発達特性と16性格の親和性レポート

OODAループを活用

発達障害支援コーチングと16性格診断の連携

こんにちは!性格タイプ論と発達障害を連携させた性格タイプ別×発達障害支援コーチング|トリセツの巻を開発した木村です。

先日こちらの記事の「発達障害は様々だから、ひたすら観察するしかない!」の洗礼を受けて、これまでのエニアグラム×16性格診断連携セッションを通した観察レポートをこの場にまとめます。

発達障害支援コーチングを学んで気づいた「ADHDとASDの違い」

はじめに:2日間の学びで変わった「支援の見方」 2025年11月1日と2日に一般社団法人コーチング心理学協会の「発達障害支援コーチング(DSC-D2)講座」(講座ページはこちら)を受講をしました。 2日間を通して学んだの […]

発達特性の理解やコーチング支援において、最も効果的なのがOODAループ(ウーダ・ループ)です。

OODAとは?

「Observe(観察)→ Orient(状況判断)→ Decide(意思決定)→ Act(行動)」の4段階で構成されたモデルです。

アメリカ空軍戦略家ジョン・ボイドによって提唱されました。

このモデルの本質は、固定化された判断を避け、観察と仮説検証を繰り返すことにあります。

コーチング現場では、クライアントの特性を“ラベル化”せず、「いま・ここで起きている行動の文脈」を観察し、環境・思考・感情のどこに要因があるかを柔軟に読み解く枠組みとして活用しています。

たとえば、

  • Observe(観察): クライアントの行動・思考・感情の現れを丁寧に観察する
  • Orient(状況判断): 発達特性・環境要因・認知スタイルの相互作用を整理する
  • Decide(意思決定): どの支援スタイルや質問が最も効果的かを選択する
  • Act(行動): 支援方針を試行し、その反応を再び観察する

この循環を継続することで、特性を固定化せず、個人に合った支援の最適解を探ることができます。

私はこのOODAループを5年間継続的に実践し、16性格診断やエニアグラム、ソシオニクスなどの心理モデルを補助的に組み合わせながら、600名以上のクライアントの支援プロセスを記録してきました。そのうち約20%が発達障害(あるいはグレーゾーン)を自認されいました。

一人あたり3~8時間のセッションを行いました。

以下に示すマッピングは、その実践から導き出された「発達特性と性格傾向の親和性」をOODAの視点で整理したものです。

米国MBTI®理論や協会認定制度とは一切関係ありませんが、対話の現場を考える上で有効な補助枠としてまとめました。

4つ型から分類

創造・行動型(ENTP/ENFP/ESTP/ESFP)

ADHDとの親和性:高い/ASDとの親和性:やや低い

強み(リフレーミング後)支援方針
発想力・行動力・柔軟性・感性感情と目的を結びつけ、モチベーションを可視化する。

コーチング質問例: 「何をしているときに最もワクワクしますか?」「楽しさを軸にすると、今の課題はどう変わりそうですか?」

OODA観察メモ:

Zoomでのセッションでは、話が飛躍することが多く、常に複数のトピックを同時並行で話す傾向がある。思考が放射状に広がり、途中で連想的に別テーマへ移行するが、後で辿ると論理的な繋がりがあるケースが多い。特にADHD傾向が強い方は、「思考の瞬発力」と「感情の速度」が一致しており、頭に浮かんだことを即座に言語化しようとする。そのため、セッションではテーマを“止める”よりも、“並列に整理する”ほうが流れを妨げない。画面共有でホワイトボードやマインドマップを活用すると、クライアント自身の思考経路が可視化され、自己理解につながりやすい。感情がモチベーションを駆動しているため、支援の焦点は「どの感情にエネルギーを注ぎたいのか」を一緒に探ること。行動量は多いが、エネルギーの分散を防ぐため、目的との接点を都度確認するよう促すと安定する。

分析・構造型(INTJ/ISTJ/INTP)

ADHDとの親和性:低い/ASDとの親和性:高い

強み(リフレーミング後)支援方針
論理性・正確さ・探究心・一貫性構造化・ルール明示・計画的環境で安心を設計する。

コーチング質問例: 「どんな準備があると安心して動けそうですか?」「構造を整えることで自由度を上げる方法はありますか?」

OODA観察メモ:

Zoom越しでも、言葉選びに一貫したロジックがあり、自分の中の秩序を非常に大切にしている。「自分の現実」に生きているタイプが多く、外界の出来事よりも内的世界(思考モデル、原則、再現性)に重心がある。そのため、支援ではこちらの言葉を“合わせる”よりも、“その人の文脈に沿って”選ぶことが重要。発言の表層ではなく、言葉の「意味構造」に寄り添う。こちらの意図よりも、相手の世界観を尊重して会話を設計することが、信頼関係の基盤になる。曖昧な質問よりも、構造的な整理を求める傾向が強く、例示やフレームワークを提示すると理解が一気に深まる。セッション中は沈黙の時間も大切で、思考をまとめる時間を尊重すると非常に的確な回答が返ってくる。内的秩序を侵さない形で提案を置くことが、支援の精度を上げる鍵となる。

共感・支援型(INFJ/ISFJ/ENFJ/ESFJ/INFP)

ADHDとの親和性:やや低い/ASDとの親和性:中程度

強み(リフレーミング後)支援方針
誠実さ・共感力・支援力・内省性感情的安全と信頼関係の構築を中心に据える。

コーチング質問例: 「誰といると、あなたらしくいられますか?」「支える立場から学んだことは何ですか?」

OODA観察メモ:

全体的に「誰かのためになりたい」という意識が強く、他者の感情に敏感に反応する。タイプ2(援助者)やタイプ4(個性追求)に近い傾向を持つ人が多く、自分の存在を“関わりの中”で定義しているように見える。Zoomの画面越しでも、相手の反応を細かく読み取ろうとする姿勢があり、うなずきや表情の変化をよく観察している。一方で、共感が過剰になると自己境界が曖昧になり、感情的な疲労が蓄積しやすい。外向型の場合は「We(私たち)」を主語にした語りが多く、チームや仲間意識を重視する。内向型の場合は「I(私)」が軸にあり、自分の内側から他者を理解しようとする。ユング心理学の「客体主義(外向)」と「主体主義(内向)」の法則に照らすと、この違いが明確に表れる。セッションでは、共感の中に“自己の軸”を再発見できるような問いを投げかけると、自己理解と他者理解が両立する。感情的安全の設計が、支援の起点になる。

独立・実践型(ISTP/ISFP/ENTJ/ESTJ)

ADHDとの親和性:中程度/ASDとの親和性:中程度

強み(リフレーミング後)支援方針
実行力・問題解決力・責任感行動と構造の橋渡し。タスクと振り返りの循環設計を行う。

コーチング質問例: 「達成できたとき、どんなサポートが役立ちましたか?」「次に活かせそうな“成功の型”は何ですか?」

OODA観察メモ:

このタイプは、Zoomセッションでも明確な目的意識を持っていることが多く、時間の使い方にシビアである。特にENTJ・ESTJは経営者層や高学歴層に多く、自論や独自理論を持っている。自分の考えを論理的に展開しながらも、他者の意見を受け入れる柔軟性も備えているが、「迎合的な共感」には敏感で、表面的な同調を嫌う。反論や異なる視点を丁寧に提示すると、逆に好意的に受け取る傾向がある。内的に「妥当性検証」を常に行っており、自分の考えを試すためにコーチングを“投資”として利用するケースも多い。ISTP・ISFPは行動による実践知を重視し、抽象的な理論よりも“試して確かめる”過程を好む。どちらのタイプも「自分で決めた結果」に価値を置くため、行動と結果をフィードバックでつなぐ設計が有効。支援者側は「指導」ではなく「検証パートナー」として関わると、非常に高い信頼関係が構築される。

まとめ

免責事項

このマッピングは、私自身のOODAループによる長期観察と内省をもとに作成したものです。性格診断や医学的判断を行うものではなく、あくまで「特性理解の補助枠」としての共有です。

この記事の目的は、発達特性を持つ方が自分の強みをリフレーミングし、自分に合った支援や環境を見出すための材料を提供することにあります。

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2025年11月19日(水)21~23時

Zoom

無料

5〜8名

開始60分前にご参加いただければ、個別でフォローアップを致します。

講座案内

9つの性格タイプ一覧

https://seikaku-type.com/type1/reformer-basic

サブタイプ一覧

木村真基

Kimura Naoki

ウェブデザイナー/エニアグラム講師

プロフィール

「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。

・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我

などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

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