エニアグラム-タイプ7:熱中する人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ7「熱中する人(リソ式)/楽しさを求め熱中する人」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ7についてみていきます。
1.タイプ7の特徴
- 落ち込んだりすることもあるが、基本はポジティブである。正直、根暗な人とはあまり付き合いたくない。
- シリアスやマジメなときもあるが、どんなときでもワクワクするようなシーンに遭遇できないか?と可能性を追求している
- 大きな構図を描くことは得意であるが、詳細を詰めたり、数字の調整など地味な仕事は好まない。アイディアを考案する立場でいたい
- 多くの人は、「過去がこうだったから・・・」と言っているが、大事なのは過去ではなく未来がの方だと思う。みんな可能性を限定しすぎ
- ひとつのことを極めた人達は尊敬するが、私とは違う人種だと割り切っている。やっぱり私は様々なことにチャレンジをしたいタイプだ
タイプ7の世界観
以下の3つでまとめることができます。
- 恐れ:いま、この瞬間、時間の経過と共に、自分の可能性が奪われている。人生は空虚なものになる
- 欲求:後悔して死にたくない。この瞬間も、この先も、ずっと満たされたい
- 習慣:楽しいことをみつけて、作り出せれば、自分の人生はうまくいくはず
タイプ7は、熱中する人・楽観的な人と呼ばれています。少年マンガの主人公はタイプ7の典型だと言えるでしょう。
- ドラゴンボール:孫悟空
- ワンピース:モンキー・D・ルフィ
他、サザエさん・磯野カツオ・ちびまる子ちゃんもタイプ7です。
タイプ7は、極めて反応が早く、何事にも熱中しやすく、いまを楽しもうとするエネルギーに満ちています。各タイプの中では、最も外向的なタイプであり、外部の刺激に対しては過剰に反応します。
裏を返せば、今この瞬間を誰よりも楽しめていません。実際に内側には空虚感がたまっています。外の世界に楽しさを見出すことで、内側の空虚感を埋め合わせようとするのです。
そんな自分の性格を投影させて、タイプ7は以下のように考えています。
なんでみんなもっと人生を楽しまないの?一度の人生だよ!もっと楽しもうよ!
勿論、誰もが、人生を楽しみたいとは思っています。
また昨日より今日、今日より明日がワクワクしてる方がよいです。
しかし、他のタイプは、今の状態で人生を楽しんでいますし、各タイプごとの楽しみ方があります。
タイプ7の囚われは「貪欲」です。今この瞬間を100%楽しめていないのです。満足していないのです。満たされていないのです。この状態が続くことを恐れて、もっと満たされたい、楽しみたい、可能性を追求したい!と考えて、目の前にあるすべてを手に入れたいと考えるのです。
タイプ7は楽天的で陽気な人が多いです。誰よりもその瞬間を楽しんでいるでしょう。
しかし、その現状に満足しきれていません。むしろ、その「楽しい瞬間」が消えることを恐れて、もがくように次の楽しみを追求しています。
幼少期の親の関係が大きく影響している
タイプ7は、幼少期に母親の愛情や安心感を十分に感じられなかったことで、楽しみや新しい経験を追い求める性格を形成します。タイプ7は、退屈や不快感を避け、外の世界で楽しさを探すことで心の空白を埋めようとします。常に刺激や自由を求め、愛情不足を感じることなく生きるため、外向的で積極的な行動を取るようになりました。
彼らのこの傾向は、以下のキャラクターたちにもよく表れています。
- 野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
しんのすけは、母親からの愛情を感じながらも、叱られることが多く、自由を追求します。家庭内でも飽きることなく遊び続け、叱責を受けても新しいいたずらや遊びを次々と探します。しんのすけは、現実の厳しさを無視し、笑いや楽しさで心を満たそうとする、典型的なタイプ7の子どもです。 - 孫悟空(ドラゴンボール)
