を引きずり下ろしたい人たち
――そんな人々ばかりが集まり、関係がどんどん空虚で息苦しいものに変わっていきます。
さらに怖いのは、
この状態を“人付き合いに成功している”と誤認しやすいこと。
恋愛
- 誰と付き合っているかが大事だったりする
- 容姿やステータスをかなりで意識している
- 相手をアクセサリーのように扱う傾向がある
- 恋人を人に見せびらかしたがる(自慢したい)
- 同時に、大勢の前で相手を輝かせるのも得意
タイプ3・・・特に若いときは、男女関係なくイケメン・美女などと付き合って、みんなから羨ましがられるポジションを求めます。
男女関係なく、「モテたい」動機はかなり強い。男性ならばハーレムを作ることを求め、女性であれば女子会のリーダーポジションを好みます。それだけ恋愛を自分の価値をあげる材料の一つと考えているところがありますね。
一方で、内面はかなり繊細。いつもフロントラインで戦っているためか、なんだかんだで自分の弱さを受け入れてくれる相手を好きになります。
Say Anything 傷つけあう言葉でも
Say anything 断ち切れない心に
You say anything Just tell me all your sweet lies.
Say anything 演じきれない心に
タイプ3は、「自分の弱さを人に見せてはいけない」という思い込みがあります。そのため、人前では自分をよく見せようとしていますが、どこかで本当の自分自身を好きになってくれる人を求めています。

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そしてもうひとつ!タイプ3は、恋愛や感情に振り回されることを好みません。恋人やパートナーに対しても自分の時間を奪われなくないと思っているため、ふたりでいる時間が長くなり、自身の時間を奪われたりすると距離を置くようになります。
恋愛や男女においては一見単純だけれど、どこかで面倒なのがこのタイプですね。
仕事
とにかく働く!上司やお客さんの評価が全て。1秒でも早く仕事を終わらせようと必死になる。逆に、評価されないと、一気にモチベーションが下がる。タイプ3は、仕事に精を出す、その動機が人々から認めてもらうため。イコールそれが成功している証になるから。
極論をいうなら、タイプ3は周りから評価されていると感じれば馬車馬のように働きます。各タイプの中で最もエネルギーを注げます。

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同時に職場ではいつも自信たっぷりな態度です。「自分は有能な人間だ!」というオーラーを醸し出します。まさに歩く自己PRのようなものです。
実際に仕事ができるかは別です。。。。
お金の使い方
自分をよく見せるためにお金を使う。イメージアップに価値を置く。ブランド物が大好き。SNSで輝いている自分をアピールするために、あえてゴージャスなお店に行って、写真を撮って、投稿するのはタイプ3にあるある。

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3.成長のレベル-健全、通常、不健全
エニアグラムには各タイプに応じて健全、通常、不健全と9つの成長レベルというものがあります。
- 健全:レベル1~3-自然体で心身ともに安定した状態
- 通常:レベル4~5-各タイプのそのままの状態
- 不健全:レベル7~9-社会生活が困難なレベル
レベルについては、数字が高ければ高いほどよい状態です。レベル1の状態は、そのタイプの囚われ、根源的恐れ、根源的欲求から解放された最高の状態であり、レベル9の状態は末期の状態です。
あなたがレベル9でないことを祈りします。
健全-レベル1~3
レベル1.嘘偽りのない人
価値ある存在でありたい!という鎖から解き放たれたタイプ3は、まるで雲の上に立つような清明さを持っています。
この状態のタイプ3は、もはや他者の承認という風向きに翻弄されません。内なる羅針盤に導かれ、本質的な価値を見極める目を持っています。社会的評価という波の上下に一喜一憂せず、ただ在ることの充実に満ちています。
その存在そのものが、周囲に静かな影響力を放ちます。わざわざ「私は成功している」と口にする必要もなく、その透明な誠実さと自己肯定感が、言葉以上に雄弁に語りかけます。
