【エニアグラム】タイプ3「達成する人」の発達障害|「できる自分」とグレーゾーンの燃え尽き

「自分は何を成し遂げたか?」 「周りからどう見られているか?」

タイプ3:達成する人は、「達成すること」「成功すること」に強い動機(心のクセ)を持ち、そこに自分の価値を見出す人たちです。そのエネルギッシュな姿は、周りを引っ張る魅力的な強みとなります。

でも、もしあなたが「発達障害グレーゾーン」の特性(例えば、過集中や、場の空気を読むのが苦手なこと)も併せ持っていたとしたら…?

「完璧な成果を出したい」という心と、「つい過集中で燃え尽きてしまう」脳の特性が、激しく衝突してしまうかもしれません。「できる自分」を演じ続けることに疲れ果ててしまう…それが、タイプ3:達成する人特有の「生きづらさ」のデザインパターンです。

この記事では、その生きづらさの「設計図」を一緒に読み解き、どうすればもっと楽に、持続可能な「達成」をデザインできるかを考えていきましょう。


ひよこ君とフクロウ君の「タイプ3」談義

ひよこ君: 「フクロウ君、聞いてください! 今度のプレゼン、絶対成功させたくて、3日も徹夜して資料作ったんです!」

フクロウ君: 「おお、頑張ったなぁ。…って、アカン! 目が真っ赤やんか! それ、当日に最高のパフォーマンス出す設計図になってへんで」

ひよこ君: 「うっ…でも、休んだら『サボってる』って思われそうで…。『できる人』って思われたいんです!」

フクロウ君: 「その『できる人』に見られたいっていう気持ちが、タイプ3:達成する人のエンジンであり、同時に自分を燃え尽きさせる燃料でもあるんや。今日はその『達成』の炎を、消さずに『ちょうどいい火力』に調整するデザインを学ぼか」


タイプ3の「生きづらさ」の設計図

タイプ3:達成する人の生きづらさは、「成果=自分の価値」という設計図と、発達障害の特性が組み合わさることで、独特のパターンを生み出します。

ADHD傾向 × タイプ3:達成する人:「過集中」と「燃え尽き」の危険なサイクル

もしあなたがADHD傾向の「過集中」や「衝動性」を持っている場合、そのエネルギーが「達成」という目標に向かって暴走しがちです。

  • 燃え尽き(バーンアウト)のサイクル 目標が決まると、寝食を忘れて没頭します(過集中)。プレゼン前には徹夜で資料を仕上げ、当日は疲労困憊で本来の力を発揮できない…といったことが起こります。しかし、タイプ3:達成する人は「できる人」に見られたいため、その疲労を認めず、すぐに次の目標に向かって突き進み、心身が消耗していきます。
  • 「全部やる」という優先順位の麻痺 新しいプロジェクトはすべて「自分の成功の証」に見えるため、衝動的に手を出しがちです。どれも成功させたいあまり優先順位がつけられず、すべてが中途半端に…。しかし、タイプ3:達成する人にとって「失敗」は耐え難い苦痛です。ミスを隠したり、他者のせいにしたりと、自分を守るために無意識に自分を偽ってしまうこともあります。
  • 評価への過剰な敏感さ 他人からの小さな批判や指摘でも、「自分は失敗者だ」という0か100かの極端な結論に飛びつきがちです。この「失敗への恐怖」から、次第にリスクのある新しい挑戦を避け、確実に成功できる(=評価される)安全なことだけを選ぶようになり、成長の機会を自ら閉ざしてしまうのです。

ASD傾向 × タイプ3:達成する人:「効率」と「人間関係」のミスマッチ

もしあなたがASD傾向の「こだわりの強さ」や「暗黙のルールを察するのが苦手」という特性を持っている場合、「できる人」を演じることに多大なエネルギーを消耗します。

  • 「雑談=無駄」という非効率な思い込み タイプ3:達成する人は効率を重視します。そこにASD傾向が加わると、職場での「雑談」や「飲み会」が、目的のはっきりしない「時間の無駄」に見えてしまいます。すぐに本題に入ろうとしたり、愛想笑いができなかったりすることで、「冷たい人」「付き合いが悪い人」という印象を与え、チームから浮いてしまうことがあります。
  • 「できる人」を演じる疲労 場の空気が読めないことを自覚しているタイプ3:達成する人は、「どう振る舞えば『成功者』『できる人』に見えるか」を常に頭の中で計算し、「完璧な自分」を演じ続けることで対応しようとします。自然体でいられる瞬間がなく、心が休まりません。
  • 感覚過敏を「弱さ」として隠す 聴覚過敏でうるさい場所が苦手でも、「そんなことは弱さだ」「できる人は我慢するはずだ」と思い込み、ひたすら耐えてしまいます。この我慢が集中力を奪い、長期的なパフォーマンス低下を招いていることに気づけません。

ひよこ君とフクロウ君の「雑談ムダ論」

ひよこ君: 「ぼく、職場の雑談って苦手なんです。『昨日のテレビ見ました?』とか、そんなの仕事の成果に関係ないじゃないですか! 無駄だなって思っちゃうんです」

フクロウ君: 「あー、タイプ3:達成する人でASD傾向があるとそうなりがちやな。効率第一の設計図やから。でもな、ひよこ君。その『無駄』に見える雑談こそが、実は最高の『投資』かもしれへんで」

ひよこ君: 「投資、ですか? 時間の無駄遣いじゃなくて?」

フクロウ君: 「そうや。『10分の雑談』で相手との信頼関係を築いておけば、いざという時に『30分の協力』をスムーズに得られるかもしれへん。それって、トータルで見たらめちゃくちゃ『効率的』なデザインやと思わへんか?」

