エニアグラム-タイプ6:忠実な人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ6「忠実な人(リソ式)/安全を求めて行動する者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ6についてみていきます。
1.タイプ6の特徴
<タイプ6の性格>
- 自分は、日本人気質だと思う。空気を読むし、みんなに足並みを合わせる。
- 学校や会社などに不満はあるが、個人プレイに走る勇気はない。どこかに属していることに安心を感じる
- 自分で何かを決めるときは、必ず誰かの「フィードバック」を求める。承認や前向きな評価を得ると安心する
- 時々、物凄い「不安」に襲われるが、その不安の正体については気づかない。何となく不安を感じる
- 自由になりたい気持ちと自由になった恐怖が混在している。結局、誰かにいてほしい
エニアグラムのタイプ6は「忠実な人」と呼ばれ、疑念、不安や恐怖に囚われている性格タイプです。
タイプ6は、自分や周囲の安全を確保し、信頼できる人や組織に忠誠を誓うことで、不安定さから逃れようとします。彼らは現実的で、責任感が強く、集団やコミュニティに対して深い信頼と献身を示します。
不安はどのエニアグラムタイプにも存在する心理現象です。
しかし、タイプ6に特徴的なのは、その不安の源が曖昧であり、いったい自分が何に不安を感じているのかを特定できません。他のタイプは、自身の根源的恐れに基づいた不安を抱くのに対して、タイプ6は、無自覚にも、各タイプの不安をすべて引き受けている状態です。
筆者は、エニアグラムタイプ判定を生業にしていますが、タイプ6の可能性を検証するのはいちばん最後にしています。
タイプ6の世界観
タイプ6の世界観は以下の3つでまとめられます。
- 恐れ:独りで決めて、独りで生きること
- 欲求:支えてくれる、導いてくれる力と強く繋がりたい
- 習慣:支えや導きを得れば、人生はうまく行くはずだ。
タイプ6は、海外では”loyalists(信仰深い人)”と呼ばれています。力のある存在に忠実になることで心身の安全、ないしは将来の恐怖を克服します。
いわゆる「権威」です。権威とは力の象徴です。
その存在が神様になるのか、会社になるか、親になるのか、グループのリーダーになるかは、その人次第です。いずれにせよ、タイプ6は強い力に守られていると感じることで、内側の不安を解消したいのです。
タイプ6は、エニアグラムの中でも最もユニークで興味深いタイプのひとりです。
信頼と疑念という相反する要素を同時に持ち合わせているため、その内面には豊かな葛藤と深い洞察力があります。
- 他者に依存をするのですが、他者から離れて自立したいと願う
- 人からの信頼を求めているが、あえて「その人」を試す
- 権威者から守ってもらいたいけれど、なぜか逃げる
- 順応に振舞いながらも、いつもどこかで疑っている
- 攻撃をされたくないと思っているが、時に超攻撃的
実際に、タイプ6は、信頼する人や組織に対して深い絆を築きます。この信頼関係は、他者を守り、自分の役割をしっかり果たそうとする献身に繋がります。内側の疑念を乗り越えて信頼を資質が開花したときに、タイプ6は本当の意味で自分の人生を生きることができるでしょう。
幼少期の父親的な人との関係が大きく影響している
タイプ6が、こうも守られていたいと感じるのは、4〜5歳頃の父親的な存在との関係が大きく影響しています。
タイプ6のトラウマ
- 頼りになる父親的存在と強く結びついた。幼少期にどうしたらよいかわからないときに、導き、社会の枠組み、ルール、生き方を説いてくれた人に強い大きな影響を受けた
- 父親的な存在(母親、兄・姉、教師の場合もある)についていけば、「承認」というの名の安全が得られて、独立できると悟った
タイプ6は幼少期に父親的存在の人と強く結びついたため、心のなかでは独立や自由を求めながらも、自分自身に確信が持てずに、自分の自立を支援して、自由を保証してくれる存在に依存するようになりました。同時に、外側の導きを失うことに恐怖を抱いてしまったのです。
タイプ6の恐怖対抗:攻撃的傾向/依存的傾向
タイプ6は、不安に対して2つの異なる反応を示します。
それが「攻撃的傾向」と「依存的傾向」です。
攻撃的なタイプ6は、不安や恐怖に直面すると、真っ向からそれに挑みます。タイプ8に似たこの反応では、恐怖を強さで覆い隠し、リスクに対して積極的に行動します。彼らは弱さを見せたくないため、恐怖を攻撃的なエネルギーに変換し、周囲に強い印象を与えることが多いです。