幼少期の悟空は、母親を知らず、祖父に育てられながら広い世界を冒険します。常に新しい敵との戦いを楽しみ、冒険心に満ちた生き方は、愛情不足を感じることなく外の世界で自分を充実させようとするタイプ7の特徴です。戦いを通じて自分の存在を確認することで、不足感を忘れようとしているのです。 - モンキーDルフィ(ワンピース)
ルフィも母親の存在が描かれていないキャラクターですが、彼は自由と冒険を何よりも大切にしています。海賊王になるという夢を追い、新しい仲間や冒険を楽しむ姿は、タイプ7の典型です。ルフィは束縛を嫌い、自由を追求することで幼少期の愛情不足を埋めようとしています。
これらのキャラクターたちは、いずれもタイプ7が幼少期に感じた愛情不足を補うために、楽しさや冒険を追い求める姿を示しています。彼らの行動は、内面的な不安や不足感を感じないように、常に外部の刺激を探し求めるタイプ7の特徴を反映しています。
囚われ:貪欲
タイプ7は、「貪欲」に囚われています。回りにあるものでは満たされず、「もっと、もっと」という気持ちで自ら欲しいものを獲得しようします。まるで冒険にでる漫画の主人公です。冒険に出る理由は、いまの世界では自分は満たされないと感じているからです。
その瞬間は満たされていても翌日になればすべて忘れます。過去は関係ないのです。
未来を意識していて、常に可能性を見出して、次の楽しいこと探しを見つけます。タイプ7は、この世の楽しさや可能性をどん欲なまで追い求めます。
詳しくは、健全度の部分でお話をしますが、本当の楽しみを見つけたタイプ7は、ずっとひとつのことを続けて、その一つの事から色々な可能性を見出して、楽しさのレベルを深めることができます。
皮肉にも、「何か新しい可能性を手に入れたい」と思う気持ちそのものが、現時点では手持ちの可能性を十分に活かせていないことの裏付けなのです。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間の使い方
- 刹那刹那でワクワクすることに時間を使う
- 計画通りに動くことを嫌う
- 衝動で動いている
タイプ7にとって、時間の多くは動くことに費やされます。立ち止まっていることはほぼないし、その時は退屈さを感じています。
タイプ7の時間感覚は、まさに「今がチャンス、行動するなら今でしょ!」という考え方です。
楽しむことに常に貪欲で、目の前の瞬間に全力を注ぎますが、その反面、未来のリスクや現実的な計画には目を向けづらい傾向があります。タイプ7は、いつも明るく楽しそうなオーラを放ち、エネルギッシュであることを重視しています。
彼らが最も恐れているのは、時間が経つにつれて自分の可能性や選択肢が狭まっていくことです。このため、未来の計画よりも「今この瞬間」を楽しむことに集中し、何かに夢中になることで内面的な虚無感や空虚感を埋めようとします。
例えば、名探偵コナンの主人公・工藤新一(コナン君)は、タイプ7の良い例でしょう。
コナン君は、事件の手がかりを見つけるとじっとしていられません。1巻では、ジンとウォッカに捕まり、命の危機に晒されました。そんな苦い経験を味わいながらも、懲りることなく、新たな手がかりを求めてすぐに身体が動くあたりは、タイプ7の気質があると言えるでしょう。
このように、タイプ7はリスクや現実を後回しにしてでも、欲しいものは今すぐ欲しいと考えるのです。
人間関係
- 自分の楽しみを最優先
- 刺激を求めて積極的に周りを巻き込む
- 人間関係は自由が基本
タイプ7の人間関係は、楽観的で自由を求める性格が大きく影響します。タイプ7は、退屈や制約を嫌い、常に新しい経験や楽しさを追い求めるため、人との関わり方も独特です。楽しいことや刺激を共有できる相手とは強く結びつきます。反面、感情的な深さを求められる場面に対しては距離を置きます。
ここでは、タイプ7の人間関係を、前述のキャラクターたちを例に考察します。
- 野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
しんのすけは友達や家族との関係を大事にしつつも、自分の楽しみを最優先します。彼は相手の感情を深く考えず、すぐに新しい遊びや冒険に向かうため、周りの人々を驚かせることが多いです。タイプ7の人は、しんのすけのように、相手と一緒にいる時も自分が楽しいと感じることを優先し、感情的な支えよりも、楽しい時間を共有することに価値を置きます。 - 孫悟空(ドラゴンボール)
