内向倫理(Fi)とは
ユングの心理学において、内向倫理(Fi)は、物体や対象との間の引力(または斥力)に関する主観的な関係を示すものです。これは、人がどの対象が自分を惹きつけ、どの対象が自分を反発させるかを感じ取る能力を指します。Fiは、個々の願望や欲望に基づいて、倫理的な判断を下す力を提供します
ソシオニクスの内向倫理
ソシオニクスでは、Fiは人と人との間の主観的な「距離」を感じ取り、その感覚に基づいて判断を下す能力とされています。Fiを重視するタイプは、友人や家族と親密で個人的な関係を築き、維持しようと努めます。内向倫理(Fi)は他人の気持ちに対する感受性を大切にし、深い関係を築くことを重視します。
MBTIとの違い
MBTIでもFiは個人の価値観や倫理観に基づいた判断を下す機能として認識されますが、ソシオニクスではFiがより具体的に人間関係の距離感や個々の感情に焦点を当てている点が特徴です。
MBTIのFiは内向感情として自身の内面的な価値観に重きを置くのに対し、ソシオニクスのFiは、自分を含めて他者との間の感情的なつながりや距離感に重点を置いています。この点は、外向倫理と同じに感じるかもしれませんが、内向倫理は、ひとりひとりの固有の気持ちに寄り添うところがあります。
他者への影響
Fiを強く持つ人は、他人の感情や願望を敏感に感じ取り、その感情を理解し尊重する能力があります。
内向倫理(Fi)は自分と他人の感情を調和させ、他者との関係を深める力を持っています。Fiを活用することで、誰とでも良好な人間関係を築くことが可能です。
これは、相手の気持ちに寄り添い、適切かつ理想的な関係を築くための基盤となります。
ソシオタイプ別のFi
ベース(第1)機能(ESIとEII)
ESIとEIIはFiを積極的に活用し、自分が得意だと感じています。また、この機能に対して自信を持っています。
内向倫理(Fi)は、他人の気持ちや態度を見抜き、適切な距離を気付きます。お互いの価値観の深いところまで理解ができて、どのタイプとも理想の関係と距離を作り出すことができます。
ESIの人は、新しい人と出会ったとき、その人の行動や態度からすぐにその人の性格や正義感を見抜きます。
EIIの人は、友人や家族との関係を大切にし、常にその関係を深める努力を容易にできます。
このようにして、内向倫理(Fi)は自分と他人との関係を調和させ、深い絆を築きます。
創造(第2)機能(SEEとIEE)
SEEとIEEはFiを人生を切り開くための手段として活用しています。
内向倫理(Fi)は人と人との間の個人的な絆を築き、維持することが成功の鍵であると考えているからです。
SEEの人は、ビジネスの場で人間関係を築くために、相手の感情や価値観を理解し、共感的態度を示します。IEEの人は、新しいプロジェクトを進める際に、チームメンバーとの深い信頼関係を築くことを重視します。
内向倫理(Fi)は周囲との信頼関係を深め、プロジェクトやビジネスを成功に導く機能であるため、メンバーの気持ちを尊重します。
役割(第3の)機能(LIIとLSI)
LIIとLSIは社会規範上、Fiを必要としますが、本音ではあまり使いたくありません。
LIIとLSIは論理や効率を重視する傾向が強く、感情的な関係は避けたいですが、無視ができません。
LIIの人は、仕事の場で他人との関係を円滑にするために、必要最低限は人間関係を大切にします。LSIの人は、仕事の進行を優先するあまり、感情的な対話は避けることがありまが、理屈だけで人を動かせないことは理解しています。
内向倫理(Fi)は仕事やプロジェクトを効率的に進めながらも、必要な場面では感情的な関係を維持します。
脆弱(第4の)機能(ILEとSLE)
ILEとSLEにとってFiはコンプレックスであり、刺激されたくない機能です。
ILEとSLEは対人関係のニュアンスに注意を払うことが苦手で、感情的な関係を築くのに不安を感じるからです。
ILEの人は、友人関係で誤解を招くことを恐れ、他者との関係を軽視しますが、意外にも人生の落とし穴だったりします。
SLEの人は、ビジネスの場で感情的な対話を避けますが、人間関係でこじれてしまい、勝機を失うことが多いです。気づけば、自分で立ち上げた会社なのに、最後は解任されているケースもあります。
内向倫理(Fi)は衝突や対立を避け、お互いが良好な関係を保つのに効果を発揮します。
暗示(第5の)機能(LIEとLSE)
LIEとLSEはFiを他者から満たしてもらうと喜びます。
LIEやLSEは生産性と効率性を重視するあまり、どこかで空虚な気持ちに陥りやすいです。EIIやESIから感情的なケアを受けることで、エネルギーチャージにもなります。
LIEの人は、信頼できる友人からの感情的なサポートを受けることで、仕事に集中できます。LSEの人は、家庭での安定した感情的な関係が、仕事でのパフォーマンスを向上させます。
ドSな経営者ほど、プライベートはドMになっているケースを考えるとわかりやすいでしょう。(おっと!)
