エニアグラム-タイプ6:忠実な人とは?

エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ6「忠実な人(リソ式)/安全を求めて行動する者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ6についてみていきます。
1.タイプ6の特徴

<タイプ6の性格>
- グループに足並みを合わせて行動し、組織や集団に属していることで安心感を得る
 - 自己判断に不安を覚え、必ず他者のフィードバックを求めて承認を得ようとする
 - 理由のない漠然とした不安に襲われることがあり、その正体を自分でも掴めない
 - 自由と自立を求めながらも、自由になった途端に孤独と恐怖に怯える
 - 本心では信頼できないと感じつつも、誰かに依存してしまいがち
 
エニアグラムのタイプ6は、「忠実な人」とも呼ばれます。現実的で責任感が強く、信頼できる人や組織に忠誠を尽くそうとします。その根底にあるのは、曖昧で言葉にできない不安です。
タイプ6は「安全主義」「慎重でリスクをとらない」といった表面的なイメージで語られることが多いかもしれません。しかし、本当のタイプ6の姿は、それだけでは説明しきれないほど複雑で、内面に深い葛藤を抱えた存在です。
実際のタイプ6は、もっと複雑で矛盾に満ちた存在です。
タイプ6の最大の特徴は、矛盾する感情や行動を同時に持つことです。
- 
安全を求めながらも、時には自らリスクをとろうとする。
 - 
権威を信頼しつつも、同時に強い疑念を抱く。
 - 
誰かに頼りたいのに、依存してしまう自分に抵抗する。
 
これらはすべて、タイプ6の根底にある「見えない不安」が原因です。
この不安は、意識の表面にはなかなか現れず、自分自身でも気づきにくいことが多いのです。
──誤解されやすく、見分けるのが最も難しいタイプ──
エニアグラムの中でもタイプ6「忠実な人(The Loyalist)」は、最も誤解されやすく、自己診断・他者診断ともに間違われやすいタイプのひとつです。
エニアグラムの専門家ですら、タイプ6を正確に見極められず、別のタイプと誤診するケースは決して少なくありません。
特に以下のタイプと混同されがちです:
- 
内面の葛藤や不安、自己否定が強いと、感情に敏感なタイプ4と誤診されがち
 - 
タイプ4は「自分らしさ」を求めるのに対し、タイプ6は「信頼と安心」を求めています。
 
⚠️違い:
- 
タイプ4 → 感情を深く味わいたい(自己探求)
 - 
タイプ6 → 不安を解消したい(安全と確信がほしい)
 
「私は不安が強いから、きっとタイプ6だと思う」
そう言う方はとても多いです。
ですが、実際には、タイプ6ではない可能性もあります。
エニアグラムでは、どのタイプにもそれぞれ独自の「恐れ」があります。
不安や怖れを感じているからといって、それがすぐにタイプ6の「根源的恐れ」と一致するとは限らないのです。
たとえば、タイプ4の人は「自分には何かが欠けている」と感じ、それが不安につながります。
タイプ3の人は「失敗したくない、価値がないと思われたくない」と感じて不安になります。
タイプ9の人は「対立や混乱を避けたい」という思いから、不安を感じます。
こうした他のタイプの恐れを、本人が「漠然とした不安」と表現すると、それを聞いた周囲や本人自身が、「じゃあタイプ6かもしれない」と思ってしまうことがあります。
実は、タイプ6を一番間違いやすいのはこのパターンです。
不安の“中身”を深く見ないまま、「不安があるからタイプ6」と判断してしまうと、本質を見誤ります。
タイプ6の根源的恐れは、「信頼できるものがないこと」です。
そして、根源的欲求は、「安心できる土台がほしい、自分に確信を持ちたい」という願いにゆえ、未来に対する葛藤と不安を覚えてたタイプです。
自分が本当にタイプ6かどうかを見極めるには、「私は何を恐れているのか?」という問いを、少しずつ、何度も、自分に投げかける必要があります。
また、タイプ6だと思っていた人が、じっくり話をしてみると、実はタイプ4やタイプ9だった、というケースは少なくありません。
その人の不安の根っこをよく聞いてみると、「自分が特別じゃないのが怖い」とか「他人に受け入れられないのが怖い」といった、まったく別の恐れが隠れていることがあります。
だからこそ、「タイプ6かもしれない」と思っている人ほど、急いで答えを出さず、焦らずに自分の内面を見ていくことが大切です。
タイプ6は、自分を疑う傾向が強く、「私は本当にタイプ6なのかな?」と迷うこと自体が、その人のタイプ6らしさを表している場合もあります。
ただし、その迷いが、他のタイプ特有の恐れからきていることもある。
だからこそ、自分の不安がどこから来ているのかを、丁寧に見ていくことが必要なのです。
自分をよく知るために、すぐにタイプを決めなくても大丈夫です。
時間をかけて向き合っていく中で、本当のタイプが少しずつ見えてくるはずです。
タイプ6となる決め手
日々の生活で薄々と不安を感じているが、
何が不安だかわからない!
タイプ6は不安を掻き立てられ、最終的には自らパニックを引き起こしてしまう――。
そして、自ら不安な未来を頭の中で生み出してしまい、現実にも反映させてしまう。
そんな自己矛盾と一緒に生きているのが、タイプ6です。
常に自分自身の中で「信じるもの」と「疑うもの」を同時に抱えこみ、外から見れば一貫性に欠けているようにも映ります。
本人ですら自分の内側にある「不安」を完全に把握できないかもしれません。しかし、それがタイプ6の最も面白いところです。
筆者は、エニアグラムタイプ判定を生業にしていますが、タイプ6の可能性を検証するのはいちばん最後にしています。
タイプ6の世界観
タイプ6の世界観は以下の3つでまとめられます。
- 恐れ:独りで決めて、独りで生きること
 - 欲求:支えてくれる、導いてくれる力と強く繋がりたい
 - 習慣:支えや導きを得れば、人生はうまく行くはずだ。
 
