エニアグラムトライタイプ296：情熱的な与え手

あなたは自分のエニアグラムタイプについて、タイプ2（思いやり深い助言者）、タイプ9（平和を愛する調停者）、タイプ6（誠実な懐疑論者）のどれか、決めかねていませんか？ 実は、あなたの中にはこの3つの要素が全て存在しているのかもしれません。そんなあなたのトライタイプは、296かもしれません。

このトライタイプ296は、一般的に「与える人」と呼ばれる性格です。人々と積極的に関わり、惜しみなく自分のリソースを与え、その過程で自己実現を果たしていく、情熱的で献身的な性格を持っています。まるで、槇原敬之さんの「僕が欲しかったもの」の歌詞のように、与えることで自分の人生の意味を見出す人たちです。

トライタイプ296の特徴と心の動き

エニアグラムのトライタイプ296は、人々への深い愛情、調和を求める心、そして誠実で慎重な性質が複雑に絡み合った、情熱的で献身的な性格特性を持っています。このタイプの人は、積極的に人々と関わり、自分のすべてを与えようとする姿勢を見せることがあります。

プライマリータイプ：タイプ2（思いやり深い助言者）

トライタイプ296の核心には、人々を愛し、助けたいという強い欲求があります。この欲求を満たすために、積極的に人々と関わり、惜しみなく与えようとします。

この段階では、以下のような思考や行動が見られます：

• 多くの人々と積極的に関わり、それぞれのニーズを理解しようとする
• 自分の時間、労力、才能、そして物質的なものまでも惜しみなく与える
• 「与えること」に深い喜びと満足を感じる
• 人々の幸せや成功を自分のことのように喜ぶ

例えば、こんな風に考えるかもしれません： 「もっと多くの人を助けたい。私にできることなら何でもしよう。みんなの笑顔が私の喜びなんだ。」

しかし、この状態が長く続くと、自己犠牲や疲弊感が高まります。「これ以上与えられるものがない…」と感じたとき、次の段階に移行します。

セカンダリータイプ：タイプ9（平和を愛する調停者）

プライマリータイプの過度の与えることによる疲弊を感じると、セカンダリータイプの特徴が現れます。この段階では、調和や平和を求め、自分の内面と向き合い始めます。

ここでは、次のような変化が現れます：

• 激しい活動を一旦休止し、静かな環境の中で自己を見つめ直す
• 周囲との調和や平和な関係性の中に安らぎを見出そうとする
• 自分の行動が本当に周囲の調和に貢献しているかを省察する
• 「ここにいていい」という感覚を得ることで、自己の存在価値を再確認する

例えば、このように考えるかもしれません： 「みんなと平和に過ごせるだけで十分幸せだ。無理に何かをしなくても、ただここにいるだけでいいんだ…」

この段階で内面の平和を見出すことができますが、同時に自己の役割についての不安も高まります。そして、次の段階へと移行します。

テルシャリータイプ：タイプ6（誠実な懐疑論者）

最後に、テルシャリータイプの影響が現れます。ここでは、自分の人生の軌跡を振り返り、その意味を慎重に検証しようとします。

この段階では、以下のような思考や行動が見られます：

• これまでの人生で与えてきたものの価値を慎重に評価する
• 自分の行動が本当に意味のあるものだったかを検証する
• 信頼できる人々との対話を通じて、自己の存在意義を確認しようとする
• 将来に向けて、より持続可能な「与え方」を模索する

例えば、次のように感じるかもしれません： 「私の人生は本当に意味があったのだろうか…でも、あの時あの人が喜んでくれた顔を思い出すと、やはり間違いではなかったと思える。」

この段階で自己の人生の意味を再確認することで、深い満足感を得ることができます。そして再び、健全な形で人々に与えることができるようになるのです。

トライタイプ296の特徴

長所

• 深い愛情と献身的な姿勢で、多くの人々の人生に正の影響を与えられる
• 調和を重視する態度で、周囲に平和をもたらすことができる
• 誠実で慎重な性質により、自己の行動の意味を深く理解できる

課題

• 過度の自己犠牲により、自身の健康や幸福を損なう危険性がある
• 調和を重視するあまり、必要な自己主張や変化を避けてしまうことがある
• 慎重すぎるあまり、自己評価が厳しくなりすぎることがある

トライタイプ296が活躍できる場面

このタイプの特徴を活かせる仕事や活動には、以下のようなものがあります：

1. ボランティアコーディネーター：人々を助ける喜びと、調和を作り出す能力を活かせます。
2. 社会福祉士：深い共感性と誠実さを活かし、多くの人々を支援できます。
3. イベントプランナー：人々に喜びを与え、調和のとれた空間を作り出せます。
4. メンター：自身の経験と洞察を活かし、他者の成長を支援できます。

トライタイプ296の人は、これらの職業で自分の強みを発揮し、与えることの喜びと自己実現のバランスを取りながら、充実した人生を送ることができるでしょう。

自分の性格をより深く理解することで、日々の生活や人間関係、キャリアなどに新たな視点が得られるかもしれません。与えることへの情熱、調和を求める心、そして誠実な自己省察のバランスを意識しながら、自分らしい人生を歩んでいくことができるでしょう。「与える人」として、多くの人々に喜びをもたらしつつ、最終的には自己の人生に深い満足を見出す存在となることができるかもしれません。そして、槇原敬之さんの歌詞のように、「与えること」こそが、あなたが本当に欲しかったものだったと気づく日が来るかもしれません。