エニアグラム-調停者-タイプ9ウィング8
こんにちは、木村です。
ひよこくんとフクロウくんのエニアグラム講座-応用編です。
この記事では、エニアグラム(9つの性格)のサブタイプとしてのウィングについて紹介しております。
ウィングを知ることで従来のエニアグラムに多様な視点を与えることができます。
今回紹介するのは、「エニアグラム-調停者-タイプ9ウィング8」です。
「エニアグラムは知っているけれど、ウィングは知らないよ」という方はこちらのページを参照してください。ウィングについて知っている限りのことを書いてみました。
それでは一緒に学んでいきましょう。
タイプ9ウィング8「調停者」とは?
タイプ9の特性とタイプ8の特性はお互いに衝突します。タイプ9は、控えめで自我や怒りにフタをするのに対して、タイプ8は怒りや自我をストレートにむき出します。9w8は、本能的に自我や怒りをむき出し、すぐに元のタイプ9の状態に戻ることで、内側の怒りをコントロールします。
基本タイプは9<調停者・平和をもたらすもの>
基本タイプが9です。
以下、9の特徴を簡単に説明します。
- 受容力や共感力が高い
- 葛藤やストレスを遠ざける
- 他者に順応することで怒りを抑える
ガッツセンターの中心にいるタイプ9
タイプ9はガッツセンターの中心にいます。よって、タイプ9は自身も気づかないレベルで激しい怒りを内在させています。
タイプ9は自我(この瞬間「自由でありたい」「心地よい気分でいたい」)を脅かされると、内側から強い怒りを感じながら、その怒りにフタをしてまるでなかったかのようにすることで、内側の怒りに対処します。激しい怒りに囚われたときに、各タイプで以下の違いが生じます。
- タイプ8:怒りを面に表出する→キレる
- タイプ1:内側に怒りを抑え込む→ガマンする
- タイプ9:ブチ切れながらガマンする
だから、タイプ9は内側の怒りから身を遠ざけます。対して、8のウィングが強ければ強いほど、一瞬だけ8のよう怒りをむき出します。
ウィング8の怒りの扱い方
タイプ8の資質を瞬間最大風速で表出することで、内側の抑えれない怒りの対処をします。普段はエネルギーを抑えめでのんびりしています。人は人、自分は自分と割り切って、心地よい空間を維持しますが、その空間が維持できないと本能的に判断したらタイプ8になります。
タイプ9が求めているのは、争いごとがなく、平和でのんびりした世界です。さらに踏み込むなら、みんながひとつにつながっている世界です。この世界がタイプ9にとっては当たり前なのです。その当たり前が脅かされたときにタイプ8の反射×主張が全面に出ます。
往々にして機嫌が悪くなりますが、何が引き金になるかが、なかなか予測できません。典型的なのは、自分自身の幸福や家族、仕事、考え方に対する何らかの脅威です。彼らは無遠慮になり、感情が爆発することがありますが、突然穏やかで温厚な状態に戻ります。
エニアグラム-あなたを知る9つのタイプ【基礎編】
タイプ9w8は、タイプ9とは思えないぐらいの怒りを面に出すときは、タイプ9の根源的欲求「平和でありたい」に結びつくものだと考えてください。
タイプ9w8=竈門炭次郎
鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎は、タイプ1、タイプ2、タイプ6と諸説ありますが、今回はタイプ9と判定しました。その理由は冒頭でも述べた通り、炭治郎が心の奥底で臨んでいるのは代り映えのない平和な日常だったからです。
炭次郎の内なる願いは鬼滅の刃23巻の203話:数多の呼び水の最初からわかります。
以下、引用します。
帰りたい。俺も家に帰りたいよ。禰豆子。
本当にもう疲れたんだ。
お願いします神様。家に帰してください。
俺は妹とうちに帰りたいだけなんだ。引用:鬼滅の刃23巻の203話:数多の呼び水
そんな炭治郎に対して、地獄一歩手前の無残はこういいます。
家族は皆死んだ。
死骸が埋まっているだけの家に帰ってどうなる引用:鬼滅の刃23巻の203話:数多の呼び水
