参加頂きありがとうございました

11月14日(木) 20:00~22:00 ソシオニクス×クアドラ講座

11月14日(木)20:00~22:00にソシオニクスを活用したオンライン講座「組織と個人を見抜く!ソシオニクス×組織論」を開催しました。お忙しい中参加をしてくださり、本当にありがとうございました。

職場やサークル、部活といったグループに潜む「見えないルール」を解き明かし、参加者それぞれが自分に最適な働き方や関わり方を見つけることを目的とした講座です。特に、転職やフリーランスへの転身を考える方々にとって、自己理解を深める絶好の機会となりました。

本講座では、ソシオニクスの4つの主要グループ、いわゆる「クアドラ」に焦点を当て、組織やチームにおける価値観や行動パターンを紐解いていきました。

以下の3つの二分法をもとに、自分のタイプや所属する組織の特徴を分析しました。

ソシオニクス講座の流れ

今回のソシオニクス講座では、初学者の方も参加されました。そのため、まずはソシオニクスの基礎を簡単に解説し、MBTIや16personalitiesとの違いを社会心理学の視点から解説しました。

これらの性格診断が「自分の性格を知る」ことに焦点を当てているのに対し、ソシオニクスは「人と人との関係性」や「社会とのつながり」に焦点を当てる点が大きな違いです。よって、今回は「いきなり自分のタイプを決めない」という考え方を強調しました。タイプに拘りすぎると、自分のことしか見えなくなり、他者や社会との関係性に注目するソシオニクスの本当の魅力を活かせなくなるからです。

本件、ご理解いただき本当にありがとうございました。

熟慮型 vs 決断型

慎重に物事を進める熟慮型と、迅速に意思決定を行う決断型。あなたの職場はどちらの文化を持っていますか?

熟慮型(Ne-Si)の特徴

熟慮型の人は、リラックスした状態で「いま」に集中しながら仕事を進めるのが得意です。計画を段階的に進めることを好み、特にPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を徹底して実行します。彼らは準備を大切にし、計画や準備を丁寧に進めることで、しっかりとした基盤を作り上げることに重きを置きます。

このタイプの人が適している業界としては、製造業や研究など、じっくり時間をかけられる分野が挙げられます。また、公共系や行政、地方自治体など、政策立案を中心とする環境も彼らの得意分野です。教育やアカデミアの分野でも、研究や教育プランの構築にその特性を活かせるでしょう。

具体的な職種では、研究職やデータ分析、理論構築に集中できる仕事が向いています。市場調査や長期的な計画の立案、政策立案など、行政や非営利団体の戦略定義も彼らの強みを発揮できる場です。

安定した計画性やプロセスが重視される環境が、熟慮型の人に適しています。たとえば、基礎研究を重視する製薬企業、政策課がある行政機関、大規模なプロジェクトを着実に進める総合商社などが該当します。

決断型(Ni-Se)の特徴

一方、決断型の人は、常に準備を怠らず、自己管理を徹底するタイプです。彼らは一気にタスクを処理し、KPI(Key Performance Indicators)やOKR(Objectives and Key Results)といった指標を活用して、目標達成に向けて迅速に動きます。

このタイプの人は、短期間で成果を出すことや、結果や報酬が明確な仕事を好む傾向があります。

決断型の人に向いている業界としては、不動産業界やスピーディーな営業が求められる商社、そして成果重視のエンタメやイベント業界が挙げられます。これらの業界では、迅速な意思決定と行動力が求められるため、決断型の強みが存分に発揮されます。

具体的な職種では、営業職やプロジェクトマネージャー、さらには納期や成果を重視する分野で活躍できるでしょう。イベントプランナーなど、イベント成功に向けた迅速な対応が求められる職務も、彼らにとって最適です。

このタイプに適した組織としては、迅速な行動と短期的な成果が求められる環境が挙げられます。たとえば、営業活動を重視する企業、イベント企画を中心とした旅行会社、コンサルティングファームなどが該当します。

