エニアグラム-タイプ9:平和をもたらす人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ9「平和をもたらす人(リソ式)/平和を求めて調和を願う者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ9についてみていきます。
1.タイプ9の特徴
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「あなたはいつも落ち着いていて、空気が柔らかいね」と言われることが多いが、本当は内心で緊張や不安を静かに抱えている。
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自分の感情がぼんやりしていて、特に怒りや悲しみなどのネガティブな感情を、感じないように無意識に遠ざけてしまう。
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人前で怒りを露わにすることはほとんどない。争いを恐れるあまり、怒りそのものを感じることすら怖いと感じる。
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周囲の不安や動揺に敏感で、相手を安心させるために、自分を後回しにしてでも場を和ませようとするクセがある。
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外の世界では平和的にふるまう一方で、自分の中では「オン(外向きの自分)」と「オフ(本来の無防備な自分)」をきっちり切り替えないと疲弊してしまう。
タイプ9は、エニアグラムの各タイプの中で最も不思議な性質をもつタイプだと言われています。
日本のエニアグラム書籍では、調停者や平和主義者など、平和を好むタイプとして類型されています。この記事では、そんなタイプ9の内面について解説をして行きます。
タイプ9は、「いまこの瞬間」の心の平和と安心を最も大切にしています。
無意識のうちに、外界──周囲の人たち、環境、時代の流れ──に合わせることで、葛藤を避け、安らぎを保とうとします。
タイプ9は極めて受容的な感性を持ち、どんな風景、空間、音、色であっても、抵抗なく受け入れることができます。
この性質は、タイプ9が「すべてと一体化する力」を内に秘めていることを示しています。
あらゆるものと自然に調和できるタイプ9の在り方は、時に「そこにいるだけで場が和らぐ」とまで言われることもあります。
タイプ1~8は各タイプの恐れや欲求を持っています。
エニアグラムの各タイプには、それぞれ独特の恐れがあります。この恐れを解消するために、特定の欲求が生まれます。タイプ9の場合、恐れや欲求に囚われること自体が恐ろしいのです。
しかしその裏側で、タイプ9は大きな課題も抱えています。
それは、自分自身との調和ができていないということです。
周囲に合わせすぎるあまり、
「自分は本当は何を望んでいるのか」
「何を感じているのか」
を意識することが極端に希薄になっていきます。
本来、タイプ9が求めているものは【表面的な平和】ではなく、外界-内界とのつながりです。けれども、外界に溶け込むことで一時的な安らぎを得ようとするうちに、自分自身の欲求や感情を無視してしまい、自分を「さほど重要でない人物」として位置付けています。
他のタイプは「自分がいなければ…」と思うのに対して、タイプ9は「自分は何もしない方がいい」というスタンスです。
なぜか?
タイプ9は、外界と対峙して葛藤やストレスを感じるくらいなら、向き合いたくないのです。
全てをありのままに受け入れることで、この世界の流れに身を委ねたいのです。
タイプ9は自分自身が自然の一部であると思っているので、姓の交わり、誕生、加齢、死という物理的な流れが自然なものだと考えており、物事はそのあり様の一部としてそのままに受け入れられるべきであると思っている。彼らが自然と自然の営みを受け入れられるのは、それが自分にとってもうひとつの安らぎの根源だからであって、他の多くの性格タイプのように万物と争うことはしない。タイプ9は自然の理法に反抗することなく、自然の一部であることに満足し、自然に身を委ねる
ドンリチャードリソ「性格のタイプ」P454
タイプ9の人たちは、まるで自分が自然の一部であるかのように感じて生きています。彼らにとって、性の交わり、誕生、加齢、死といった人生の一連の出来事は、まるで季節の移ろいと同じように、自然で当たり前のこととして受け入れられます。
自然の流れに身を任せることで、タイプ9は深い安らぎを感じることができるのです。
