エニアグラム-タイプ8:挑戦する人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ8「挑戦する者(リソ式)/強さ・力を求めて挑戦する者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ8についてみていきます。
1.タイプ8の特徴
<タイプ8の特徴(心の声)>
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正直に言おう。この世界は、綺麗ごとだけじゃ生き残れない。
仲良しごっこ?助け合い?悪くないが、結局は一人一人が自立できなきゃ意味がない。誰にも依存せず、自分の足で立て。それが信じているスタンスだ。 -
力を持っている者の責任として、弱い人は守るし、助ける。
だが一つ言わせてもらう。ぬるま湯に浸かったままでいいと思うな。
魚を与えるのも、釣り竿を渡すのもやる。だが最終的には、自分の力で海に出て、魚を獲ってこい。それが本当の自立だろ。 -
たしかに、世の中には複雑な事情がある。グレーな領域があるのも知ってる。
でも俺(私)は、曖昧なまま放置するのが何より気持ち悪い。
「どうするか」「どっちに立つか」、腹を決めようぜ。白黒つけないままじゃ、前に進めない。 -
この世は奪うか、奪われるか。
何もしなければ、誰かが奪っていく。それなら、奪う側に立つしかない。
誤解しないでくれ。力を持つのは、支配したいからじゃない。救いたいからだ。
本当に守りたいものがあるなら、自分が強くなるしかない。 -
若い頃、理不尽な上司や先輩にぶん殴りたくなるような仕打ちを受けた。
だから誓った。あんな連中と同じには絶対にならない。
下には強くなるチャンスを与える。押さえつけるんじゃなく、背中で導く。
守るべきものは、強さで守る。
日本では、しばしば「攻撃的」「怖い」「圧が強い」と誤解されることも多いタイプです。
ドナルド・トランプ、中日の星監督、ドラえもんのジャイアン……
名前を聞いただけで、「ああ、ああいうタイプね」と思われるかもしれません。
けれど、本当のタイプ8の本質は、もっと深く、もっと人間的です。
タイプ8は、正義感が強く、リーダーシップを発揮し、人々を引っ張る存在。
誰もが一歩引いてしまう局面でも、恐れずに踏み込む「胆力」があります。
その大胆さ、決断力、行動力――それらは、ただの強さではなく、信念から生まれる力です。
でも今、これを読んでいるあなたは、「自分はタイプ8みたいな強さなんてない」と思っているかもしれません。
もしくは、自分の中の“強い衝動”を封じ込めて生きてきた人かもしれない。
もしかすると、あなたの中に眠っているのは、「傷つけたくない」優しさと、「傷つきたくない」恐れを抱えた、本当のタイプ8かもしれません。
この記事では、そんなタイプ8の本質的な魅力や、力の使い方、そして何より「本当の強さ」とは何か?について掘り下げていきます。
あなたの中に確かにある「強さ」を思い出すきっかけになりますように。
それが、この記事のいちばんの願いです。
タイプ8の世界観
タイプ8の生き方は、たったひとつの恐れから始まります。
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恐れ:人に傷つけられ、支配され、この自由を奪われるのでは?
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欲求:誰にも脅かされたくない。自分を守りたい。強くなりたい。
-
信念(習慣):主導権を握れば、コントロールできれば、人生はうまくいくはず。
タイプ8が「力」や「主導権」を求めるのは、決して支配欲からではありません。
その裏には――深い恐れがあります。
タイプ8にとって「支配される」とは、いま、この瞬間の自由と快適さを剥ぎ取られること。
自分の意思を否定され、尊厳を踏みにじられるような感覚。
たとえば、ジャイアンが「今からリサイタルやるぞ!」と宣言した瞬間。
彼の心は、自由で、解放され、自己表現に満ちている。
だが、のび太やスネ夫が「やめてよ、迷惑だよ」と口を挟んだ瞬間、その自由は脅かされます。
だからこそ、ジャイアンは怒りという形で即座に反応するのです。
タイプ8は、怒りで反応するのではありません。
怒りを使って、「自由」を取り返しているのです。
黙っていたら奪われる、だから力で主張する。
それはまるで「ここに俺(私)はいるんだ!」という叫び。
存在を守るための戦いです。
この社会では、誰もがある程度の制限を受けて生きています。
他のタイプであれば「まぁ仕方ないよね」「我慢も必要だよね」と割り切れる場面でも、
タイプ8にはそれが耐えがたい屈辱に感じられるのです。
なぜなら、それはかつて経験した、どうしようもない無力感を思い出させるから。
タイプ8の多くは、幼いころに理不尽な力で押さえつけられた記憶を持っています。
あの時、自分はなにもできなかった。言い返す力もなかった。
その無力さに、心の奥でこう誓ったのです。
「二度と、誰にも支配されるもんか」
「もう、あんな気持ちは味わいたくない」
「強くなれば、守れる。自分も、誰かも」
そして――タイプ8は、「力」を武器に、生き抜くことを選んだのです。
それは、自分を守るための闘いであり、
時に、誰かを守るための闘いにもなっていきます。
タイプ8の幼少期:母親的存在に対して愛憎半ば
― 優しさを欲したあの日、強くなることを選んだ
タイプ8の深層心理にとって、母性的な存在は非常に重要なテーマです。
意外に思われるかもしれませんが、タイプ8の子どもは――
心の奥では、誰よりも優しさ・ぬくもり・無条件の愛を求めていました。
「ただ傍にいてほしい」
「自分の存在を丸ごと認めてほしい」