そんな元も子のない一言に対して炭治郎は、次のように
思い出が残っている
あの幸せな日々は
俺と禰豆子がいる限り消えないだから帰る
引用:鬼滅の刃23巻の203話:数多の呼び水
と・・・。
炭治郎の内側の欲求は平和な日々を取り戻したいであり、それ以上何かを臨んでいませんでした。タイプ1の個人の理想を追求したいわけでもなく、タイプ2のように多くの人から愛情を受け取りたいわけでもありません。また、タイプ6のように人生の指針や居場所を求めているわけでもありません。
鬼滅の刃の最終話の
ただひたすら平和な何の変哲のない日々がいつまでもいつまでも続きますように
こそがタイプ9の望む世界なのです。
だからこそ、その「普通」が脅かされたら、無意識にタイプ8の攻撃性が表に現れるのです。現実に対して必死の抵抗をします。平和な日常を回復させるために、目の前の争いや葛藤を収める調停者としての一面が表に出ます。
物事をあるべき状態に収めたい点ではタイプ1と似ているかもしれません。実際にタイプ1かタイプ9w8のどちらかで迷っている方はいるのではないでしょうか?
タイプ1とタイプ9w8の違い
結論からいうと、現状をどのように認識しているか?です。
- タイプ1:「理想の世界はある!しかし、現状には課題がある!よって解決すべきだ!」
- タイプ9w8:「現状こそが理想の世界。現状を崩すのなら、守るために戦う」
タイプ1は高い理想(ところ)を目指すのに対して、タイプ9w8は足元を見ています。この違いは鬼舞辻無惨と竈門炭治郎の違いにハッキリと現れました。
- 無惨:永遠に近い命を手に入れながらも太陽を克服できない事に怒りをいだき、その問題を解決するために1000年もの歳月を費やした
- 炭治郎:生死をさまよっている直前にも、無限の命を拒否をして、現実(みんなのところ)に帰りたいと切実に願って復活
結論:やっぱりタイプ9w8は竈門炭治郎です。
エニアグラム・ウィングの中で、最も説明が難しい性格タイプでしたが、私たち日本人はラッキー。
鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎を通して、このタイプ9w8を知る事ができますから。
要は「譲れなものは譲れない!そこに理由はない!」と一蹴する感じで、内側の心地よさを守ろうとsます。
問題解決系のお仕事に適している
基本タイプが9であるため、葛藤や争い事を嫌います。目の前に問題や争い事の種があれば、現実的に対応しようとします。但し、その方法は、タイプ1、3、5のような合理的・システマチックに解決をするのではなく、「まぁまぁ・・・」と言った態度でソフトにアプローチをして、相手の感情を和らげる方法を得意とします。
その点ではカウンセラー的なアプローチを得意としますが、タイプ9の安定感やコミュニケーション能力を活かせば、あらゆる対人支援職・コンサルティングなのビジネス-特に交渉など現場の最前線で高い手腕を発揮します。
特にタイプ9w8が優れている点は、相手のペースに飲み込まれない点です。一見、人当たりがよく、相手の言葉にも耳を傾けますが、よく頷いてくれますが、どうしても譲れない部分に対して頑固を貫きます。
意外にも、タイプ9のその調停力は、現実面の討論や議論の場でも成果を発揮します。
但し、平常時のタイプ9w8は、基本タイプは9に近く、タイプ8の要素は強く出ません。勝ち気になったり、率先して場を仕切ったり、周りに指示を出したり、人生のおいて主体性を発揮したいとは考えてもなく、平和な日々を送りたいと願っています。
他者の問題に対しては過敏に反応しますが、自分の問題に対しては無頓着だったりします。
エネルギーの強い相手を求めている
タイプ9w8は、知的にも性的にもエネルギーの強い相手と結びつきたい欲求があります。自分のエネルギーを高めてくれたり、成長に導いてくれる人たち・組織・習慣と調和しようと試みます。
- 自己保存:時間を忘れて夢中になれる習慣や課題を見つける
- セクシャル:エネルギーの強い友人・恋人・パートナーを獲得する
- ソーシャル:複数のグループに所属をする(合わなければスグ去る)