タイプ6は、海外では”loyalists(信仰深い人)”と呼ばれています。力のある存在に忠実になることで心身の安全、ないしは将来の恐怖を克服します。
いわゆる「権威」です。権威とは力の象徴です。
その存在が、神様になるのか、会社になるか、親になるのか、グループのリーダーになるかは、わかりません。
いずれにせよ、タイプ6は強い力に守られていると感じることで、内側の不安を解消したいのです。
タイプ6は、エニアグラムの中でも最もユニークなタイプのひとりです。
信頼と疑念という相反する要素を同時に持ち合わせているため、その内面には豊かな葛藤と深い洞察力があります。
- 他者に依存をするのですが、他者から離れて自立したいと願う
 - 人からの信頼を求めているが、あえて「その人」を試す
 - 権威者から守ってもらいたいけれど、なぜか逃げる
 - 順応に振舞いながらも、いつもどこかで疑っている
 - 攻撃をされたくないと思っているが、時に超攻撃的
 
実際に、タイプ6は、信頼する人や組織に対して深い絆を大切にします。この信頼関係は、他者を守り、自分の役割をしっかり果たそうとする献身に繋がると考えるからです。
内側の疑念を乗り越えて、心の底から自分を信頼できるようになったとき、タイプ6は本当の意味で自分の人生を生きることができるでしょう。
タイプ6のエネルギーを支えているのは、不安から身を守ることです
その現状が崩されそうになると、タイプ6は焦り、内面に強いストレスを抱えるようになります。周囲とバランスをとることを第一と考えているタイプ6は、そのバランスが崩れそうになると、焦るように維持しようと必死に働きかけます。
バブル時代には、「自分だけが置いて行かれる不安」に駆られたタイプ6が、猛烈に働く企業戦士となりました:
・仕事中毒になり、身体を壊すまで仕事に打ち込む
「みんなが頑張っているのに、自分だけ遅れをとったらどうしよう」という恐怖から、終電まで残業し、休日出勤も当たり前。過労で倒れるまで働き続けました。
・自分をよく見せようと周囲に対して過度に自分の存在をアピールする
「出世競争に負けたら見捨てられる」という不安から、上司に過度にアピールし、同僚との競争に血眼になりました。本来の協調性を失い、成果を誇張することも厭いませんでした。
・意見や考えが異なる者に対して批判的になる
会社の方針や上司の考えに疑問を持つ同僚を「会社に忠実でない」と批判し、排除しようとしました。
現代では、この構造がより巧妙になっています。
個人の自由を謳いながら、実際はインフルエンサーに追従する人たち。「みんなと同じでないと不安」という気持ちから、流行りの自己啓発セミナーに参加し、高額な情報商材を購入し、「成功者」の真似をします。
健全度が落ちれば落ちるほど、不安解消ビジネスの餌食になります。「このままでは置いて行かれる」「みんなが知っている情報を自分だけ知らない」という恐怖を煽られ、次々と新しい「解決策」にお金を払い続けるのです。
皮肉なことに、安全を求めて取った行動が、結果的に経済的にも精神的にも破綻を招いてしまいます。タイプ6が本当に求めているのは成功ではなく、安心できる居場所なのに、それを見失ってしまうのです。
幼少期の父親的な人との関係が大きく影響している
タイプ6が、こうも守られていたいと感じるのは、4〜5歳頃の父親的な存在との関係が大きく影響しています。
タイプ6のトラウマ
- 頼りになる父親的存在と強く結びついた。幼少期にどうしたらよいかわからないときに、導き、社会の枠組み、ルール、生き方を説いてくれた人に強い大きな影響を受けた
 - 父親的な存在(母親、兄・姉、教師の場合もある)についていけば、「承認」というの名の安全が得られて、独立できると悟った
 
