MBTI®の残り4つ心理機能/影(シャドウ)機能とは
ところがどっこい!ユングによると人間には心理機能は8つ存在します。
外向直感を趣向するから内向直感は存在しない!なんてありえません。
16タイプ/MBTI®愛好家の皆様へ
MBTIや16タイプで心理機能について調べたときに、あれ?と思いませんでしたでしょうか?
- 心理機能について上位4つしか説明されていない?
- 残りの4つの心理機能はどこに行ったの?
- ユングの説明によると心理機能は全てあるよね?
- 外向直感の人は内向直感は使わないの?
2022年に日本MBTI®の公式セッションで認定トレーナーの方に「残りの4つの心理機能はないんですか?」と質問をしたら、このような答えが返ってきました。
遥か深い無意識の中にあるけれど、タイプダイナミックスでは扱わないです!
残りの4機能の使い方をこれでもか!って説明してくれた記事がありました。
心理機能は8つ全てある!
海外のMBTI®プラクショナーのSusan Storm氏が運営している「サイコロジカルジャンキー:https://www.psychologyjunkie.com」というエニアグラム×MBTI®の本格メディアで解説されていました。
Susan Storm氏はMBTI®の認定資格者です。
- 海外のMBTI®有識者のサイトを参照している
- 日本MBTI®協会の公式とは全く関係がない内容
- サイコロジカルジャンキーの記事を意訳・編集している
- ソシオニクスや16Type認定資格とはほぼ関係ない
よって、もしもあなたがMBTI®のワークショップに参加をしたときに、この記事を元に講師の方に質問をしないでください。
基礎編:心理機能とは?
マイヤーズ・ブリッグス®理論によると、16の性格タイプには4つの優先機能があります。
発達と意識の高い順に順番に並べられています。
16タイプの心理機能一覧
タイプ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ENFJ | Fe | Ni | Se | Ti | Fi | Ne | Si | Te |
ENFP | Ne | Fi | Te | Si | Ni | Fe | Ti | Se |
ENTJ | Te | Ni | Se | Fi | Ti | Ne | Si | Fe |
ENTP | Ne | Ti | Fe | Si | Ni | Te | Fi | Se |
ESFJ | Fe | Si | Ne | Ti | Fi | Se | Ni | Te |
ESFP | Se | Fi | Te | Ni | Si | Fe | Ti | Ne |
ESTJ | Te | Si | Ne | Fi | Ti | Se | Ni | Fe |
ESTP | Se | Ti | Fe | Ni | Si | Te | Fi | Ne |
INFP | Fi | Ne | Si | Te | Fe | Ni | Se | Ti |
INFJ | Ni | Fe | Ti | Se | Ne | Fi | Te | Si |
INTP | Ti | Ne | Si | Fe | Te | Ni | Se | Fi |
INTJ | Ni | Te | Fi | Se | Ne | Ti | Fe | Si |
ISFP | Fi | Se | Ni | Te | Fe | Si | Ne | Ti |
ISFJ | Si | Fe | Ti | Ne | Se | Fi | Te | Ni |
ISTP | Ti | Se | Ni | Fe | Te | Si | Ne | Fi |
ISTJ | Si | Te | Fi | Ne | Se | Ti | Fe | Ni |
心理機能1~4がMBTI®で教わるタイプダイナミックスのモデルです。
例えば、私はENTPなので、以下の心理機能の順番になります。
- Ne:外向直感
- Ti:内向思考
- Fe:外向感情
- Si:内向感覚
…一般的に16タイプやMBTI®では、上位の4つまでの説明になります。
「では、下位5~8の心理機能の説明はどうなるの?」と思いますよね?