なお、炭治郎はソーシャル優位、セクシャルサブ、自己保存盲点です。基本は、色々なグループを行き来して、同じところには長居しません。鬼殺隊の中では最もフットワークの良いひとりです。
炭治郎には、タイプ9w8ソーシャルの資質が高く反映されており、どのグループ・コミュニティに足を運んでも、心理的抵抗を感じる事なく、その場に自分を調和させる事ができます。
健全-通常-不健全
健全
8w9の健全な人は、タイプ8のウィングが強く働き、タイプ8「資質」が強く表面に滲み出ます。少し遠くから見ると柔らかくフレンドリーな印象がありますが、実際に近づくとタイプ8の情熱的な性質や意思の強さを感じる事でしょう。
なお、本人はそこまで自分の情熱や意志の強さは自覚してないです。
声が大きく、ハキハキと話して、前向きな発言をして、情熱的であり、タフです。自分を取り繕う事なく、自然体でリラックスしています。
よきリーダー・頼れる人として、タイプ9とタイプ8のいいとこ取りができるのです。
- 相手の立場を尊重してくれる。
- 他人の問題を自分ごととして受け止めてくれる
- 独立感や存在感がにじみ出る
- 他者と共通の目的をもって関わってくれる
- パフォーマンスとチームワークのバランスをとれる
など、人を引き付ける要素を全て兼ね備えることができます。
健全なタイプ9w8は、周りの人にエネルギーを与えて、そのエネルギーを自分の中に取り入れる事ができ、自他共によいエネルギーの循環を作り出し、みんなが平和になれるように力を行使してくれます。
存在そのものがエコになっていますね。
人と関わることを心の底から楽しみ、多彩な才能を発揮します。
健全なタイプ9w8は、タイプ7(7w6)に間違えやすいですが、その場・その空間に調和をしているためです。タイプ3やタイプ7のように狙って自分を売り込むことはなく、状況をありのままに受け入れているだけです。
健全度が高いタイプ9は健全性の高いものを外から引き寄せる資質があります。
通常
タイプ9ウィング8の通常の人は、上記でお伝えした健全な状態を作り出したいと願いますが、それが上手に出来ずに、どうしよう、どうしよう・・・と不安になりながらも、その問題から逃げます。
ドンリチャードリソの「性格のタイプ」より、タイプ9w8の通常時を引用します。
この副次タイプの通常の人は、自分の感情を完全に区分化する。彼らの自己像は平和を好むことで変わらないものの、時には非常に攻撃的になって、その限度がわからない事がある。不幸なことに、8のウィングを持つタイプ9は、もうひとつの副次タイプよりも、ある種感覚的な怠惰にずっと取り込まれやすく、しっかりと方向を保つ能力が妨げられる事がある。人生で何かの成功を収めることに無頓着で、怠惰である事がある一方で、他者と極端に競争的になることもある。知的才能に恵まれていなければ、少し血の巡りが悪い。気立はいいがが愚鈍なーように見えるかもしれない。それはタイプ9もタイプ8も特に知的、あるいは、考えるという部分を代表していないからである。
ドンリチャード・リソ「性格のタイプ」P482
ここでのキーワードは感覚的な怠惰です。タイプ9が怠惰になる理由は、「何となく」「面倒だから」「理由はない」「単にタルい」と言ったロジカルに説明できないものばかりです。タイプ9w8は、よい流れに身を委ねることで健全な体質を手に入れますが、残念ながら、その「良い流れ」を自分で生み出す事は苦手です。
そういった日々が続くと「怠惰」に支配されて、自らの意志で自分の人生を良くしていこうというモチベーションが徐々に低下していきます。無意識化で、日々の生活を無難に過ごすことが人生の目標になり、自己啓発やスピリチュアルの世界に興味を示しますが、それらを体系的に現実世界で反映させようとはしません。
外的な調和を獲得したい気持ちと、今の調和が脅かされる不安の間で悩みこそしますが、自分ではコントロールすることができません。結果として、タイプ6のように「どうしたらいいかわからない」疑念や不安に脅かされる状態になります。これがタイプ9の「怠惰」です。
