【エニアグラム】タイプ2「助ける人」の発達障害|「必要とされたい」設計図とグレーゾーンの生きづらさ

「あの人、困ってるかも」「私が助けなきゃ」。 人のニーズに敏感に気づき、手を差し伸べることに喜びを感じる。それがタイプ2:助ける人の素晴らしい才能であり、基本的な「心の設計図(動機)」です。

あなたは「愛されたい」「必要とされたい」という温かい欲求を持っています。だからこそ、人の役に立つことで自分の価値を感じようとします。

でも、もしあなたが「発達障害グレーゾーン」の特性(例えば、不注意さや、人の気持ちを察するのが苦手なこと)も併せ持っていたとしたら…?

「助けたい」という純粋な心と、「うまく助けられない」という脳の特性が、自分の中でぶつかり合ってしまいます。それが、タイプ2:助ける人特有の「生きづらさ」のデザインパターンです。

この記事では、その生きづらさの「設計図」を一緒に読み解き、どうすればもっと楽に、自分も相手も大切にできるかを考えていきましょう

🐤 ひよこ君: 「フクロウ君、もうぼくパンクしそうです…。Aさんの仕事を手伝って、Bさんの相談に乗ってたら、自分の仕事が全然終わくて…!」

🦉 フクロウ君: 「あー、また安請け合いしたんか。ひよこ君はタイプ2:助ける人の設計図が強いからな。『断ったら嫌われるかも』って、無意識にブレーキ踏んでへんか?」

🐤 ひよこ君: 「うっ…! なんでわかるんですか!? 『ここで断ったら、ぼくが必要ないって思われる…』って怖くなっちゃうんです…」

🦉 フクロウ君: 「その『拒絶への恐れ』こそが、タイプ2:助ける人の生きづらさの“核”や。今日はその『優しさ』が空回りせんように、自分を守る『境界線』をデザインする方法を教えたるわ」


タイプ2の「生きづらさ」の設計図

タイプ2:助ける人の生きづらさは、発達障害の特性(ADHD傾向・ASD傾向)と組み合わさることで、独特の矛盾を生み出します。

ADHD傾向 × タイプ2:助ける人:「助けたい」気持ちと「忘れてしまう」現実

もしあなたがADHD傾向の「不注意さ」や「衝動性」を持っている場合、「助けたい」という動機が裏目に出やすくなります。

  • 境界線の管理ができない 「大丈夫です!やります!」と衝動的に即答してしまいます。断ることは「相手を拒絶すること=自分が拒絶されること」と感じるため、自分のタスクが手一杯でも断れません。
  • 約束を忘れてしまう さらに厄介なのが、ADHD傾向の「不注意さ」です。「来週手伝いますね」と快く引き受けた約束そのものを忘れてしまい、相手を失望させてしまうことがあります。
  • 自己批判の悪循環 この失敗体験は、「自分は人の役に立たないダメな人間だ」という自己認識を強くします。そして、その罪悪感から、次はさらに過剰に尽くそうとして予定がパンクする…という悪循環に陥ります。時間管理も苦手なため、人を助けているうちに自分の締め切りを過ぎ、自分の評価が下がり、さらに「頑張らなければ」と他者優先を強めてしまうのです。

ASD傾向 × タイプ2:助ける人:「助けたい」のに「ニーズが読めない」ジレンマ

もしあなたがASD傾向の「こだわりの強さ」や「非言語的なサインを読み取るのが苦手」という特性を持っている場合、優しさが「一方的な親切」になってしまうことがあります。

  • 暗黙のニーズがわからない タイプ2:助ける人は「助けたい」のですが、ASD傾向があると「相手が何を望んでいるか」を表情や雰囲気から察するのが困難です。相手が疲れているサイン(ため息、視線をそらす)を見逃し、「元気を出してほしい」と延々と話しかけて、逆に疲れさせてしまうことがあります。
  • 感謝のサインを見逃す 相手からの「感謝」の表現を読み取るのも苦手です。はっきり「ありがとう」という言葉がないと、「助けたのに感謝されなかった」と感じ、裏切られたような、深い孤独感を抱くことがあります。実際には相手が笑顔やその後の行動で感謝を示していても、その「暗黙のサイン」に気づけないのです。この認識のズレが、人間関係のすれ違いを生んでしまいます。

「良かれと思って」が裏目に…

🐤 ひよこ君: 「うわぁ…! ぼく、落ち込んでる友達を励まそうと思って、ずーっと楽しい話をしてたら、逆に『今はそっとしておいて』って怒られたことあります…! 良かれと思ったのに…」

🦉 フクロウ君: 「それや。ひよこ君の『助けたい(タイプ2)』気持ちは本物や。でも、相手の『今はそっとしておいてほしい(非言語サイン)』を読み取るアンテナが、ASD傾向のせいでうまく機能せんかった。ただの『仕様(設計図)』の違いや」

🐤 ひよこ君: 「仕様の違い…? ぼくが冷たい人間だからじゃなくて…?」

🦉 フクロウ君: 「ちゃうわ! 誰よりも温かいわ! だからこそ、その温かいエネルギーを『相手が受け取れる形』で届けるデザイン(工夫)が必要なんや」


タイプ2の「自分カスタマイズ」実践ガイド(支援とセルフケア)

あなたの「優しさ」は最大の強みです。その強みを「消費」ではなく「資産」にするために、まずは自分自身を助けるデザイン(工夫)を取り入れましょう。

1. 境界線をデザインする(「役割マップ」の作成)