たとえば、春に花が咲き、秋には葉が落ちる様子を思い浮かべてみてください。タイプ9の人たちは、そんな自然の営みをありのままに受け入れるように、人生の出来事にも抗わずに過ごします。自分自身も自然の一部であり、すべては調和の中で流れていると信じているのです。
他のタイプの人たちは、時にこの流れに逆らおうとすることがありますが、タイプ9の人たちはそうではありません。
タイプ9は自然と調和し、その一部として存在することで、心の平穏を見つけます。たとえば、忙しい日常の中で、ふと時間を作り、公園でのんびりと散歩することがあります。その瞬間、彼らは自然と一体化し、自分の内面に深い満足感を覚えるのです。
このように、タイプ9の人たちは自然との調和を大切にし、ありのままの流れを受け入れながら、穏やかで平和な生き方を追求しています。
幼少期の親の関係が大きく影響している
タイプ9が「調和」を求める背景には、4〜5歳頃の親との関係が大きく影響しています。
タイプ9の発達の背景
- 両親がともに仲良く、十分な愛情を与えられた。何もしなくてよかった
- 両親の仲が悪く、何もせずに引っ込んでいた方がよいと感じた
両親の関係がどうにせよ、タイプ9は父親的存在と母親的存在と一体化して「自分は何もしないほうがいい」と判断しました。自分が何かをすることで問題を発生させたくなかったのです。
健全なタイプ9は自らの環境に並外れて敏感であり、無防備である。また、幼いとき、まわりの人たち、主として自分の両親から非常に多くのものを吸収した。彼らが平和で睦まじい家庭の出なら、彼らが組み入れた教訓と感情は比較的扱いやすいものがあり、自分の世界に効果的に対処するのに利用できるだけの十分な注意を得た。
幼少期としても初期に不破や家庭としての機能障害で苦しめられたとすれば、抱え込んだ感情と教訓んは全て苦痛に満ち、衝突しあって、ほとんど耐えがたいものであった。
そのため、通常から不健全までのタイプ9は乖離する事-自分が吸収した内面の混乱が自分を途方に暮れさせないように、起きた自分の感情と思考から即座に立ち除くこと-を学び取った。
タイプ9は両親と結びついています。
自分が世界から支えられている感覚があり、主体的に生きないことで、いまの幸せを享受できると判断しました。今の心地よい状態を維持するために「何もしない」は、タイプ9が活きるための生存戦略なのです。
幼少期にタイプ3の母親的存在による愛情や養育とタイプ6の父親的存在の支えや導きの2つと上手に結びついたのはラッキーなのかもしれません。
親からの支援を十分に受け取れなかったと感じたタイプ4の幼少期とも異なる感覚を持っています。
「鬼滅の刃」の栗花落カナオの幼少期の虐待経験は、エニアグラムのタイプ9の心を閉ざす傾向と結びつきます。カナオは、親の虐待から自分を守るために感情を押し殺し、失見当識の状態に陥りました。タイプ9は、平和と調和を保つために自分の欲望や感情を抑えることがあり、カナオのように外部との繋がりを失うと自己消失に近い感覚を抱くことがあります。
しかし、彼女が炭治郎との交流を通じて感情を取り戻していく過程は、タイプ9が成長し、自分の感情を再び受け入れる姿と重なります。
囚われ:怠惰
タイプ9にとって現実は心地よいものです。彼らは今の現実が心地よいものであってほしいと強く願っています。
たとえば、毎朝同じ時間に起きて同じカフェでコーヒーを飲むことが日課になっているとします。この習慣が崩れることに不安を感じるため、新しいカフェに挑戦することを避けるかもしれません。また、仕事で新しいプロジェクトが始まるとき、これまでのやり方を変えることに抵抗を感じることがあります。さらに、友人との付き合い方でも、いつも同じメンバーで集まることに安心感を覚え、新しい人を迎え入れることに戸惑うことがあるでしょう。
エニアグラムでは、こうした変化を恐れ、慣れ親しんだパターンを保とうとする傾向を「怠惰」と呼んでいます。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間の使い方
- 時間と調和する、時間に身をゆだねる
- 周囲の時間や空間に自分を自然と合わせる
- オン・オフのスイッチがある
健全な状態
健全なタイプ9は、自分自身と時間が調和し、流れる時間の中で心からの安らぎと幸福感を感じています。タイプ9は「いまここ」にしっかりと存在し、何かに急き立てられることなく、自由に選択しながら日々を楽しむことができます。
今日がとっても楽しいと
明日もきっと楽しくて
そんな日々が続いている。
そう思っていたあの頃浜崎あゆみ Season