そんな、当たり前だけど言葉にできない気持ちを、胸の奥に秘めています。
ところが、タイプ8の多くは、それを得られなかった。
自分が欲しかった“愛”は、母親的存在(実母に限らず、誰かのぬくもり)が、父親的存在(強い支配者)へと向けていた。
そのときタイプ8は、本能的にこう感じるのです。
「自分は選ばれなかった」
「守ってもらえないなら、自分が守る側になるしかない」
タイプ8の深層心理にとって、重要なテーマは母親的存在です。
モデルキャラ:鬼滅の刃・不死川実弥
タイプ8のこの心理を、漫画『鬼滅の刃』の不死川実弥が鮮明に描き出しています。
彼は幼い頃、暴力的な父親の元で育ちました。
何度も母親が傷つけられ、弟や妹たちが怯えている中――
彼は決意します。
「もう誰にも手出しはさせねぇ」
「俺が、全部守る」
それは子どもが抱えるにはあまりに重すぎる覚悟でした。
だけど、実弥は自分の恐怖を押し殺し、怒りに変えて、戦う側にまわります。
大人になった彼は、暴力的で無愛想で、すぐに手が出る…まさに「強すぎる男」として描かれています。
しかし読者にはわかるのです。
そのすべての強さの裏に、優しさがあることを。
そして何より、
「誰かに優しくされたら、崩れてしまう自分がいる」ことを、
実弥自身が一番よく知っていることを。
ウソがつけない。それがタイプ8の“不器用な強さ”
他のタイプであれば、自分の弱さや寂しさをうまくごまかせるかもしれません。
でもタイプ8には、それができない。
「助けてほしい」と思っても、
その言葉を口にすること自体が“敗北”に感じてしまう。
だからこそ彼らは、「強くなること」しか選べないのです。
ウソをついたら、自分じゃなくなる。
無理して笑ったら、誇りが傷つく。
その不器用なまでの誠実さこそが、タイプ8の真骨頂。
◆ 本当は…ケアされたい。守られたかった。
タイプ8の本音は、たったひとつ。
「本当は、誰かに守ってほしかった」
でもそれを認めた瞬間、
これまで築いてきた鎧が、バラバラと崩れ落ちてしまいそうで。
誰にも言えず、強がり続けてきた。
あなたがもし今、
「誰かに頼るなんてダサい」
「弱さは見せちゃいけない」
そう思っているなら、それは過去のあなたが、
「愛されたくて仕方なかった証拠」かもしれません。
― 有名人で読み解くタイプ8の深層心理
タイプ8は表面的に「強くて恐れを知らない人」と誤解されがちです。
でもその裏側には、守られなかった記憶と、愛されたいという切実な想いが眠っています。
ここでは5人の有名人を例に、タイプ8の心の奥に潜む「力と愛」のドラマを紐解いていきましょう。
① 不死川実弥(鬼滅の刃)
「誰も守ってくれなかった。だから俺が守る」
鬼滅の刃の柱・不死川実弥は、まさにタイプ8そのもの。
幼いころ、暴力的な父親に苦しめられた家庭環境の中で、母と弟たちを守るために“強くなる”ことを選びます。
でも本音は――
「誰かに守ってほしかった」。
「安心して眠れる家がほしかった」。
それが叶わなかったからこそ、
「俺がやるしかない」と決意し、力で支える人生を歩み始めたのです。
実弥の強さの奥には、誰よりも繊細で優しい心が隠されています。
② ジャイアン(ドラえもん)
「乱暴者じゃない。誰かに必要とされたいだけ」
表面的には横暴で、自分勝手なトラブルメーカー。
でも、彼の心をよく見るとこう叫んでいます。
「俺のこと、見てくれよ」
「俺にも歌わせてくれよ」
「俺を否定しないでくれよ」
暴れたり、奪ったりするのは、「自分が否定される恐怖」を隠す手段。
母親から怒鳴られ、友達には敬遠され、
それでも「強がる」ことでしか自分の居場所を作れなかったのです。
ジャイアンは、「力を持てば愛される」と信じている少年なのです。
③ ドナルド・トランプ
「成功すれば、愛されると信じた男」
アメリカ元大統領・トランプ氏も、典型的なタイプ8。
強気で自己主張が激しく、攻撃的な言動が目立ちますが、彼の人生をたどると、幼少期に父親からの愛情不足があったことが明かされています。
「父は愛していたかもしれない。でも、それを見せなかった」
その寂しさは、やがて「絶対に成功して見返してやる」という動機に転換されます。
支配することで、成功することで、誰からも否定されない自分になろうとしたのです。
彼の攻撃性の裏には、「愛されなかった少年」のまなざしがずっと残っています。
④ スティーブ・ジョブズ
「世界を変えたかったのは、存在を認めてほしかったから」
Apple創業者スティーブ・ジョブズもまた、タイプ8の資質を持つ人物です。
彼は幼少期、実の親に捨てられ、養子に出されたという経験を持ちます。
この「捨てられた」という記憶は、
彼に「世界で一番すごいものを作って、誰にも否定されない存在になってやる」という強烈な野心を生み出します。
完璧主義、カリスマ性、独裁的なリーダーシップ。
それらは全て、愛を手に入れるための“武装”だったのかもしれません。
⑤ あなた自身
「もう、誰にも傷つけられたくなかっただけ」
もし、あなたの中にも…
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自分の強さを証明しないと不安になる
-
力を持たないと愛されない気がする
-
頼るくらいなら、誰かを守っていたい
そんな気持ちがあるなら、あなたの中にもタイプ8の魂が眠っています。
あなたは「強くなりたかった」のではありません。
「愛されたかった」から、強くなったのです。
タイプ8:2つのパターンを紹介
― あなたの中の「強さ」は、眠っているだけかもしれない
タイプ8にとって、
「自分は強いのか? 弱いのか?」
「この自信は本物か? それとも虚勢か?」
このテーマは人生の根幹に関わります。
◆ ヒーローとして生きるタイプ8
器があり、度量が広く、我慢強くて、人の痛みにも強く共感できる――