- Ni:内向直感
- Te:外向思考
- Fi:内向感情
- Se:外向感覚
この質問に応えてくれるのがシャドウ(影)の概念です。シャドウは、個人の心理機能の深い部分に根差している部分です。無意識の中の無意識で、本人すら知覚できない領域であるため、実証研究のデータを取るのが難しく説明するのは難しいです。
基本タイプ | シャドウ | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|
ENFJ | INFP | Fi | Ne | Si | Te |
ENFP | INFJ | Ni | Fe | Ti | Se |
ENTJ | INTP | Ti | Ne | Si | Fe |
ENTP | INTJ | Ni | Te | Fi | Se |
ESFJ | ISFP | Fi | Se | Ni | Te |
ESFP | ISFJ | Si | Fe | Ti | Ne |
ESTJ | ISTP | Ti | Se | Ni | Fe |
ESTP | ISTJ | Si | Te | Fi | Ne |
INFP | ENFJ | Fe | Ni | Se | Ti |
INFJ | ENFP | Ne | Fi | Te | Si |
INTP | ENTJ | Te | Ni | Se | Fi |
INTJ | ENTP | Ne | Ti | Fe | Si |
ISFP | ESFJ | Fe | Si | Ne | Ti |
ISFJ | ESFP | Se | Fi | Te | Ni |
ISTP | ESTJ | Te | Si | Ne | Fi |
ISTJ | ESTP | Se | Ti | Fe | Ni |
E-IとJ-Pがそっくり入れ替わるのがシャドウだと考えられるとわかりやすいです。
基本機能1~4:主、補助、第三、劣等
影の機能を理解する前に、MBTI®のタイプダイナミックスでも教わる4つの主機能を事前に抑えておいてください。
MBTI®のタイプダイナミックスでは、主要な4つの機能のみを教えてくれます。
この4つの主要な機能にアーキタイプの文脈をつけてお伝えします。
機能1:ヒーロー:主機能
いわゆる主機能です。
今回はド派手に割愛します。
機能2:母親/父親(補助機能)
この機能は、補助機能と呼ばれています。
私たちの中の、母親的/父親的な役割を果たしてくれます。
裏で主機能を支えてくれて、成長を促し、バランスをとる手助けをします。
アーキタイプでは、これを「父親/母親」と呼んでいます。
あなたを育む存在です。
機能3:永遠の子供
この機能は子供の機能と呼ばれて、遊び心や探求心、創造性を発揮するときに使います。
この機能は、一部の類型論者の間では「救済」機能とも呼びます。
ESTJはNeに憧れる?
例えば、ESTJは外向思考と内向感覚を好んで使います。常に外界をコントロールして、細かい変化にも目を光らせています。
よって、第三機能で外向直感を自由に使うことで、自身に息抜きをします。この第三機能が働きすぎることで、本来ESTJの人がNe主機能のタイプを誤認するケースがあります。もしも、あなたの第三機能がFeなら、共感、肯定、調和の取れた状況を欲しています。
不自由×非生産的
主機能や補助機能と比べて、意識から遠ざかっているため自由に使えず、何らかの価値を生み出したり、生産をするには適していません。どちらかというと、他人から満たしてほしい機能と考えるほうがよいでしょう。
“エターナルチャイルド “は、躁状態のサイクルで現れる傾向があります。ある時は “世界の王”、次の時は引っ込み思案で臆病な “傷ついた子供”。チャイルドを自我にうまく統合することは、適切かつ健康的であれば、遊び心、愚かさ、無責任さ、傷つきやすさを許容することを意味します”
– マーク・ハンツィカー『深層心理のタイポロジー
機能4:アニマ/アニムス(劣等機能)
アニマ/アニマスとは?
自分の中で求めているが、十分に満たされていない、自身では満たすことができない機能を指します。
- アニマ:男性の無意識にある女性に対するイメージ
- アニムス:女性の無意識にある男性に対するイメージ
“ほとんどの正常な社会では、人々はペルソナで自分の劣った機能を隠している。人がペルソナを身につける主な理由の一つは、劣等感、特に第4の機能の劣等感を露呈しないようにするためです。”
– マリー・ルイーズ・フォン・フランツ
MBTI®のタイプダイナミックスなどでは、主機能と劣等機能は真逆に位置づけられています。
劣等機能:克服すべき心理機能
主機能 | 劣等機能 |
外向思考:Te | 内向感情:Fi |
内向思考:Ti | 外向感情:Fe |
外向感情:Fe | 内向思考:Ti |
内向感情:Fi | 外向思考:Te |
外向直感:Ne | 内向感覚:Si |
内向直感:Ni | 外向感覚:Se |
外向感覚:Se | 内向直感:Ni |
内向感覚:Ni | 外向感覚:Se |
なぜでしょうか?
