【エニアグラム】タイプ9「平和をもたらす人」の発達障害|「調和」の設計図とグレーゾーンの生きづらさ

「波風を立てたくない」 「みんな仲良くしてほしい」 「自分のことより、全体の和が大切」

タイプ9:平和をもたらす人は、「調和」と「平和」を何よりも大切にし、「対立」や「不快感」を避けようとする動機(心のクセ)を持つ人たちです。 その穏やかさや、他者に合わせられる「受容力」は、周りの人を安心させる素晴らしい「強み」です。

でも、もしあなたが「発達障害グレーゾーン」の特性(例えば、注意が散漫になりやすい、優先順位をつけるのが苦手、こだわりが強い)も併せ持っていたとしたら…?

「みんなに合わせたい」という心と、「何から手をつけていいか分からない」という脳の特性がミスマッチを起こし、動けなくなってしまうかもしれません。 平和を願うあまり「自分の意見」を後回しにし続け、結果として「自分が何をしたいのか分からない」と、自分の存在感が薄れていってしまう…それが、タイプ9:平和をもたらす人特有の「生きづらさ」のデザインパターンです。

この記事では、その生きづらさの「設計図」を一緒に読み解き、どうすれば「調和」を大切にしながら、「自分」も大切にできるかを考えていきましょう。

ひよこくん

フクロウ君、ぼく、タスクが3つあるんですけど、何から手をつけたらいいか分からなくて、もう2時間もぼーっとしちゃってます…

フクロウくん

あー、また『決断フリーズ』しとるな。タイプ9:平和をもたらす人の『どれも同じくらい大事(=波風を立てたくない)』っていう設計図と、ADHD傾向の『優先順位がつけられない』っていう特性が、見事にコンボ決めとるわ

ひよこくん

フクロウ君、ぼく、タスクが3つあるんですけど、何から手をつけたらいいか分からなくて、もう2時間もぼーっとしちゃってます…

フクロウくん

あー、また『決断フリーズ』しとるな。タイプ9:平和をもたらす人の『どれも同じくらい大事(=波風を立てたくない)』っていう設計図と、ADHD傾向の『優先順位がつけられない』っていう特性が、見事にコンボ決めとるわ

タイプ9の「生きづらさ」の設計図

タイプ9:平和をもたらす人の生きづらさは、「平和を維持したい」という設計図が、発達障害の特性によって「極端な受動性」や「自己主張の欠如」として現れる点にあります。

ADHD傾向 × タイプ9:平和をもたらす人:「決断できない」注意散漫と「先延ばし」

もしあなたがADHD傾向の「不注意さ」や「実行機能の困難(計画を立てて実行するのが苦手)」を持っている場合、タイプ9:平和をもたらす人の「決断を避ける」特性が組み合わさり、行動停止に陥りやすくなります。

  • 優先順位がつけられない: 全てのタスクが「同じくらい大事」または「どちらでもいい」ように感じられ、決断できません。「何から手をつけたらいいか分からない」とフリーズし、結果として何もしないまま時間が過ぎます。
  • 注意散漫と「他者優先」: 他者の要求を衝動的に優先してしまいます。同僚に「手伝って」と言われれば、自分の仕事が残っていても引き受けてしまい、自分の締め切りを破ってしまいます。
  • 面倒なことの先延ばし: 対立の可能性がある不快な話題、難しい決断など、心がザワザワすることすべてを「面倒なこと」として先延ばしします。 問題は放置され、気づいた時には手遅れなほど悪化していることも少なくありません。
  • 「自分がない」という苦しみ: 「どっちでもいい」「あなたに合わせます」と言い続けます。これは本心ではなく、対立を避けるための防衛反応です。 しかし、内心では「本当はイヤだ」という不満が蓄積していきます。その抑圧された怒りや不満が限界に達した時、突然の退職や人間関係の断絶という、周りから見れば「理解不能な」爆発として現れるのです。

ASD傾向 × タイプ9:平和をもたらす人:「受動性」と「現状維持」への固執

もしあなたがASD傾向の「こだわりの強さ(ルーティンを好む)」や「受動性(指示待ち)」を持っている場合、タイプ9:平和をもたらす人の「変化を嫌う」設計図が組み合わさり、極端な現状維持となって現れます。

  • 指示がないと動けない 「言われたことだけを、言われた通りにやる」という姿勢が強くなります。自発性がゼロに見え、指示がないと「何をすればいいですか?」と常に聞く「指示待ち」の状態になります。
  • 「面倒」だから変わらない 一度慣れたパターン(ルーティン)から動くことを極端に嫌がります。新しい業務を提案されても、「覚えるのが面倒」と感じて拒否します。不満があっても「現状を変える方がもっと面倒」だから我慢し続けます。しかし、その我慢が限界に達すると、ASD傾向も相まって、予兆なく突然辞める、連絡が取れなくなるといった形で関係を断ち切ることがあります。
  • 感情の言語化ができない 「どう思いますか?」と意見を求められても、「分かりません」「特にないです」としか答えられないことがあります。ASD傾向の「自分の感情を認識するのが苦手」という特性と、タイプ9:平和をもたらす人の「自分の意見を後回しにする」クセが合わさり、自己認識が極端に薄くなっている状態です。
ひよこくん

ぼく、ランチとか『どっちでもいい』って言っちゃうんです。本当にどっちでもいいし、その方が平和じゃないですか?

