基本タイプからサブタイプへ:あなたの個性を解き明かす境界線

あなたは既に自分のソシオタイプを知り、「私はILI(直感論理内向型)」「私はESE(倫理感覚外向型)」と自分の基本的な認知スタイルを理解しているかもしれません。でも、同じタイプの友達と「なんか違う」と感じたり、タイプ説明の一部が「しっくりこない」と思ったりすることはありませんか?

そんなモヤモヤを解消するのが「サブタイプ」です。でも、基本タイプとサブタイプは何が違うのでしょうか?そして、なぜサブタイプまで知る必要があるのでしょうか?

基本タイプとサブタイプの境界線

基本タイプが教えてくれること

基本タイプは、あなたの認知の「骨格」や「設計図」のようなものです。具体的には:

  • 情報をどう受け取るか:直感(N)vs 感覚(S)
  • 情報をどう処理するか:論理(T)vs 倫理(F)
  • エネルギーの方向性:外向(E)vs 内向(I)
  • 情報処理の姿勢:判断(j)vs 認知(p)

例えば、IEE(直感倫理外向型)なら、「可能性を探り、人間関係を重視し、外向的なエネルギーを持ち、柔軟な姿勢で世界と関わる」という基本的な認知パターンを持っています。

基本タイプでは見えない境界線

しかし、基本タイプだけでは次のことがわかりません:

  • 同じタイプ内の違い:「なぜ同じIEEなのに、あの人とこんなに違うの?」
  • 特定の行動パターン:「具体的な状況でどう行動するか」
  • エネルギーの使い方:「そのエネルギーをどう表現するか」
  • 人間関係のスタイル:「対人関係でどんなアプローチを取るか」

これが、基本タイプだけでは解消できないモヤモヤの正体です。

サブタイプが埋める隙間

サブタイプは、基本タイプの「表現スタイル」を示します。DCNHの4つのサブタイプは、それぞれ:

  • D(ドミナント):エネルギーを目標達成と主導に向ける
  • C(クリエイティブ):エネルギーを創造と探索に向ける
  • N(ノーマライザー):エネルギーを秩序と体系化に向ける
  • H(ハーモナイザー):エネルギーを調和と関係性に向ける

これらは「何を重視するか」ではなく、「どのように表現するか」の違いなのです。

境界線を見る:同じILEの4つの姿

基本タイプとサブタイプの境界線を理解するために、同じILE(直感論理外向型)の4つのバージョンを見てみましょう。

全員に共通するILEの特徴(基本タイプ)

  • 新しい可能性やアイデアを見つけるのが得意
  • 論理的な分析を好む
  • 好奇心旺盛で多くの興味を持つ
  • 柔軟で適応力がある
  • 規則や制約を嫌う傾向

ILE-D(ドミナント)の特徴(サブタイプ)

基本のILEに加えて:

  • アイデアを即実行に移す推進力がある
  • 議論や論争を好み、自分の見解を強く主張する
  • リーダーシップを自然に発揮する
  • 競争的な環境で活力を得る
  • より直接的でエネルギッシュなコミュニケーションスタイル

ILE-C(クリエイティブ)の特徴(サブタイプ)

基本のILEに加えて:

  • 次々と新しいアイデアを生み出し続ける
  • 一つのプロジェクトから別のプロジェクトへと移る
  • 実験的で冒険的なアプローチを好む
  • 独創性と革新性を最も重視する
  • 遊び心のあるコミュニケーションスタイル

ILE-N(ノーマライザー)の特徴(サブタイプ)

基本のILEに加えて:

  • アイデアを体系化し、理論として整理する
  • 他のILEに比べて計画性がある
  • 論理的一貫性と正確さを重視する
  • より内省的で分析的な姿勢
  • 構造化されたコミュニケーションスタイル

ILE-H(ハーモナイザー)の特徴(サブタイプ)

基本のILEに加えて:

  • アイデアをチームや集団と共有することを重視
  • 社交的で、人間関係を通じてアイデアを発展させる
  • グループの調和や雰囲気に敏感
  • 人々をつなぐ触媒的な役割を果たす
  • 協調的で包括的なコミュニケーションスタイル

同じILEという「骨格」を持ちながら、エネルギーの方向性と表現方法が大きく異なるのがわかりますね。

サブタイプを知る3つの決定的な意義

1. 「私はこのタイプだけど、この部分は違う」という違和感が解消する

基本タイプだけだと、「このタイプの説明の70%は当てはまるけど、30%は違う」という感覚を持つことがよくあります。サブタイプを知ることで、この謎が解けます。

例えば:

  • 「私はESIなのに、そこまで静かではない」→ESI-Dの可能性
  • 「私はSLEなのに、そこまで指導的ではない」→SLE-Hの可能性

サブタイプは、基本タイプの説明と実際のあなたの間にある「ミッシングピース」なのです。

2. 具体的な行動パターンが見えてくる

基本タイプは認知の傾向を教えてくれますが、具体的な行動までは教えてくれません。サブタイプは、特定の状況での行動パターンをより正確に予測できるようにします。

例えば、ストレス下での反応:

  • SEI-D:問題に立ち向かい、実践的に解決しようとする
  • SEI-C:新しい角度から問題を見て、創造的な対処法を探る
  • SEI-N:ルーティンと秩序を取り戻そうとする
  • SEI-H:他者との調和を通じて安定を求める

このように、同じ基本タイプでも状況に応じた反応が大きく異なります。

3. 「本当の自分」の輪郭がくっきりする

基本タイプは16種類ですが、サブタイプまで考慮すると64種類になります。これにより、あなたの「本当の自分」の輪郭がより鮮明になります。

例えば:

  • 「私はLIIタイプの論理的な人」から
  • 「私はLII-Cタイプの、創造的で概念的なつながりを見出すのが得意な論理的な人」へ

この精密さは、自己理解だけでなく、キャリア選択、人間関係の構築、自己成長においても大きな違いをもたらします。

サブタイプを知ると日常が変わる瞬間

職場での立ち位置が明確になる

同じEIE(倫理直感外向型)でも:

  • EIE-D:チームを鼓舞し、大きなビジョンに向かって導くリーダー
  • EIE-C:創造的なアイデアで周囲を刺激するインスピレーションの源
  • EIE-H:チームの感情面をケアし、一体感を生み出す調和の創造者
  • EIE-N:感情とビジョンに秩序をもたらす組織者

自分のサブタイプを知ることで、「どの役割で最も貢献できるか」が見えてきます。

人間関係のミスマッチが理解できる

「相性が良いはず」のタイプとうまくいかない場合、サブタイプの不一致が原因かもしれません。

例えば、ILI(直感論理内向型)とSEE(感覚倫理外向型)はデュアル(理想的な補完関係)とされていますが:

  • ILI-NとSEE-Cの組み合わせは、ILI-DとSEE-Hの組み合わせとは全く異なるダイナミクスになります。

サブタイプを理解することで、関係調整のヒントが得られます。

自分の強みが具体的になる

「私の強みは何?」という問いに、サブタイプを知ることでより具体的な答えが見つかります。

例えば、LSE(論理感覚外向型)の場合:

  • LSE-D:目標達成のための効率的なシステム構築と指導力
  • LSE-C:革新的な問題解決と実用的な創造性
  • LSE-N:精密な計画立案と体系的な組織管理
  • LSE-H:調和のとれたチーム構築と実践的なサポート提供

基本タイプからサブタイプへ:ステップアップの時

基本タイプを知ることは、自己理解の旅の重要な最初のステップでした。しかし、そこで足を止めてしまうのは、地図の半分だけを持って旅を続けるようなもの。

サブタイプを知ることは、より鮮明で精密な地図を手に入れること。それは、あなたの「なぜ」に答え、より自分らしい選択をするための羅針盤となります。

「私はこのタイプだから…」という大まかな理解から、「私はこのタイプの、このサブタイプだから…」というより繊細な自己理解へ。

あなたの個性を解き明かす旅の次のステップに、今、踏み出してみませんか?

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木村なおき

2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。

筆者紹介

木村なおき

ソシオニクスを研究し始めて5年。本業はフリーランスのウェブデザイナーとして、IT・デザイン業界の現場でソシオニクスを実践的に活用 しながら活動。MBTI®にも関心を持つが、権利的な制約を踏まえ、より体系的で実践的なソシオニクスの探究へとシフト。2021年には、国内のソシオニクスの第一人者から直接学び、理論と実践の両面を深める。

現在は エニアグラム×ソシオニクスのハイブリッド診断 を強みに、タイプ論を統合的に扱う専門家として活動。これまでに 200名以上のソシオニクスのタイプ診断を実施。

現在、日本で最も体系的にソシオニクス診断の専門家として、現場での実践を重視した診断・教育・研究 に取り組んでいる。(もし同じ分野で活動されている方がいれば、ぜひ情報交換しましょう!)

ソシオニクス記事一覧

ソシオタイプ
ILE(≒ENTP)SEI(≒ISFJ)
ESE(≒ESFJ)LII(≒INTP)
SLE(≒ESTP)IEI(≒INFJ)
EIE(≒ESFJ)LSI(≒INTP)
SEE(≒ESFP)ILI(≒INTJ)
LIE(≒ENTJ)ESI(≒ISFP)
IEE(≒ENFP)SLI(≒ISTJ)
LSE(≒ESTJ)EII(≒INFP)
モデルA/心理機能

メンタルブロック

1.先導機能2.創造機能
4.脆弱機能3.役割機能

バイタルブロック

6.動員機能5.暗示機能
7.無視機能8.実証機能
情報要素

合理機能

外向論理(Te)外向倫理(Fe)
内向論理(Ti)内向倫理(Fi)

非合理機能

外向直観(Ne)内向直観(Ni)
外向感覚(Se)内向感覚(Si)

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