「エニアグラムと16性格診断、何がどう違うの?」と疑問に感じたことがある方も多いはずです。

私は、エニアグラムと16性格診断の両方を理解して、エニアグラム/16性格診断(ソシオニクス)の性格判定サービスを提供して5年以上がたちます。

お客様の数は600人を超えています。だからこそ、本音でお伝えすることができます。

本記事では、エニアグラムと16性格診断の違いをわかりやすく解説し、あなたに合った診断方法を見つけるためのヒントをお届けします。

エニアグラムと16性格診断の違い

1)性格の意味が違う

結論から言うと、同じ「性格」でも見ているところが違います。

エニアグラムの性格=根源的恐れ

エニアグラムの性格は、あなたの「内側にある動機」や「根本的な恐れ」を指します。この「恐れ」を基準に私たちの性格が9つに分類されます。

たとえば、私はタイプ3ですが「他人に認められたい」という欲求が強く、自分が「価値がない人間」であると認めることに対して、無意識化で相当な恐れを抱いています。

現在は、エニアグラムの専門家として活動をしていますが、正直、いまでもこの業界の中でNo1になりたい!という欲求があります。そして、この欲求の背景には、自分が価値ある存在でないことが怖い!という一貫した価値観があります。

16性格診断の性格=認知のパターン

16性格診断では、「認知のパターン」に焦点を当ててています。

認知とは...情報をどのように知覚し、どのように判断するかの2つです。

  • 知覚(P):感覚(S)vs 直観(N)
  • 判断(J):思考(T)vs 感情(F)

加えて、外向と内向の指標があり、日々の生活の中で外の世界と内側の世界のどちらに意識を向けているとエネルギーが高まるか?について教えてくれます。

16性格診断では、私たちの「価値観」や「人生観」といった内面の動機については扱っていません。

たとえば、私は、ENTP(討論者)です。ENTPは、あくまで外の世界から情報を知覚して、その考えを内側で検証するタイプです。その根底にある信念や動機については、16性格診断は説明できないのです。

暴論に聞こえるかもしれませんが、お客様の16性格診断に臨むときは、人はロボットであると割り切っています。価値観や人生観はエニアグラムで導き出しています。

エニアグラム×16性格診断

以下のように考えると、16性格診断とエニアグラムの違いが解るかもしれません。

  • 16性格診断では、あなたの性格の「線」を描くように、その人の認知モデルを書きだす
  • エニアグラムはその「線」に「色」を塗っていくイメージ。内面の動機や価値観を描き出す

この両者を組み合わせることで、より高い解像度で私たちの性格が表現されます。

本当は、16性格診断かエニアグラムのどちらか一方でも性格を描き出すことはできます。2020年まではエニアグラムだけで性格タイプ判定をしていました。

2021年からエニアグラムと16性格診断の二刀流を始めたのは、私のタイプ3×ENTPの気質が影響しているのかもしれません。常に新しい視点を追い求め、最大限の結果を引き出したいという欲が強いのかもしれないです。この点に関しては、サブタイプを兼ねて紹介をしていきます。

タイプのバリエーション

エニアグラム=豊富なバリエーション

エニアグラムは、非常に多様なサブタイプを持っているのが大きな特徴です。基本の9つのタイプに加えて、

  • ウィング(隣接するタイプの影響)
  • 生得本能(自己保存、性的、社会)、
  • トライタイプ(3つのセンターからそれぞれ1つのタイプを選ぶ)

など要素が組み合わさり、そのバリエーションは1944通りにも達します。この多様性により、個々の性格の違いを非常に細かく、具体的に捉えていくことが可能です。

エニアグラムは、性格の深層にある動機や恐れを明確にしながらも、その多角的×細かな分析を通じて、共通性と異質性をもたせたのが特徴です。

複雑な性格を具体的に描き出すことができるのです。

16性格診断=シンプルさとグラデーション

16性格診断はその名の通り、最終的に16種類の性格タイプに分類されます。この点において、エニアグラムほどの複雑なバリエーションは持たず、どこまで行っても16通りの分類に留まります。

ただし、16性格診断にも各個人ごとのグラデーションが存在します。同じタイプに分類されても、個人ごとに違った特性や強み、弱みがあるため、タイプの中での微妙な差異は大きくなりえます。

しかし、このグラデーションについては、診断結果そのものが詳細に教えてくれるものではありません。つまり、自分自身でその意味を理解して、自己探求を続ける必要があります。

まとめ:抽象度の高さが大事

一方で、16性格診断はシンプルに16種類のタイプに分類されますが、ここで重要となるのが**「抽象度が高い」**という点です。抽象度が高いとは、物事を大きな視点で捉えながらも、状況に応じて細かな具体性にまで落とし込める思考の解像度を指します。16性格診断は、個々のタイプの基本的な特徴を示しますが、各タイプ内での微妙な違いや個人のグラデーションは、自分で理解し探求していく必要があります。つまり、タイプが示す大枠の特徴を理解した上で、それを自分の状況に合わせて具体化し、より細かい自分の性格のニュアンスを把握する能力が求められます。

これに対して、「抽象的」とは、物事を漠然と高い視点から考えている状態を指し、細部にまで意識が届かないことを意味します。16性格診断で求められるのは、この抽象的な思考ではなく、むしろ抽象度の高い視点を持ちながら、具体的な行動や判断に適用できる理解力です。性格タイプを大まかに理解するだけではなく、自分の特性や行動パターンに具体的に落とし込むプロセスが不可欠です。

つまり、エニアグラムが詳細な分析を通じて具体的な自己理解を促進するのに対して、16性格診断は抽象度の高い視点から大枠の性格を理解し、それを個々の状況に応じて具体的に活かしていくことが求められるツールです。両者を使い分けることで、深くかつ多角的に自己を理解するための強力な手段となります。