悟空は、仲間との絆を大切にしつつも、戦いや冒険を優先します。彼にとって大切なのは、強敵との戦いを楽しむことです。悟空は他人と深い感情的な関わりを持つよりも、共に戦う仲間としての繋がりを重視しています。タイプ7の人も同様に、深い感情的な結びつきよりも、仲間と一緒に何かを成し遂げることや、新しい経験を楽しむことを優先します。 - モンキーDルフィ(ワンピース)
ルフィは仲間を非常に大切にしますが、彼の人間関係は常に「自由」が基本です。彼は冒険を楽しむ中で仲間との絆を深めますが、誰かに縛られたり、感情的に重たい関係を求められることは苦手です。タイプ7の人は、ルフィのように、自由を尊重しながら、楽しみや冒険を共有できる関係を築きたいと考えます。深い絆を築くことはできるものの、感情的な制約を感じると距離を置いてしまうことがあります。
タイプ7の人間関係において重要なのは、感情的な重さよりも、自由と楽しさを共有できるかどうかです。
タイプ7、は楽しい瞬間を大切にし、相手と一緒に新しい経験をすることに喜びを感じますが、長期的な感情的に深い絆を築くことには苦手です。そのため、相手が感情的な支えを求めてくると、タイプ7はそのプレッシャーから逃れようとすることがあります。
人を元気づけることはできても、人の苦しみや悩みに共感をすることは苦手なのです。
恋愛
- 第一印象は「楽しそうな人」「楽しませてくれる人」と好感度は高い
- 一方で、マンネリな関係には耐えられない。常に外の世界や別の可能性に目を向けている
- 刺激や冒険、新しいことが好きな人からはやっぱりモテるが、地に足がついていない印象があるため、現実的な人からは避けられる
タイプ7にとって恋愛とは、一緒にワクワクした未来にすすむパートナー探しです。
タイプ7は、外の世界に向かって行きたいです。冒険に付き合ってくれる人をパートナーに求めます。外国かもしれませんし、オシャレなカフェバーかもしれませんし、もしかしたらホテルになるかもしれません。
今よりも刺激的な未来を見せてくれて、空虚な世界に連れて行ってくれる人、自分が向かう世界に一緒についてきてくれる人を好きになるでしょう。
I can show you the world.
Shinning Shimmering Splended.Tell me Princess, now when did you last let you heart decide.
I can open your eyes, Take you wonder by wonder.
Over sideways under on a magic carpet ride.
A whole new world/アラジン主題歌
一方で、結婚をして親になると子供を縛る可能性があります。若いときに羽目を外して、色々と失敗した経験も多く、自分の子供に同じ道を歩ませない為、保守的になるかもしれません。
自分は自由人でありたいけれど、自分が以外の人に対しては途端に保守的になるケースもあります。
仕事
- ルーチンワークよりも、新しい案件や企画事が大好きなアイディア型
- スタートダッシュの良さやチャレンジング精神はあるが長続きができない
- 自由すぎて組織には向かないのでは?という意見もあるが、会社次第
経営者よりも起業家タイプですね。会社を守るよりも、新規事業を立ち上げるほうに情熱を燃やします。
スタッフ・オペレーターとしてコツコツとタスクをこなすのは苦手です。どちらかというと、営業など人前に出るお仕事のほうを楽しみます。率先して新しいアイディアを出したり、初対面の人とも臆せず会話ができるため、その場を盛り上げることは得意です。また大好きです。
基本、地味で同じことを繰り返す仕事は苦手です。ルーチンワークをしていると、我心ここにあらずの状態で、壮大なプランを頭の中で考えています。
仕事と遊びが一緒になっているような会社で力を発揮するケースが多いです。
お金
- 超発散型。不要なものもノリで購入する。クレジットカードを3枚持たせたらとんでもないことになる。※多くのタイプ7は、過去にお金で失敗して学んでいるためことが多いため、どこかでお金の使い方については抑制している