そんなタイプ8は、時に他者のために立ち上がれるヒーロー的存在になります。
強さとは暴力ではなく、信念を貫き通す力。
自分の理想に向かいながらも、誰かのために危険を引き受け、
大きなスケールで社会に、歴史に、自分の足跡を残す人。
本当の強さは、自分の人生を通して、誰かの支えになることを選べる強さなのです。
◆ 我が強いだけのタイプ8
一方で――
「自分を守る」ことばかりに必死になると、タイプ8は殻に閉じこもり、攻撃性だけが残った“孤立した戦士”になります。
本当は優しくされたい。認められたい。でも、その気持ちを見せた瞬間に負ける気がして、心を閉ざしてしまう。
「力が正義だ」という信念はあるけれど、その“力”を持てなかった自分に絶望して、やがて弱い者を見下したり、攻撃するような振る舞いをしてしまう。
力を持たないタイプ8ほど、心の中で苦しんでいるのです。
【余談】「弱いタイプ8」は、意外と多い
2020年からエニアグラムを仕事にしてきた中で、
自分をタイプ8と認められないタイプ8の人に、何度も出会いました。
一方で、「あ、これは絶対タイプ8」と即答できる人も確かにいます。
ですが多くの場合――特に、社会に出たばかりの若者たちは、本来の強さを発揮できず、自分に対して自信を失っています。
何があったのかは人それぞれですが、会社や人間関係の中で打ちのめされ、本来のエネルギーがうまく表に出せなくなっている人も多いのです。
◆ タイプ8は、「弱さ」が一番の敵
タイプ8は、何よりも「自分が弱い存在であること」を受け入れるのが苦手です。
だからこそ、力を失った状態では、自分自身を見失い、別のタイプを名乗ることもあるのです。
それは、自分を守るためです。
「このままの自分では、負けてしまう」と無意識に思ってしまうから。
◆ 弱さと向き合ったタイプ8は、無敵になる
自信がないときは、「今の自分は弱い」と認めてもいいのです。
タイプ8は、不思議なことに――
弱さを見つめれば見つめるほど、本当の強さが目を覚まします。
「強くあろうとすること」は、
本当は「愛されたかった」気持ちの裏返し。
その気持ちを否定せず、優しさを隠さず、今この瞬間の自分を許すことができたとき、
タイプ8は、“誰もが安心して頼れるリーダー”へと進化します。
タンポポだって、強い。
風が吹いたら、飛ばされるかもしれない。
でも、地中には深く根を張っている。
押されても、倒れても、また顔を上げる。
そのたびに、少しずつ逞しくなる。
タイプ8のあなたも、そんなふうに咲いていけばいい。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間の使い方
- 時間は、自分がコントロールするものである!他人に委ねない
- 決断は最速。余計なことは考えない。意思は決まっている。
- 過去や未来に関心がない。いま、この瞬間に集中
タイプ8にとって、時間は「ただのリソース」ではありません。
それは、自分の意志と尊厳を表す領土のようなものです。
スケジュールは、自分の人生の地図。
そこに他人が勝手に書き込んでくるなんて、想像しただけでソワソワする。
たとえば、誰かにこんなふうに言われたとしましょう。
「今日の打ち合わせは15:00スタートなので、必ず5分前に●●の近くに来てくださいね」
はい、表面上はニコっとして「了解です」と返します。
でもその裏では、腹の底でつぶやいているのです。
「要点だけ言えばいい。何分前に来いだの、場所まで指定するな。
それは、俺(私)が決める。」
単なるワガママではありません。
タイプ8にとって、「今、この時間にどこで、何をするか」は、自分が主導権を握っている証拠。
逆に言えば、それを人に委ねた瞬間に、自分の存在が小さくなるような気がしてしまうのです。
だから、自分の時間だけでなく、他人の時間すらも動かしたくなる。
「じゃあ明日13時、ここ集合で」
「10分前行動な」
と自然に口にしてしまうのは、自分が状況を握っている安心感を得たいから。
ただし、ここに少し落とし穴があります。
まだ自信を持ちきれない“タイプ8予備軍”の中には、
- そんなふうに他人を仕切ったら嫌われるんじゃないか…
- 自分なんかが主導権を握れるはずがない
とブレーキをかけてしまう人もいるのです。そんな彼らはしばしば、自分を他のタイプと認識しがちです。
タイプ5:知識を武器にしようとする(5的防衛)
タイプ4:感情を奥に秘めて、自分だけの世界に籠もる(4的戦略)
一見、静かで繊細そうに見えるこの姿も、よく見れば「自分の世界を守るためのタイプ8的防衛戦略」であることが多いのです。
なぜなら、タイプ8は…「今この瞬間の主導権」を明け渡すくらいなら、自分で引きこもることを選ぶからです。
誰かの予定に振り回されて、心をすり減らすくらいなら、「ひとりでいた方がマシだ」と考えてしまうのです。
でも本当は――人の時間を動かすくらいのリーダーシップを求め、自分の時間を守る強さすら必要としています。
だからこそ、タイプ8が本来の強さを発揮するためには、
「人に決められた予定にただ従うのではなく、自分の時間を選ぶこと」が重要です。
そして、少しずつでいいから、人の時間も動かしていく感覚を思い出していくこと。
時間を制する者は、人生を制する――
タイプ8にとって、それは単なるスローガンじゃありません。
自分の価値を証明する、最初の戦い方なのです。
人間関係
- 支配に飢えた孤独なネット将軍
- 仕切りたい、でも不器用。だけど諦めない
- 導き、守り、背中で語る静かなリーダー
タイプ8は、生まれながらにして「仕切りたい人」です。
これは演技でもポーズでもなく、本能に近い衝動です。
誰も指示を出さないなら、自分が出す。
全体がまとまらないなら、自分が中心に立って動かす。
目的が見えなければ、自分が決める。
なぜそこまでして仕切るのか?