例えば、INFPは内向感情:Fiを好んで使いますが、外向思考に対して「も」無意識化で切望しています。一方で、ESTJは外向思考:Teを好んで使いますが、上手に使えない内向感情:Fiについて無意識化で憧れているのです。
劣等機能は、各タイプの最も弱い機能の1つです。私たちはこの機能を上手に使う自信がありません。主機能を使うことで、劣等機能を抑圧・隠ぺいします。これがペルソナ(社会的仮面)の考えです。
タイプダイナミクスなどでは、主機能を健全に発展させるには、自身の劣等機能の課題を克服させる必要があります。
主要な機能とその使い方は以上です。
では、改めて「影」の部分についてみていきましょう。
では、シャドウ機能に入りましょう。
繰り返しになりますが、影の機能/シャドーファンクションは、自分では認識しにくい部分であることを事前にご理解ください。
これらのアーキタイプが使われていることに気づくには、少し時間がかかり、意識することが必要かもしれません。
機能5:敵対者
主機能を「ヒーロー」とするなら、対立的な役割は、その「敵」としての役割を担います。
第5機能は、主機能と逆の働きをして、主機能の本来の輝きを奪います。
ENFJの内向感情が脅かされると…
ENFJは、その場でグループの調和が乱れると、途端に高圧的に他人を非難するような言動が目立ちます。
- 建前:相手の立場になって物事を考えるべきです!
- 本音:私の気持ちを第一に考えてもらえない?
本来志向する外向感情:Feが活かせないストレスが、内向感情:Fiの影響に向かいます。
結果、人の気持ちよりも、自分の欲求を優先して、独りよがりな発言を繰り返します。結果として、本来発揮できるリーダーシップを失います。
外向/内向を間違う人の多い
いきなりですが、あなたは外向でしょうか?内向でしょうか?
おそらく、勘がいい人ならお判りいただけると思いますが、外向/内向を間違えると、主機能を活かせる機会を失うばかりか、敵対機能を育てる結果になります。
タイプ | 対立 | 傾向 |
ESTJ/ENTJ | Ti:内向思考 | 答えのない問題について長々と時間を使う |
ESFJ/ENFJ | Fi:内向感情 | あなたのギバーの資質を破壊して、テイカーにする |
ESTP/ESFP | Si:内向感覚 | 行動力を著しく削ぐ、生きる喜びを奪う |
ENTP/ENFP | Ni:内向直感 | 悪い未来や絶望をフラッシュバックさせる |
ISTP/INTP | Te:外向思考 | 落ち着きを奪い、悪い意味で饒舌になる |
ISFP/INFP | Fe:外向感情 | 作り笑いをする、自分の信条に反する |
ISTJ/ISFJ | Se:外向感覚 | 走り回り、ペースを奪われて消耗する |
INTJ/INFJ | Ne:外向直感 | 死兆星が見える、自ら目の前の可能性を潰す |
実際に、外向を指向している人が、自分を「内向」と自認すると、この敵対機能が大暴れします。
ENTJは、外向思考:Teを活かせてナンボですが、自分の影響力に自信が持てないときは、「私=内向型」と自認しがちです。
ENTJが活かせるはずの外向思考を活かせる機会を失います。
そして、「言葉では説明できないけれど、それは内向直感。内向直感とは、内側で直観が働くものだ!」と思い込みます。
残念ながら、内向直感を自由に使えずに「自分には不思議な力があるはずだ!」と勘違いして、その答え探しをします。