タイプ6は幼少期に父親的存在の人と強く結びついたため、心のなかでは独立や自由を求めながらも、自分自身に確信が持てずに、自分の自立を支援して、自由を保証してくれる存在に依存するようになりました。同時に、外側の導きを失うことに恐怖を抱いてしまったのです。
タイプ6の恐怖対抗:攻撃的傾向/依存的傾向
タイプ6は、不安に対して2つの異なる反応を示します。
それが「攻撃的傾向」と「依存的傾向」です。
攻撃的なタイプ6は、不安や恐怖に直面すると、真っ向からそれに挑みます。タイプ8に似たこの反応では、恐怖を強さで覆い隠し、リスクに対して積極的に行動します。彼らは弱さを見せたくないため、恐怖を攻撃的なエネルギーに変換し、周囲に強い印象を与えることが多いです。
依存的なタイプ6は、不安を感じると他者に近づきます。信頼できる人や組織から守られたいと願い、無意識に承認を求めるため、タイプ4のようになります。
どちらの傾向も、不安を感じた時に生まれるタイプ6の反応であり、それぞれの状況に応じて現れます。
タイプ4は自分が何を求めているのかがわからなくなりますが、タイプ6は自分が何に動かされているのかがわからなくなります。
マサオ君は、タイプ6の「恐怖対抗」と「依存」の両方を表すキャラクターです。普段は不安そうでおどおどしていますが、いざ行動を迫られると別人格のように強気になり、恐怖に立ち向かいます。
これは、タイプ6が追い詰められたときに見せる「恐怖対抗」の典型例です。
一方で、マサオ君は危機的状況ではしんちゃんや仲間に頼ることが多く、これがタイプ6の「依存的傾向」を示しています。彼は不安が強まると、信頼できる人に寄りかかることで安心感を得ようとします。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間の使い方
- 時間は主人であり、守るべき存在
 - ひとりの時間でも他者と共存する
 - 意外と先のことを考えている(本人は自覚がない)
 
タイプ6にとって時間は主人です。他のタイプが自分の時間を大切にしますが、タイプ6は限られた時間でさえも他者と時間と共存するために費やします。
タイプ6は、将来に対する危機や不安を対処することで頭がいっぱいです。その不安は、仕事や学業かもしれませんし、人間関係かもしれません。恋人や家族の心境の変化かもしれません。2020年からはコロナ渦により社会がどのように変化するか?かもしれませんね。
不安の種が何であれ、タイプ6は、そんな不安に対して答えを示して、内側の不安をかき消してくれる存在がほしいのです。それが、会社なのか、恋人・パートナーなのか、メンター、特定の集団の思想など自分に力を与えてくれる存在です。
人によっては、社会や国家かもしれません。いずれにせよ、タイプ6は、心の支えになってくれる存在に対して、自分の時間を使っています。一見、自らの意志で動いているように見えるタイプ6もいますが、潜在意識は、そのような大きな力に守られていると感じられるからです。
反面、タイプ6は、周囲に振り回されて時間を無駄に浪費することが多いかもしれません。
結果、「自分の自分の時間がない!」と嘆いている人は多いですね。