――そのほうが早いからです。
自分のペース、自分の判断、自分の責任。
それがもっとも信頼できるし、精神的にも安定するから。
でも、タイプ8のこの「仕切りたい衝動」は、その人の成長段階によって、まったく別の形に現れます。
不健全な8:支配に飢えた孤独なネット将軍
本来持っている「支配したい」「動かしたい」という性質が、
現実で発揮できなかったとき――タイプ8は暴走するか、引きこもるかのどちらかに向かいます。
- 周囲に信頼されない
- 力がない自分に絶望している
- 上から押さえつけられている
- 居場所がないと感じている
こうした状態のタイプ8は、“外の世界では強くいられない”という現実に打ちのめされ、その痛みから逃れるために、知識や理屈、匿名性の裏に身を潜めます。
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タイプ5<調べる人>のように知識武装を始める
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他者と距離を取り、SNSや掲示板の中でだけ攻撃的になる
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自分より弱い者をネット上でこき下ろす
まさに、“ネット弁慶”や“孤高の評論家”のような姿です。
それでも心の奥には、「本当は自分も動かしたい」「本当は認められたい」という想いで、もがき続けた時期もありましたが、
通常の8:仕切りたい、でも不器用。だけど諦めない
通常のタイプ8は、すでに自分の「仕切りたい」性質をある程度自覚しています。
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会議ではすぐに仕切ろうとする
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グループではリーダーポジションを狙う
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自分の意見を通すことで安心する
その一方で、人との衝突を繰り返しやすく、誤解されやすいのもこの段階です。
「ただ思ったことを言ってるだけなのに、怒ってるって言われた」
「責任を引き受けてるのに、支配的って言われた」
でもタイプ8本人は知っているのです。
「自分がいないと回らない」場面を、実際に何度も体験してきたことを。
この段階のタイプ8はまだ、“守る力”よりも“制する力”が前面に出がちですが、その奥には、すでに「育てたい・支えたい」という気持ちの芽が育ち始めています。
健全な8:導き、守り、背中で語る静かなリーダー
健全なタイプ8は、「支配欲」ではなく「保護欲」から人を動かします。
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相手の力を信じて任せる
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必要な時だけ口を出し、あとは見守る
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誰かがピンチのときは、自分のことのように動く
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自分の影響力を誇示せず、静かにリードする
この段階になると、タイプ8は「仕切ること」そのものよりも、
「誰かが強くなる瞬間を見届けること」に喜びを感じるようになります。
「あの子、前よりも堂々としてきたな」
「もう、あいつなら任せても大丈夫だな」
――そのとき、タイプ8の中にふわっと灯るあたたかさ。
それは、過去に守られなかった自分を癒すプロセスでもあるのです。
ジャイアンが、のび太やスネ夫を「オレのものだ」と言いながら、
誰よりも彼らのピンチに駆けつけるように――
成熟したタイプ8は、自分が手に入れた“力”を、今度は人のために使い始めます。
タイプ8の本能である「仕切りたい」は、決して悪ではありません。
むしろその衝動は、周囲に秩序をもたらし、混乱を鎮め、弱い人々に安心を与えるものです。
問題は、その力を「誰のために使うか」。
そして、「その場に愛があるかどうか」。
恋愛
- 自分の気持ちや感情はハッキリ伝える。相手にも反応を求める
- 男性だとパワフルで強そう。女性だとクール&ビューティーになる
- 一方で、完全に論破されたり、泣き落としされると困惑してしまう
タイプ8にとって、恋愛は“戦い”であり、“狩り”であり、そして何より主導権を握りたい場面です。
自分の気持ちに気づいた瞬間、迷わず突き進めるのがタイプ8。
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「この人、いいな」と思えば即アプローチ。
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相手の様子を伺ってる暇があるなら、自分の気持ちを先にぶつける。
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やるか、やらないか。白か黒か。そこに曖昧は要らない。
恋愛においても、タイプ8は“感じた今”を逃したくない刹那主義者であり、「言わなきゃ始まらない」「動かなきゃ後悔する」と思ったら即行動できるタイプです。
駆け引きよりも、感情表現でぶつかれます。
その分、態度にも言動にも“好き”がにじみ出るので、気持ちを隠すのは正直、苦手かもしれません。
言葉は少なめでも、目やテンション、仕草にぜんぶ出ています。
外から見ると、タイプ8の恋愛は「肉食系」ど真ん中に見えるかもしれません。
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男性ならパワフルで頼りがいがあり、リードしてくれる存在。
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女性ならクール&ビューティー。媚びず、ぶれず、自立した魅力を放つ。
どちらも、自分の魅力を堂々と表現できるタイプです。
そんなとき、タイプ8は意外にも不器用です。
「え…泣く? それはズルくないか?」
「いや、正論なんだけど…何か納得できない…」
頭じゃわかっても、感情の裏側を読み取って立ち回るのは苦手だったりするのです。
言ってくれたら助けるのに、言わないまま拗ねられるのが一番困る。
でもここで注目したいのは、タイプ8の恋愛が、単なる「自分が主導権を取りたいだけ」ではないという点です。
タイプ8は、愛する相手に対しても“強くあってほしい”と願います。
相手を支配するためではなく、一緒に立ち上がれる人でいてほしいと願っているのです。
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「泣いてるばかりじゃダメだろ」
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「そんな奴に負けんなよ」
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「お前なら、できるって思ってるんだよ」
それは、時にキツく聞こえるかもしれません。
でもそこには、心からの信頼と応援の感情が詰まっているのです。
ただし、健全度が下がったタイプ8の場合――
「愛する」ことが「支配する」ことにすり替わってしまうことも。
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相手の行動を全部管理したくなったり
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連絡の頻度、言動、外出先まで把握したくなったり
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思い通りに動かないと、急に不機嫌になったり
それは、自信のなさが関係しています。
「裏切られたくない」「見捨てられたくない」「支配できなければ壊される」
――そんな不安を、強さで覆い隠しているだけなのです。
恋愛においても、タイプ8の成長は「相手を信頼できるかどうか」に表れます。