主観主義 vs 客観主義

個人の感覚や価値観を重視する主観主義と、データや外部の基準を優先する客観主義。自分自身と組織の間にどんなズレがあるのかを考察。

主観主義(Fe-Ti)の特徴

主観主義の人は、人間関係を重視し、出会いから始まるメンバーシップ型の雇用形態を好みます。長期の関係を前提とし、柔軟に役割や業務を変えることができる環境が適しています。チームの一体感や長期的な協力を重視し、年功序列や終身雇用といった組織文化と相性が良いのが特徴です。

こうした文化の中では、組織の柔軟性やチームの結束力が高まりやすい一方で、役割や成果が曖昧になりやすい傾向もあります。行き過ぎると「空気を読む」ことが重視されることで、閉鎖的な組織文化を生むリスクもあります。

主観主義に適した業界には、メーカー(総合職)、行政・公共サービス、教育やアカデミアなどがあります。これらの分野では、長期的な視点での人材育成や協力体制が重視されます。

職種としては、企画職(マーケティングや商品企画)、人事職(採用や研修担当)、公務員(政策立案や地域推進)などが挙げられます。

組織としては、官公庁や福祉団体、地域密着型の企業が主観主義の特徴を活かせる環境です。

客観主義(Te-Fi)の特徴

客観主義の人は、職務内容や成果が明確に定義されているジョブ型の雇用形態を好みます。契約や成果に基づいて業務が進められ、効率性と結果を最優先します。このタイプの人は、職務や役割ごとに成果を追求し、業務遂行の効率と結果を最大化することに価値を置きます。

客観主義が強い組織文化では、成果が明確であるため、効率性と専門性が活かされやすい一方で、人間関係がドライになりやすいという側面もあります。これが行き過ぎると、ガラスの天井問題など、個人間の溝を生むこともあります。

客観主義に適した業界には、IT業界(ソフトウェア開発、プロジェクト管理)、コンサルティング業界、金融業界(投資銀行、リスク管理)などがあります。これらの業界では、成果を重視したプロセスが求められるため、客観主義の特性が活きます。

職種としては、データサイエンティストやエンジニア、プロジェクトマネージャー、コンサルタント(戦略・業務改革)などが挙げられます。

このタイプに適した組織には、外資系企業、スタートアップ企業、専門特化型の企業が含まれます。成果主義が根付いている環境で、個々の能力が最大限発揮されることを期待されます。

民主主義 vs 貴族主義

全員の意見を取り入れる民主主義と、リーダーが主導権を握る貴族主義。グループの運営スタイルがどちらに寄っているのかを探りました。

民主主義(NT-SF)の特徴

民主主義の人は、個人の能力や資質を評価することを重視します。認識においては、他者を個別に認め、能力を基準としたコミュニケーションを行うことを特徴とします。個人の特性を尊重し、それぞれが独自の役割を果たせるような環境を好みます。

対話では、自由でオープンなコミュニケーションを推奨し、個々の意見や懸念を積極的に共有することを重視します。そのため、意見対立が起こりやすいものの、建設的な議論を通じて合意に至ることが可能です。

組織構造としては、フラットな体制を好み、階層を少なくして柔軟性を高める傾向があります。ボトムアップの文化を持ち、みんなで決めるというスタイルが根付いています。

民主主義が活きる業界には、ITデジタル業界、クリエイティブ業界、サービス業などが挙げられます。これらの業界では、個々の創造性や自発性が尊重される環境が求められます。

職種としては、ソフトウェア開発、デザイナー、研究者など、個々のスキルや独自の視点を活かす職種が適しています。

組織としては、フラットな組織構造を持つ企業や、自由な働き方を推進するスタートアップ企業などがこのタイプに適しています。

貴族主義(ST-NF)の特徴

貴族主義の人は、所属先の立場やルールに基づいて物事を進めることを重視します。認識においては、他者を特定のグループやカテゴリーに分類し、その所属に基づいて評価を行います。肩書きや立場が大きな意味を持ちます。

対話では、グループの価値観やルールに基づいたコミュニケーションを重視し、集団の秩序を保つことを優先します。意見の統一や平和を維持するための調整が重視されます。

組織構造としては、階層的な体制を好み、明確な上下関係を維持する傾向があります。トップダウンの文化が強く、指揮系統が明確であるため、統率力が求められる環境です。

貴族主義が活きる業界には、金融業界、法務、政府機関、医療・福祉業界、教育業界などが挙げられます。これらの分野では、秩序や規律が重視されるため、貴族主義の特徴が活かされます。