ただし、自分の時間ができたらできたら、また孤独の不安と戦うことになります。結果として、無意識に矛盾した行動を選びがちです。
人間関係
その現状が崩されそうになると、タイプ6は焦り、内面に強いストレスを抱えるようになります。周囲とバランスをとることを第一と考えているタイプ6は、そのバランスが崩れそうになると、焦るように維持しようと必死に働きかけます。
- 健全な状態では、適度な不安をエネルギーに変えて行動できます。チームワークを大切にし、責任感を持って物事に取り組めます。リスクを予測する能力を活かして、周囲を支える存在になります。
 - 通常の状態では、不安が日常的になります。バブル時代:「自分だけが置いて行かれる不安」に駆られ、猛烈に働く企業戦士となりました。現代:個人の自由を謳いながら、実際はインフルエンサーに追従。「みんなと同じでないと不安」という気持ちから、流行りの自己啓発セミナーに参加し、高額な情報商材を購入します。
 - 不健全な状態では、内側で分裂が起きてパニックになります。「信じるべきか、疑うべきか」「従うべきか、反抗すべきか」という矛盾した感情が同時に湧き上がり、自分でも何を考えているのか分からなくなります。不安障害や愛着の問題を抱えやすく、人間関係が破綻していきます。
 
健全度が落ちれば落ちるほど、不安解消ビジネスの餌食になります。「このままでは置いて行かれる」「みんなが知っている情報を自分だけ知らない」という恐怖を煽られ、次々と新しい「解決策」にお金を払い続けるのです。
タイプ6の最大の特徴は、不安ベースで他のタイプにも憑依しやすいことです。
- タイプ8を自認する人:「強くなければ生き残れない」という不安から、攻撃的な態度を取る
 - タイプ4を自認する人:「誰も理解してくれない」という孤独への恐怖から、特別であろうとする
 - タイプ1を自認する人:「間違いを犯したら批判される」という不安から、完璧主義になる
 
実際、エニアグラムのタイプで迷っている人は、タイプ6の可能性があります。なぜなら、タイプ6は状況や人間関係によって、まるで別人のように振る舞うからです。
人間関係は、タイプ6を映す鏡です。人の不安を自分事にするため、相手の感情や期待に合わせて自分を変えてしまいます。上司の前では従順に、同僚の前では協調的に、部下の前では指導的に。
「自分は本当は何者なのか?」この根本的な疑問こそが、タイプ6の核心なのです。

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恋愛
- 情熱や刺激よりも信頼と安心を求める
 - 良くも悪くも「依存的」なところがある
 - 恋人・家族を守るために身を挺すことも
 
恋愛において、タイプ6は、自分が安心できて、お互い支え合うような関係を求めています。その見返りとして、親身になって相手を支えます。それこそタイプ2のように余計なお世話と思うわれるかもしれません。