- これ欲しい!と思ったらお財布と相談する。その判断が早い
- 購入した瞬間に満足して使わないことも多々ある
タイプ7のお金の使い方は、健全度によって大きく変わりますが、どの状態でも「楽しむこと」が共通しています。
健全なタイプ7は、一つのことに集中してお金を稼ぐ傾向があります。彼らは多くの楽しみを一つの経験から引き出すことができるため、費用対効果が非常に高いのが特徴です。例えば、趣味やプロジェクトに投資すると、その中から長期間にわたり満足感や新しい学びを得られるため、結果的にお金の使い方が非常に賢いものとなります。さらに、彼らは自分の情熱を活かしてビジネスや仕事に集中し、効率的に収入を得ることも多いです。
不健全なタイプ7は、色々なことに手を出してお金をばらまく傾向があります。新しい楽しみや刺激を次々に追い求め、目の前の欲望に従って衝動的にお金を使います。不要なものまで購入し、使った後に満足してしまい、そのまま使わないこともしばしば。お金を手にした瞬間に消費してしまうため、貯蓄や計画的な支出が難しく、後になって困ることもあります。
どちらのタイプ7にも共通するのは、常に楽しみを求めているという点です。健全なタイプ7は一つのことに集中し、そこから多くの満足感を得るのに対し、不健全なタイプ7は多くのことに手を出し、広く浅く楽しもうとするのです。
お金を使う以上にお金を稼ぐことに力を入れるタイプ7には多いですね。よく副業に関する相談は受けます。(笑)
3.なぜタイプ7は「熱中する人」なのか?
センター:3x3の法則-本能、感情、思考センター
エニアグラムの理論では、ガッツセンター、ハートセンター、ヘッドセンターというものがあります。各タイプには、好む感覚があります。
表を作りました。
センター | テーマ |
---|---|
■ガッツ(本能) タイプ8,9、1 |
現在の状態を維持するため、外部の圧力に抵抗をする【怒りの感覚】 |
■ハート(感情) タイプ2、3、4 |
他者からの関心を求めて、自分のイメージを操作する【恥の感覚】 |
■ヘッド(思考) タイプ5、6、7 |
未来に対して恐怖を感じ、先見することで対処する【不安の感覚】 |
タイプ7は、ヘッドセンターに属しているものの、エニアグラムを学び始めたばかりの方には思考型らしく見えないことがあります。というのも、タイプ7は内省的なタイプ5やタイプ6と違い、とても行動的だからです。
タイプ7は内心に不安を抱えているものの、それを外に出すことで対処しようとします。具体的には、行動を重ねることで、その不安感を紛らわせようとする傾向があります。
例えば、クレヨンしんちゃんの野原しんのすけは、まさにその典型です。彼はじっとしていることが苦手で、いつも新しい遊びや冒険を求めて行動し続けます。
しんのすけは常に楽しいことを追いかけることで、内面の不安や寂しさを感じさせないようにしているように見えます。彼が次々と新しいことに挑戦する姿は、まさにタイプ7の行動パターンを反映しています。
タイプ1:思考:メイン、本能:サブ、感情:盲点
タイプ7はヘッドセンターに属しており、未来に対する不安を感じると、それを対処するために思考を活発に働かせます。さらに、隣接するタイプ8のガッツセンターの影響を受けて、考えたことをすぐに行動に移すことができます。このため、タイプ7は「考えてすぐ行動する」タイプでもあります。
一方で、ハートセンターからは離れているため、他人からどう見られているかについてはあまり気にしません。自分が社会的にどう評価されているかや、他者の感情に対する敏感さはタイプ7の優先事項ではなく、自分の楽しみや未来の可能性に重きを置いているのです。
タイプ7は、頭の回転が速く、何事にもチャレンジング精神が豊富で、マルチタスクにも強く、何よりも常にポジティブでいられます。しかし、色々なことにチャレンジをするあまり、ひとつのことを極められない弱点もあります。
たとえば、入社1か月目の研修ですごく物覚えがよく、頭の回転が速い人っていますよね。仕事もサクサクこなして、周りから「期待の新人」と思われるようなタイプ。しかし、そんな期待の新人が現場に配属されると、決められた仕事に集中せず、いつも新しい提案や理想論を話し始める。これは、まさにタイプ7の特徴です。