他者の才能や成功が純粋な喜びとして映ります。なぜなら、自分の価値が他者との比較で決まるという幻想から解放されているからです。むしろ、多様な才能が共存することこそが、世界の豊かさの源泉だと理解しています。この時に、タイプ3は、成功や栄光の先にある本当に欲しかったものが手に入ったのです。
レベル2.自信を持った人
この状態は根源的恐れに動かされながらも、成功への情熱に向かって進めます。自分の価値を証明したい欲求からではなく、何かを作り出す創造そのものの喜びから来ています。健全度1との違いは、水面下に隠された深い根の違いです。
この状態のタイプ3の言葉には特別な重みがあります。それは修辞的な技巧からではなく、内面と外面の一致から生まれる説得力です。「あの人の言うことには、なぜか心が動かされる」と周囲は感じます。
『下町ロケット』:佃航平(阿部寛)は成功に固執せず、本質を成し遂げる喜びに目覚めたタイプ3でした。
元々は大企業で栄光を求めていましたが、途中から「誰のために技術を届けたいか」を見つけていき、他者の評価という外的な波が荒れようとも、内なる静けさは揺るぎません。それは単なる精神的技術ではなく、自己の本質と繋がった者だけが知る世界です。
レベル3.優れた模範
この段階の彼らは、自己成長に純粋な喜びを見出します。外面的な成功よりも、本質的な成長に価値を置くようになっています。
「見られる自分」より「在るべき自分」を追求し、承認欲求から解放され、純粋な向上心が芽生えています。他者の評価に一喜一憂しない精神的な強さを獲得し、プライドではなく、謙虚さを身につけています。
体系的な知識の習得や身体の鍛錬を日課とし、教養を深め、感性を磨く機会を意識的に作ります。表面的な社交を減らし、本質的な交流を選ぶようになります。
最も特徴的なのは、「自分磨き」という意識すら消えていくことです。それは、成長そのものが自然な営みとなり、生活の一部として定着しているからです。
通常-レベル4~6
レベル4.競争心の強い地位狙い
この段階になると、タイプ3は「目立ちたい!成功したい!」という欲求に動かされ始めます。
アクセル全開の状態で、競争に積極的に参加し、何としても勝とうとします。
ワーカーホリックになり、目の前の結果を手に入れるため、アドレナリン全開で働きます。どんな職業でもこの傾向は出て、時に教育熱心な親として子供にも高い期待を寄せます。
「社会的な成功=価値ある自分=それが全て」という方程式が内側で構築して、それを達成するために懸命に努力します。時に、その目的のために他人を巻き込むこともあります。成功こそが価値の証明であり幸せの条件である、という価値観を他人にも当てはめるからです。
アメリカの実業界には、「成功者こそ価値ある人間だ」という価値観が色濃く刻まれています。
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SNSでのフォロワー数=影響力=価値
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ハーバード出身のCEOこそ“選ばれし者”
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豪邸、ポルシェ、インスタ映え=人生の勝者
このような風潮の中では、「努力して結果を出すこと」が評価されるどころか、「努力してるように見せること」が評価対象になります。
『スーツ(SUITS)』:ハーヴィー・スペクターの世界観では、常に勝つことに価値を置き、スーツ・高級車・仕事ぶりまで、全てが“見せるため”。
しかし、内面は孤独と空虚に覆われており、「勝ち続けないと、自分には価値がない」という不安を抱えている。
アメリカ社会は、まさにタイプ3のダークな面が量産される文化圏でもあります。ただし、それを乗り越え「何のために成功したいのか?」という問いに向き合った人だけが、健全度の高い“静かに輝く3”へと変容していきます。
レベル5.イメージ意識の強い実利主義者
何かが上手くいっていないときに、この段階のタイプ3は問題解決よりも、輝いているキャラクターを作り出すことに力を注ぎます。