よって、LIEやLSEは内向感情のサポートを受けることで、自分の気持ちに整理ができて、目標を達成していきます。
動員(第6の)機能(ILIとSLI)
ILIとSLIはFiを他人に頼りながら、一緒に使いたいと考えます。
ILIとSLIはは深い感情的な関係を築くことが苦手で、他人のサポートを必要とするからです。
ILIの人は、信頼できる友人と一緒にいることで、感情的な安心感を得ます。SLIの人は、家庭での感情的な支えを受けることで、仕事や趣味に集中できます。
このようにして、内向倫理(Fi)は他者のサポートを受けながら、安定した生活を送ります。
無視(第7の)機能(ESEとEIE)
ESEとEIEはFiを軽視していますが、いざとなったら相手との適切な距離感を測ります。
ESEとEIEは、全体の雰囲気や熱量を重視するあまり、ひとりひとりについては関心を持ちません。しかし、感情ゴリ押しスタイルの限界も気づいています。
ESEの人は、普段は元気でポジティブに人に近づきますが、相手から期待する反応が得られなければ、相手の気持ちにトーンを合わせて話すでしょう。EIEの人も同様で、先導者のごとく、オラオラしていますが、いざ2人で話すときは、口調がオブラートになったりします。
ESEやEIEは、目の前の相手に波長を合わせるときに、内向倫理を使います。でも、本音は外向倫理をずっと使っていたいです。
デモンストレーション(第8の)機能(SEIとIEI)
SEIとIEIにとって、Fiは当たり前すぎて価値を置いていません。
え?人と仲良くするなんて全然余裕じゃん!と心の中では思っています。
SEIとIEIは、日常を通して誰とでも深くつながれるため、内向倫理の問題で悩む人の気持ちが理解できない面があるかもしれません。
実際に、SEIの人は、家庭や友人との関係で自然に感情を共有して、誰とでも深い絆を築きます。コミュ力お化けです。IEIの人は、日常生活で他人との感情的なつながりを通して、どんなタイプでも自分のペースに引き込みます。IEIがカリスマ性を発揮できるとしたら、この内向倫理が強く働いています。
内向倫理(Fi)は自然にFiを活用することで、誰とでも深い関係を気付けるようになるのです。
この機能を育てる方法
内向倫理(Fi)は、他人の気持ちに寄り添い、適切かつ理想の関係を築くための情報要素です。Fiを活用することで、誰とでも良好な人間関係を築くことが可能です。
16タイプ系の記事では、INFPが生きづらい的なゴシップがありますが、それはFiが十分に育まれていない人が陥る現象です。
ソシオニクスでは、Fiを育み、社会生活で活用することで、豊かな人間関係を築き、ひとりひとりのQOLを高める手助けをしてくれます。
Fiを通じて他人との深い絆を築くことは、人生をより充実させる重要な要素です。
内向倫理(Fi)を育てる方法
自分の感情を言語化する
内向倫理(Fi)を育てるためには、まず自分の感情を言語化することが重要です。日常の出来事に対する自分の感情や反応を意識し、それを具体的な言葉で表現する練習をしましょう。
日記を書いたり、エッセイを執筆したりすることで、自分の感情に対する理解を深め、表現力を養うことができます。
他人の感情を言語化する
他人の感情を理解し、それを言語化することもFiを育てるために必要です。カウンセリングの技術を学ぶことで、他人の感情に敏感になり、その感情を適切に言葉で表現するスキルを身につけることができます。
他人の立場に立ち、その感情を共感しながら言語化することで、深い人間関係を築く力を養いましょう。
お互いの価値観を知り、共有する
お互いの価値観を理解し、共有することもFiを育てる上で重要です。家族や友人、同僚と価値観について話し合い、お互いの意見や感情を尊重することで、深い絆を築くことができます。異なる価値観を持つ人々との対話を通じて、自分の価値観を再確認し、それを他者と共有する力を高めましょう。
実践例
- 自分の感情を言語化する 例えば、日々の出来事に対する自分の感情を日記に書き留めることです。嬉しかったこと、悲しかったこと、怒りを感じたことなど、具体的な感情を言葉にすることで、自分の内面を深く理解します。
- 他人の感情を言語化する 例えば、友人や家族との会話で、相手の感情を言葉で確認することです。「そのことがあったとき、どんな気持ちだった?」と質問し、相手の感情を引き出し、それを言葉で表現する練習をしましょう。カウンセリングの基礎を学ぶことで、このスキルをさらに高めることができます。
- お互いの価値観を知り、共有する 例えば、家族とのディナーや友人とのカフェタイムで、価値観について話し合う機会を持つことです。自分の大切にしている価値観を共有し、相手の価値観も尊重することで、深い理解と共感を築きます。
まとめ
内向倫理(Fi)を育てるためには、自分と他人の感情を言語化し、お互いの価値観を理解し共有することが重要です。これらのスキルを磨くことで、深い人間関係を築き、豊かな人生を送るための基盤を作ることができます。Fiを通じて他者と共感し、感情的なつながりを強化することは、人生をより充実させるための重要な要素です。
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2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。
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筆者紹介
木村なおき
ソシオニクス歴4年。本業エニアグラムでMBTI®に興味を持つが、権利的な事情で断念。2020年にソシオニクスに出会い独学で勉強。2021年にソシオニクス専門のブロガーさんからソシオニクスの理論を教わり、その後すぐにエニアグラム×ソシオニクスの二刀流でタイプ診断に臨む。
診断実績は200を超える(エニアグラムとセット)
2024年4月に16タイプ相性論の講座を開講したときに、「これ…ソシオニクスでやったほうがよくね!」と気づき、本格的にソシオニクスを取り入れる。
クアドラ診断、タイプ診断、タイプ関係論をセットにすると、日本でいちばんソシオニクスを診断をしてきたい人(他に誰かいたら教えてください)