依存的なタイプ6は、不安を感じると他者に近づきます。信頼できる人や組織から守られたいと願い、無意識に承認を求めるため、タイプ4のようになります。
どちらの傾向も、不安を感じた時に生まれるタイプ6の反応であり、それぞれの状況に応じて現れます。
タイプ4は自分が何を求めているのかがわからなくなりますが、タイプ6は自分が何に動かされているのかがわからなくなります。
マサオ君は、タイプ6の「恐怖対抗」と「依存」の両方を表すキャラクターです。普段は不安そうでおどおどしていますが、いざ行動を迫られると別人格のように強気になり、恐怖に立ち向かいます。
これは、タイプ6が追い詰められたときに見せる「恐怖対抗」の典型例です。
一方で、マサオ君は危機的状況ではしんちゃんや仲間に頼ることが多く、これがタイプ6の「依存的傾向」を示しています。彼は不安が強まると、信頼できる人に寄りかかることで安心感を得ようとします。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間の使い方
- 時間は主人であり、守るべき存在
- ひとりの時間でも他者と共存する
- 意外と先のことを考えている(本人は自覚がない)
タイプ6にとって時間は主人です。他のタイプが自分の時間を大切にしますが、タイプ6は限られた時間でさえも他者と時間と共存するために費やします。
タイプ6は、将来に対する危機や不安を対処することで頭がいっぱいです。その不安は、仕事や学業かもしれませんし、人間関係かもしれません。恋人や家族の心境の変化かもしれません。2020年からはコロナ渦により社会がどのように変化するか?かもしれませんね。
不安の種が何であれ、タイプ6は、そんな不安に対して答えを示して、内側の不安をかき消してくれる存在がほしいのです。それが、会社なのか、恋人・パートナーなのか、メンター、特定の集団の思想など自分に力を与えてくれる存在です。
人によっては、社会や国家かもしれません。いずれにせよ、タイプ6は、心の支えになってくれる存在に対して、自分の時間を使っています。一見、自らの意志で動いているように見えるタイプ6もいますが、潜在意識は、そのような大きな力に守られていると感じられるからです。
反面、タイプ6は、周囲に振り回されて時間を無駄に浪費することが多いかもしれません。
結果、「自分の自分の時間がない!」と嘆いている人は多いですね。
ただし、自分の時間ができたらできたら、また孤独の不安と戦うことになります。結果として、無意識に矛盾した行動を選びがちです。
人間関係
- 人間関係=自分を守ってくれるもの
- 自立するために依存先を増やす
- 生活の安全、平和な人間関係、未だに不安を感じる
タイプ6は、人間関係を大切にします。特にグループでは、自我を抑制して周りと足並みを合わせるでしょう。誰かと一緒にないと落ち着かないのです。どこかで自立・独立を望みながらも「独りになったらどうしよう!?」という不安があります。
自分の人生の主は自分とは思わず、承認してくれる存在がほしいのです。
私はいつか見捨てられる!その状態は想像しただけでも恐怖だ
自分の役割を果たして、みんなから必要な存在だと受け入れてもらおう
タイプ6は、子供の頃から居場所を確保するために、強者に自分を売り込みました。ボスから認めれることで、自分の安全地帯を確立してきたのです。タイプ3やタイプ8はNo1になることで、自分の居場所を作ります。
対して、タイプ6はNo2を目指します。
人間関係が水のように不安定である以上、タイプ6は「人はいつか私を見捨てるのでは?いや、現時点であまりかまってもらえていないのでは?」と不安に囚われたら、その不安は心のなかで自己増殖していきます。
そんな不安を自分の中でコントロールできなくなると、タイプ6は、その恐怖を打ち消すかのように、恐怖対向型の一面が徐々に出てきます。

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タイプ6は、内側の恐怖が必要以上に増殖したときに戦う道を選びます。「誰も守ってくれない。このままだと脅かされる」と感じたら、パニックになります。内側の不安をかき消したいのです。
これをタイプ6の矛盾でもある恐怖対抗とも言います。タイプ6は戦うときは、タイプ8のように攻撃的になる場合もあります。子供の頃に「攻めは最大の守り」を教わった人には、この恐怖対向型が多いです。
窮鼠猫を噛む、猫ヒゲたてる!というべきでしょうか?