タイプ2との違いは、見返りや愛情よりも、自分の現在の孤独や将来の不安を受け止めてくれる相手を求めます。
タイプ6の恋愛における落とし穴は、内側に不安が溜まると、その不安が行動に影響を与える点です。否定的な発言が増えたり、突然相手を試すような行動に出たり、急にキレて問い詰めることがあります。
最悪の場合、今の関係に安心感を見出せなくなると、もっと自分を安心させてくれる相手に心が動くことも。
特に、自分が捨てられると思い込んだ瞬間、内側の恐怖が一気に増幅し、無意識に相手にプレッシャーをかけてしまうことがあります。
このプレッシャーは、相手を不安に陥れることで、間接的に安心感を得ようとするタイプ6の無意識の行動パターンです。しかし、これが逆効果となり、関係を悪化させるリスクもあるため、注意が必要です。
もしもタイプ6の恋人やパートナーが不穏な行動を取ってあなたにストレスや不安を与えているなら、その根底には彼ら自身の不安や自己不信があると考えてみてください。タイプ6は自分の内側に大きな不安を抱えており、それが行動や言動に表れることがあります。
相手(タイプ6)もまた、あなたと同じか、それ以上に不安を感じている可能性が高いのです。この視点を持つことで、解決の糸口が見えるかもしれません。
健全なタイプ6は、他者の不安や疑念を取り除く力があります。パートナーの気持ちに寄り添い、安心感を与え、関係を強固にする役割を果たすことができます。
しかし、不健全なタイプ6は逆に、自己の不安や自己不信を投影してしまうことがあり、相手を不安にさせようとする傾向が出てきます。
自分が見捨てられるのではないか、という恐れが膨らむと、相手を試したり、プレッシャーをかけるような行動を取り、結果的に相手に不安を与えてしまいます。
特に健全度が低い状態では、タイプ6は自分の不安を解消するために相手に依存し、共依存的な関係を求めることもあります。
これが関係をさらに悪化させる可能性もありますが、不安が解消されると、再び優しく信頼に満ちたタイプ6に戻ることができます。タイプ6の恋人やパートナーとの関係を健全に保つためには、彼らの不安や自己不信を理解し、その不安が相手に投影されている可能性に気づくことが大切です。
他にも、タイプ6は家族を大切にします。
例えば、クレヨンしんちゃんに登場する野原ひろし。普段は普通のお父さんだけれど、家族のためなら身を挺して戦う姿勢は、どれだけ私たち日本人の心を動かしたでしょうか?
しんのすけが戦国時代にワープしたときも、
しんのすけのいない世界に未練があるか?
と言いました。
野原ひろしは、家族(みさえ・しんのすけ・ひまわり)に支えられている自覚があるからこそ、家族を失うことを何よりも恐れています。家族=自分という共同体意識があるのです。
健全度が高いタイプ6は、自分よりも大切なものがいれば、自分のことを後回しにしても反射的に家族を守ろうとする姿勢があります。
仕事・働き方
- 組織やチームの期待に応えることが第一に考える
 - 出しゃばらず自分の能力や役割を意識して、その範囲で組織やクライアントに貢献をすることを好む。
 - 無理な仕事は「無理です」と断る。ギャンブラー的な働き方を最も嫌う。
 
自らの使命や他者への責任を果たすことがタイプ6にとって最も大切なこと。タイプ3のように目の前の名声を求めたりもしません。タイプ8のように勝ち負けに動かされて冷静さを失うこともありません。タイプ7のようにワクワク感に振り回されません。
タイプ4や5のように、自分に固執しなければ、タイプ2やタイプ9のようにみんなが仲良く働けるような環境でなくても構いません。
ちょっとした不満こそあっても、それを態度に出さず、見返りすら期待せずに、まずは自身の責務を果たす!そんな働き方ができる企業戦士です。

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ですが、タイプ6が企業戦士になりきるのは、その見返りとして「安全」や「安心」を求めているからです。それが、日本企業の三種の神器といわれている終身雇用、年功制、労働組合の存在ですね。
・・・とこのように自己責任のオンパレードなのがアメリカ社会です。近年、日本もキャリア形成は自己責任時代に入っているので、タイプ6にとっては生きづらい社会になっているかもしれませんね。その結果、タイプ6の中にも、フリーランスやYoutuberとして生きる道を選ぶ人たちもたくさんいますね。そして、なぜかサラリーマンのように堅実に仕事をこなして大成功するなんてことも・・・。
どっかの大臣が、老後に備えて2000万円を用意しておけ!と言ったときに、過剰に反応をしたでしょうね。
お金の使い方
- タイプ6にとって、お金は自分を守ってくれる「権力」のひとつ。「お金を増やそう」というよりも、「資産を守ろう」というほうが効果的
 - 定年2000万円説に過剰に反応する
 - お金は欲しいけれど、チャレンジをするのは怖がる
 

