エニアグラム-タイプ5:調べる人とは?
エニアグラムの性格診断(54問版)、お疲れさまでした。
自分のタイプについてより深く理解できるとエニアグラムは凄く楽しくなってきます。
ここではタイプ5「調べる人(リソ式)/知識を求めて探求する者」について様々な観点から解説をしていきます。
こんな流れでタイプ5についてみていきます。
1.タイプ5の特徴
<タイプ5の性格>
- 自分は完全に学者肌、研究者気質だと思う。現場の最前線に立つよりも最後尾・外部から全体を見渡していたい
- 特定の分野で専門家・専門職として働きたい。総合的にデキる人よりも特定の分野で突出した人になりたい
- 自分は、物事について調べている。何事も頭で理解をしたいからだ。人からは理屈っぽいと言われるが、それが性分だ
- もしも自分が本気になり知識・スキルをフル活用できるのなら、大きな変化を生み出せると思う。但し、重い腰を上げるつもりはない
- 人から「そんなに知っているならやればいいじゃん」と言われると、いやな気分になる。その理屈はわからないが…(このページで全て教えます)
エニアグラム:タイプ5(調べる人)はいわゆる学者肌・研究者気質です。知的欲求と好奇心が強く、どこかでクールな感じがします。周囲から一歩引き、自分の安全地帯を確保して、何事も理屈や頭で理解することを試みます。
タイプ5の世界観
以下の3つでまとめることができます。
- 恐れ:この世はカオスな世界(混沌としている状態)であり、自分は無力であり、生き残ることができない
- 欲求:有能な存在になりたい。そのためには、様々なものに精通して、何かひとつ秀でたものを手に入れたい
- 習慣:万物を知り尽くし、ひとつ大きなことに秀でれば、人生はうまく行くはずだ。それまでは知識を蓄えよう
タイプ5にとって、この世は恐怖と不確実の連続です。その渦に圧倒されることを恐れています。だからこそ、頭でどうすればいいかは理解していても、なぜか行動ができないのです。思考の世界にこもり、世の中を理解することで安全圏を獲得しようとします。
内側の恐怖、タイプ5を知識や技能の獲得に向かわせます。何らかの分野にて知識を蓄えて、卓越した存在になることで、自分の生存領域を確保します。その近道が、専門家になることです。
学術的な知識やITや技術、データの解析かもしれません。無装備で外界に関わらず、何らかの武器や装備をためこみます。
タイプ5の幼少期:父親と母親に対して愛憎半ば
多かれ少なかれ、タイプ5は家庭で何らかの問題を抱えるケースが多いです。幼少期に「家庭の中で安心感を得られなかった」と判断しました。
リソの書籍では「愛憎半ば」と説明されています。愛を求めながらどこかで反発している状態です。タイプ5は父親に当たる人物に対して手厚い教育を求め、母親に当たる人物に対して保護を求めいました。しかし、ある瞬間に、「自分は(この2人から)本当に一つ用なものを与えられない」と悟りました。(理由はどうあれです。)
結果、家族と積極的に関わることを避けて、自分の安全圏を確保しようと試みました。その安全圏を獲得することが、知識、情報、技能の獲得でした。
他の子どもたちと遊ぶのを避けて、読書や研究、パソコンの練習などに興味・関心を示します。自分ひとりでは対処できない外界との関りよりも、確実にコントロールできる知識や情報取得など内界に対して関心を向けるようになりました。
よって、タイプ5は、ひとりの専門家として成熟することで、この世界に参加する資格できる!と考えているのです。実際に何かの分野に卓越した人ほど、幸福度や満足度が高いです。
タイプ5:2つのパターンを紹介
最高の状態最悪の状態最高の状態:先駆的に広く予見し、深く世界を洞察する一方で、包括的に世界を理解する。偏見を持たず、物事を全体として、また心の文脈で捉える。全く新しいものを先駆的に発見したり、物事を実行して理解する全く新しい方法を発見したりする