タイプ7にとって、「組織」は自分を抑えつける場所ではなく、新しいワクワクするものを見つける場であり、同時に自己実現の手段でもあります。彼らは常に新しいアイデアや刺激を求め、ルーティンや決められた枠に縛られることを嫌います。
その理由は、タイプ7がヘッドセンターとガッツセンターの影響を強く受けているからです。思考してすぐに行動に移すスタートダッシュは非常に強いですが、長く続けるスタミナには欠けることが多いのです。(ちなみに、タイプ5やタイプ1はこのスタミナを持ち合わせています)。タイプ7は、新しいことを始めるのは得意ですが、その勢いを維持するのが難しいのも特徴の一つです。
4.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ1へ移行する
タイプ7がストレスを感じ、タイプ1のような状態に動くと、物事がうまくいかないことに強い苛立ちを覚えるようになります。この時、思考や感情が支配され、同時に自分の人生が空虚で意味のないものだと感じがちです。
「なんで自分の人生はこんなにうまくいかないんだろう」 「~さえあれば、もっと楽しい人生になるはずなのに…」 「もう何もやりたくない。人生ってつまらないな」
こうしたネガティブな感情が渦巻き、タイプ7特有のワクワク感やハツラツさがすっかり消えてしまい、まるで生気を失ったような状態に陥ります。目に映るすべてが空虚に感じられ、楽しむことができなくなってしまいます。
ストレスを抱えたタイプ7は、まるでタイプ1のようにイライラしがちで、自分が自由に動けないことへのフラストレーションを他人にぶつけることが増えます。この状態では、本来の陽気で楽観的な姿が影を潜め、周囲との関係にも悪影響を及ぼすことが多いです。
安定・統合時:タイプ5へ移行する
タイプ7がタイプ5に統合すると、外側の刺激を求めるのではなく、内側から平穏さや落ち着きを手に入れることができます。何か一つのことにじっくりと打ち込むことで、外の世界から楽しさを得る必要がなくなり、内側から自然に満たされる感覚を得るのです。
この状態では、次のような変化が見られます。
- 内面の世界で楽しさを創り出す: 外の刺激に頼ることなく、自分の内面で喜びを感じることができるようになります。
- 集中力が高まり、一つのことに情熱を注ぐ: 今まで散漫になりがちだった意識が集中し、物事に深く打ち込めるようになります。
- 空虚さからの解放: 自分が空っぽだという恐怖から解放され、内面的な充実感を味わうようになります。
ここでいう「楽しさ」とは、タイプ7が求めていた刹那的な楽しさや未来への期待とは異なります。タイプ7は「色々なことを楽しみたい」と思いがちですが、本当の喜びは「色の数」ではなく、一つの色をどれだけ深く味わえるかにあります。
言い換えれば、その人の内面から湧き出る「深み」のようなものです。タイプ5は、タイプ7ほど華やかさはないかもしれませんが、一つのことを探求することで得られる「深み」は、人生の本当の豊かさを感じさせてくれるものです。
5.成長のレベル-健全、通常、不健全
エニアグラムには各タイプに応じて健全、通常、不健全と9つの成長レベルというものがあります。
- 健全:レベル1~3-自然体で心身ともに安定した状態
- 通常:レベル4~5-各タイプのそのままの状態
- 不健全:レベル7~9-社会生活が困難なレベル
レベルについては、数字が高ければ高いほどよい状態です。レベル1の状態は、そのタイプの囚われ、根源的恐れ、根源的欲求から解放された最高の状態であり、レベル9の状態は末期の状態です。
あなたがレベル9でないことを祈りします。
健全-レベル1~3
レベル1.喜びにあふれている人
健全度1のタイプ7は、心の底から人生を楽しんでいます。特定の体験をすれば人生は楽しくなる!という思い込みを手放して、本当の意味でいまこの瞬間を楽しんでいます。
目の前の体験が何であれ、それ自体を楽しめています。たとえ、それがルーチンワークやお決まりの行事でも、ひとつひとつの体験から発見と感謝を120%受け取れて、全てにおいて満たされた状態になるのです。