自分の本音をさらけ出せるか。
相手の弱さも受け入れられるか。
そして、支配せずに“信じて見守る”ことができるか。
それができたとき、タイプ8は**圧倒的な安心感と頼もしさを持つ“真のパートナー”**になります。
好きになると真っすぐ。
言葉より行動。
守ると決めたら、とことん守る。
でも、本当は愛されたいし、傷つくのも怖い。
そんなギャップこそ、タイプ8の恋愛の魅力なのかもしれません。
仕事・働き方
- 組織ではリーダーポジションに就く
- それが無理なら独立したポジションを作る
- 自分のテリトリーは必ず守り抜く
タイプ8にとって、仕事は「戦場」であり「自分の力を証明する舞台」です。
ただ言われたことをこなすだけでは、どこか物足りない。
「自分の力で、チームや現場を動かしたい」――
そんな親分気質が、静かに、でも確かに燃えています。
タイプ8は、どんな組織にいても、最終的にはリーダーポジションを狙います。
誰かに指示されて動くより、自分が仕切るほうが性に合っている。
そして、もしその組織で上に立つことができないと判断したとき――
今度は、自分の領域(テリトリー)を確保しにかかるのです。
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自分にだけ任されるプロジェクト
-
独立性の高い部署
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一匹狼でも結果を出せるポジション
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フリーランス・起業など、完全に自分がボスの環境
いずれにせよ、「自分の意志でコントロールできる場所」を確保しないと、ストレスが溜まってしまいます。
そして、タイプ8にはもう一つの欲求があります。
それが――**「自分のチームを持ちたい」**という欲求です。
たとえば、こんな言い方をしているかもしれません。
「うちの部、じゃなくて、オレの部なんだけどさ」
「あいつ、うちの子なんだけどさ〜」
それ、完全に“所有欲”です(笑)。
でもこれ、実は愛情表現なんです。
確かに、これを表に出しすぎると、「圧が強い」「支配的」「怖い」と、部下や同僚から距離を取られることもあります。
でも、それでもタイプ8はやめない。
なぜなら――
「自分の庇護下にいる人たちは、絶対に守り抜く」という信念があるからです。
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指示だけ出すのではなく、誰よりも動く
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怒鳴るときもあるけど、誰よりも気にかけている
-
厳しくするけど、絶対に見捨てない
これは、タイプ8の中にある「家族観」がそのまま仕事に投影されているのかもしれません。
もちろん、人間関係の不器用さが災いして、
チームとぶつかることもあります。
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本音をぶつけすぎて空気が凍る
-
意見が割れて収拾がつかない
-
「独裁的だ」と誤解される
…そして、火に油を注いでしまったり、
場合によっては自らが火種になってしまうことも。
タイプ8が仕事で最も成長できるのは、
他人の“弱さ”を、温かく受け入れられたとき。
-
頼られたいだけじゃなく、任せる勇気を持てたとき
-
短所や失敗に対して「許す」という態度を持てたとき
-
自分がすべて動かなくても「信じて見守る」を選べたとき
そのとき、タイプ8の働き方は「支配」から「信頼」へと進化します。
「強くなければ生きていけない。
優しくなければ、生きる資格はない。」
― マーク・トウェイン(レイモンド・チャンドラー説もあり)
タイプ8という人種は、まさにこの言葉を体現できる存在です。
強さと優しさを両立できたとき、
タイプ8は、誰よりも深く人を導き、育て、動かせる“本物のリーダー”になるのです。
タイプ8は、派手さよりも“手ごたえ”を求める人です。
注目を浴びるかどうかよりも、
「自分がこの現場を動かしているか?」
「自分の仕事が社会を支えているか?」
そういったリアルな感覚=手応えを重視します。
だからこそ、タイプ8がしっくりくる職業にはこんな特徴があります。
1. 現場を動かす仕事
-
建設・物流・製造・インフラ・整備など
-
医療や福祉の現場(特に管理・統括側)
-
飲食や接客の現場でのマネジメント
これらはすべて、「人とモノと結果を動かす」という共通点があります。
デスクに座って細かい書類ばかり見るよりも、
現場で指示を飛ばし、汗をかきながら状況をさばくことにこそ、
タイプ8は「自分が生きている感覚」を持つのです。
◆ 2. 組織を統率する役職
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営業マネージャー、部門リーダー
-
プロジェクトリーダー、チームビルダー
-
組織開発、人材育成、教育管理職
部下の面倒を見るのが得意なタイプ8にとって、
「人を動かし、育て、チームをまとめる役割」は天職です。
口は悪くても、ちゃんと“裏切らない上司”になれるのがタイプ8。
実際、部下からの信頼を密かに集めていたりします。
◆ 3. 独立性と主導権がある仕事
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経営者、個人事業主
-
フリーランス(職人・技術者・講師など)
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コンサルタント・アドバイザー業
もし会社組織で埋もれてしまい、自由がなさすぎると、
タイプ8は「じゃあ自分でやるよ」と独立を選ぶことも。
このとき彼らは、他のタイプよりも圧倒的に行動が早い。
そして、独立後の“責任を背負う感覚”にむしろ燃えるタイプです。
◆ 4. 社会の土台を支える仕事
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公務員(消防・警察・インフラ整備など)
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社会保険労務士・司法書士・行政書士
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地方創生・福祉・教育現場などの中核職
「社会を支えてる」という実感。
「人の生活の安全や安心を守っている」という手応え。
そういった“実のある仕事”に強い使命感を抱くのもタイプ8の特徴。
表舞台でスポットライトを浴びるよりも、
土台として動かす側に立つ方が、むしろ誇りに感じられるのです。
よく、「タイプ8って独立向きですか?それとも組織向きですか?」と聞かれますが、
正確には――**「上昇志向が通る環境なら、どちらでもOK」**です。
-
組織の中で昇進・昇格・発言権を得られるなら、残って結果を出す
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それができないと判断したら、独立して自分の道を突き進む
重要なのは「主導権」です。
自分の意志で動ける場所、自分の判断が活かされる環境であれば、
組織にいても、独立しても、どちらでも強く働けます。
タイプ8は、上下関係を重んじます。
でもそれは、単なる権力欲ではありません。
-
自分が上なら、責任を持って守る
-
相手が上なら、信頼してついていく(ただし理不尽なら即NO)
これは、「組織は秩序で回るもの」というリアルな感覚の表れです。
口癖のように「オレの部」「うちのメンバー」と言ってしまうのも、
そこに責任と信念と、覚悟があるからこそ。
「だったらオレがまとめるわ」
「オレが責任とるから、ついてこい」
それが、タイプ8の美学です。
お金の使い方
- 人に対してお金を使う
- お金=力、お金大好き
- でも、お金に魂を売り渡したくない
――それは、力=自由=責任の象徴。
タイプ8にとって、お金は単なる生活手段ではありません。
それは、“自分の人生を誰にも支配させないための武器”です。
だから、タイプ8はお金に対して本能的な嗅覚を持っています。