目的地やゴールに縛られることなく、自然のリズムに沿って生きることが、タイプ9にとって心地よいものです。過去の後悔や未来の不安に囚われることなく、自分が本当に望むことに従いながら、時間の流れの中で幸せを見つけることができる状態です。
自分の感覚に忠実であり、時間に身を委ねながらも、何が必要かを直感的に知り、バランスよく行動します。まるで川の流れに優雅に乗りながら、人生を楽しむかのように、彼らは自分自身を感じ、周りとも調和しています。
通常の状態
通常のタイプ9は、自分の感覚を少しずつ抑え込み、周りに合わせながら生きている状態です。最初は自然体でリラックスしているつもりでも、次第に他人の期待や要望に応じて自分の人生を後回しにしてしまいます。
時間に流される感覚は心地よい反面、自分の意志を見失いがちで、気づけば人生がつまらなくなっていることに気付きます。内側に強い気持ちを秘めていても、決して抗えない現実とその恐怖から自身の感情を押し殺し、他人に合わせてばかりの日々を過ごします。
時間が過ぎるにつれて自分の人生に対する情熱を失っていきます。外見上は穏やかに見えるものの、心の中では何かを見過ごしている感覚に悩まされます。タイプ9は時間を感じること自体が苦痛になり、周りに溶け込むことで、自分を感じないようにしているのです。
不健全な状態
不健全なタイプ9は、現実が辛すぎるため、自分の感覚を完全にシャットアウトしている状態です。時間に対する感覚も、周囲の出来事も、自分の存在さえも感じ取れなくなり、日々がただ無意味に過ぎ去るだけのものになります。
この時点で、タイプ9は自分自身の存在が希薄になり、時間の流れに対する感覚すら鈍くなっていきます。現実から逃れるために自分を無意識のうちに自身を麻痺させ、何も感じず、何も望まず、ただ存在しているだけの状態に陥ります。
自己の感覚を完全に失い、意識はぼんやりとし、まるで川の底に沈んでしまったかのように、何をしても虚しさしか感じなくなります。
この状態では、時間に縛られるどころか、時間の存在そのものが消えていき、日々がただ重たく過ぎていくばかりです。
少し話はそれますが、時間知覚の相対性という考えはご存じでしょうか?
子どもの頃、1年は人生全体の大きな割合を占めるため、長く感じますが、大人になると1年が人生全体に占める割合が小さくなり、時間が相対的に短く感じるようになります。
5歳の子どもにとって1年は人生の5分の1ですが、50歳の大人にとっては50分の1です。
さらに、年齢を重ねると日常生活がルーティン化し、刺激や変化が減ることも影響します。
タイプ9は特に変化を避け、平穏を保とうとするため、日々が同じパターンで進み、時間が早く過ぎ去るように感じることが多くなります。このように新しい経験が少ない生活では、時間が平坦に流れ、1年がまるで1か月のように感じられるのです。
「あれ…ここ数年、時間がすごく早く過ぎる!」と思ったら、その兆候かもしれません。
この傾向は、タイプ9の健全度が下がるほど強まります。
健全な状態では、変化を受け入れたり、日々に新しい刺激を取り入れることができるため、時間を豊かに感じることができます。しかし、健全度が低下すると、変化を避け、日常の繰り返しに囚われるため、時間がどんどん加速して感じられるようになるのです。
人間関係
- 柔らかい雰囲気と器の大きさ
- 相手の気持ちを受け止める態度をとる(内心はどうでもよかったりする)
- 決断や行動を求められるとエネルギーが弱くなる
健全な状態
健全なタイプ9は、心が穏やかで、周囲の人々とのつながりを自然に楽しむことができます。タイプ9は外の世界・他者との関係の中で場のエネルギーを吸収し、その瞬間を豊かに感じることができるのです。
まるで植物が太陽の光を浴びてすくすくと成長するように、タイプ9も人との交流を通じて自己を成長させ、心地よい調和の中で過ごします。
人間関係においても受動的ではなく、意識的に他者とのつながりを楽しむことで、自分自身もエネルギーを得ます。
通常の状態
通常の状態では、タイプ9は人間関係がつまらなく感じられ、何かをする気力を失いがちです。
まるで「何もしない!」と心の中で抵抗するかのように、他者との関わりを最小限に抑えようとします。この結果、タイプ9は外界からの平和や調和を受け取ることが難しくなり、人とのつながりに対して無関心になっていきます。
いまの心地よさを保とうとする本来の特性が強く出てしまい、逆に孤立感や疎外感を感じることが多くなります。その時は苦しいのですが、その気持ちを内側に封印しようとするのです。
本当につらいときに適切なサポートを受けられなければ、タイプ9はエニアグラムの鉛の法則に従い、ドアスラム—心のドアを閉ざす—を引き起こし、これまで求めていた調和を自ら破壊します。
