【保存版】ハーモニクスグループ(問題解決のスタイル)徹底解説

エニアグラムには、人が「問題」や「葛藤」に直面した際、どのように反応し、どうやって心の均衡(ハーモニー)を取り戻そうとするかを示す分類があります。
それが「ハーモニクスグループ(Harmonic Groups)」です。
これは、エニアグラム研究の第一人者であるドン・リソとラス・ハドソンによって提唱された概念であり、「期待通りにいかなかった時の態度」と言い換えることもできます。
エニアグラム指導者向けの理論
もしあなたが、コーチ、カウンセラー、コンサルタントとして活動しているなら、この分類は強力な武器になります。なぜなら、クライアントが「なぜアドバイスを聞き入れないのか」「なぜ急に感情的になるのか」という心理的な抵抗(防衛反応)のメカニズムを瞬時に見抜けるようになるからです。
あなたのクライアント(あるいはあなた自身)は、問題に対してどのスタイルで反応するでしょうか?
ハーモニクスグループとは?
――3つの防衛反応
トラブルが起きた時、あるいは深刻な悩みを相談された時、人の反応は大きく3つのパターンに分かれます。
- 楽観的グループ:ネガティブな感情を避け、ポジティブに書き換える
- 合理的グループ:感情を切り離し、論理とシステムで解決する
- 反応的グループ:感情を強く表現し、相手からの共鳴を求める
それぞれの特徴と、対人支援のプロとしてどう関わるべきかを解説します。
楽観的グループ(Positive Outlook)
該当タイプ:2, 7, 9
「大丈夫、なんとかなる」――ネガティブの回避と再構成
このグループの人々は、問題が発生した際、「ポジティブな側面に意識を向ける」ことで、ネガティブな感情を避けようとします。
実は心の痛みや葛藤を直視することを恐れています。そのため、深刻な問題を過小評価したり、「災い転じて福となす」というように無理やり肯定的な解釈(リフレーミング)を行う傾向があります。
プロフェッショナルへのアドバイス
楽観型は表面的には明るく協力的ですが、「核心にある痛み」に触れようとすると、話題を逸らしたり、笑顔で拒絶したりします。
「元気を出して」と安易に励ますのは逆効果です。コーチやカウンセラーは、彼らの「大丈夫」という言葉の裏にある「見たくない現実」に、優しく、しかし粘り強く向き合わせる必要があります。
タイプ別の反応スタイル
タイプ2(助ける人):他者への貢献に逃げる
「私には関係の問題があるけれど、それよりあなたの相談に乗るわ」
自分のニーズが満たされない痛みを避けるため、他者のニーズを満たすことに過剰に集中します。「良い人」でいることで、自分が抱える問題を見ないようにします。
タイプ7(熱中する人):未来の楽しみに逃げる
「済んだことは仕方ない。それより次のプロジェクトの話をしよう!」
過去の失敗や現在の苦痛を避けるため、未来の計画やワクワクする刺激に意識を飛ばします。彼らにとってネガティブな感情への滞留は「死」と同義です。
タイプ9(平和をもたらす人):平和な空想に逃げる
「まあ、時間が経てば解決するよ。今は波風を立てないでおこう」
問題そのものの存在を否認したり、感覚を麻痺させることで、内なる平穏を守ろうとします。「何もしないこと」が彼らにとっての解決策になりがちです。
合理的グループ(Competency)
該当タイプ:1, 3, 5
「感情は置いておこう。解決策は?」――感情の隔離とシステム化
このグループ(有能さのグループとも呼ばれる)は、問題に対して「感情を切り離し、論理的・客観的に対処する」ことで解決を図ります。
彼らは、問題解決の過程において、主観的な感情は「邪魔なノイズ」であると考えます。そのため、非常にクールで有能に見えますが、他者からは「冷たい」「人間味がない」「事務的」と誤解されることもあります。
プロフェッショナルへのアドバイス
彼らは「有能であること」で自分を守っています。そのため、自身の失敗や無知を認めることに強い抵抗を示します。
コンサルタントや上司として接する場合、「ロジック」で追い詰めると、彼らは心を閉ざします。まず彼らのシステムや有能さを認め、信頼関係を築いた上で「感情面」へのアプローチを行うのが鍵です。
タイプ別の反応スタイル
タイプ1(改革する人):正しさとルールで解決する
「規則に照らし合わせれば、これが正解だ。感情論は関係ない」
個人の感情よりも、客観的な基準や理想(あるべき姿)を優先し、それに則って整然と処理しようとします。
タイプ3(達成者):効率と目標達成で解決する
「どうすれば最短でリカバリーできる? 今すぐ動こう」
プロセスや感情的な納得感よりも、「結果」を出すことに焦点を絞ります。感情を感じている時間は無駄だと考え、スイッチを切るように感情をオフにします。
タイプ5(調べる人):分析と理論で解決する
「この現象の構造的要因は何か? データを集めてから判断しよう」
現実に巻き込まれるのを恐れ、一歩引いた場所から抽象的な理論やモデルを使って問題を解明しようとします。解決策を見つけるだけで満足し、実行に移さないこともあります。
反応的グループ(Reactive)該当タイプ: 4, 6, 8
「私の気持ちを分かって!」――感情の放出と共鳴の要求
このグループ(情緒的反応グループとも呼ばれる)は、問題に対して「感情を強く表に出す」ことで対処します。
このグループにとって、自分の抱えている不安や怒りを他者に伝え、相手からも同様のリアクション(共鳴)が返ってくることが重要です。相手が冷静すぎると「私の問題を深刻に捉えていない」「バカにされている」と感じ、さらに感情をエスカレートさせます。