不健全な状態:世捨て人のようで、現実から孤立し、奇妙で、虚無的になる。非常に情緒不安定で、攻撃を恐れる。そのため、人だけではなく、あらゆる社会的帰属を拒み、はねのける。驚かすような着想に取り憑かれ、しかもそれに怯える。(続く)
9つの性格タイプ:ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソン
タイプ5にとって、1:自分は有能である、2:広い知識と深い専門性をもっている、3:自分の知識を社会に役立てたい、と思える状態でいることは、人生の充実度に大きく影響します。一昔前と違って、誰もがインターネットにアクセスして、知識や情報をかんたんに手に入れられる時代です。
タイプ5の呼び方は、「調べる人」から、「変化を生み出す人」か「観察しているだけの人」に二極化するでしょう。
前者の「変化を生み出す人」は高い洞察力と先見性を獲得して、更に新しい知識や体験を求めてアウトプットをしていきます。結果、本人も満足します。
対して、後者の「観察しているだけの人」は、そんな人たちの発信を受け取るだけの状態になります。その瞬間は快適かもしれませんが、徐々に焦燥感に煽られ、最後は虚無感に悩まされ、不健全な体質を身につけることになります。
ちょっと前置きが長くなりました。「知識」や「調べる」の定義が変わった時代だからこそ、この先に何が求められるのか?をタイプ5視点で一緒に考察していきましょう。
2.時間、人間関係、恋愛、仕事、お金で見る
時間
- インプットしている時間が圧倒的に長い。本、ネット、周囲の動向など様々な情報を仕入れている
- 極力、時間は自分のために使って、何事も自己完結したい。社会の渦に巻き込まれたくはない
- 時間に余裕ができたら、なにかテーマを見つけてじっくりと調べていきたいと思う
タイプ5の頭の中は忙しいです。周囲から引いて、全体を俯瞰して、情報を集めようとしています。その反面、自分から積極的にグループに関わることは好みません。
タイプ5にとっての時間は知識や情報を得て、世界に参加するための準備期間です。いきなり無防備な状態で現場に出るのではなく、どんな状況でも対応できるように武器や防具を手に入れたいのです。
RPGに例えるなら、初回からレベルMAX&フル装備の状態で人生をプレイできるのが理想です。もちろん、人生とはリセットができないクソゲーです。よって、タイプ5は世界の脅威の中で、自分の生きる場を求め、そのために、知識や情報を蓄えたいと考えています。
タイプ5にとって「自己有能感」が全てです。
人生を攻略するためにHPやMPを高めてアビリティとアイテムをため込むのです。一方で実践を経験してレベルアップすることを怠ってしまうとステータスは低いままです。アイテムや装備に頼っても、なかなか自己優洋館を獲得できず、現場から遠ざかります。
健全度が下がると、極端に人と関わらなくなり、全ての自分を自分のためだけに使うようになります。しかし、いくら時間を使っても自分が求めているレベルには至らずに、独りでいる時間が長くなります。
その時間すらも、頭が活性化できずに時間の浪費しているだけの状態になります。
人間関係
- 頭の中で「人間関係図」を描いている。でも、自分はその中にない
- 干渉する人たちを避ける。知識や情報を与えてくれる人たちとは積極的に交流する
- 特定の人−自分の興味・関心に興味がある−とは親密になり、内緒話を好む
タイプ5は、付き合う相手を選びます。タイプ5が最も好む人間は、自分に色々なことを教えてくれる人たちであり、自分に確かな知識、知性、情報、技能を与えてくれる人たちです。反面、何も与えてくれない人たちを避けて、自分のリソース(時間、お金、労力)を奪われないように努めます。