フクロウくん

ほんまにどっちでもええんか? 10回連続で『激辛ラーメン』でも、『どっちでもいい』って言えるか?

ひよこくん

うっ…そ、それはちょっと…。本当は和食がいいかも…

フクロウくん

ほらな(笑) タイプ9:平和をもたらす人の『どっちでもいい』は、『本当はAがいいけど、Bだと言われたら我慢します。だってモメるのが一番イヤだから』っていう意味なんや。その『我慢』の設計図が、君からエネルギーを奪ってるんやで

タイプ9の「自分カスタマイズ」実践ガイド(支援とセルフケア)

あなたの「平和を愛する心」は、最高の「強み」です。その強みを活かしつつ、「自分自身」とも平和になるための工夫(カスタマイズ)を見ていきましょう。

1. 「優先順位」を外部化する(コーチング的支援)

タイプ9:平和をもたらす人は、自分で優先順位を決めるのが苦手です。

だから、その決定プロセスを「外部化(デザイン)」しましょう。 支援者や上司と、「今日やることトップ3」を毎朝5分で決めるのです。この時、支援者が「これをやれ」と押し付けるのは逆効果です。「AとBとC、どれから始めますか?」と選択肢を提示し、本人に「選ばせる」ことが重要です。

この「小さな決断」の積み重ねが、自律性を育てます。

2. 「20分だけやる」タイマー作戦(スモールステップ)

何から手をつけていいか分からない」とフリーズしたら、「(どれでもいいから)20分だけやる」と時間で区切ります。

「ポジティブ行動支援」の考え方で、タスクの「終わり」が見えるようにデザインすることで、開始のハードルを下げます。一度始めてしまえば、意外と続けられるものです。

3. 「小さな決断」の練習をデザインする

タイプ9:平和をもたらす人は「決断」の筋力が弱っています。日常生活で、その筋トレをデザインしましょう。

  • 「ランチは何を食べますか?」
  • 「会議室の席はどこにしますか?」

といった、失敗してもリスクの低い選択を、あえて「どっちでもいい」と言わずに決める練習をします。そして、「自分で決めて、和食を食べた。美味しかった。何も問題は起きなかった」と、「自分で決めても大丈夫だった」という「安全の経験」を積むことが大切です。

4. 「怒り(不満)」の言語化を許可する(セルフケア)

タイプ9:平和をもたらす人は「怒り=悪」という設計図を持ちがちですが、怒りは「自分が大切にしているものが脅かされている」という正常なサインです。 「不満を言ってもいい」と自分に許可を出し、安全な場所(支援者との面談や日記)で、その感情を言語化する練習をします。「今週、ちょっと『イヤだな』と感じたこと」を尋ね、小さなことでも言葉にできたことを「素晴らしい自己主張だ」と認めてあげる(自己受容する)ことが重要です。

5. ASD傾向向け:「選択肢」で意見を引き出す

ASD傾向が強く、自分の意見を言語化するのが苦手な場合、「どう思いますか?」というオープンな質問は難しすぎます。「A案とB案、どちらがやりやすいですか?」(クローズドクエスチョン)や、「こういう意見とこういう意見がありますが、あなたはどちらに近いですか?」(選択肢の提示)という形で、意見を引き出すデザインが有効です。

まとめ:「平和」と「自分」を両立させるデザイン

タイプ9:平和をもたらす人のあなたが持つ「調和力」「受容力」「安定感」は、チームの対立を鎮め、メンバーをサポートする、最高の「強み」となります。 ルーティンワークを辛抱強くこなす力も持っています。

あなたの生きづらさは、「優柔不断」という欠陥ではありません。 それは、あなたの「平和を愛する」素晴らしい設計図が、「決断の苦手さ」や「自己主張の抑圧」とミスマッチを起こし、自分自身のエネルギー(存在感)を見失っている状態です。

大切なのは、「他者の平和」と同じくらい、「自分の心の平和」も大切にすること。 そのために、ほんの小さな「決断」を自分でしてみること。 「イヤだ」という小さな「怒り」に気づいてあげること。

そうすれば、あなたの「平和を創る力」は、周りだけでなく、あなた自身をも幸せにする、本当の「調和」のデザインツールになるのです。

(CTA共通パーツ)

一人で悩んでいませんか? あなたが感じている「生きづらさ」は、あなたの「性格(心の動機)」と「発達特性(脳のクセ)」が複雑に絡み合った結果かもしれません。 でも、その設計図を正しく読み解けば、それは「弱み」ではなく、あなただけの「強み」として活かす道が必ず見つかります。

「自分はダメなんだ」と責めてしまう前に。 まずは、あなたのユニークな「心の設計図」を知ることから始めてみませんか?

私たちは、エニアグラムと発達障害の専門知識(コーチング心理学)を活かし、あなたが自分を理解し、自分らしく輝くための一歩をデザインするお手伝いをしています。

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本記事は、一般社団法人コーチング心理学協会の提供する「発達障害支援コーチング」の理論と資料を参考に、著者の知見を加えて執筆されました。

引用元: 一般社団法人コーチング心理学協会

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Zoom

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講座案内

9つの性格タイプ一覧

https://seikaku-type.com/type1/reformer-basic

サブタイプ一覧

木村真基

Kimura Naoki

ウェブデザイナー/エニアグラム講師

プロフィール

「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。

・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我

などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

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