プロフェッショナルへのアドバイス
彼らに必要なのは、即座の解決策(合理的アプローチ)や、安易な励まし(楽観的アプローチ)ではありません。「あなたの言っていることはもっともだ」という深い共感と受容です。
セッションにおいて、まず感情の毒出し(カタルシス)を十分に行わせないと、彼らは次のステップへ進めません。
タイプ別の反応スタイル
タイプ4(個性的な人):失望と悲しみを表現する
「誰も私の苦しみなんて分からない。もう終わりだわ」
自分がいかに傷ついているか、いかに被害を受けているかを強調することで、救済者を求めたり、自分の殻に閉じこもったりします。
タイプ6(忠実な人):不安と疑念を表現する
「本当に大丈夫? 失敗したらどうするの? 最悪のケースを考えないと!」
不安を周囲に撒き散らすことで、他者の警戒心を呼び起こし、一緒に安全を確認してもらおうとします。
タイプ8(挑戦する人):怒りと対決を表現する
「ふざけるな! 誰の責任だ! 白黒つけようじゃないか」
弱みを見せることを恐れ、先制攻撃として怒りを爆発させます。強く主張することで、相手の真意(信頼できるかどうか)を試し、主導権を握ろうとします。
まとめ:プロフェッショナルとしての活用法
ホーナイグループが「攻めの姿勢(どう欲しいものを取るか)」だとしたら、ハーモニクスグループは「守りの姿勢(どう傷つきから守るか)」です。
対人支援のプロフェッショナルとして、以下の視点を持ってみてください。
楽観的タイプ(2, 7, 9)のクライアントには…
ポジティブな仮面の下にある「避けている問題」に気づかせ、現実に引き戻す(グラウンディングさせる)ことが成長への鍵です。
合理的タイプ(1, 3, 5)のクライアントには…
解決策だけでなく「置き去りにした感情」を取り戻させることが、真のリーダーシップや人間的成熟につながります。
反応的タイプ(4, 6, 8)のクライアントには…
まず感情を十分に受け止め、「独りではない」と安心させることで、彼らは初めて冷静さを取り戻し、驚くほど論理的に動き出します。
相手の「反応の癖」を知ることは、コミュニケーションのミスマッチを減らし、信頼関係を築く最短ルートなのです。
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木村真基
Kimura Naoki
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。本業はホームページ制作。ホームページの効果を実証するために、ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座を開始。気づけば、エニアグラム、16性格診断、ソシオニクスのタイプ判定を生業にしている。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(ENTp)(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
などの性格類型を活用して、自分らしく生きる方法を提唱中。

“【保存版】ハーモニクスグループ(問題解決のスタイル)徹底解説”へ4件のコメント
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このようなサイトを作っていただきありがとうございます。エニアグラム入門者の私でも理解できるほどわかりやすかったです。
私はもっとハーモニーグループについて知りたいです。なので、楽観的反応のようにタイプごとの解説も載せていただけると大変うれしいです。よろしくお願いいたします。
きよさん
コメント頂きありがとうございます。
記事を更新しました。
こんにちは。
タイプ7の清野ひとみと申します。
エニアグラムに関心があり、いろいろ本を読んだりセミナーに参加したりしました。
(韓国在住)
質問があるのですが、3タイプは内面や感情に向き合うのが苦手、というのは良くわかるのですが、感情センターにあるので混乱してしまいます。
感情センターというと感情で動き、そこに重きを置くような感じがしますが、感情では動くが客観的に本人が理解しにくいのか、あるいは感情に左右されにくいタイプなのか、感情がセンターになっているけれども感情には鈍いというのをどう理解したらいいのか、説明していただけますか。
よろしくお願い致します。
清野様
良い質問ありがとうございます。
2019年4月の時点では、この説明はまだ書ききれていませんでした。
まず前提として、ハートセンター(234)は、自分のイメージを作り上げることは苦手です。
だから、タイプ2は、人から関心を得るために献身的になり、感謝や愛情を得ようとします。
そして、タイプ4は、人から関心を得られるように、自分の中で自分を作り上げます。
ハートセンターの中心にいる、タイプ3は、タイプ2とタイプ4の両方にチャレンジをするのですが、どうしても「得る」「得られる」が相反します。
やがて、どうしていいかわからなくなります。何かを達成して、人々から価値ある存在と認識してもらおうとします。
ファッションに例えるとわかりやすいかもしれません。
タイプ2は周りの人から好まれるファッションを選ぶ
タイプ4は自分らしさを表現できるファッションを選ぶ
タイプ3は、悩んだ結果、高級ブランド物を選ぶ
そして、その高級ブランドに自分のこだわりはありません(高級ブランドそのものが悪いわけではありません)