特定の人とは交流・関係を深めこそしますが、それ以外の人たちには観察の対象とみなします。感情の対象ではありません。なお、タイプ5の中には、頭の中で人間関係図を描き、誰と誰がどんな関係なのかの思考をめぐらしながら楽しんでいます。
自身をこの「人間関係図」の外に位置づけ、観察者としての立場を守ろうとします。内側に入らず、外側の人間として人間関係を捉えています。
と、ロボットやAIみたいな言い方をしました。ごめんなさい。
もちろん、タイプ5も人間です。
友人・知人・恋人・パートナーなど心許せる人たちはたくさんいます。ただ、自分から積極的に話に行きません。自分に干渉せず、心地よいパーソナルスペース(心理的な縄張り)を守ってくれる人を好みます。
タイプ5の人と親密になる方法は2つです。
- ゆっくりと時間をかけてタイプ5のペースを尊重する
- 知性や知識欲を刺激してハイテンションにさせる
恋愛
- タイプ5も人間。やっぱり人を好きになる。ただし、予測を徹底的にする
- 「愛とは何か?」「好きとはどういう状態か?」など哲学的なテーマに興味を持ち、俯瞰して考えたい
- 独りの時間を与えてくれる人を好む。自分の時間を邪魔されると我慢できない
恋愛に限っては奥手なところがあります。積極的に気持ちを表現しなければ、感情の濁流に巻き込まれることを恐れているからです。そのため、寂しいときにさり気なく関わってくれる相手を好みます。
あなたがタイプ5の場合、もしくはお相手がタイプ5の場合、はじめは接し方や会話のテンポに悩むかもしれませんが、そこら辺は時間が解決してくれます。
ただし、コミュニケーション不足は破局のはじまり。適度にお互いの考えを遠慮なく言い合えるような時間を強引にでも作ると良いかもしれません。お互いの価値観がズレていることなんて気にせず、その違いを知って楽しむぐらいの余裕が必要でしょう。
なお、片思い状態のときにタイプ5は辛いかもしれません。「好き」って気持ちを頭で強引に理解しようとしても、心がついていきません。
Wise men say “only fools rush in”
But I can’t help falling love with youエルビスプレスリー
自分の中で恋愛感情にフタをして、頭で強引に理解しようとしても心がついてこれず・・・
誰かが偉そうに
語る恋愛の論理
何ひとつピンとこなくて
飛行機の窓から見下ろした
知らない街の夜景みたいだPretender オフィシャル髭男dism
と、男性目線のタイプ5の恋愛を語りすぎました。
女性版のタイプ5の恋愛についてはのび太としずかちゃんの関係が参考になりますね。
と男子目線ばかりでお話をしました。
では、おまけでタイプ5とお付き合いをしている女性の方へも
タイプ5は言葉足らずで、自分の気持ちを伝えるのが苦手ですが、本当はすごくあなたのことを想っています。
鬼滅の刃23巻の井黒さんと甘露寺さんのラストシーンがまさにタイプ5の本音をもの語っています。
2人は亡くなる直前に、甘露寺さんが「親方様のお屋敷で迷っているときに井黒さんに助けられたこと感謝している」と伝えて、その後に、「私あまり役に立てなかったよね。ごめんね」とちょっと自己肯定感低めな一言。
その後の井黒さんの最後の言葉がイケメン過ぎました。
違う。逆だ。
あの日会った君が
あまりにも普通の女の子だったから、
俺は救われたんだ。些細なことではしゃいで鈴を転がすまでに笑い、
柱になるまで苦しい試練もあっただろうに、
それを少しも感じさせない。君と話ているととても楽しい。
まるで自分も普通の青年になれたようで幸せだった。
他のみんなも同じだったよ。底抜けに明るく優しい君は、
たくさんの人の心を救済してる。胸を張れ。
俺が誰にも文句を言わせない。参照:鬼滅の刃23巻
そして、タイプ5は自分の気持ちを素直に言葉にすると、自分でも感情の整理がつかなくなるくらい長くなるのです。そんな気持ちを察してあげてください。
それでもコミュニケーションや言葉が欲しい!
