ヒーローになれなかったタイプ3と「隠れた承認欲求」の正体
どうも。エニアグラム診断士の木村です。
タイプ3は「達成する人」と呼ばれます。
成功、評価、肩書き。キラキラした結果を追いかける、わかりやすい野心家。多くの解説ではそう描かれています。
でも、今回お話ししたいのは、そのイメージから最も遠いところにいるタイプ3です。
子どもの頃、家族のヒーローになれなかったタイプ3。
そして大人になった今も、自分がタイプ3であることを認められずにいる人の話です。
「ファミリーヒーロー」になれなかった子ども
家族の中には、ときどき「ファミリーヒーロー」と呼ばれる役割を背負う子どもがいます。
成績が良い、スポーツができる、親の自慢になる。その子の活躍が、家族全体の誇りになるような存在です。
タイプ3の子どもは、この役割に強く惹かれます。
- 親に見てほしい。すごいと言ってほしい。
- 自分がいることで家族が笑顔になってほしい。
ところが、全員がそのヒーローになれるわけではありません。
兄弟のほうが優秀だった。頑張っても親の期待に届かなかった。そもそも親が自分を見ていなかった。
そういう子どもは、ヒーローの椅子に座れないまま大人になります。
残るのは「認められたかった」という渇きと、「自分には価値がない」というコンプレックスだけです。
もし「おとなしいタイプ」を選んだのなら
ここからは少し耳の痛い話をします。
はじめてエニアグラムの書籍を手に取り、自分はタイプ4やタイプ5、タイプ9、あるいはタイプ6だと思っているなら、一度だけ疑ってみてください。
タイプ3の解説を読んだとき、こう感じませんでしたか?
- 「承認欲求の塊なんて、自分とは違う」
- 「中身より見た目を気にする人なんて、むしろ苦手」
その即座の拒否反応こそが、隠れタイプ3のサインかもしれません。
ヒーローになれなかったタイプ3にとって、「認められたい」という欲求を認めるのは最初は抵抗だらけかもしれません。
欲しがって、手に入らなかった過去があるからです。
だから、自分を別の物語で包みます。
- 「私は人と違う感性を持っているだけ」とタイプ4の顔をする。
- 「目立つより、知識を深めたいだけ」とタイプ5の顔をする。
- 「争いたくないし、のんびりしたいだけ」とタイプ9の顔をする。
- 「組織の中で、ちゃんとした人でいたいだけ」とタイプ6の顔をする。
実は私もよくしています。どれも嘘ではありません。
でも、その奥にあるのは同じ一つの願いです。
誰かに、すごいと言われたい。
消えなかった欲求は、
形を変えて出てくる
特に10代の頃に認められたい気持ちは、目を背けても消えません。
満たされなかった分だけ、どこか別の場所で補償しようとします。
SNSの反応なんて気にしていないと言いながら、投稿したあと何度も確認をしてしまい、誰が反応してくれたかもすごく気になるものです。
- 目立ちたくないと言いながら、誰にも気づかれないと不機嫌になる。
- 努力している姿は見せたくない。でも、結果だけは見てほしい。
- 資格や知識を集めて、「わかっている側」に立とうとする。
縁の下の力持ちを自称しながら、「あの人がいたから助かった」と言われる瞬間を待っています。
そして一番気づきにくいのが、他人を自分の代わりにヒーローにしようとする形です。
パートナーの肩書き、子どもの成績、部下の成果。
自分がなれなかったヒーローを身近な誰かに託し、その人の評価を自分の価値のように感じてしまう世界観です。
これが、隠れタイプ3の愛着の正体です。
おとなしいタイプの顔をしていても、愛し方だけはタイプ3なのです。
他人の成功を素直に喜べない理由
隠れタイプ3には、もう一つ厄介な特徴があります。
人の成功を見ると、心がざわつくのです。
「すごいね」と口では言えます。でも内心では、比べて、落ち込んで、粗を探してしまう。
そんな自分が嫌で、また「私は競争に興味がない人間だ」という物語を強化しながら、その物語は自分とは関係がないと思い込む。
競争が嫌いなのではありません。
負けるのが怖いから、最初から土俵に上がらないことにしているだけです。
実は、私もそうでした
偉そうに書いていますが、これは私自身の話でもあります。
私もタイプ3です。
20代はシステム会社で働き、顧客先を転々としながら銀行関連のシステムを保守する毎日でした。
つまらない、向いていない。そう思って離れたあと、30代で一度社会からドロップアウトしています。
副業でサイトを量産しては外れ、アフィリエイトにも何度も挑戦しては、才能のなさを思い知らされました。
あの頃の私は、成功したい自分を認めていませんでした。
うまくいかない現実と、認められたい気持ちの距離があまりに遠くて、欲しいと口にすることすら格好悪いと思っていたのです。
十字架を背負った先にある、2つの道
では、隠れタイプ3はどうすればいいのでしょうか?
道は2つあります。
一つ目の道:舞台に上がる
一つ目は、認められたい自分を認めて、自分の舞台に上がる道です。
「承認欲求がある」と口に出してみる。欲しい評価を、自分の言葉で決める。
親が望んだヒーローではなく、自分が本当に好きな分野で結果を出しにいく。
負けるかもしれない土俵に立つのは怖いことです。
でも、土俵に上がらない限り、あの頃の渇きは永遠に満たされません。
健全なタイプ3の本当の強みは、肩書きの多さではなく、ありのままの自分で人前に立てる誠実さにあります。
舞台に上がる道は、その誠実さを取り戻す道です。
二つ目の道:観客を変える
二つ目は、拍手をもらいたい相手を変える道です。
隠れタイプ3が本当に認めてほしかったのは、多くの場合、子どもの頃の親です。
でも、その観客はもう客席にいません。
どれだけ成果を出しても、空っぽの客席に向かって演技を続けている限り、拍手は聞こえないのです。
だから、観客を入れ替えます。
すごいかどうかではなく、あなたがいること自体を喜んでくれる人たち。一緒に何かをつくる仲間たち。
タイプ3は成長するとき、タイプ6の方向へ向かうと言われます。
自分が主役になることより、信頼できるチームの一員として貢献することに喜びを感じられるようになる。
ヒーローの椅子から降りたとき、初めて「必要とされている」実感が手に入ることもあります。
十字架を降ろさなくていい
どちらの道を選んでも、ヒーローになれなかった過去が消えるわけではありません。
でも、その過去を隠すための別のタイプの仮面は、もう外していいのです。
認められたかった。今も認められたい。
その気持ちを抱えたまま進むことは、恥ずかしいことではありません。
むしろ、その渇きを知っている人だからこそ、同じように誰にも見てもらえなかった誰かに気づけるはずです。
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