目の前の人や周囲に好ましい印象を抱かせることにエネルギーを集中し、実よりもイメージに走ります。周囲の人に好ましい印象を与えたいと思って、自分を演じ始めます。
具体例はドラえもんのスネ夫です。
- 常に「自分は金持ち」「自慢できる存在」としてふるまいたい。
- 他人の目を気にして、実力以上に“すごい自分”を演出しようとする
- ジャイアンとの関係でマウントを取りたがる場面も多くみられる
- 成功者ではなく「成功者のフリ」をして安心を得ようとする状態
自分をブランディングすることに執着し、成功者を目指すのではなく成功者を演じることに頭が回ります。そのうち自分の顔が分からなくなるくらいにまで自らを追い込んでいきますが、他者からよく見られる快感に囚われてしまい、そこに歯止めが利かなくなります。
レベル6.自己中心主義で自分を売り込む人
これまでのイメージが崩れていくことを恐れる段階です。タイプ3にとって、成功者のイメージは投資して創り上げるものであり、今まで投資したお金、時間、労力が無駄になることは辛いことです。
人からバカにされることはタイプ3にとって屈辱以外の何物でもありません。
これまで自称高級ブランドだったタイプ3は、「私を見て!」「私を評価してくれ」とあたりかまわず自己アピールをするようになります。
その余裕のなさは周囲から「痛い人」と思われがちです。また、変な競争意識に駆り立てられ、自分のことを認めてくれない人たちを蔑むようになり、人を落としてまで自分を上位に上げようとします。
半沢直樹の大和田常務は「成功している自分」「見栄えのいい自分」を守るために不正も辞さないキャラでした。これは、承認されるポジションに固執して、信用よりも勝利を優先する姿は健全度6の状態を表しているでしょう。
不健全-レベル7~9
レベル7.自己欺瞞の操り手
他者を欺くことに罪悪感を抱かない状態になります。この時点で、善悪の倫理観は欠如しています。仮に罪悪感や自己嫌悪になっても、他者を欺くことで得られることが多いと判断したら、迷わず行います。
しかし、この状態のタイプ3は、明らかに態度が正常ではないため、誰からも相手にされなくなります。そのため、姿を隠して誰にも会わないようにすることもあります。自分が堕落したことを他者に知られたくないからです。
ここでは、タイプ3の最大の強みである“自己プロデュース力”が、完全に裏目に出ます。
たとえるなら――
「常に笑顔の人気インフルエンサー」のような存在。
SNSでは華やかな生活、順調なビジネス、笑顔の写真……でも、実際は毎日が虚無と焦燥に満ちている。
自分を装うことが習慣になりすぎて、もはや「嘘をついている」という自覚すら薄れてきます。
この段階では、他人を欺くことに罪悪感がなくなり、「バレなきゃいい」という考えに支配が支配します。
しかし、どこかでズレが生じ、人間関係がギクシャクし始めます。
誰かが「おかしい」と気づいた瞬間、タイプ3はスッと姿を消します。
まるで、自分の嘘が露呈するのを恐れて舞台からフェードアウトする俳優のように。
レベル8.不正直なご都合主義者
の段階のタイプ3は、一見すると落ち着いているように見えます。
妙に冷静で、愛想も悪くない。話も合わせてくる。
けれど、近づくと、なぜかゾワッとする。
目が濁っているのです。
笑っていても、生気がなく、どんなに顔立ちが整っていても、人として何かが剥がれている感じがある。
言葉も行動も、どこか“借り物”のようで、その場しのぎの言い訳や、空虚なアドバイスばかりを口にします。
「まぁ、いろいろあるからね」
「焦っても仕方ないし」
「今は水面下で動いてる段階」
……でも実際は、何も動いていません。
何かを始める気力すらなければ、自分がもう“止まってしまっていること”すら認識できません。
そのくせ、誰かからの問いかけや指摘には、表情ひとつ変えずに、薄ら笑いで受け流す。
心の中には「バレてない」と信じたい自分がいて、でもうっすらと、どこかで「もう全部バレてる」気もしている。
この状態になると、自己肯定感を補うための「成功者の演技」すら雑になります。
センスの悪いブランディング、形骸化したSNSの投稿、テンプレートのような発言を繰り返しながら、自分自身も何をしているのか分からなくなっている。
もはや他人を騙すことより、自分を騙している時間のほうが長い。
「これは戦略だから」
「今は静観フェーズ」
「来月から本気出す」