本音が聴きたいと思ったら、この曲を一緒に聞いてください。
Just The Way You Areとは、『素顔のままでいて』という意味ですね。好きな人の自然なしぐさ、自然な表情、いつもと変わり映えのない反応とかをじっくりと見ながら、心の底から好きって気持ちが内側からわいてきて、「素のままに君が好きだよ」と態度に出さずととも、心の中で強く願っている感じですね。
タイプ5は、恋の駆け引きやハッタリ、マウントをすると腹の中を探りがちで無関心な態度を取りますが、本音や素直な気持ちを普段から見せていると、その部分だけを好きになってくれます。
というより、自分に最も足りない部分だと自覚しているからです。
Atsushiさんのサングラスの奥にある優しい目と井黒さんのマスクの下にある微笑みは一緒なのでしょう。
そう信じたいですね。
鬼滅の刃のキャラクター診断についてはこちらの記事でまとめています。
仕事・働き方
- 特定の分野で「専門性」を身につけることに関心がある
- チーム・グループよりもひとりで働くことを好む
- ストレスの元凶は対人関係とマルチタスク
オタクには優しくしなさい。彼らの下で働く可能性は高い。
オタクではありません。タイプ5は専門性や自分が生存する武器を求めます。
タイプ5の深層心理にあるのは、自分は無能であり、この世界では生存できない!という恐怖です。同時に、「有能でありたい」と強く願い、「何かに成熟すれば、人生はうまくいく」というルールを持ちます。
例えば、就職活動や転職活動などで企業を選ぶときも、待遇・条件や働きやすさよりも「数年後に専門性が身についているか?」を軸にします。待遇や労働条件は二の次であり、どんなに待遇が良くても、どんなに働きやすい雰囲気でも、どんなに素敵な人達がいても、数年後に具体的なスキルを獲得できるほうが重要です。
数年先よりも数十年先の遠い未来を考えています。長い目で見れば自分の武器が手に入り、どこでも生きていける!という確信を求めています。
タイプ3は、若いうちから活躍したいと思うかもしれません。タイプ7は、いつまでもワクワクして働いていたいと思いながら、案外と近い未来をみています。タイプ4は、仕事を通じて自分らしさ表現したいと願っています。
対して、タイプ5は、数年先に自分が生存できるであろうか?どうか?がキーワードになります。
お金の使い方
- 空虚感を解消・知識の探求・体験価値を得る
- 情報や知識そのもの。自分ひとりでは作り出せないもの
- 思考の活性化やインスピレーションが手に入る瞬間
例えるなら、フォアグラがおいしいから食べに行くのではなく、フォアグラがどんなものかを知りたいから食べに行くような感覚です。その先にある、なぜフォアグラが高級食材として選ばれたのか?などその先にある真理を探究します。
そのため、売る側になるとタイプ5を満足させることはけっこう大変かもしれません。常に一歩引いて、相手の行動の心理や意図を読もうと試みます。そのため、他のタイプなら気分がよくなるようなおもてなしもタイプ5には通用しません。
一方で、激しく思考を揺さぶったり、無理難題な質問をしたりして、好奇心を揺さぶるとタイプ5は過剰に反応します。意外と、「その中身を見たいから・・・」という好奇心的な理由で、変な情報商材に手を出したタイプ5は多いのではないでしょうか?
もちろん、お金があればのお話ですが、お金の使い方に関しては物凄く建設的かもしれません。ユダヤの大富豪は、「教育は最大の自己投資」といいましたが、その考えを抵抗なく受け入れられるのはタイプ5の資質だといえるでしょう。
逆に、どうでもいいことには本当にお金を使いません。
3.なぜタイプ5は「調べる人」なのか?
では、なぜタイプ5が「調べる人」なのか?タイプ5の深層心理について掘り下げていきますね。
センター:3x3の法則-本能、感情、思考センター
エニアグラムの理論では、ガッツセンター、ハートセンター、ヘッドセンターというものがあります。各タイプには、好む感覚があります。
表を作りました。
センター | テーマ |
---|---|
■ガッツ(本能) タイプ8,9、1 |
現在の状態を維持するため、外部の圧力に抵抗をする【怒りの感覚】 |
■ハート(感情) タイプ2、3、4 |
他者からの関心を求めて、自分のイメージを操作する【恥の感覚】 |
■ヘッド(思考) タイプ5、6、7 |
未来に対して恐怖を感じ、先見することで対処する【不安の感覚】 |