恐怖対抗型のタイプ6は、時にまるでタイプ8のように好戦的で、場合によっては自分がタイプ8だと思うこともあるでしょう。
しかし、両者には明確な違いがあります。
タイプ8は、自由や快適さを手に入れるために積極的に戦いを挑みますが、タイプ6は違います。タイプ6は、追い詰められたときに初めて牙を向けるのです。彼らは戦いたいわけではなく、できれば平和な生活を送りたいと考えています。実際、タイプ6はタイプ9のように、日々をのんびりと過ごし、安心感を求める傾向があります。
言うなら…ワンピースのウソップです。
恋愛
- 情熱や刺激よりも信頼と安心を求める
- 良くも悪くも「依存的」なところがある
- 恋人・家族を守るために身を挺すことも
恋愛において、タイプ6は、自分が安心できて、お互い支え合うような関係を求めています。その見返りとして、親身になって相手を支えます。それこそタイプ2のように余計なお世話と思うわれるかもしれません。
タイプ2との違いは、見返りや愛情よりも、自分の現在の孤独や将来の不安を受け止めてくれる相手を求めます。
タイプ6の恋愛における落とし穴は、内側に不安が溜まると、その不安が行動に影響を与える点です。否定的な発言が増えたり、突然相手を試すような行動に出たり、急にキレて問い詰めることがあります。最悪の場合、今の関係に安心感を見出せなくなると、もっと自分を安心させてくれる相手に心が動くことも。
特に、自分が捨てられると思い込んだ瞬間、内側の恐怖が一気に増幅し、無意識に相手にプレッシャーをかけてしまうことがあります。
このプレッシャーは、相手を不安に陥れることで、間接的に安心感を得ようとするタイプ6の無意識の行動パターンです。しかし、これが逆効果となり、関係を悪化させるリスクもあるため、注意が必要です。
もしもタイプ6の恋人やパートナーが不穏な行動を取ってあなたにストレスや不安を与えているなら、その根底には彼ら自身の不安や自己不信があると考えてみてください。タイプ6は自分の内側に大きな不安を抱えており、それが行動や言動に表れることがあります。
相手(タイプ6)もまた、あなたと同じか、それ以上に不安を感じている可能性が高いのです。この視点を持つことで、解決の糸口が見えるかもしれません。
健全なタイプ6は、他者の不安や疑念を取り除く力があります。パートナーの気持ちに寄り添い、安心感を与え、関係を強固にする役割を果たすことができます。
しかし、不健全なタイプ6は逆に、自己の不安や自己不信を投影してしまうことがあり、相手を不安にさせようとする傾向が出てきます。自分が見捨てられるのではないか、という恐れが膨らむと、相手を試したり、プレッシャーをかけるような行動を取り、結果的に相手に不安を与えてしまいます。
特に健全度が低い状態では、タイプ6は自分の不安を解消するために相手に依存し、共依存的な関係を求めることもあります。
これが関係をさらに悪化させる可能性もありますが、不安が解消されると、再び優しく信頼に満ちたタイプ6に戻ることができます。タイプ6の恋人やパートナーとの関係を健全に保つためには、彼らの不安や自己不信を理解し、その不安が相手に投影されている可能性に気づくことが大切です。
他にも、タイプ6は家族を大切にします。
例えば、クレヨンしんちゃんに登場する野原ひろし。普段は普通のお父さんだけれど、家族のためなら身を挺して戦う姿勢は、どれだけ私たち日本人の心を動かしたでしょうか?
しんのすけが戦国時代にワープしたときも、
しんのすけのいない世界に未練があるか?