そう言って、気づけばもう何ヶ月も、何年も、止まったまま。
端から見れば、「近寄りがたい人」になり、空気に“異質な影”が混じっている。
笑っていても、どこか怖い印象を与えます。
健全度8のタイプ3は、“成功者の死体”を抱えたまま日常をやり過ごす亡霊のような存在です。
一見まともに見えるからこそ、誰も何も言いません。
この時点でメンタル崩壊寸前で、誰よりも壊れかけていて、“誰かに助けてほしい”というサインを、無意識に放ち続けている。
そのSOSをキャッチできるのは、同じように仮面を剥がしてきた人だけです。
レベル9.執念深い精神病者
最終的には、成功への執着も、自尊心も、何もかもが崩れ落ちます。
自分がかつて“輝いていた”という事実だけが残り、それを失った怒りと憎しみに取り憑かれるようになります。
この段階では、「世間が悪い」「あいつが潰した」と、恨み言ばかりが心を支配します。
もはや建設的な対人関係は築けず、何かに復讐するように自分を壊しにかかります。
たとえるなら――
「かつて成功していたが、今は誰にも相手にされず、ネットの片隅で誰かを誹謗中傷し続ける元起業家」のような姿です。
この地点では、社会復帰どころか、「自分を再び信じる」ことすら不可能に近くなります。
唯一の回復の糸口は、何もかもを手放して、自分の内側と向き合う勇気です。
でも、タイプ3にとって「外からの評価を捨てる」というのは、“全裸でステージに立つ”くらいの怖さがあるのです。
タイプ3が健全度を上げるために必要なこと
タイプ3にとって、「どうすれば健全度を上げられるのか?」という問いは、とてもタイプ3らしい問いかけです。
効率よく。手順通りに。役に立つ方法を――これまであなたを成功に導いてきた最大の武器だったはずです。
でも、だからこそ苦しいのです。
「方法」を探すことが、逆に健全度を下げる原因になることがある。
なぜなら、タイプ3の成長とは「何かをすること」ではなく、「何者でもない自分を受け入れること」だからです。
今のあなたがもし、
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なんとなく虚しい
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結果は出てるのに満たされない
-
他人と比べるのをやめられない
そんな状態にいるのなら、もう一度“やり方”ではなく、“あり方”に立ち戻ってみてください。成功者の仮面を被って生きることに慣れすぎると、たまに素顔になろうとしても、自分の顔がわからなくなることがあります。「この顔で大丈夫だろうか」「誰かに笑われないだろうか」と人目を意識する辞典性になります。
その仮面の下では、みんなから受け入れてもらいたかった…本当はもっと不器用で、でも誠実なあなたがいます。
意外と、大丈夫なのが、その顔を見せても、人はあなたから離れていきません。
もしも離れていくぐらいなら、その人たちがあなたの健全度を下げてきた原因なのかもしれません。
4.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ9に移行する
自分が、「周囲から認められていない」、「みんなからダメなやつと思われている」、と感じるとモチベーションが低下すると、無気力な状態になります。
- 人からダメなところを指摘されることを恐れ、当たり障りないキャラを演じる
- 普段テキパキとこなせる仕事も、ダラダラと行うようになる。注意が散漫になる
- 目的や目標を持つことを放棄して、抽象論に走り出す。(ワケの分らないことを述べる)
「成功なんて他人が決める尺度でしょ」と投げやりな態度になります。
タイプ3は、輝いている自分が大好きであり、ダメなところは人に見せまいとします。そして、バレないようにすればするほどぼろが出ます。負のスパイラルにハマりやすいです。
成長の方向-タイプ6
一方で、タイプ3が心身ともに安定しているときは、自分のことは二の次にして特定の誰かのためにコミットする忠実なキャラになります。
- 自分の目的よりも大きなものが育つことにエネルギーを注ぎたくなる
- コミュニケーションがシンプルになる。変な駆け引きがなくなる
- 誰かが幸せになるのなら、自分の能力を喜んで提供したいと思う