タイプ5は、ヘッドセンターの住人です。その隣はハートセンターですね。一方で、ガッツセンターからは離れています。
もうちょっと掘り下げていきますね。
タイプ5:思考:メイン、感情:サブ、本能:盲点
タイプ5は、思考を働かせながら、隣の感情センターの力をつかって、未来と過去を往復しています。過去の出来事や知識をベースに未来をシミュレーションしているイメージでしょう。但し、ガッツセンターから離れているため、現在の出来事に関して身体で反応しません。
その結果、その場の勢いで判断を下すことは苦手です。投資などをイメージするとわかりやすいかもしれません。投資の世界では、投機だとわかったら、咄嗟に売買を繰り返します。このスピードが全てです。
タイプ5は、今が投機なのかそうでないのかは判断できても、売り買いの判断をするのが怖いのです。正確にいうと、頭でわかっていても、数字を入力して、エンターキーをたたくことに躊躇を覚えます。
結果、もっとじっくりと調べて、確実に行けるタイミングで攻める!と判断を下すかもしれません。
タイプ5は、「ため込み」癖がありますが、そんなタイプ5にとってのキーワードは判断や意志決定なのです。この「判断/決断」ができない限りは、無駄に知識や情報をため込み、知っているだけの人になってしまい、ドンドンと闇落ちします。
逆に、判断を下して、思考を行動に移すことができれば、知行統一がなされ、その時にはじめて知識を活かして、自身の有能さを体感できて、充実した人生を送ることができます。
そこらへんはストレスと安定・成長の方向で見ていきましょう。
4.ストレス時と安定・成長の方向
ストレス時-タイプ7
ストレス下のタイプ5は、冷静さを欠き、衝動的で、色々なことに手を出してしまいながらも、なにひとつ学べていない状態になります。片っ端から本を買うのですが、数ページほど読んで、次の本を読みたくなる感じです。
- 生存に対する恐怖に囚われ、注意散漫になり、何事にも集中ができなくなる
- それでも、「何かを学べば大丈夫だ」と知識や知性に対して救いを求めるものの、結果、その時に得た情報や知識に振り回される
- 頭の中がオーバーフローする。そんな状態でも、何かを学べば救われる・・・と期待する。。。この繰返し
恐れと焦り・・・どうしようもなく何かにすがりたい気持ちと、その何かが「知識」や「情報」しかなく、その知識や情報にすら苦しめられている状態です。
まるでお腹が空いた子供が目の前にあるものをなんでも食べるようです。
安定・統合時:タイプ8
心身ともに安定しているタイプ5は、知識を活かして、決断をして、行動します。未来を作りだす方向に動きはじめ、自らが作り出した未来を自分の糧に転嫁していきます。この時のタイプ5は、タイプ8のような強い人になります。
その時のタイプ5は、非常に自信に満ちていて、人生を楽しんでいます。そして、全身を通して人生のすばらしさを体感し、本当の意味で知識や情報を得ることの意味を悟ることでしょう。
- 知識や情報は受け取るものでなく、与えるものであり、その先に自分が欲しい価値がある
- 他人から得た情報は過去の産物であり、未来を作り出すものではない
- これまで自分が調べたり観察をしてきた理由は、恐怖からの回避に過ぎない。本当に欲しかったのは、未来に対する希望
とまでわかるとタイプ5は最強です。本当の意味で革新的だし、世界を変える人になれるかもしれません。きっと、とっぷおぶざワールドを体感できるでしょう。
タイプ5の健全度
健全度:レベル1~3
レベル1:解放のレベル
先見の明があり、世界を広く理解しながら、深く洞察する。オープンマインドで、物事を全体的、真の意味でとらえる。先駆的な発見をし、まったく新しいやり方や捉え方を見つける。
- 外的行動-先見性、 開拓者、深遠、物知り、思いやり、うっとり、革命家、エネルギッシュ
- 内的態度-参加する、 即座に理解する、理解する、明晰な心、畏敬の念、信頼、無執着
- 自己実現-自分が環境(外部の観察者)から切り離されている存在、圧倒されているという、自己イメージを手放す
- 根源的恐れ-無力である、役に立たない、能力がない、圧倒される
この根源的恐れが発生すると、Level2に移行します。
レベル2:心理的需要
並外れた知覚力と洞察力であらゆるものを観察します。至って健康です。
- 外的な行動- 鋭い、 「賢い」、好奇心旺盛、注意深い、変わっている、遊び好き