健全度1のタイプ7は、心の底から人生を楽しんでいます。特定の体験をしないと楽しめないという思い込みを手放し、今この瞬間を心から楽しんでいます。人生の小さな不思議に感動し、今あるものに深く感謝します。精神的な現実や、人生の素晴らしさを直感的に感じ取ります。
特徴:
- 人生の小さなことに感動する
- 今あるものに感謝する
- 精神的なつながりを感じる
- 今この瞬間を楽しむ
レベル2.夢中になる人
健全度2のタイプ7は、とても反応が早く、興奮しやすいです。外向的で、刺激にすぐ反応し、何にでも活力を感じます。活発で陽気、熱心で自発的です。
この状態のタイプ7は、様々な可能性に満ちた世界に焦点を合わせています。自分が欲しいものは確実に手に入ると信じて、目標に向かって進んでいきます。そして、これからの体験に対してワクワク感を抱いています。
この状態でも十分に満たされているのですが、心のどこかで「もっと、もっと」という新たな体験を求めています。健全度1が穏やかな状態だとするなら、健全度2はタイプ7が最もタイプ7らしい状態だと言えるでしょう。
特徴:
- 反応が早い、興奮しやすく、活力がある
- 外向的で、刺激にすぐ反応する
- 活発で陽気、熱心で自発的
- 可能性に焦点を合わせる、欲しいものを手に入ると信じる
- 目標に向かって進む、新しい体験を求める
レベル3.実践的な万能選手
健全度3のタイプ7は非常に実践的で万能です。内側のワクワクした気持ちを保ち続けるために、今のペースを落とすことを心配し、常に動き続けています。
この状態のタイプ7は、非常に行動的で、まさに万能選手です。複数の仕事を同時にこなしながら、次の案件も積極的に獲得し、ひたすら前に進みます。仕事でも遊びでも個人活動でも、全力で取り組みます。
万能で何でもマルチにこなせる有能な人物像:
- 実践的: 常に現実的で、今すぐに行動を起こします。
- 行動的: じっとしていることがなく、常に何かに取り組んでいます。
- マルチタスク: 複数のプロジェクトや仕事を同時にこなし、効率的に進めます。
- 積極的: 次々と新しい機会を追求し、常に前向きに挑戦します。
- 全力投球: 仕事でも遊びでも個人活動でも、全てにおいて全力で取り組みます。
- 恐れから逃避: 何かを失うことを恐れ、その恐れから逃れるために忙しくしています。
通常-レベル4~6
レベル4.欲張りな人
健全から通常の状態に移ると、タイプ7は機会損失に過敏になります。
無意識に「もっと価値ある体験があるのに見逃しているのではないか?」という恐れに動かされます。
この状態では、目の前のことに集中できなくなります。
まるで会社勤めの人が副業に興味を持ち、本業に集中できないような状態です。
結果として、落ち着きがなくなり、人生の選択肢を増やすことにばかり集中します。健全な状態では意識が「生産」や「創造」に向かいますが、通常の状態では「消費」に向かいます。
どこかで人生に対して限界を感じながらも、そのエネルギーを維持できずに、別の方法で自分を楽しませようとします。
例えば、会社や生活に張りがないために、ワクワクするようなイベントに参加し、無駄遣いをしてしまう状態です。
この状態のタイプ7は焦燥感に駆り立てられており、欲しいものは何一つ手に入っていません。
特徴:
- 機会損失に過敏になり、目の前の事に集中できない
- 選択肢を増やすことに夢中で、何ひとつ成しえない
- 行動が「生産」から「消費」に移り、クレジットカードが焦げ付く
レベル5.注意散漫・多動性な人
健全度5になると、タイプ7は日々の生活が退屈で仕方なくなり、内側の欲求不満が高まります。
その結果、自分のペースや限界を無視して、新しい体験を求めながら絶えず動き回ります。まるで休むことが怖いサメのように活動し続けます。
一瞬でも止まってしまうことが怖く、不安になります。
さらに、タイプ1の「人生は限りなく楽しむべきだ!」という考えに取りつかれ、満足を求めてあらゆる物事に手を出します。この状態のタイプ7は非常に衝動的で、目の前のことに集中する能力が低下し始めます。
一時的な楽しさを求めて次々と新しい刺激に飛びつきます。