タイプ3のキーワードは、他人の評価に左右されず自分のことを認められる確固たる自信です。
承認欲求や自己肯定感が満たされることで、タイプ3は小さな枠から脱出できて、高次元な欲求に目を向けるようになります。
これまでに出世ばかり考えていた人が、目的が達成された瞬間に「この会社をよりよくしたい」と心底から思えている状態ですね。
5.サブタイプ(ウィング・生得本能)
ウィング
タイプ3は「成功を目指す人」。でも、どんな成功を目指すかは、ウィングによって大きく変わってきます。ひとつは“人に好かれる成功”を選ぶ3w2。もうひとつは“独自性で突き抜ける成功”を選ぶ3w4。
どちらも「成功者」ですが、方向性も魅力の出方もまるで違います。
タイプ3ウィング2:スター
3w2は、人当たりもよく、場の空気も読めて、なにより愛され上手。
「成果を出すこと」と「人に喜ばれること」が、自然にリンクしています。
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外見:明るくハキハキ、笑顔がうまい、第一印象◎
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行動:ガンガン前に出る。人を巻き込む。数字もとる
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思考:どう見られているか?どうすれば喜ばれるか?
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人間関係:誰とでも話す。チームプレーで輝く
とにかく「できる感」と「好印象」を同時に出すのが得意です。営業・広報・接客など、人の心を動かしてナンボの場面では無双します。
イベントを仕掛けたり、SNSでも「感じのいいセンス」を示し、愛嬌・影響力・努力――全部まとめて“人気者のプロデューサー”的な存在を目指すことで輝きを得ます。
タイプ3ウィング4:プロフェッショナル
一方の3w4は、内に静かな闘志を秘めた「プロフェッショナル」です。。
外から見るとちょっと無口だったり、人混みが苦手そうだったりしますが、芯には“自分だけの理想”をがっちり抱えています。
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外見:落ち着いている。センスがある。あまり喋らない
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行動:表には出にくいけど、実はストイック
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思考:もっと深く。もっと美しく。もっとオリジナルに
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人間関係:浅い付き合いは苦手。信頼が深まると魅力爆発
3w4は、“見られる自分”に価値を付加するのではなく、よりも“何かを創り出す”ことで価値を証明します。派手な自己演出は苦手でも、作品・仕事・思想――すべてに自分らしさを刻み込みたいと思っているのです。
センスの良さと洞察力に裏打ちされた言葉や表現は、「あの人、なんかすごい」と言われる不思議な吸引力を放ちます。
生得本能
タイプ8自己保存-仕事人間
とにかく働く。黙って成果を出す。
派手にアピールするよりも、確実な努力と安定した評価に価値を感じるタイプ3です。
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朝から晩まで予定ぎっしり。休むのが怖い
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成果を出す=安心して生きていける、という信念
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お金・安全第一。生活全体が“成長の土台”(健康は軽視)
口数は少なめですが、数字や実績を出し続けることで「成功している感」を積み重ねていくのが、このタイプです。専門家×専門職/現場たたき上げの社長などに多い傾向です。
ひよ子くん:え、趣味もストイックに成長しようとするの?