心を閉ざし、自分を孤立させることで、いまある調和を維持しようと試みるのですが、それは逆効果。不健全な世界へのいざないです。
不健全な状態
不健全なタイプ9は、まるで枯れた花のようにしぼんだ状態です。
人間関係から得られるエネルギーを全く吸収できず、他者とのつながりを断ち、内面的にも閉じこもってしまいます。自己感覚が薄れ、他者との調和を求める力も弱くなり、感情的にも無気力で孤立した状態に陥ります。
この段階では、外部との関わりが完全に失われ、他者の存在を感じることすら困難になることがあります。
タイプ9は人のペースに合わせますが、自分のペースを回復させる必要もあります。独りで趣味や娯楽に没頭することもあれば、創作活動やスポーツ、探究活動に情熱を注ぎ、自身の才能をいかんなく発揮することができます。クラスでは目立たなかったけれど、同窓会で大物になっている人に多いです。
意外にもタイプ9はガンコです。普段は自分の事を後回しにして、人の面倒を見ますが、内側で「これだけは譲りたくない!」といった自分ルールを持っています。例えば、ある人材派遣会社のキャリアカウンセラーさん。平日は、クライアントから夜遅くに電話がかかってきても笑顔で対応するのですが、休日は社用の携帯電話の電源はきっているとか…。
自分にとって快適だと感じることが奪われればソフトに何らかの抵抗を示すでしょう。
恋愛
エニアグラムタイプ9は、恋愛において健全度の影響が非常にわかりやすいタイプです。
健全なときは「2人のつながり」を大切にし、心から穏やかな関係を築きますが、通常~不健全になると、“面倒を避ける”ために気持ちを閉ざし、関係を曖昧に引き延ばす傾向があります。
一見、のほほんとした雰囲気ですが、内側では“我慢”や“無関心”が静かに積もっていく──。
「いつかプッツンするかもしれない」、そんな関係になりやすいのもタイプ9の特徴です。
健全:自然体でエネルギッシュ
この段階のタイプ9は、外界との調和だけでなく、自分自身との調和も実現しています。
つまり、他者に合わせすぎるのではなく、自分の内側の声にもきちんと耳を傾けることができている状態です。
恋愛では、以下のような特徴が見られます:
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穏やかな優しさとともに、「私はこう思う」という自我も穏やかに伝える力がある
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パートナーとの関係においても、自分の欲求や感情を自然に表現できる
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衝突や意見の違いがあっても逃げずに、対話を通じてつながりを深めようとする
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「あなたといると、ホッとする」「沈黙も心地よい」と言われるような、存在そのものが安心感
この段階の9は、「愛されるために無理をする」のではなく、「自分でありながら愛する」ことができます。
調和とは、自分と他者を等しく尊重すること──それが自然とできるのが、健全なタイプ9の魅力です。
通常:受身で相手に委ねがち
この段階では、外との調和を優先するあまり、自分自身の欲求や感情を後回しにしがちです。
「波風を立てたくない」「相手を怒らせたくない」その気持ちが強く、恋愛においては以下のような傾向が出てきます。
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「相手の好みに合わせて動く」が、実は内心では疲れている
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自分の意見を求められても「なんでもいいよ」「あなたが決めて」で済ませがち
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不満やストレスがあっても、気づかないフリや我慢で処理しようとする
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表面的には穏やかでも、実はどこか心が閉じており、相手に“壁”を感じさせる
この段階では、「優しさ」と「自己犠牲」が混同されている状態です。
そのため、相手からは「優しいけど、何を考えてるかわからない」「本音を見せてくれない」と言われることもあります。