- 目標や目的を設定できなくなる
- 計画を立てて行動ができなくなる
- 自分の才能や資質を活かそうとしない
- ライトな話はできても重いテーマは回避しがち
- 事なかれ主義者、人それぞれで話をまとめがち
などの傾向が表れ、健全な状態でお伝えしたような人をグッと引き付けるエネルギーが一気になくなります。
それでも、自分の心地よさを維持するために、無意識に自我に対して抵抗を試みます。その多くは、エネルギーがある人・グループと関わることなのですが、自分と同じエネルギーの人たちが周りにしか寄り付かず、「私の人生はこんなものか?」とあきらめムードで終わることが多いでしょう。それでも、今の状態にも、少なからずの心地よさを感じているため、変化を拒むようになります。
もしも、今のあなたがこの状態なら、いちど自分の中の葛藤や迷いと真剣に向き合うことをお勧めします。タイプ9は、自分の内面や感情を言語化するのが苦手です。はじめは抵抗や葛藤を感じるかもしれません。
思考と言葉の堂々巡りにもなりますが、自分の中の気持ちをひとつひとつ具体的に掘り下げていくことにより、いま、この瞬間に自分が何をすればよいのかが自然とわかるようになります。
不健全
このタイプが不健全になると・・・不健全なタイプ4のように見えてしまいます。引っ込み思案で、抑うつ的です。
タイプ4との決定的な違いは、タイプ4は不健全になればなるほど、情動や感情を何らかの形で出しますが、9w8に限ってはバッテリーのない電気製品になります。
エニアグラムのセオリに―従うなら、
- 基本タイプ9→タイプ6の状態
不安に襲われるが、頭が働かない - ウィング8→タイプ5の状態
一時期は引きこもるが、ずっとその状態が続く
本人も前に進まなければとは頭で解っているのですが、外に出た時に「自我を脅かされる」恐怖に接触してしまい、「引きこもる」選択をしてしまいます。更に、その状態に心地よさを感じてしまい、不安や恐怖と調和をしてしまい、「引きこもり続ける」という結論なることもあります。
そして、その反応が身体に出てしまいます。時に、涙いっぱいになり身体を震わせたり、不安でいてもたってもいられなくなります。
それでも、「自分を変えたい」という意思は心のどこかにあるため、よいキッカケさえあれば変わることができますが、最初のうちは激しい抵抗と極端なストレスに悩まされるでしょう。
タイプ9ウィング8が翼を得るために
- 調和や平和は、人から与えられるものではなく、内側から育てるもの
- 今の心地よさよりも未来の心地よさに焦点を当てる
- 歓喜と幸福に満たされる体験をいくつも重ねる
この3つを意識するとタイプ9は常に健全な状態でいることができるでしょう。8が強い人は特にです。
タイプ9は、外界に対して今の「調和や平和」を求めがちです。対して、
- 未来や将来の姿に希望をもって、今を絶えて生きている
- 過去に満たされた瞬間が今の心の支えや拠り所になっている
と、現在の平和や調和をかたくなに維持せずに、変化や改善されてく世界に身を置き、本当の意味で人生を充実させている人のほうが圧倒的に多いのです。もちろん、タイプ9、9w8の人にも、このようなタイプはいます。この瞬間にタイプ9は、「平和をもたらす人」から「平和を作り出す」人になります。
他のウィングもありますよ
- タイプ1 改革する人
- タイプ2 助ける人
- タイプ3 達成する人
- タイプ4 個性的な人
- タイプ5 調べる人
- タイプ6 忠実な人
- タイプ7 熱中する人
- タイプ8 挑戦する人
- タイプ9 平和をもたらす人
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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木村真基
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
ウェブデザインだけではなく性格もデザインします♪