いずれにせよ、第5機能に支配された状態は、とにかく心地が悪く、不快感と不安を感じて、生きづらさを感じます。
機能6:批判的な親/魔女/セネックス
この機能は、第2機能(補助機能)に対立します。補助機能が献身的な親なら、この機能は批判的な親として働きます。
毒親/老害:偏った正義の押しつけ
- 毒親:ダメ出し大好き!あなたの資質や成長に制限をかける
- 老害:自分の価値観を押し付ける/無駄にマウントを取る
この機能が暴走すると、自分の価値観や考えを相手に押し付けます。
批判的な親機能は、補助的な母親/父親機能を影で支えている。育て、保護する「親」的な第二の機能とは対照的に、批判的な親は軽蔑し、不活性化し、屈辱を与える。私たちの欠点や失敗を指摘し、私たちの考えを否定するのです。この機能は、自我の内側に向けられることもあれば、他者に向けられたり投影されたりすることもある。
自己や他者を軽蔑し、不活性化させる。その批判はしばしば辛辣で、屈辱や嘲笑を伴い、人格の幸福に無関心で、不自由なものである)。
心理学者:エリックバーンのI am OK! You are not OK!の状態になります。
本人は、この機能を使っているときにどこかで気分がよいのですが、相手からすると、、、
- 何をしても批判されると感じる
- 徹底的にエネルギーを削がれる
- 自己肯定感が低下する
など相手に対してネガティブな印象を与えて、その影響は巡りにめぐって自分に返ってきます。
ISFPがSeが毒親化すると
ISFPの補助機能は、外向感覚:Seです。
内側の価値観や信条があり、補助機能:Seを活用することで具体的な行動や活動を生み出します。対して、内向感覚:Siが悪く働いたときは、活動エネルギーが著しく低下します。
- 自分の世界に閉じこもる。人生無理ゲーと悟り、虚無主義的になる
- 活動している時間よりも休んでいる時間のほうが圧倒的に長い
など、自身が本当に活かすべく外向感覚:Siに抑圧して、その価値観を人にも押し付けます。
INTJ/ISTJのTiが毒親化すると…
INTJやISTJが、批判的な親に囚われると、内向思考:Tiが暴走します。何かと他人のアイディアや考えに対して何かと否定します。
一方で、自分で代替案を示せず、重箱の隅を突くだけの状態になります。本人の中では、議論を楽しんでいるつもりですが、第三者からみると建設的ではなく、周囲を不快にさせるだけの存在になります。
外向思考:Teを自由に使えない欲求不満や苛立ちに支配されます。
誰かが「子供っぽい」と感じるとき、私たちはこの重要な役割を引き受けることがあります。誰かが私たちの「トリックスター」機能(スタックの7番目の機能)を発動させているとき、私たちは「批判的な親/魔女」の役割を担って、相手をコントロールしようと反応するかもしれません。
「自分ができないのだから、あなたもできるはずがない!」という思い込みを作り出し内向思考:Tiが不健全な状態で活動します。
自分のネガティブな人生観や思い込みを外界に投影させているとき、私たちはこの第6機能の影響を受けています。
ENTP/ESTPのTeが毒親化すると…
ENTPやESTPの補助機能は内向思考:Tiです。
自身の直観や感覚を内側で考えて、論理で表現することに長けています。内向思考が発達できていない状態で、外向思考の脅威を受けるとどうなるでしょうか?