高価なレストランでの食事、最新のガジェットの購入、衝動的な旅行やイベントへの参加など、楽しさを感じる瞬間にお金を使い続けます。
結果として、お金はどんどん減っていきます。その瞬間は、クレジットカードの請求が膨らんでも気にしませんが、後から経済的な不安も増していきます。
レベル6.自己中・快楽主義者
健全度6のタイプ7は、自己中心的で快楽主義者になります。健全度6のタイプ7は、非常に機嫌が悪いです。
普段のニコニコした雰囲気が消え、ピリピリとした緊張感を漂わせます。
自分さえ楽しければ、人の都合は二の次。
例えば、夜遅くに後輩や部下など、立場の弱い人を誘って飲みに行き、自分の楽しみのためだけに付き合わせるような行動です。自身の快楽が最優先であり、他人のことを考えるのは二の次。この状態が続くことで、他人の幸せを踏みにじる行為を平気で行います。
健全度6のタイプ7は、自分の快楽を追求するために他人をモノのように扱うエゴイストな行動を続けています。彼らは自分の楽しみのためなら、他人の幸せを踏みにじることも厭わないのです。これにより、多くの被害者が生まれ、彼らの行動によって周囲の人々が次第に不幸になっていきます。
タイプ7がこの状態から立ち直るためには、自分の行動が他人にどれほどの影響を与えているかに気づく必要があります。もし、彼らが自分の愉悦を優先することで周りの人々を不幸にしていることに気づけば、立ち直る可能性があります。しかし、多くの場合、彼らは自分の快楽を優先し続け、他人の苦しみには無関心でい続けます。
このままでは、タイプ7はさらに自己中心的な行動をエスカレートさせ、周囲の人々をますます不幸にしていく世界線が続きます。彼らの行動は次第に孤立を招き、友人や家族も離れていきます。周りの人々は、彼らの自己中心的な態度に耐えられず、関係を断ち切ることを選ぶのです。
孤立感が増す中で、タイプ7はさらに新しい刺激を求めて突き進みますが、その結果、経済的にも社会的にも破綻する可能性が高まります。彼らは自分の欲望を満たすために無理な借金を重ね、財政的に困窮することになります。また、仕事や人間関係にも悪影響が及び、職場での信用を失い、キャリアにも大きなダメージを受けます。
このようにして、タイプ7は自らの快楽を追求することで周りの人々を不幸にし、最終的には自分自身も破滅に向かうことになります。
特徴:
- 自分の快楽を優先し、他人を不幸にする
- 多くの被害者を生み出す
- 孤立感が増し、友人や家族が離れていく
- 経済的・社会的に破綻する可能性が高まる
- 職場での信用を失い、キャリアにダメージを受ける
- 自己反省と他者への配慮がなければ、さらなる悲劇を招く
不健全-レベル7~9
レベル7.衝動的なリアリスト
健全度7のタイプ7は、不安を鎮めるために衝動的で幼児的な行動を取ります。彼らは現実逃避をし、将来の不安から逃れるために膨大なエネルギーを使います。しかし、内側のエネルギーは尽き、ぐずってわがままを言い、他人に迷惑をかけます。
実際の行動例
- 快楽目的の浪費: 高級クラブやバーで派手に飲み食いをして、無節操な浪費に疲れ、次第に距離を置きます。
- 無謀な旅行と衝動買い: 突然の海外旅行を計画し、高価なホテルに泊まり、衝動買いを繰り返します。帰国後、借金が残り、職場での信用も失います。
- 人間関係のトラブル: 夜遅くまで友人や知人を振り回し、自己中心的な行動を続けます。周囲は彼の行動に耐えられず、関係を断ちます。
この状態の特徴
- 依存症と現実逃避: 深刻で長期にわたる依存症に陥り、身体を衰弱させます。
- 衝動性と攻撃性: 衝動にコントロールされ、攻撃的で幼稚な反応を示します。
- 精神的不安定: 躁鬱を繰り返し、パニックに陥ります。止まることを恐れ、一瞬でも休むことができません。
- 被害者意識と加害者行動: 自分が被害者だと思い込んでいますが、実際には周囲に大きなストレスと負担をかける加害者です。
この状態のタイプ7は、自分の行動が他人にどれほどの影響を与えているかに気づかないまま、自分の問題に囚われ続けます。
レベル8.衝動的・自己脅迫的