放っておくと、「感情を切り離す」クセが習慣化していき、関係が形だけになりやすくなります。タイプ9は、その温厚な人柄から一定の人気があるタイプですが、タイプ9が温厚であればあるほど、それはいつか破綻するサインかもしれない!と心得た方が良いでしょう。
不健全:感情の消失
不健全な段階のタイプ9では、自己消失(self-erasure)が深刻化します。
「関係を壊したくない」「衝突したくない」という恐れが強すぎて、もはや「自分を感じない」「自分を表に出さない」**という形で関係を保とうとします。
恋愛では、以下のような状況が起こりがちです:
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心は完全に離れているのに、「別れるのが面倒」で関係を続ける
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相手に対して無関心である態度を示す。傀儡化となり抵抗する
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本音を語らないだけでなく、自分自身でも何を感じているのか分からなくなっている
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愛情表現や会話が減り、「同居人のような関係」になることも
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積もりに積もった我慢が限界を超えた時、突然プッツンと関係を断つことも
この段階では、もはや「調和」ではなく、「麻痺」と「回避」によって恋愛関係を維持しています。相手からすると、「何を考えてるのか分からない」「気づいたら心が離れていた」と感じるケースが多いです。
まとめ
健全度 | 恋愛スタイル | キーワード |
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健全 | 自他のバランスを保ち、安心感と誠実さのある愛 | 「共にいることで自分らしくなれる」 |
通常 | 相手に合わせすぎて、本音が出せない | 「なんでもいいよ」が口ぐせに |
不健全 | 感情を切り離し、関係からも心が遠ざかる | 「いてもいなくても同じ」 |
仕事
- 頑張って働くor頑張って働かない、のどちらか
- 職場や職務に調和しているかが大事
- 無理なものは無理
巷のエニアグラム本では、タイプ9はのんびりしているから仕事は・・・的な意見がありましたが、逆です。確かにタイプ9はのんびり屋さんですが、それはプライベートのお話。仕事においては、別人のように働いていることもあります。
- コンサルタントとして働けば顧客の利益至上主義になる
- 銀行員として働けば、数字とお金にコミットする
- 教育者になれば「私は先生」というオーラーを放つ
と、職場や職務の人間になり切る資質があります。タイプ3のように達成を求めて働く場合もありますし、タイプ1のように妥協しないときもあります。職場の環境やポジションに自分を適応させることができ、その時のタイプ9は最もタイプ9らしくありません。
タイプ9=「のんびりした人」といったイメージがありますが、猛烈に働くタイプ9はたくさんいます。仕事の世界と自分を調和をするために、タイプ3のように結果をもとめるかもしれません。厳しい職場では、タイプ8のように戦うかもしれませんし、タイプ7ばかりの職場でも生きていけます。
タイプ1のように高いクォリティーを追求して、タイプ2のような人当たりの良さを発揮します。タイプ4のように個性を発揮することもあれば、タイプ5のように調べごとに没頭します。時として、自分が何者なのかわからなくなることもあります。
もしかしたら、いちばんタイプ9ぽくない人がタイプ9かもしれません。
お金の使い方
よくわからない(笑) 傾向は、自身の内面の平穏や調和を維持するためにお金を使う。その対象は不明。タイプ9の本人ですらも、その理由について理解していないらしい。
タイプ9にとって、お金の使い方も「怠惰」の傾向が強く現れます。彼らはお金の使い方に対しても積極的にコントロールしようとはせず、環境や周囲の影響を大いに受けます。
倹約家のタイプ9
倹約家のタイプ9は、消費や浪費を求めません。いまの生活に満足し、同じ生活を繰り返すことに安心感を抱きます。たとえば、毎月決まった金額を貯金し、普段の生活費はできるだけ節約します。新しい服やガジェットを買うよりも、今持っているもので満足しようとするのです。
これも「怠惰」の一面であり、変化を嫌い、現在の状況を維持し続けることに安心感を見出しています。
浪費家のタイプ9