ひよこ君: 「な、なるほど…! 雑談は『未来の効率化のための投資』…!?」


タイプ3の「自分カスタマイズ」実践ガイド(支援とセルフケア)

あなたの「達成したい」というエネルギーは最高の強みです。その強みを「一瞬で燃やす花火」ではなく、「長く燃え続ける炎」にするための工夫(カスタマイズ)を見ていきましょう。

1. 「結果」だけでなく「プロセス(行動)」も目標にする

タイプ3:達成する人は「結果」だけを評価しがちです。そこに行動そのものへの評価も加えましょう。 「完璧な資料を完成させる」という結果目標だけでなく、「毎日2時間、資料作成に取り組む」「3日に1回、途中経過を報告する」といった行動ベースの目標も設定します 。 これにより、結果が出る前でも「今日も目標を達成できた」という達成感を得る仕組み(デザイン)が作れます。

2. 「休息」を「達成すべきタスク」として計画する

タイプ3:達成する人に「休んでください」と曖昧に伝えても効果はありません。「休む=サボる」という設計図になっているからです。 ならば、休息も「達成すべきタスク」としてスケジュールに組み込みましょう

  • 「今週のタスク:1日30分の散歩を3回達成する」
  • 「今月の目標:週末に1日、PCを開かない『完全オフ』を達成する」

効率を求めるタイプ3:達成する人には、「十分な睡眠を取った後のパフォーマンスは20%向上する」といった科学的データを示すのも有効です。休息は「より大きな達成のための戦略的投資」なのです。

3. 「失敗=価値ゼロ」から「失敗=学習データ」へ

失敗を「自分の価値がゼロになった」と捉えるのは、タイプ3:達成する人の「心のクセ」です。 これを「失敗は学習の機会」という視点にリフレーミング(捉え直す)しましょう 。 失敗した時は、**「この経験から何を学んだか?」「次にどう活かせるか?」**を言語化する習慣をつけます タイプ3:達成する人にとって、失敗は「成長のデータ」に変わります。

4. 「できない」と言う練習(脆弱性の開示)

タイプ3:達成する人にとって、「できません」「助けてください」と言うことは、自分の「無能」をさらけ出すようで非常に怖いことです 。 これは、小さなことから練習が必要です(援助要請スキル) 。 まずはロールプレイングで、**「この部分は少し不得意なので、サポートをお願いできますか?」**と言う練習をしてみます 。 実際に勇気を出して伝えてみて、「助けを求めたら、むしろ『素直だ』と評価された」「仕事がスムーズに進んだ」という成功体験を積むこと。「弱さを見せることは、必ずしもマイナスではない」と体験から学ぶことが大切です。

5. 感覚過敏は「ツール」で解決する(合理的配慮)

感覚過敏を「弱さ」として隠すのはやめましょう。それは「パフォーマンスを最適化するための工夫」として堂々と対処すべき「仕様(設計図)」の問題です。 「うるさくて集中できない」なら、ノイズキャンセリングヘッドホンを**「集中力を20%向上させるツール」として導入します 。 これは「わがまま」ではなく、厚生労働省も認める「合理的配慮」**(その人の特性に合わせて働きやすくする工夫)です タイプ3:達成する人は「効率化のため」と説明されれば、最も受け入れやすいはずです。


まとめ:「達成」と「ありのままの自分」を両立させるデザイン

タイプ3:達成する人のあなたが持つ「目標達成へのエネルギー」は、営業、マーケティング、プロジェクト管理など、ゴールが明確な仕事で素晴らしい強みを発揮します。

しかし、その強みは「燃え尽き」のリスクと常に隣り合わせです。タイプ3:達成する人は自分を過信しがちで、限界を超えても走り続けてしまうからです。

あなたの生きづらさは、「成果にこだわる」という欠陥ではありません。 それは、あなたの素晴らしい才能(設計図)が、「休む=悪」「失敗=無価値」という思い込みとミスマッチを起こし、エネルギーを空回りさせている状態です。

大切なのは、「成果」だけでなく、そこに至る「プロセス(行動)」も認めること。 「失敗」を「データ」として歓迎すること。 そして何より、**「何も達成していなくても、自分には価値がある」**と知ること。

「休む」ことを戦略的にデザインに取り入れることで、あなたの「達成」はもっとしなやかに、もっと遠くまで届くようになるのです。


(CTA共通パーツ)

一人で悩んでいませんか? あなたが感じている「生きづらさ」は、あなたの「性格(心の動機)」と「発達特性(脳のクセ)」が複雑に絡み合った結果かもしれません。 でも、その設計図を正しく読み解けば、それは「弱み」ではなく、あなただけの「強み」として活かす道が必ず見つかります。

「自分はダメなんだ」と責めてしまう前に。 まずは、あなたのユニークな「心の設計図」を知ることから始めてみませんか?

私たちは、エニアグラムと発達障害の専門知識(コーチング心理学)を活かし、あなたが自分を理解し、自分らしく輝くための一歩をデザインするお手伝いをしています。

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本記事は、一般社団法人コーチング心理学協会の提供する「発達障害支援コーチング」の理論と資料を参考に、著者の知見を加えて執筆されました。 引用元: 一般社団法人コーチング心理学協会 ( https://www.coaching-psych.com/event/ddsc/ )

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木村真基

Kimura Naoki

ウェブデザイナー/エニアグラム講師

プロフィール

「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。

・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我

などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

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