職種としては、人事部門や法務、金融アナリスト、官公庁の職員など、明確な役割分担が求められる仕事が適しています。

組織としては、伝統的な体制を持ち、明確な指示系統のもとで動く大企業や公的機関がこのタイプに適しています。

大まかな流れはこんなところです。

講座後半のグループディスカッションは大いに盛り上がりました。エニアグラムに精通している方から、ソシオニクスに深く踏み込んでいる方まで、様々なバックグラウンドを持つ参加者が集まりました。皆さんがそれぞれの知識を共有しながら、現在の働き方や組織の課題について意見を交換する場面は、まさに今回の講座の醍醐味でした。

特に、異なるタイプ論が交差する中でのディスカッションは、新たな視点を得るきっかけになったようです。職場での具体的なエピソードや、どのようにタイプ理論を実践に活かしているのかといった情報も飛び交い、充実した時間となりました。

今回のZoomディスカッションではブレークアウトルームを2つに分けましたが、参加者の人数や話の熱量を考えると、3つに分けてもよかったかもしれません。この点は次回の改善点として反映し、より多くの方が発言しやすい環境を整えていきたいと思います。

次回講座のご案内

次回以降は、ソシオニクスの関係論を行っていきます。

1. 双対関係(Duality)
最もバランスの良い関係。お互いの弱点を補い合い、強い信頼と安心感を築ける理想的なパートナーシップ。

2. 活性化関係(Activation)
お互いのエネルギーを引き出し、親密になりやすい関係。外向タイプでは特に活発で、内向タイプでは穏やかな関係になりやすい。

3. 準双対関係(Semi-duality)
双対関係に似ているが、一部で補完できない関係。短期間は親密になれるが、長続きしにくいこともある。

4. 幻影関係(Mirage)
親しみやすく、会話も弾む関係。ただし、深い結びつきには至らないことが多い。

5. 鏡像関係(Mirror)
似たような考え方や行動を共有する関係。共通点は多いが、細かい点での意見の食い違いが発生しやすい。

6. 同一関係(Identity)
同じタイプ同士の関係。お互いの行動をよく理解できるが、新鮮味がなく退屈に感じることもある。

7. 協力関係(Cooperation)
共通の活動や興味を持つ関係。協力はスムーズだが、内面的な動機の違いから衝突が起こることも。

8. 共鳴関係(Congenerity/Comparison)
お互いを面白いと感じ、話が弾む関係。ただし、深入りするとぎこちなくなることがある。

9. 疑似同一関係(Quasi-identity)
一見似ているようで、実は異なる関係。共通の活動に取り組むが、動機や考え方がズレやすい。

10. 消滅関係(Extinguishment)
共通のライフスタイルを持つが、結論が異なることが多い関係。誤解や対立が生じやすい。

11. 超自我関係(Super-ego)
価値観が大きく異なる関係。お互いを理解するのが難しく、誤解や不安が起こりやすい。

12. 衝突関係(Conflict)
最も対立しやすい関係。価値観や考え方が根本的に違い、摩擦が絶えない。

13. 要求関係(Request/Benefit)
一方が他方に恩恵を与える非対称な関係。受ける側は相手を魅力的に感じるが、与える側は興味を持ちにくい。

14. 管理関係(Supervision)
一方が他方を管理する非対称な関係。管理される側はプレッシャーを感じやすい。

さすがに2時間で14の関係すべてを網羅するのは難しいため、次回以降は14回シリーズとして、1つずつじっくりと取り上げていきます。

今回ご参加いただいた皆さんからは「もっと深く学びたい」という声をたくさんいただきました。私も皆さんと一緒に引き続きソシオニクスを探求していきたいと思っています。そのため、当面の間は無料で開催する予定です!

さらに、現在300スライド超の教材を制作中です。年内には完成予定ですので、次回の講座ではより充実した内容をお届けできるかと思います。

これからも一緒にソシオニクスを深め、実生活やビジネスに役立つスキルを身につけていきましょう。

引き続き、お付き合いいただけると幸いです!