- 突然、目の前の人を怒鳴る
- 感情コントロールを失う
本人すら、なんで怒ったのか?その理由を理解できずに、我に返り恥ずかしくなります。
健全なESTPやENTPは他者から批判に対しても毅然とした態度で自分の考えを示します。但し、思考機能を上手に活かせなければ、無力感や無能感に襲われて、外向思考:Teを「怒り」というカタチで表現します。
16タイプやMBTI®では、補助機能を育むことが大事と教わりますが、何気にこの第6機能が暴走しないように抑制する必要があるのかもしれません。
機能7:トリックスター
トリックスターは、「欺き」「欺瞞」「欺き」「コンプレックス」に大きく関わります。
第三の「永遠の子供」と比べるとわかりやすいでしょう。
- 永遠の子供:無邪気で、傷つきやすく、遊び好き
- トリックスター:ずる賢く、悪意があり、形を変え、人を欺く
近藤真彦さんの「天使のような悪魔の笑顔」という曲がありましたが、まさにトリックスターを表す言葉でしょう。
自分の中の「第三機能:永遠の子供」を守ろうとして、人を欺き、利用します。結果として、他人おろか自分すら欺こうとします。
大抵、トリックスターが暴走したときは、既に何らかのトラブルを起こしています。
ENTP/ESTPのトリックスター:Fi
ENTP/ESTPのトリックスターは内向感情:Fiです。
自分の気持ちや価値観に向き合わず、人の内向感情:Fiを満たそうとします。
トリックスターの時代
私、木村なおきは、2017年にコーチ/コンサルを志望していました。当時は、お客様の成長や成功を応援できる仕事をしたいと考えていました。
しかし、この事業が軌道にのることはありませんでした。なぜなら、自分自身が成長や成功をしていないし、それ自体がコンプレックスでした。
自分のコンプレックスを克服できない人間が人の支援なんてできるはずがない!と気づきました。
自分が向き合いたくない側面に向き合うことになります。
INFPは内向感覚:Siが課題
知人のINFPは、チームがイキイキと行動できるように支援したいと考えていました。しかし、自分自身が外向感覚:Seの課題に直面していました。
その時に「私は必死に努力をしている!」と訴えていたようなのですが、誰からも信じてもらえませんでした。
INFPやINTPほど、トリックスターの外向感覚:Seに向き合う必要があります。
主機能を使っているときは、心地よさを感じられますが、一度でもトリックスターに侵食されると、主機能や補助機能の恩恵を授かる機会を喪失します。
結果として、ウソにウソを重ねて、人格が分裂する結果になるかもしれません。
トリックスターはとてもネガティブに聞こえますが、実は成長と個性のための重要な触媒なのです。
「トリックスターは、何よりも個性化のための触媒なのです。トリックスターは、破壊者であると同時に創造者でもあるのです。新しい秩序につながる新しい選択肢を開くために、自己制限的な構造を壊し、無秩序を作り出します。”
– マーク・ハンジカー『深層タイポロジー
機能8:悪魔/デーモン
この心理機能は、自我から最もかけ離れた位置にいるため劣等機能の中の劣等機能になります。
悪魔/デーモンと呼ばれていますが、この心理機能を味方につけることで最強の守護神を得ることもできます。
ひとことでいうなら「ラスボス」「諸刃の剣」です。
ENTPやENFPの第8機能:外向感覚:Se
本来、ENTPやENFPは革新的なアイディアを出して、人生の可能性に挑むことを生き様としています。
しかし、第8機能の影響を受けると、アイディアを実現する義務を負うことになります。言葉に表せないストレスを感じます。ENTPやENFPが、外向感覚:Seを使うことを強いられると、途端に今までのエネルギーが消えうせて、まるで何かに呪われたような感覚に陥ります。
逆に、ESTPやESFPは、その瞬間に身体を動かして感覚機能を活かしたいと考えますが、数分先の展開を意識しないと、ただの衝動的行動で終わります。たくさん走り回っているのに、同じところをグルグルと回っているだけの状態になります。
同時に、この機能を上手に使えている人に対して、極度な恐れ、妬み/コンプレックス、怒りなどに囚われを誘発させます。内側に隠れた恐怖を拭い去るために、どんな手を使っても払いのけるかもしれません。
まるで自分を侵略する悪魔を振り払うために…。
あなたがEXFJで、Tiが劣位にある場合、Teはあなたの機能スタックで「悪魔」の役割を果たすことになります。その結果、あなたは最初、Teの振舞に嫌悪感を抱くかもしれません。Teの動機を誤解し、自分の常識で「悪」または「残酷」と見てしまうかもしれません。あるいは、Teを使わなければならないときに、自分の感覚と結びつかず、完全に孤立しているように感じるかもしれません。深刻なストレスや自我の崩壊の際に、自分自身に対してTeを使用することもあるでしょう。客観的な論理を稚拙で不明瞭な形で用いて、自分自身や自分の目標や価値を貶めるかもしれません。このようなことを考慮しても、Teはあなたにとって良いものである可能性があります。それが何であるかを知り、自分の人生の一部として受け入れ始めれば、個人的に成長し、そのネガティブな影響を回避することができるのです。あなたは、Teの強い使い方をする人を尊敬し、大いに賞賛することを学ぶかもしれません。
ESFJやENFJにとって、ESTJやENTJは、感情よりも論理を優先してくるために、驚異の対象となるでしょう。その逆もしかりです。
この機能を克服しない限り、見えない悪魔と戦い続ける人生になるかもしれません。
シャドウの補足
シャドウ(影)の概念は、カール・ユングのアーキタイプ(原型)を元に作られています。
アーキタイプ/原型とは?