- 内的態度-観察力、注意力、魅力、感傷的でない、客観的、感覚的鋭敏さ
- 願望-有能であること(貢献できる何かを持っていること)
- 恐れ-自分は賢くないという思い:自分の認識が不十分で自信を持てない
精神的に最も注意深く、好奇心と探究心が旺盛に溢れています。
レベル3:社会的価値
興味のあることは何でも、巧みにマスターします。知識に興奮する:しばしば何らかの分野の専門家になる。
- 外的行動-革新的、独創的、巧み、独創的、創造的、学習的、コミュニケーション的、いじり好き
- 内的態度-集中力、探求心、開放的、忍耐強い、気まぐれ、独立心、妥協しない、集中力
- 願望- 自信を得るために何かを極めたい(自分のニッチを作りたい)
- 恐れ-自分には貢献できるような価値のあるものは何もない(準備不足)という思い
革新的で創意に富み、非常に価値のある独創的な作品を生み出す。
独立心が強く、特異で、気まぐれです。
通常:レベル4~6
レベル4:不均衡
行動する前にあらゆることを概念化して、頭の中で構想を練ります。
- 外見的行動-引っ込み思案、準備、テクニック獲得、収集、勉強熱心、練習、終結を遅らせる、不適合、専門家、ディレッタントを張る
- 内的態度- 概念化する、知識が豊富、百科事典的、モデル構築、抽象化、検閲なし、不確実、「微調整」、分析的、獲得的
- 願望-心の中や想像力の中に引きこもることで、より安全で自信に満ちた気分でいたい
- 恐れ-他者から過剰な要求をされるのではないか、自分の内面世界が脅かされるのではないか。
関心事は、勉強や知識に向き、専門技能を身につけることに集中します。しばしば自分を知的に見せようとしますが、それができないとドンドンと闇落ちします。
レベル5:対人関係のコントロール
複雑なアイデアや空想の世界にのめり込み、次第に距離を置くようになります。
- 外見的な行動- 夢中、解釈、世界を創造する、思索的、非現実的、高飛車、秘密主義、区分けされたもの、常軌を逸した行動、飛翔的
- 内的態度 – 外界から離れている、最小化する、激しく興奮する、他者のニーズを無視する、物事を複雑化する、ぼんやりして頭は働いていない
- 欲求-他者の侵入をシャットアウトする(精神活動を強めることによって)。
- 恐れ- 他者が自分たちの生息地を攻撃しているのではないか?という暗黙の恐れ
現実よりも自分のビジョンや解釈に夢中になり、人並み外れた難解なテーマに打ち込みます。その内容が、ドロドロしているものが多いです。結果、現実世界から切り離して「実体のない」事柄に関心を持つようになります。
レベル6:過剰補償の段階
自分の内的世界や個人的なビジョンを邪魔するものに対して、反感的な態度を取り始めます。
- 外見的行動-挑発的、議論好き、軽蔑的、敵対的、論争好き、刺々しい、遠回し、無神経
- 内的態度-極端、知的傲慢、不信、皮肉屋、悲観的、結論を急ぐ、出し惜しむ、貪欲、せっかち
- 欲望-自分たちのニッチ/内なる世界を脅かす者を追い払いたい。自分の世界に来てほしくない
- 赤旗の恐れ- 世界や人々の中で居場所を見つけられないのではないか。
他者に対して挑発的で攻撃的になり、意図的に極端で過激な意見を放つようになります。皮肉を交えて、他者と議論をすることを好みますが、現実を反映させず、どーでもいい内容ばかりです。
不健全:レベル7~9
レベル7:侵略の段階
引きこもり、現実から孤立する道を選びます。
- 外的行動-孤立、偏屈、不安定、拒絶、後退、空虚、橋を燃やす、散逸
- 内的態度-虚無的、評価を下げる、暗い空想、包囲されていると感じる、罪悪感にさいなまれる、期待しない、無防備だと感じる、衝動的
- 欲望-世間や人とのつながりを断ち切りたい(「何もかもクソくらえ」)。
- 恐怖- 世界が彼らに迫っている
非常に不安定で攻撃性を恐れる:他者やあらゆる社会的愛着を拒絶し反発する。
レベル8:妄想と脅迫の段階
脅迫的な考えに取りつかれ、おびえ、錯乱し、重大な歪曲や恐怖症の餌食になる。
- 外的行動-錯乱、幻覚、投影、反発、不吉、慢性不眠、不規則行動
- 内的態度-恐怖、歪曲、奇妙な認識、高度の分裂病質、過熱/吐き気、あらゆる援助に抵抗、躁うつ病
- 欲望-恐怖に耐えること(奈落の底を見つめること)
- 恐怖-もはや自分自身を守るのは無理ゲーと決め付ける
レベル9:病的破壊性の段階
忘却を求め、自●するか、精神病的に現実から逃避する。