一方で、浪費家のタイプ9は、周囲の友人や知人の影響を強く受けます。周りに浪費家がいれば、自分も同じようにお金を使います。たとえば、友人が旅行に行くと聞けば、自分も一緒に行きたくなります。また、ライブやスポーツ観戦、温泉旅行、エステなどに誘われると、断らずに参加することが多いです。これも「怠惰」の表れで、自分の意思でお金を使うよりも、環境に流されることが多いのです。
共通点
どちらのタイプのタイプ9も、自分の意思でお金を管理することが少なく、環境の影響を強く受けます。倹約家は変化を嫌い、同じ生活を繰り返すことで安心感を得ますが、浪費家は周囲の影響を受けやすく、環境に応じてお金を使うことが多いです。どちらの場合でも、「怠惰」が根底にあり、自分の意思で積極的にお金を管理しようとしないのが特徴です。
3.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ6に移行する
タイプ9は普段は穏やかですが、自分のパターンを崩して新しいことを試みると健全度が下がり、タイプ6の特徴を示すようになります。
通常のタイプ9は、自分の内面に平和な世界を保ち、外部環境から自分を切り離そうとします。しかし、健全度が下がってタイプ6の特徴が出ると、先行きに不安を感じ、落ち着きを失います。
この状態が続くと、タイプ9はヒステリックになり、細かいことにイライラしやすくなり、時には攻撃的になることもあります。
この状態を避けるために、タイプ9は自分と外界を切り離すのです。
タイプ9の不安定について健全度4~6の仕様を用いて説明しますね。
健全度4:外界に適応する
- 他者の期待に応えたり、周囲に強引に順応しようとする。必死になればなるほど心身を消耗する
- 自分の欲求よりも他者の要求に応じようと無理をする。心の安心よりも物理的な安定を優先する
健全度5:受動的な弱者
- 心の自由と身の安全を獲得するためにイヤイヤと他者に従う(受動的攻撃)
- 精神的な重圧を感じると不平不満を言って、何事も回避的になる(行動エネルギーが低下する)
健全度6:謎の抵抗
- なんでもいいから、自分に安心や安定を与えてくれる人にしがみつく
- 自分の気持ちを受け入れてくれない人に対しては攻撃的になる(恐怖対向型)
タイプ9は、健全度が下がるにつれて、身体の感覚よりも頭を使い、未来の恐怖に対して対処をしようとします。自分の心の平和よりも物理的な安全を獲得しようとします。
会社で仕事をすると健全度が下がりがちですが、オフのときはたっぷり休養をとり、自分の時間を優衣意義に過ごせば元通りになれます。
但し、健全度7を下回ると注意信号です。
タイプ7以降は、感情がマヒしてきて、自分で自分をコントロールできなくなり回復が困難になります。この段階でのタイプ9は、様々なタイプに影響されて、時には攻撃的になり、時には感情的になり、また時には自暴自棄状態になることも・・・。
安定時・統合時:タイプ3に移行する
タイプ9の健全度があがると、心身ともに安定すると、オットリしている人から、目立つ人に変わります。心身ともにリラックスができて、ちょっと何か運動をしたくなるときの気分ですね。自分の感情や願望を表に出したいという欲求が働き、周囲に対してアピールするようになります。
- これまでの自分の過去や達成したことをアピールするようになる
- ヴィジョンや信念を語りだす。周りの人を高いステージにあげたがる
- 勝利、友情、努力、協力、創造、発展などに対して主体的に関わるようになる
平和な世の中でグレートサイヤマンになった孫悟飯くんですかね。(笑)
4.サブタイプ(ウィング・生得本能)
ウィング
タイプ9のウィングは簡単です。葛藤や不調など心の世界が乱れたときに、平和や調和を回復する手段としてウィングが強くでます。
タイプ9ウィング8:調停者
普段は温厚でボノボノとしていますが、自分のペースが乱されたり、ストレスを感じると、タイプ8の傾向が強く現れます。その時は、態度に「圧」があり、声は大きく、力強いです。
8のウィングが強ければ強いほど、タイプ9らしくなくなります。それでも、「自分はタイプ8だ」と言い切れないため、けっこう自分のタイプについて迷っている人が多いです。
他の傾向として堅調なのは、目力が強く、声にドスが効いていながらも、オブラートに話す人が多いですね。気分が好調のときは饒舌になります。基本は、人と話すのが好きです。
自分では気づいていないようですが、かなりのエネルギーを内面にため込んでいます。それが、ある瞬間、あるタイミングで爆発するように発散されます。
この人たちの隠された能力を開花させることはエニアグラム業界の課題かもしれませんね。
タイプ9ウィング1:夢見る人