アーキタイプとは、原型のことです。
文学や芸術、神話の世界で繰り返し登場するシンボルやモチーフを指しています。
ユングは、集合的無意識の中で、私たち人間は、文化や国、時代に関係なく、共通する基本的なパターンが存在すると考えました。
ギリシャ神話から鬼滅の刃など世界で指示される物語の中には、必ず共通したパターンが存在します。この共通のパターンに登場するシンボルやモチーフを、ユングはアーキタイプと呼びました。そのアーキタイプの中に潜むのが「シャドウ」の概念です。
シャドウとは何か?
タイプダイナミックスで説明されていない私たちのダークサイドにフォーカスしたものです。
- 自己のダークな部分
- 生きていない部分
- 心理的に抑圧された面
シャドウ(影)はタイプダイナミックスでは解説されていません。なぜなら、タイプダイナミックスの目的は、主機能と補助機能を知り、個人が成長するために必要な劣等機能を克服するのが目的です。必要絶対条件ではないのです。
MBTI®はポジティブなタイプ論であるべきです。対して、シャドウはめちゃくちゃネガティブです。
そこには、抑圧された記憶、原始的、否定的、あるいは社会的に軽んじられた人間の感情や衝動が含まれています。通常、私たちが無縁だと判断したもの、「野暮」だと判断したものは、シャドウの一部となります。シャドウは、私たちのエゴと対立しています。エゴとは、私たちが自分自身を想像しているものであり、私たちの「アイデンティティ」なのです。タイポロジストによると、私たちの支配的な機能と補助的な機能は自我の中核にあり、次第に三次的な機能や劣等的な機能が発達すると、それらも自我の一部となる。主機能に属さない機能は「影」の中に置かれ、自我が十分な働きをしないときに自我を守るために意識に出たり入ったりするのです。
例えば、ENTPは外向直感:Neを指向していますが、内向直感Ni:の影響を対立しながらも受けています。
この部分をシャドウと呼んでいます。
シャドー機能は善か悪か?
スーザンは「両方です!」とはっきり答えました。
シャドー機能は、非常に破壊的である反面、私たちの成長と自己実現を手助けする役割も担います。
8機能性格モデルを考え出した類型学者ジョン・ビーブは、影の機能は “人格を守るために汚い戦いをする “と述べています。
“シャドーとは、他人には見えているが、自分には見えていない部分である”
– ジョン・ビービー
よって、内側の弱さやコンプレックスなど目を背けたい部分に向き合う必要があります。
また、シャドウ機能が理解できても、自分で意識的にコントロールするのは難しいとスーザンさんは自身のページで述べています。
少なくとも、シャドー機能は、意識的にコントロールすることができないため、ネガティブになりやすく、その影響を受けると、非合理的、不合理、または道徳的にあいまいな行動をとる傾向があります。また、そのマイナス面を他人に投影してしまうこともあります。
あとがき
最後まで読んでくださりありがとうございました。
最後まで書いてみた結果ですが、個人的には納得できる内容だと思えました。
また、2022年に日本MBTI®公式に参加をしたときに、本当に知りたかった見解に辿り着きました。
ユングの8機能の解説を試みるために、ソシオニクスにも手を出しましたが、サイコロジカルジャンキーさんの理論で説明しても面白いですね。
サイコロジカルジャンキーのスーザンさんには感謝しかないです。