geralt / Pixabay
余談ですが、タイプ6に対して、「お金持ちになって、自由になろう!」は刺さらないでしょう。自由になることそのものが恐怖であり、不安だからです。逆に、僕らがバックアップするから安心して!と言えばコロッと納得します。
ここら辺はラルクアンシェルのDive to Blueの歌詞が参考になると思います。
3.ストレス時と成長の方向
ストレス時:タイプ3に移行する
タイプ6のエネルギーを支えているのは、不安から身を守ることです
その現状が崩されそうになると、タイプ6は焦り、内面に強いストレスを抱えるようになります。周囲とバランスをとることを第一と考えているタイプ6は、そのバランスが崩れそうになると、焦るように維持しようと必死に働きかけます。
この時、タイプ6はタイプ3のような行動パターンを見せ始めます:
・仕事中毒になり、身体を壊すまで仕事に打ち込む
「忙しくしていれば不安を感じなくて済む」と思い込み、休む暇もなく働き続けます。しかし、これは成果への情熱ではなく、不安からの逃避です。
・自分をよく見せようと周囲に対して過度に自分の存在をアピールする
普段は控えめなタイプ6が、急に自己主張を始めます。「認められなければ見捨てられる」という恐怖から、必死に自分の価値を証明しようとします。
・意見や考えが異なる者に対して批判的になる
安全な関係性を脅かす存在として、異なる意見を持つ人を敵視します。「あの人は間違っている」と攻撃することで、自分の立場を守ろうとします。
しかし、この状態は本来のタイプ6らしさを失った不健全な状態です。周囲の人は「あの人、最近変わった」と感じ、かえって距離を置かれてしまいます。
皮肉なことに、安全を求めて取った行動が、結果的に孤立を招いてしまうのです。タイプ6が本当に求めているのは成功ではなく、安心できる居場所なのに、それを見失ってしまうのです。
安定・統合時:タイプ9へ移行する
不安から解放されて、結果として心身ともにバランスが取れたような雰囲気になります。タイプ9が持っているような「このままでOK」と心から思えるような自信と余裕が生まれます。
- 不安や恐怖心から解放されて余裕がある雰囲気になる
 - 落ち着いていて、自然体になる。駆け引きをしなくなる
 - 深く物事を考えずに気持ちや感情の整理がつけられるようになる
 