と言いました。
野原ひろしは、家族(みさえ・しんのすけ・ひまわり)に支えられている自覚があるからこそ、家族を失うことを何よりも恐れています。家族=自分という共同体意識があるのです。
健全度が高いタイプ6は、自分よりも大切なものがいれば、自分のことを後回しにしても反射的に家族を守ろうとする姿勢があります。
仕事・働き方
- 組織やチームの期待に応えることが第一に考える
- 出しゃばらず自分の能力や役割を意識して、その範囲で組織やクライアントに貢献をすることを好む。
- 無理な仕事は「無理です」と断る。ギャンブラー的な働き方を最も嫌う。
自らの使命や他者への責任を果たすことがタイプ6にとって最も大切なこと。タイプ3のように目の前の名声を求めたりもしません。タイプ8のように勝ち負けに動かされて冷静さを失うこともありません。タイプ7のようにワクワク感に振り回されません。
タイプ4や5のように、自分に固執しなければ、タイプ2やタイプ9のようにみんなが仲良く働けるような環境でなくても構いません。
ちょっとした不満こそあっても、それを態度に出さず、見返りすら期待せずに、まずは自身の責務を果たす!そんな働き方ができる企業戦士です。

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ですが、タイプ6が企業戦士になりきるのは、その見返りとして「安全」や「安心」を求めているからです。それが、日本企業の三種の神器といわれている終身雇用、年功制、労働組合の存在ですね。
・・・とこのように自己責任のオンパレードなのがアメリカ社会です。近年、日本もキャリア形成は自己責任時代に入っているので、タイプ6にとっては生きづらい社会になっているかもしれませんね。その結果、タイプ6の中にも、フリーランスやYoutuberとして生きる道を選ぶ人たちもたくさんいますね。そして、なぜかサラリーマンのように堅実に仕事をこなして大成功するなんてことも・・・。
どっかの大臣が、老後に備えて2000万円を用意しておけ!と言ったときに、過剰に反応をしたでしょうね。
お金の使い方
- タイプ6にとって、お金は自分を守ってくれる「権力」のひとつ。「お金を増やそう」というよりも、「資産を守ろう」というほうが効果的
- 定年2000万円説に過剰に反応する
- お金は欲しいけれど、チャレンジをするのは怖がる

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余談ですが、タイプ6に対して、「お金持ちになって、自由になろう!」は刺さらないでしょう。自由になることそのものが恐怖であり、不安だからです。逆に、僕らがバックアップするから安心して!と言えばコロッと納得します。
ここら辺はラルクアンシェルのDive to Blueの歌詞が参考になると思います。
3.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ3に移行する
タイプ6のエネルギーを支えているのは、不安から身を引くことです。その現状が崩されそうになると、タイプ6は焦り、内面に強いストレスを抱えるようになります。周囲とバランスをとることを第一と考えているタイプ6は、そのバランスをが崩れそうになると、焦るように維持しようと必死に働きかけます。
- 仕事中毒になり、身体を壊すまで仕事に打ち込む
- 自分をよく見せようと周囲に対して過度に自分の存在をアピールする
- 意見や考えが異なる者に対して批判的になる
のび太くんが必死にしずかちゃんにアピールしているような状態です。
安定・統合時:タイプ9へ移行する
不安から解放されて、結果として心身ともにバランスが取れたような雰囲気になります。タイプ9が持っているような「このままでOK」と心から思えるような自信と余裕が生まれます。
- 不安や恐怖心から解放されて余裕がある雰囲気になる
- 落ち着いていて、自然体になる。駆け引きをしなくなる
- 深く物事を考えずに気持ちや感情の整理がつけられるようになる
タイプ6は、不安から逃げるように「安全な状態を維持しよう」というエネルギーを強く働かせています。ところが、タイプ9の状態に近づくことで、タイプ6が本来持っている不安すらないほど安定している状態になります。
タイプ6は、誰よりも怯えながら、その恐怖の正体に気づいてないんですね。でも、何だかソワソワして落ち着いていられなくて、ちょっとあわてんぼうなところがあります。逆に、人前では物静かな雰囲気にみえても、心の中はソワソワしている方もいますね。エニアグラムの中ではいちばん判定が難しいタイプかもしれません。
共通して言えることは、やっぱり慕っている相手が自分から離れていくこと。現実はそうでなくても、そんな感覚に襲われること・・・心の中ではいつもびくびくしています。
5.サブタイプ(ウィング・生得本能)
タイプ6は安全・安心を求めるのが基本動機になりますが、ウィングによって安全を獲得する手段が違ってきます。
- 6w5:モノやシステム
- 6w7:人間関係や関係
タイプ6ウィング5:守る人
6w5は、勉強熱心で、様々な専門分野で高い成績を収めます。実際によく努力をするし、ひとつの技術や分野を習得することに熱心です。タイプ5にも似ていますが、タイプ6w5の場合、とにかく努力と行動をするのです。理論よりも実践に重きを置き、よきリーダーになることもあれば、周囲から「達人」と称されて一目置かれることもあります。
おまけ
不安で不安で仕方ないときは、とりあえず、この曲でも聴いてみてはいかがでしょうか?
↓
スキマ空いた心は満たされたでしょうか?もしもいつの間にリラックスできたら、あなたはタイプ6かもしれませんね。
9つの性格タイプ一覧
サブタイプ一覧
有料タイプ診断
LINE公式アカウント
木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
ウェブデザインだけではなく性格もデザインします♪