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稼げるところには即動く
-
自由を奪われそうなら、すぐにお金で回避する
-
お金のためなら、多少の理不尽も耐え抜く覚悟がある
タイプ8にとって、お金は、依存せずに生きるための“力の源”であり、誰にも指図されない“主導権”を握るためのツールです。
たとえば、こんな選択をします。
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ブラック営業の組織でも、稼げるなら数年耐える
-
稼いだお金で、すぐに起業・独立に動く
-
自分で決められる人生を築くために投資も惜しまない
このあたり、タイプ3のような「人からよく見られたい」という見栄のための使い方とは明確に違います。
派手なステータスより、「これは自分の武器になるか?」を重視します。
他にも…
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困ってる後輩にぽんと渡す
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チームメンバーのためにご飯を奢る
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自分が面倒を見る相手の生活を支える
これはまさに、「オレの部」「オレの人間」への責任感の表れて、お金という形で、庇護者としての役割を果たすのです。
お金=力であるがゆえに、タイプ8がお金に過剰に執着すると、次のような“崩れ方”をします。
1. お金で人をコントロールしようとする
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「これ出してやったんだから、言うこと聞け」
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「金を出せば人は動く」と信じすぎてしまう
→ 結果、人間関係がギクシャクし、本当に守りたかった人を失うことがあります。
2. 成功プレッシャーで潰れる
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「稼ぎ続けなきゃ価値がない」と思い込み、無理を重ねる
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心身の限界を超えて働き、突然燃え尽きる
→ 力=お金だと信じすぎるあまり、自分をも支配してしまうのです。
3. 感情を無視し、感覚麻痺に
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お金を稼いでいることで“満たされた気”になり、
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実は心はすり減っているのに、それに気づかない
→ ある日突然、「こんなに稼いだのに、なんで孤独なんだ?」と、空虚さに襲われることも。
◆ 道を誤ると、“強欲と孤独”のループにハマる
成功したビジネスパーソンの中には、
「お金は手に入れたけど、家族や仲間を失った」というタイプ8も少なくありません。
誰よりも“人を守りたい”という気持ちがあったはずなのに、
“手段だったはずのお金”に人生を明け渡してしまうと、目的と手段が逆転するのです。
◆ まとめ:タイプ8のお金は「武器」であり「責任」である
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お金を持つことで、誰にも支配されずに生きられる
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お金を使うことで、誰かを守ることができる
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だが、お金に魂を売ると、自分を失う
本当にタイプ8が欲しいのは、「お金」そのものではなく、影響力と自由、そして誇り。
見せびらかすためでも、優越感のためでもなく、
“信じた世界を守るための力”として、お金を扱っているのです。
3.なぜタイプ8は「挑戦する人」なのか?
さて、なぜタイプ8は、自己主張が強いのか?その理由については、エニアグラムの基礎理論を抑えるとすぐにわかります。
ここからはエニアグラムの基礎理論を用いて、タイプ8の内面について解説をしていきます。
センター:3x3の法則-本能、感情、思考センター
エニアグラムの理論では、ガッツセンター、ハートセンター、ヘッドセンターというものがあります。各タイプには、好む感覚があります。
表を作りました。
センター | テーマ |
---|---|
■ガッツ(本能) タイプ8,9、1 |
現在の状態を維持するため、外部の圧力に抵抗をする【怒りの感覚】 |
■ハート(感情) タイプ2、3、4 |
他者からの関心を求めて、自分のイメージを操作する【恥の感覚】 |
■ヘッド(思考) タイプ5、6、7 |
未来に対して恐怖を感じ、先見することで対処する【不安の感覚】 |
タイプ8は、エニアグラムにおける「ガッツセンター」に属しています。
ガッツセンターに分類されるタイプ(8・9・1)は、「怒り」という感覚をもっとも“外に出す”タイプです。
でも、この「怒り」はただの八つ当たりでも、攻撃性でもありません。行動のエネルギーです。
タイプ8:本能:メイン、思考:サブ、感情:盲点
タイプ8は、本能センターの怒りの感覚を使いながら、隣の思考センターにもアクセスしています。一方で、感情センターとは、正反対の位置にあるため、今この瞬間に感じた感覚を怒りと思考で処理をしています。一方で、感情センターからは離れているため、他人の心の動きに対しては敏感ではありません。
他人から自分がどう思われているかよりも、自分がどう感じているかのほうが重要なのです。
4.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ5に後退する
タイプ8がタイプ5に後退すると、戦う意志がそがれて自分の殻に籠ります。
- 凄く静かになり、情報収集に徹するが、頭は働いていない
- 基本、行動しない。人を馬鹿にする・見下す
- 突然、冷淡になる。自分より強い人たちを批判し始める。
タイプ8がストレスを受けると、行動性が一気になくなり、表情が減り、会話も必要最小限になり、独りで考えている時間が長くなります。
健全度が下がった状態では、独りで情報を集めていますが、頭の中で物事をこねくり回しても、浅く雑な情報が増えるだけで、何一つ生み出せないでしょう。
SNSや匿名のネット弁慶によくある傾向です。自分の意見を積極的に投稿することもありますが、それは一方通行です。
誰ともぶつからずに済む安全な場所で、自分が他者を制圧している気分を感じたいのでしょう。
加えて、自分より影響力を持つ人や、活躍している人たちに対しては、「中身がない」「偽物」「どうせ長くは続かない」などと批判的な発言をこそしますが、その状態は弱い犬程よく吠える…とった状態でしょう。
健全度4|責任を背負いすぎ、内にこもり始める
表面上はリーダーとして振る舞い、使命感にあふれているように見える。
しかし、内面では「誰にも頼れない」「自分が守らなければ」という重圧が限界に近づいており、徐々に孤独感が増していく。
ここが分裂の始まり。
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全てを自分で背負おうとする
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他人の力や感情を信用しなくなる
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支配よりも孤立を選び始める
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感情を表に出さず、沈黙が増える
健全度5|怒りが引きこもりに変わる
従来の行動力がしぼみ、「とりあえず調べる」「まず考える」という態度に変化する。
身体感覚が鈍くなり、意見は持つが行動には出ない。
他人の意見には否定的で、自分の正しさだけを信じるようになる。