タイプ6は、不安から逃げるように「安全な状態を維持しよう」というエネルギーを強く働かせています。ところが、タイプ9の状態に近づくことで、タイプ6が本来持っている不安すらないほど安定している状態になります。
タイプ6は、誰よりも怯えながら、その恐怖の正体に気づいてないんですね。でも、何だかソワソワして落ち着いていられなくて、ちょっとあわてんぼうなところがあります。逆に、人前では物静かな雰囲気にみえても、心の中はソワソワしている方もいますね。エニアグラムの中ではいちばん判定が難しいタイプかもしれません。
共通して言えることは、やっぱり慕っている相手が自分から離れていくこと。現実はそうでなくても、そんな感覚に襲われること・・・心の中ではいつもびくびくしています。
タイプ6:忠実な人 健全度レベル
健全(レベル1-3)
Lv1:解放の段階
勇気ある真の勇者
タイプ6は、不安や恐れがあることを隠しません。
しかしその恐れに飲み込まれず、自分の内側にある「信頼できる軸」をよりどころにして生きようとします。
誰かに守ってもらわなくても、自分自身が“頼れる存在”になろうとします。
恐れに支配されることなく、「恐れがあっても動ける自分」であろうとするのです。
この段階のタイプ6は、信頼に値する人物として、周囲からも自然と敬意を集めます。
例えば、『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎は、死の恐怖を乗り越えて最後の最後まで鬼殺隊のお手本であろうとしました。お母さんとの約束を守り、その意思を後輩に託す姿は、内なる勇気の発揮そのものです。
Lv2:心理的安全の段階
頼もしく優秀な仲間
タイプ6は、信頼できる仲間とチームを作り、相互の助け合いの中で安心感を得ます。
自分が役に立つ存在であることで、居場所を感じることができます。
誰かのために尽くすことは、自分の不安を鎮めるための自然な行動でもあります。
しかし、内心ではまだ、「この関係が壊れたらどうしよう」「自分だけが取り残されたらどうしよう」という不安が消えません。
だからこそ、絆を守るために、ルールや忠誠を強く求めるようになります。
例えば、忠臣蔵の赤穂義士たちは、主君への忠誠心と仲間との結束で仇討ちを成し遂げました。新選組の隊士たちも、「誠」の旗のもとで互いを支え合い、幕府という組織への忠義を貫きました。現代では、日本の終身雇用制度が会社という共同体に忠誠を尽くすことで安全を得ようとするタイプ6的な発想を表しています。中国の「関係(グアンシー)」文化も、人間関係のネットワークで相互扶助を築く仕組みといえます。
Lv3:社会的価値の段階
専心で勤勉なパートナー
タイプ6は、周囲の期待に応えることに人生のエネルギーを注ぎます。
「役に立つ存在」であり続けることで、安全と信頼を得ようとします。
そして、信頼を得られない自分には価値がないのではないか、という恐れに追い立てられるように、ますます努力を重ねます。
このころから、「裏切られたくない」という思いが少しずつ顔を出します。
自分が尽くした相手には、同じように返してほしい。そうでなければ、心の中で不満や怒りが積もりはじめます。
例えば、日本のサラリーマンが会社の期待に応えようと残業を厭わない姿勢や、韓国の財閥系企業での忠誠心文化がこれに当たります。アニメ『進撃の巨人』のアルミンは、仲間への忠誠心と責任感で困難な任務に立ち向かいます。キリスト教の「隣人愛」も、共同体への献身を通じて安全を得ようとする発想です。
通常(レベル4-6)
Lv4:不均衡な段階
ガイダンスとサポートを求める
タイプ6は、もはや自分だけで安心感を保つことが難しくなります。
誰かの判断や価値観に依存するようになり、「この人についていけば大丈夫だ」と思い込もうとします。
しかし、それでも不安は消えません。
むしろ「裏切られたらどうしよう」「間違っていたらどうするんだ」と、心の中に疑いが芽を出し始めます。
この頃から、タイプ6は身近な人の言動に過敏に反応するようになり、必要以上に従ったり、逆に反発したりする二重の態度を取るようになります。
信じたい。でも、信じきれない。
その葛藤は、徐々に関係性を不安定にさせていきます。
例えば、中国共産党の党員たちは、党の指導部からの承認を求めて政治活動に励みます。党の方針に従い、上級党員からの評価を得ることで自分の地位と安全を確保しようとします。現代の「承認欲求」に悩む若者たちがSNSで「いいね」を求める行動や、日本の「空気を読む」文化で周囲の期待に応えようとする姿勢も同様です。中国の科挙制度も、皇帝という権威からの承認を求める仕組みでした。
Lv5:対人支配の段階
予測による反抗
タイプ6は、自分を守るために周囲を“安全な人”と“危険な人”に分けはじめます。
少しでも不安や違和感を感じると、その相手を「裏切るかもしれない存在」として排除したくなります。
まだ表面上は丁寧に接していても、心の中では警戒と評価が繰り返されています。
親しかった人さえ、「信用していいのか?」と何度も確認してしまい、いつの間にか関係にひびが入ります。
この段階では、仲間であっても「完全に信じる」ことができず、相手の“正しさ”を試そうとするような行動が増えていきます。
そして、それに応えてくれない人には、見えない形で怒りを向け始めます。
例えば、『鬼滅の刃』の我妻善逸は、危険を察知するとパニックになりながらも、「死にたくない」という恐怖から敵味方を瞬時に判断し、自分を守るために必死に戦います。文化大革命時の紅衛兵が権威に反抗しながらも新たな権威に従う矛盾した行動がこれに当たります。日本の学生運動での「反権力」と「内ゲバ」の併存も、安全を求めて敵味方を分ける心理の表れです。
Lv6:過補償の段階
反抗的/支配対抗型
タイプ6は、信じることに疲れてきます。
誰の言葉も、誰の助けも信用できなくなり、「自分の安全は、自分で守るしかない」と思い込むようになります。
この頃から、強い自己主張や反抗的な態度が目立ちます。
本心では助けを求めているのに、「助けはいらない」と突き放し、近づく人を無意識に拒絶するようになります。
そして、かつて信頼していた仲間や、かつての“味方”に対して、失望と怒りをぶつけ始めます。
表面上は冷静でも、「あの人は信用できない」「結局、誰も自分を守ってくれない」と心の中で切り捨てていきます。
この隠れた攻撃性は、タイプ6の「失望した者の怒り」として、静かに人間関係を壊し始めます。
例えば、『鋼の錬金術師』のスカーが復讐に走る姿や、戦国時代の下克上を狙う武将たちの行動がこれに当たります。現代では、ブラック企業で働く人が「自分で自分を守らなければ」とパワハラ上司に反発する一方で、転職への恐怖から動けずにいる状況も同様です。中国の「臥薪嘗胆」の故事も、屈辱に耐えながら復讐を企てる心理を表しています。
不健全(レベル7-9)
Lv7:侵略の段階
恐怖感と自信のなさ
タイプ6は、ついに恐れを自分の中で処理できなくなります。
すべてが敵に見えてきます。
仲間の何気ない言葉や表情に過剰に反応し、「裏で何かが起きているのではないか」と疑うようになります。
心の中で疑いが膨らみ、やがてそれが攻撃衝動に変わります。
信頼していた人に対して、あえて冷たい態度を取ったり、厳しい言葉で追い詰めたりするようになります。
それは無意識の「試し行動」です。
「それでも自分を見捨てないのか?」
「これでも信じてくれるのか?」
でも、その試しはたいてい、相手を遠ざける結果に終わります。
そしてタイプ6は、「やっぱり信じられる人なんていなかった」と、深い孤独の中に沈んでいきます。
Lv8:妄想と衝動的青退の段階
被害妄想とヒステリック
タイプ6は、もう誰も信じていません。
何も信じていません。
今や「守るべきもの」はなく、「傷つけられる前に、こちらから壊す」状態にあります。
誰かの発言を悪意として受け取り、相手の行動を敵意とみなし、報復や批判の言葉を口にします。
自分を攻撃してくるわけでもない人に対して、攻撃的な態度を取り、
「これは自分を守るためだ」と正当化します。
かつての仲間に牙をむく自分を見ても、もう何の違和感もありません。
タイプ6は、この時点で、自分がかつて信じていた「絆」や「忠誠」を、自分の手で踏みつけているのです。
Lv9:病理的崩壊の段階
自己破壊者
タイプ6は、すべてを失います。
信頼、仲間、つながり、愛情、そして希望。
「どうせ誰も助けてくれない」
「最初から信じた自分が馬鹿だった」
「この世界に、自分の居場所なんてなかった」
そう思い込み、仕事を捨て、家族を遠ざけ、信じていたすべての関係を破壊していきます。
言葉ではなく、行動でそれを示します。
退職、失踪、絶縁、SNS削除、音信不通。
それらはすべて、「信じることをやめた人の静かな復讐」でもあります。
最終的に、タイプ6は、「やっぱり最後は一人だった」という最も恐れていた現実に、自らを追い込みます。
でも、それは本当に避けられなかったのでしょうか?
例えば、ヒトラーが敗戦濃厚な状況で「ドイツ国民は生き残る価値がない」と焦土作戦を命じた心理がこれに当たります。日本の「心中」文化や、中国の「玉石倶焚」(玉も石も一緒に燃やす)の思想も、絶望的状況で全てを破壊する心理を表しています。
現代では、SNSでの「垢消し」や「退職代行」での突然の退職も、関係性の破壊を通じて逃避する行動の表れです。
5.サブタイプ(ウィング・生得本能)
タイプ6は安全・安心を求めるのが基本動機になりますが、ウィングによって安全を獲得する手段が違ってきます。
- 6w5:モノやシステムで安全を確保
 - 6w7:人間関係や関係性で安全を確保
 