タイプ2:助ける人にとって、無限に広がる「助けたい範囲」に線を引くことは、自分を守るために不可欠です。

職場なら「職務記述書(仕事の範囲を書いたもの)」を上司と一緒に確認し、**「あなたの本来の役割はここまでです」**と視覚的に明確にしましょう。

これは冷たい線引きではありません。「あなたが本来の仕事で最高のパフォーマンスを発揮し、チームに貢献するための枠組み(デザイン)」です。タイプ2:助ける人は「自分の役割」が明確になると、その範囲内で最大限に貢献しようと力を発揮できます。

2. 「断る技術」をインストールする(テンプレートの活用)

「断れない」のは、タイプ2:助ける人の「心のクセ」です。意志の力で断るのではなく、「技術(スキル)」としてインストールしましょう。

「今はちょっと手が離せなくて…」 「○日の午後ならお手伝いできますが、いかがですか?」

こうした「テンプレート(型)」を用意し、ロールプレイングで練習します。 そして、「無理に引き受けて後で破綻するより、現実的な約束をする方が、相手のためでもある」と理解すること。これはタイプ2:助ける人の「相手のため」という動機にも一致するはずです。

3. スケジュールを「外部メモリ化」する(アプリの活用)

ADHD傾向の「不注意さ」を持つタイプ2:助ける人は、記憶に頼ってはいけません。カレンダーやタスク管理アプリを「自分の外部メモリ」としてデザインします。

人に何かを頼まれたら、その場でスマホに入力する。 リマインダーを必ず設定する。 定期的に「今週、引き受けた約束のうち、自分事と他人事の比率は?」と確認し、他人事の比率が高すぎたら調整する。 これらはすべて、「記憶力がない自分」を責めるためではなく、「忘れる仕様(設計図)」の自分をシステムで賢く助けるための工夫です。

4. ASD傾向向け:「助け」と「感謝」のパターン学習

ASD傾向が強い場合、「助けの形」や「感謝のサイン」を言語化して学習(インプット)することが有効です。

  • 「助け」の基準を作る: 「資料のコピーを頼まれたら、10分以内なら引き受ける。それ以上かかりそうなら『何時まで必要ですか?』と時間を確認する」など、具体的な基準(マイルール)を作ります。
  • 「感謝」のサインを知る: 「ありがとう」という言葉以外にも、「笑顔になる」「次も頼ってくれる」「仕事がスムーズに進む」なども感謝の表れだと学びます。「今週、感謝されたと感じた場面」を3つ書き出す「感謝日記」も、感謝を受け取る力を育てるのに有効です。

5. 「役に立つ」以外の「自分の価値」をデザインする

タイプ2:助ける人は、「人の役に立つこと=自分の価値」と考えがちですが、これではいつか燃え尽きてしまいます。

趣味、スキルアップ、興味のあることの勉強など、「人を助ける」以外の領域で「自分はこれが好き」「これをやっていると楽しい」と感じる時間(=自己価値)を育てましょう。

「今週、自分のためだけに使った時間は何時間ですか?」と自分に問いかけ、少なくとも週に数時間は「自分のための時間」をスケジュールに組み込むことを目標にします。


まとめ:「まず自分を助ける」ことが、あなたの最大の強みになる

タイプ2:助ける人のあなたが持つ「共感力」や「サポートする力」は、対人支援職、カスタマーサービス、チームの調整役など、「人を助ける」ことが正当に評価される役割で、最高の輝きを放ちます。

ただし、そこには常に「助けすぎて自分が壊れてしまう」というリスクが伴います。タイプ2:助ける人は自分の限界を認めるのが苦手だからです。

あなたの生きづらさは、「優しすぎる」という欠陥ではありません。 それは、あなたの素晴らしい才能(設計図)が、「断れない」「忘れてしまう」という特性とミスマッチを起こし、エネルギー漏れを起こしている状態です。

飛行機で緊急事態が起きた時、「まず自分に酸素マスクをつける」ように。 あなたも、まず自分自身の心を「境界線」と「セルフケア」で満たしてあげること。

それができて初めて、あなたの「優しさ」は持続可能なエネルギーとなり、あなた自身と周りの人を本当に幸せにする、最強のデザインツールになるのです。


(CTA共通パーツ)

一人で悩んでいませんか? あなたが感じている「生きづらさ」は、あなたの「性格(心の動機)」と「発達特性(脳のクセ)」が複雑に絡み合った結果かもしれません。 でも、その設計図を正しく読み解けば、それは「弱み」ではなく、あなただけの「強み」として活かす道が必ず見つかります。

「自分はダメなんだ」と責めてしまう前に。 まずは、あなたのユニークな「心の設計図」を知ることから始めてみませんか?

私たちは、エニアグラムと発達障害の専門知識(コーチング心理学)を活かし、あなたが自分を理解し、自分らしく輝くための一歩をデザインするお手伝いをしています。

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本記事は、一般社ード法人コーチング心理学協会の提供する「発達障害支援コーチング」の理論と資料を参考に、著者の知見を加えて執筆されました。 引用元: 一般社団法人コーチング心理学協会 ( https://www.coaching-psych.com/event/ddsc/ )

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木村真基

Kimura Naoki

ウェブデザイナー/エニアグラム講師

プロフィール

「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。

・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我

などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

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