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情報を集めるが、活用しない
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会話や対話が減り、観察者の立場を取る
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実行よりも評価や分析に偏る
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他者の未熟さを見下しがち
健全度6|反応よりも防御を優先する
衝突を避け、怒りも感情も引っ込めて静観に徹する。
信頼や愛着のある人間関係すら遮断し、自分のテリトリーを狭める。
誰にも踏み込まれないことで、自分の脆さを守ろうとする。
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他人の言動を信じなくなる
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先回りして人との距離を取る
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仲間の裏切りを想定し、防御的に振る舞う
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親しみやすさが消え、冷淡な印象を与える
健全度7|閉じこもる!陰で攻撃をする
リアルな対人関係は避け、匿名空間などで自分の持論を発信するようになる。
見下すような投稿や批判的な言説を繰り返すが、議論は拒否。
内心は、自分が無力化していることを認めたくない状態。
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実生活の変化がないまま、意見だけが鋭くなる
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自分の行動力の低下を他人の愚かさにすり替える
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“行動しない知者”という虚像を守る
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SNSでは強気だが、現実では沈黙
健全度8|社会的な関与を断ち、知的優位性に逃げ込む
何かを動かすことよりも、動いている他人を批評することが目的になる。
「くだらない」「中身がない」「レベルが低い」などと判断し、自己保身的な高みから世の中を見下す。
行動しない理由が、理屈で完全に正当化されている。
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動いている人間を否定することで自己正当化
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リアルでの活動や責任は一切引き受けない
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自分は“違う場所”にいるという意識で孤立
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行動している人を“安っぽい”と感じる
健全度9|すべてのエネルギーが失われる
思考も停止し、身体感覚も麻痺する。
何かを考えているようで、実際には同じことを何度も繰り返しているだけ。
誰とも関わらず、ただ時間だけが過ぎていく。
「何もしたくない」「誰にも会いたくない」という状態が定着する。
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生活の目的や意味がわからなくなる
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感情・欲求・怒りすら起きない
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他人への関心も消え、完全に閉じこもる
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行動しないことにすら、無関心
タイプ5にとって、引きこもりながら情報収集している状態は心地よいかもしれませんが、この状態はタイプ8にとって地獄そのものです。タイプ8は、行動をしていないと頭が働きませんし、引きこもることによりガッツセンターの身体感覚が失われます。
安定・統合時:タイプ2へ移行する
タイプ8が成長の方向に進むと、タイプ2のように愛情深くなります。感情センターと接触をするため、困っている人たちを救おうとするのです。
- フレンドリーで愛情深くなる…お茶目で
- 身を挺して、弱きものを守ろうとする
- 自身の内面を相手にさらけ出すことができる(人と感情を共有できる)
タイプ8が統合に向かうとき、かつて“奪われる側には絶対にならない”と構えていた姿勢に、少しずつ変化が起こります。
奪われるどころか、こちらから力を与えにいく姿勢です。
かつてのタイプ8にとって最も避けたい構図だったはずです。
でも今は、相手に主導権を握られる不安よりも、誰かと何かを成し遂げる感覚のほうが勝っている。
そうなったとき、タイプ8の力はまったく異なるかたちで発揮され始めます。
健全なタイプ8は、権力や支配ではなく、自分が立つ場所と他者の立つ場所を共に守ることに関心を持ちます。
- 「上に立つ」ことはあっても、見下さない。
- 「決断する」ことはあっても、押しつけない。
- 「責任を持つ」ことはあっても、他者を責めない。
自分の中の怒りや恐れを自覚して、それに振り回されるのではなく、選んで行動することができるようになります。
そして、力を貸すということは、人を育てるということにもつながっていきます。
自分一人で戦うのではなく、共に立ち、共に動き、相手の成長を見守りながら、自分もまた変化していく。
育てる、支える、信頼する。
それはタイプ2のような“愛しさ”ではなく、
現場を通じて得た確かな判断と経験が導く、責任ある投資行動です。
力を抜くのではありません。
力を預けるのです。
そして、相手の中に眠っていた力が芽を出したとき、
「この役割を任せてよかった」と納得できる器を、持っています。
かつてのタイプ8は、相手に歩み寄ることを「自分が飲み込まれる恐れ」として感じていたかもしれません。
でも統合に向かう8は、「相手に弱さを見せても奪われない!」ということを体感的に理解できるようになり、全身から警戒心が解け、リラックスした状態でいることができます。
たとえば、映画のジャイアンのように、仲間の弱さを否定せず、静かに背中を預けさせる姿勢は、健全なタイプ8の一例でしょう。
成熟したタイプ8は、今も昔も、強いです。
でも、健全状態のタイプ8の本質は「奪われないための強さ」ではなく「身をゆだねても崩れない強さ」へと変化していきます。
誰かを恐れず、自分を手放さず、関わることをリスクではなく選択として引き受ける。
それが、統合に向かうタイプ8の、最も深い強さです。
5.サブタイプ(ウィング・生得本能)
ウィング
タイプ8は、自身の強さを誇示して果敢と戦う挑戦者だと思うかもしれません。そんなタイプ8ですが、ウィングによってだいぶ違ったりします。
タイプ8ウィング7:独立した人
8w7は、見た目も中身も「動の塊」です。勢いでぶつかり、大胆な決断を下しながら、前に進みます。誰よりも速く動き、誰よりも派手に結果を出そうとします。
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外見:目ヂカラ・声量・動きすべてが「自分ここにいる!」
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行動:ノープランでも飛び込む。トラブルも面白がる
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思考:常に先手。「退屈」が最大の敵
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人間関係:仲間を巻き込む。ついて来れないなら置いていく