タイプ6ウィング5:守る人
6w5は、勉強熱心で、様々な専門分野で高い成績を収めます。実際によく努力をするし、ひとつの技術や分野を習得することに熱心です。
タイプ5にも似ていますが、タイプ6w5の場合、とにかく努力と行動をするのです。理論よりも実践に重きを置き、よきリーダーになることもあれば、周囲から「達人」と称されて一目置かれることもあります。
専門スキルや知識を武器にして、自分の立場を守ろうとします。「この分野では誰にも負けない」という自信が、不安を和らげてくれるのです。
タイプ6ウィング7:バディ
6w7は、人間関係を通じて安全を確保しようとします。社交的で親しみやすく、周囲の人々と良好な関係を築くことに長けています。
「みんなと仲良くしていれば安心」という発想で、積極的にコミュニケーションを取ります。
グループの調和を大切にし、場の空気を読むのが得意です。
両者の違い:
- 6w5:「スキルで身を守る」→ 一人でも戦える力を身につける
 - 6w7:「関係で身を守る」→ 仲間がいれば安心できる
 
どちらも根底にある不安は同じですが、その解決方法が正反対なのが興味深いところです。
おまけ
不安で不安で仕方ないときは、とりあえず、この曲でも聴いてみてはいかがでしょうか?
↓
スキマ空いた心は満たされたでしょうか?もしもいつの間にリラックスできたら、あなたはタイプ6かもしれませんね。
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木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

