- 外的行動-自己消滅、精神崩壊、錯乱、自殺、「自閉症」、消滅、麻痺
- 内的態度-忘却を求める、崩壊、分裂、内なる混沌、呪われていると感じる、パニックに襲われる
- 欲望-「現実」から離れたい、すべての感覚入力を止めたい、自分の意識から離れたい。
- 恐怖-基本的な恐怖が現実になる:自分は無力で、役に立たず、能力がない。
錯乱し、爆発的に自己破壊的で、精神分裂病の含みを持つ。一般に、スキゾイド・アバントおよびシゾタイプのパーソナリティ障害に相当する。
出展:Type Five: The Investigator-The Enneagram Institute
5.サブタイプ(ウィング・生得本能)
ウィング
通常のタイプ5のウィングの見極め方はカンタンです。普段の中で、どんなことについてよく考えているか?です。ウィングが4かウィングが6かで興味の対象が結構違います。
タイプ5ウィング4:因習を打破する人
因習とは「古き習慣」です。言い換えるなら、「常識」ですね。タイプ5が4のウィングを持つと、これまでの過去の常識に疑問をもち、その疑問を打破するような新しい哲学や思想について考え込むようになります。
自分の世界観を構築したり、新しい着想に行きついたり、常識を覆すようなアイディアについて真剣に考えこみます。
タイプ5ウィング6:問題を解決する人
一方、タイプ6のウィングをもつと、興味の対象が現実的になります。例えば、今の日本の労働システムを改善するためにはどうしたらいいか?などですね。ここら辺は、「安全でいたい」というタイプ6の影響が強いですね。
5w4がひとりで考え込むのが好きなのに対して、5w6は、色々な人と議論をするのを好む傾向がありますね。考えたことを行動に移すかどうかは別として・・・。
もしも、あなたがタイプ5でウィングについて迷ったら、
- メチャクチャなことを考えるのが好きか?
- 現実的&建設的に物事を考えるのが好きか?
で判断をするとよいでしょう。
生得本能
では、次にタイプ5の生得本能についても見ていきましょう。タイプ5が生得本能を知ることは、この知識社会で自分がどう生きていくかに直結するかもしれませんね。是非とも、あなたの得意なポジションを見極めてください。
自己保存:城持ちポジション
省エネで生きる
自己保存型のタイプ5は、自立するを目指して、省エネになり、自分の世界に籠ります。どのような活動や追求に、頭を使うかを慎重に検討します。
仕事でも、遊びでも、勉強でも、事前にその活動に必要なエネルギーがあるかどうかを自問自答して、無理だと思ったら、自分の計画を中止します。彼らはエネルギーと資源を節約し、他人に頼りすぎないように努めます。そのため、彼らの生活空間はプライベートで大切に守られています。
孤独を愛する性格
自己保存型のタイプ5は、孤独を愛し、社会的な接触を避ける傾向があります。人々に圧倒されやすく、特にグループ内では、その傾向が顕著に現れます。
たとえば、大勢の人たちが集まるパーティーには参加せずに、自宅で静かに本を読んでいるでしょう。友好的で話し好きな一面もありますが、よほど気を許した相手かグループでない限り、それはエネルギーを消耗させるのです。
自分の自己保存地帯を守るため、必要最低限のニーズを満たす方法を見出して、最低限の収入で生活することを試みます。
感情表現の苦手さ
解説:
自己保存型のタイプ5は、感情的に無関心であることが多いです。彼らは友人や親しい人に対しては温かく接しますが、一般的には感情表現が乏しく、他人に自分の感情を表現するのが非常に苦手です。例えば、友人が悲しんでいるときに慰めるのではなく、具体的な問題解決の提案をすることが多いです。彼らの感情表現の乏しさは、他人との関係において誤解を招くことがありますが、彼ら自身はそのような距離感を維持することで心の安定を保っています。
これらの特徴を理解することで、自己保存型のタイプ5がどのようにして自分の才能を発揮し、バランスを保っているのかを把握しやすくなります。
タイプ5セクシャル:秘密主義者・エージェント
セクシャル型のタイプ5は、親しい人との深い結びつきを求める一方で、社会的なスキルに自信をもてず葛藤します。その衝動で、強い創造力を育み、現実から乖離したプライベートな「世界」を作り出す傾向があります。
健全な状態では、この想像力を使って自己を落ち着かせますが、不健全な状態になるとダークファンタジーな世界に入り込む可能性があります。