まさに“突破力”。ビジネスならフロントに立って勝負を仕掛け、プライベートでもイベントやコミュニティの中心に立つことが多いでしょう。
身体を動かせば動かすほど、アイデアが出て、会えば会うほど、エネルギーが湧いてきます。
「あの人、常に何か仕掛けてるよね」そんな印象を与えるのが、この8w7です。
タイプ8ウィング9:クマさん
一方の8w9は、同じくタイプ8でも、空気の密度がまったく違います。
表に立ってはいるけれど、騒がしくありません。無口なのに存在感があり、「この人には逆らえない」という空気をまとっています。
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外見:でかい。ゆっくり。無表情。でも見てる
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行動:一撃で決める。口数は少なく、決断は重い
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思考:頭の中は冷静。「急ぐな、考えろ、待て」
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人間関係:まず受け止める。だが本気で怒ると誰も止められない
感覚としては“仁王像”や“道場の師範”…静かに構えていて、誰よりも他人の動きを鋭くとらえます。口は出さなくても、背中で伝えるタイプです。
「あの人が言うなら間違いない」そんな信頼を無言で獲得していくのが8w9です。
普段は柔らかい物腰でも、守るべき人や信念が脅かされた瞬間――
雷のように動き、一撃で戦局を変える重さを持っています。
因みに、クマさんは外では暴れまくって、自宅では静かなこともあるようです。
生得本能
タイプ8自己保存-力を蓄える人
タイプ8自己保存は、自分の強さを周囲に示しません。独りの時間を大切にして、勉強、筋トレ、健康、仕事などに時間を注ぎ、この世界で生存することに重点を置きます。この世界は危険だとみなす傾向があり、いつ危険に巻き込まれても、戦えるように準備をしています。
タイプ8の中では最も内向的なタイプです。
大企業のトップになるよりも、自身で独立・起業を果たし、一国一城の主になるタイプでしょう。
いざとなったら一人でも戦えることが、タイプ8自己保存にとって重要です。
おそらく、いちばん最強なタイプ8なのかと。闇金ウシジマくんがこのタイプですね。
タイプ8:所有と支配
タイプ8セクシャルのテーマは、所有と克服です。相手を自分に従わせたい欲求が強く出ます。一方で、自分に完全服従するような人に対しても攻撃をします。
セクシャル-人のものは俺のもの!俺のものは・・?のマンガのキャラですね。
自分に対してガツンと向かってくる手応えのある人を求めます。誰に対しても対等か従属の関係を求めます。
決して下につくことは好まず、自分の意志を体現するために毅然とした態度が印象的です。
そのパワフルなスタイルとストレートな口調は、自然と多くの人をひきつけるでしょう。
自分についてくるパートナーがいないと健全度が下がります。
タイプ8ソーシャル-ボス&リーダー
タイプ8ソーシャルは、組織の中で出世をして、ボスやリーダーを目指す傾向があります。
上下関係は凄く大切にします。役職が上の人に対しては、逆らわず命令には従います。組織のルールと個人の感情は完全に切り分けています。
そして・・・自分が今の組織でトップになってやる・・・と内側で野心を滾らせています。
大企業で出世したいタイプと考えるとわかりやすいでしょう。
いざトップになれば、自分の庇護にいる人たちを囲んで、みんなでワイワイとパーティーを楽しんでいます。
豪快で面倒見がよく、気前がよいです。
ある程度の年齢で、それなりのポジションにつけないと健全度が下がります。
陳謝!
今更ですけれど、タイプ8の英語表記を間違えました。リソ式のエニアグラムだと、ChallengerじゃなくてLeaderなんですね。
だから、本当は、seikaku-type.com/leader/XXXX になるべきでした。
間違えました。
タイプ8の皆さん・・・ごめんなさい。
9つの性格タイプ一覧
サブタイプ一覧
性格タイプ決めませんか?
「頭ではわかっているのに、なぜかできない!!」
——そんな経験はありませんか? やったほうがいいことも、やめたいクセも、すべて理解している。けれど、なぜかブレーキがかかってしまう。行動に移せない自分に、もどかしさを感じたことはないでしょうか?
そのブレーキの正体こそが、“根源的な恐れ”です。エニアグラムは、ただの性格診断ではなく、あなたの行動や選択に影響を与えている「心の深層」に焦点を当てています。
もし、MBTIやストレングスファインダー、占い、コーチング…いろいろ試したけれど、「これだ」と言えるものに出会えていなければ、エニアグラムの出番かもしれません。
エニアグラムは、私たちの表面的な行動や態度ではなく、その背景にある恐れや欲求に焦点を当て、どの診断よりも深いところから「なぜそう感じ、そう動くのか」を読み解いていきます。
今回のエニアグラムセッションでは、5つのエニアグラム構造を使って、あなたという人を立体的に映し出します。
- 9つの性格:根源的な恐れと欲求、そして超自我のメッセージを明らかにする
- ウィング:エニアグラムをベースに、行動の癖や態度を意識化する
- 生得本能:他者との関係性やコミュニケーションのパターンを知る
- トライタイプ:タイプに合わせた資質や才能の活かし方を深める
- 健全度:各タイプの恐れに囚われたときの心の動きを可視化する
エニアグラムセッションでは、あなたの性格タイプ判定にコミットします。意識×無意識の双方から、自分の性格の“解像度”があげて、なぜ人生がうまくいかなかったのか、どんなときに自分がつまずくのかが、はっきり見えてきます。過去のパターンを意識化し、未来の選択肢を増やすために。あなたを動かす「怖れ」の正体を知ることで、人生は確実に変えられます。
タイポロジースクール
エニアグラム/16性格診断/ソシオニクスのオンライン会

エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスに分けて随時開催
タイプ論を中途半端に学んでいませんか?
診断を繰り返し、動画や投稿を見漁って、「これはゴミ情報かも…」と感じつつも、自分の中に、整っていない知識だけが溜まっていく。
そして、いざ人間関係や仕事で活かそうと思っても、どれもパッと使えない。言語化できない。結局、前と変わらない。そんな状態になっていませんか?
もし、エニアグラム・16性格診断・ソシオニクスを、ちゃんと全部“体得”できたとしたら?
✔ 自分の葛藤やクセを「構造」で理解できて
✔ 他人の反応や価値観の違いにも、冷静に対応できて
✔ 相手がどんなタイプであろうとも、無理なくつながれる
そんな自分になれることが想像できますか?
【タイポロジースクール】は、性格タイプを“現実で活かす力”に変える、唯一の学びの場です。遊びじゃなく、本気で学びたい人たちが質の高い議論をしています。
木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を始めたところ、そのまんまお仕事になった。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

“エニアグラム-タイプ8:挑戦する人とは?”へ2件のコメント
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いきなりのコメントで質問を投げかけて申し訳ありません。
私の場合、タイプ4とタイプ8が同数になり、学生時代はタイプ4だったのが、社会人になってタイプ8に近くなってしまいました。
これはどういう事なのか、よく理解できずにいます。
全然関連性がない性格のように見受けられるのです。
何かヒントをご存知でしたら、ご教示頂けますと幸いです。
ご質問頂きありがとうございます。
タイプ4vsタイプ8の記事をまとめてさせて頂きました。
追記をするなら、エニアグラムのテストを受けるときは、
テストの診断結果よりもテストを受けているときの自分の内面を観察すれば、自分のタイプがわかると思いますよ。
私は、タイプ3ですが、タイプ3の点数が恐ろしく低いです。
それは、タイプ3だと思われたくない、タイプ3の考えが働いているからです。
木村