エニアグラムタイプ4とユングの内向直観|一本の木から人生の物語が始まる
タイプ4が内側で何を見ているのか。それを説明するのに、よく借りられる言葉があります。
ユング心理学の「内向直観」です。
急に専門用語が出てきて身構えたかもしれませんが、中身は単純です。「外にあるものを見ているようで、実は自分の内側に浮かんだものを見ている」という心の働きのことです。
ユングは何と言っているのか?
C・G・ユングは『心理学的類型』の中で、内向直観についてこう説明しています。
内向直観は、無意識の側にあるものへ目を向ける働きである。外にある事物によって刺激を受けることはあるが、関心が向かうのは外側の可能性ではなく、その事物がその人の内面で解き放ったものである、と。
外の対象は引き金にすぎず、本命は「それによって内側に現れたもの」だということです。
エニアグラムの著者であるドン・リチャード・リソとラス・ハドソンも、『性格のタイプ』の中でこのユングの記述を引用し、タイプ4を説明する際に用いています。
ひよ子くん つまり、木を見てるようで木を見てないってこと?
フクロウくん 惜しいのう。木は見ておる。ただ、木が心の中で何を起こしたかを見ておるのじゃ
一本の木から、人生の物語が始まる
公園に、一本の木が立っています。
多くの人にとって、それは木です。以上です。せいぜい「大きいな」くらいで通り過ぎます。
タイプ4がその前に立つと、こうなります。
子どもの頃に通っていた公園の記憶が戻ってきます。あの頃、輪の中に入れていなかったな、という感覚がついてきます。
次に、その木が何十年も同じ場所にひとりで立ち続けていることに気づきます。そして「自分と似ているな」と思います。
さらに、枝の隙間から光が差し込んでいるのを見て、これから先にもまだ何か残っているのかもしれない、と感じます。
目の前にあるのは、一本の木だけです。
けれども内側では、昔の記憶、いまの孤独、これからの希望、自分の人生が、その木を軸に一本の物語につながっています。
木は何もしていません。全部、内側で起きています。
「タイプ4=内向直観型」とは言えない
ここは線を引いておきます。
エニアグラムとユング心理学は、別の理論です。
エニアグラムが見ているのは動機です。何を恐れ、何を求めて、そのために何をしてしまうのか。ユングの類型論が見ているのは、情報の受け取り方や心の働きの方向です。
問いが違うので、そもそも一対一で重ねられる作りになっていません。
内向直観は、タイプ4を理解するための補助線です。引くと形が見えやすくなる線であって、答えではありません。断定した瞬間に、この便利な線は使い物にならなくなります。
タイプ4の全体像はエニアグラムタイプ4の基本からどうぞ。
ところで、タイプ4はなぜ、そこまでして内側に入るのでしょうか?
感受性が豊かだから、では何も説明したことになりません。
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