①深い結びつきと社会的スキルの葛藤
セクシャル型のタイプ5は、ソーシャルスキルに自信がなく、不安を感じることが多く、その不安を親しい人と深く結びつくことで補填します。
- 友人と深い会話を楽しむ。思考の世界だけになると頭が活性化する
- 秘密を共有することでお互いの絆を高める。1対1のときとグループのときでだいぶ違う
②強烈な想像力と空想世界の創造
セクシャル型のタイプ5は、強い想像力を持ち、自分だけのプライベートな「世界」を作り出し、特定の人たちと共有しようとします。
- パートナーに対して自分の特別な世界観や趣味を論絶する。他の人には絶対しない
- 理想的な相手に出会うために、自分の奇妙さや凶器さを見せて、耐えられる人を選ぶ
③健全と不健全の間でのバランス
セクシャル型のタイプ5は、健全な状態では想像力を使って自己を落ち着かせますが、不健全な状態では暗い空想や自滅的な行動に走ることがあります。
- 健全な状態では、芸術や創作活動を通じて自分の感情を表現し、満足感を得る。
- 精神的に不安定な時期には、社会的に危険な行動や暗い空想に没頭してしまう。
タイプ5ソーシャル:トーテム×グーグル
ソーシャル型のタイプ5は、自身の専門性と専門知識を通じて他人と関わります。自身の社会的ニッチを見つけることに長けています。タイプ5ソーシャルのほとんどが、特定の分野での専門家として知られることを好み、知識やスキルを通じて必要不可欠な存在になろうとします。
エンジニアや学者、起業家などに多いです。
健全な状態では、その頭脳と専門性をいかんなく発揮しますが、不健全になると、その2つがガラガラと崩れます。
①専門知識を通じた社会的ニッチの確立
ソーシャル型のタイプ5は、自分の専門知識やスキルを通じて、他者やグループと関わり、自分の領域では必要不可欠な存在を存在を目指します。
- 会社で唯一ITに詳しい人材を目指し、安全地帯を獲得する
- その分野の賢者・シャーマン・博士としての役割を果たす
②知識レベルの交流と議論精神
ソーシャル型のタイプ5は、重厚な話題や複雑な理論について語ることを好み、雑談や世間話には興味を持ちません。様々なアイデアについて議論をして、社会を批判することで他者と交流します。
- 海外のエニアグラムやMBTI®の情報が妥当かどうかについてまじめに議論する
- 知識人が集まる場には積極的に参加をして、自分の意見と相手の意見を戦わせる
③知識人×専門家の役割に徹しすぎる
あまり健全でないソーシャル型のタイプ5は、専門家の役割以外で他人と関わることができなくなります。同じレベルで話ができない人に対しては、極端で挑発的な意見を放ちます。
また、健全度が落ちると…
- 専門知識以外の場面での交流を避けて、他人と関わるのを嫌がる
- 虚無主義者的な視点を持ち、人々をバカにする
- 極論しか話せず、他人の意見を聞かない
以上が、タイプ5の生得本能です。9つの性格だけだと、タイプ5自己保存にしか触れていませんが、生得本能を交えてタイプ5について考えると、色々なタイプ5の在り方が見えてくるんですね。
インプットよりもアウトプットを
※2018年5月 追記
これはタイプ3から見て、タイプ5の人に対していつも思うことですが、インプットするよりもアウトプットをする機会を増やすほうが、質の高い知識や思考を得ることができます。
ちょうど、この段落を書いている今がエニアグラム2年目なのですが、短期間でエニアグラムの知識や思考をゲットできたのは、エニアグラムの本を読んでいるよりも、
- 実際にエニアグラムをテーマにして人と話す機会を増やす
- ホームページを立ち上げてエニアグラムの記事を書き続けている
タイプ5は、ため込みの気質が強くインプットをするほうを好みますが、少しでもアウトプットをすることによって、結果として知識を増やし、思考を深めることができます。そして、ボキャブラリーもどんどんとたまってきます。
ディベート講座でも教えていることですが、誰かが創ったものを受け取るだけの消費者ではなく、生産者として与えることを意識すると、結果としてたくさんことを得られるようになります。
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木村真基
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
ウェブデザインだけではなく性格もデザインします♪