こちらはタイプ9らしいタイプ9です。心の底から調和を求めて、平和な世界があるとかたくなに信じていたいタイプです。
タイプ1の影響を受けているため、自分の中に完璧に調和を保った世界を構築していています。ストレスを感じると瞬間移動をするかの如く、「心地よい世界」にワープします。
それがお花畑なのか、おとぎ話の世界なのか、天国なのか、魑魅魍魎が鎬を削るカオスな世界かはわかりません。タイプ9ウィング1は自分が心地よくいられる世界があり、その世界を夢見ています。
もちろん、これが悪いことではなく、タイプ9にとっては自我を防衛する手段のひとつです。結果として、タイプ9ウィング1は、現実世界でストレスを受けても、「心地よい世界」にワープすることで、すぐに回復します。
但し、あまり調和世界が強すぎると、現実世界のストレスに耐えられずに、「心地よい世界」に引きこもりがちになるので、そこは要注意。
鬼滅の刃から学ぶ!タイプ9が自分を取り戻すまで
「鬼滅の刃」に登場する栗花落カナオの幼少期は、虐待による心の傷が深く、彼女の感情が閉ざされてしまった象徴的なエピソードです。カナオは幼少期に親から虐待を受け、その結果、感情を表現することができなくなり、失見当識(自分が何を感じ、どのように行動すべきか分からない状態)に陥りました。このエピソードは、エニアグラムのタイプ9の特徴と深く結びついています。
9つの性格タイプ一覧
サブタイプ一覧
性格タイプ決めませんか?
「頭ではわかっているのに、なぜかできない!!」
——そんな経験はありませんか? やったほうがいいことも、やめたいクセも、すべて理解している。けれど、なぜかブレーキがかかってしまう。行動に移せない自分に、もどかしさを感じたことはないでしょうか?
そのブレーキの正体こそが、“根源的な恐れ”です。エニアグラムは、ただの性格診断ではなく、あなたの行動や選択に影響を与えている「心の深層」に焦点を当てています。
もし、MBTIやストレングスファインダー、占い、コーチング…いろいろ試したけれど、「これだ」と言えるものに出会えていなければ、エニアグラムの出番かもしれません。
エニアグラムは、私たちの表面的な行動や態度ではなく、その背景にある恐れや欲求に焦点を当て、どの診断よりも深いところから「なぜそう感じ、そう動くのか」を読み解いていきます。
今回のエニアグラムセッションでは、5つのエニアグラム構造を使って、あなたという人を立体的に映し出します。
- 9つの性格:根源的な恐れと欲求、そして超自我のメッセージを明らかにする
- ウィング:エニアグラムをベースに、行動の癖や態度を意識化する
- 生得本能:他者との関係性やコミュニケーションのパターンを知る
- トライタイプ:タイプに合わせた資質や才能の活かし方を深める
- 健全度:各タイプの恐れに囚われたときの心の動きを可視化する
エニアグラムセッションでは、あなたの性格タイプ判定にコミットします。意識×無意識の双方から、自分の性格の“解像度”があげて、なぜ人生がうまくいかなかったのか、どんなときに自分がつまずくのかが、はっきり見えてきます。過去のパターンを意識化し、未来の選択肢を増やすために。あなたを動かす「怖れ」の正体を知ることで、人生は確実に変えられます。
タイポロジースクール
エニアグラム/16性格診断/ソシオニクスのオンライン会

エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスに分けて随時開催
タイプ論を中途半端に学んでいませんか?
診断を繰り返し、動画や投稿を見漁って、「これはゴミ情報かも…」と感じつつも、自分の中に、整っていない知識だけが溜まっていく。
そして、いざ人間関係や仕事で活かそうと思っても、どれもパッと使えない。言語化できない。結局、前と変わらない。そんな状態になっていませんか?
もし、エニアグラム・16性格診断・ソシオニクスを、ちゃんと全部“体得”できたとしたら?
✔ 自分の葛藤やクセを「構造」で理解できて
✔ 他人の反応や価値観の違いにも、冷静に対応できて
✔ 相手がどんなタイプであろうとも、無理なくつながれる
そんな自分になれることが想像できますか?
【タイポロジースクール】は、性格タイプを“現実で活かす力”に変える、唯一の学びの場です。遊びじゃなく、本気で学びたい人たちが質の高い議論をしています。
木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を始めたところ、そのまんまお仕事になった。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。