フクロウくん:趣味が副業になることも多いのじゃ。
タイプ3セクシャル:ビジュアル爆盛り
このタイプの3は、“私は魅力的”というブランディングを全力で仕上げます。
内面より外見、内容より印象。魅せてナンボ。
ルックス・雰囲気・色気・話し方――すべてに演出が入り、“勝てる自分”を作る達人です。
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常に他人の視線を意識している
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美容・服・トレンドに強く、SNS映えも得意
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恋愛でも仕事でも「魅力で勝つ」ことを狙う
恋愛では惚れさせにいく。仕事でも「選ばれる存在」でいたい美のアスリートです。
“演じる力”が極まりすぎて、自分が分からなくなることも…。
タイプ3ソーシャル-出世×肩書き至上主義
このタイプの3は、「社会的評価=自分の価値」だと考えます。
出世・肩書き・賞賛・フォロワー数――目に見える“成功の証”をどれだけ持てるかに命を懸けます。
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常に目標を設定し、それを他人に示す
-
人間関係もキャリアの一部。戦略的につながる
-
どんな組織にも、上に上がるための道を描いている
リーダー・管理職・インフルエンサーなど、「人に見られる場面」こそが燃える場所。
人前では感情を出さず、「プロの顔」を保ち続けるのが特徴です。
9つの性格タイプ一覧
サブタイプ一覧
性格タイプ決めませんか?
「頭ではわかっているのに、なぜかできない!!」
——そんな経験はありませんか? やったほうがいいことも、やめたいクセも、すべて理解している。けれど、なぜかブレーキがかかってしまう。行動に移せない自分に、もどかしさを感じたことはないでしょうか?
そのブレーキの正体こそが、“根源的な恐れ”です。エニアグラムは、ただの性格診断ではなく、あなたの行動や選択に影響を与えている「心の深層」に焦点を当てています。
もし、MBTIやストレングスファインダー、占い、コーチング…いろいろ試したけれど、「これだ」と言えるものに出会えていなければ、エニアグラムの出番かもしれません。
エニアグラムは、私たちの表面的な行動や態度ではなく、その背景にある恐れや欲求に焦点を当て、どの診断よりも深いところから「なぜそう感じ、そう動くのか」を読み解いていきます。
今回のエニアグラムセッションでは、5つのエニアグラム構造を使って、あなたという人を立体的に映し出します。
- 9つの性格:根源的な恐れと欲求、そして超自我のメッセージを明らかにする
- ウィング:エニアグラムをベースに、行動の癖や態度を意識化する
- 生得本能:他者との関係性やコミュニケーションのパターンを知る
- トライタイプ:タイプに合わせた資質や才能の活かし方を深める
- 健全度:各タイプの恐れに囚われたときの心の動きを可視化する
エニアグラムセッションでは、あなたの性格タイプ判定にコミットします。意識×無意識の双方から、自分の性格の“解像度”があげて、なぜ人生がうまくいかなかったのか、どんなときに自分がつまずくのかが、はっきり見えてきます。過去のパターンを意識化し、未来の選択肢を増やすために。あなたを動かす「怖れ」の正体を知ることで、人生は確実に変えられます。
タイポロジースクール
エニアグラム/16性格診断/ソシオニクスのオンライン会

エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスに分けて随時開催
タイプ論を中途半端に学んでいませんか?
診断を繰り返し、動画や投稿を見漁って、「これはゴミ情報かも…」と感じつつも、自分の中に、整っていない知識だけが溜まっていく。
そして、いざ人間関係や仕事で活かそうと思っても、どれもパッと使えない。言語化できない。結局、前と変わらない。そんな状態になっていませんか?
もし、エニアグラム・16性格診断・ソシオニクスを、ちゃんと全部“体得”できたとしたら?
✔ 自分の葛藤やクセを「構造」で理解できて
✔ 他人の反応や価値観の違いにも、冷静に対応できて
✔ 相手がどんなタイプであろうとも、無理なくつながれる
そんな自分になれることが想像できますか?
【タイポロジースクール】は、性格タイプを“現実で活かす力”に変える、唯一の学びの場です。遊びじゃなく、本気で学びたい人たちが質の高い議論をしています。
木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を始めたところ、そのまんまお仕事になった。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。