健全度8のタイプ7は、不安や欲求不満が鈍化し、本能的な行動を取ります。思考機能はほぼ停止し、完全に動物のような状態です。目の前にお酒があれば飲み、人がいれば絡む、といった具合に本能をむき出しにしています。
実際の行動例
- 暴飲暴食: 目の前に食べ物があれば、何も考えずに貪ります。身体の限界を感じても知ったことではありません。
- ダル絡み: 人がいれば、とにかく絡んでしまいます。友人でも他人でも構わず、しつこく話しかけたり、触れたりします。相手の反応を考えることなく、本能的に行動します。
- 本能の奴隷: 目の前に食べ物があると、満腹でも食べ続けます。健康や体調を気にせず、本能に従って食べるだけです。
- この状態の特徴
- 本能的な行動: 思考機能が停止し、目の前の刺激に対して本能的に反応します
- 衝動に駆られる: 不安や欲求不満については知覚できず、衝動のみで生きます
- 自制心の喪失: 自制心が完全に失われ、人間と動物のハーフになります。
この状態のタイプ7は、理性を失い、本能的な行動に支配されています。周囲からは非常に危険で不安定な存在として見られ、自分自身も制御不能な状況に陥っています。
レベル9.ヒステリー患者
この状態になるとタイプ7の根源的恐れである「人生の可能性が奪われるのではないか?」が現実的なものになります。
完全に健康を害し、活力が沸かず、何に対しても無気力になります。
「せっかく生まれたのに人生を無駄にししまった!」と思い込み、人生は絶望に満ちたものになります。
これ以上は人生に対して希望を見いだせずに、まるで終身刑の判決を下されたような気持になるでしょう。
6.サブタイプ(ウィング・生得本能)
ウィング
通常のタイプ7は、常に楽しさや可能性を見つけるために何かを計画していますが、その計画後の行動がウィングによって決定的に異なります。タイプ7は、ウィングによって別人になるので、ぜひとも参考にしてみてください。
タイプ7ウィング6:エンターテイナー
タイプ6のウィングの影響により、仲間やコミュニティーに関心を寄せて、盛り上げ役としてみんなで楽しい世界を目指したがります。ひとりで楽しい世界を目指そうとしないとのがエンターテイナーの特徴です。
タイプ7ウィング8:現実主義者
対して、タイプ8よりの現実主義者は、ひとり行動を好みます。周りから足を引っ張られて、自分のやりたいことをあきらめるくらいなら、ひとりでも前に進みます。
失敗する恐怖よりもチャレンジをしたい欲求のほうが強いのです。理想の未来を描いて、現実的にするために行動する現実主義者になるのです。
【最後】タイプ7がハッピーになるため
最後にタイプ1がハッピーになるための指南書をまとめました。エニアグラムの教科書通りではなく、これまで自身のエニアグラム活動経験からタイプ7に直接アドバイスをしていることっです。
1.欠乏欲求を満たす
- やりたいことを実現させるためのスキルを身につける
- リソース(ヒト、モノ、カネ、知識)を蓄える
- フォロワーよりもリーダーを目指す
結論からいうと、タイプ7に必要なのは、アウトプットではなくインプットです。スキルやリソースを獲得して、自分の中で育てて行く期間がどうしても必要になります。
3日坊主から3年続けて確固たるスキルやリソースを獲得できると、タイプ7は本当にバラ色の人生を手に入れることができます。おそらく、あなたが憧れている人は、本人が口にしないだけで、そのような経験をどこかで積んできたのだと思います。
2.成長欲求を満たす
- いちばん「好き」なものを選ぶ
- あえて、「専門家」を目指す
色々と動いているよりも、ひとつのことに没頭できる楽しみを見つけたときにタイプ7は、ホントの人生の楽しさを享受できます。そして、次は人から専門家として認められるようになることですね。
すると、不思議なことに、自分から足を使って動かなくても、ワクワクした話が向こうから舞い込んでくるようになります。
9つの性格タイプ一覧
サブタイプ一覧
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木村真基
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
ウェブデザインだけではなく性格もデザインします♪