マズローの5段階欲求説とエニアグラムの意外な関係とは?
エニアグラムワークショップやエニアグラムトーク、最近だとエニアグラムの個別セッションのときに、よく登場するのが、マズローの5段階欲求です。
エニアグラムとマズローの5段階欲求の愛称が抜群です。
マズローの5段階欲求説 | エニアグラムの9つのレベル |
エニアグラムの話をするつもりだったのに気づけばマズローネタに走ることも珍しくありません。それほどメジャーなんですね。マズローの5段階欲求説って。
【マズロー】の【5段階欲求説】とは?
自身のマズローの復習もかねて、マズローと5段階欲求についてざっと解説をしていきます。エニアグラムの小ネタも混ぜるので、飛ばし読みをしないでくださいね。
マズローとは?
アブラハム・ハロルド・マズローは、アメリカ合衆国の心理学者。 ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。彼は人間性心理学の最も重要な生みの親とされている
wikipedia
人が何を求めているか?について研究をしていた人間性心理学者です。心理学のみならず、教育や経営学、そしてマーケティングの分野でもみんなが知っている、かの有名人Mrマズローです。
マズローで有名なのが、5段階欲求説ですね。
5段階欲求説とは?
マズローは、人間の欲求を<生理的><安全><愛・帰属><承認><自己実現>の5つの段階に分けました。そして、人間の欲求は、生理的欲求をクリアしてから、次の安全欲求に行き、安全が満たされたら、愛や帰属など居場所を求めて、その中で自分が承認されたい。そして、人々から承認されると、最後に自己実現欲求に行く、という理論をの唱えました。
では、まずこの5つの欲求についてみていきましょう。
1.生理的欲求
食事、睡眠、休憩、その他生理現象などの生命を維持するために備わった必要最低限の欲求です。例えば、仕事や男女関係で悩んでいても、お腹がすけばご飯を食べたくなります。体が疲れると寝ます。トイレに行きたいときは行きます。
例えば、あなたが金銭的に困窮していて、人間不信になり、全てに絶望しているときでも、お腹がすけばご飯を食べるのです。トイレに行きたくなれば、這いつくばっても動きます。
何らかの事情で夜も眠れないほど恐怖におびえいていても、そのうち眠たくなれば寝ます。生理的欲求を満たさないと生命が維持できないからです。
この基本最低限の欲求はいかなる状況でも優先されます。
2.安全欲求
次の安全欲求。この欲求は、身の安全や心の安心を求める欲求です。衣食住に関わる欲求は全て、この安全欲求に含まれますね。
例えば、私たちがお金を欲しがるのも、お金がないと不安だからです。家賃も払えなければ、身体に優しい食べ物も食べられません。冬にジャケットを着ないと、オダブツです。
最近だと心理学や精神科学が発達したため、心の病気もこの欲求に含まれていますね。エニアグラムに置き換えるなら、9つの成長レベルの不健全に該当している状態かもしれません。
自我が崩壊しないように、自分の性格の中にこもっている状態ですから。
3.愛・帰属欲求
愛・帰属と次の承認欲求については、社会的な欲求と言われています。人とつながりをもちたいという欲求ですね。
仕事も順調で、経済的にも余裕ができて、家の中に必要な家具もそろって、冷蔵庫を空ければ食べたいものが一通りある状態で次に芽生える欲求です。
それは
- 愛したい、愛されたい
- 愛されるより愛したい
- 友人・仲間が欲しい
- 誰かと話をしたい
- 自分の話をもっと聴いてもらいたい
と孤独がつらいと感じる欲求ですね。感じる欲求です。結局のところ、人は孤独だと生きられません。それは、タイプ5<調べる人>も同じです。本当に一人のほうが気が楽なら、無人島で暮らしているはず。
このように、私たちは物質的な欲求が満たされると、社会的な欲求を意識して誰かとつながったり、組織・コミュニティーに属したいという気持ちに芽生えます。
だから、私たちは仮面を被っても、どこかに属したいと願うわけです。それが時に傷つくことになってもです。一人が寂しいから。
エニアグラムを学ぶと、この欲求について考える機会がたくさんあります。私を含め、結局のところ、ありのままの自分を誰から受け入れてもらいたい、という欲求がどこかにあるからです。
タイプ2<助ける人>にとって、愛の欲求が満たされない状態は、安全欲求が満たされないくらい辛いかもしれませんね。
4.承認欲求
愛・帰属の欲求が満たされた状態は、いわば人が回りにいる状態です。すると、次は、周りの人たちから、「認められたい」という欲求が芽生えます。これが承認欲求です。
この欲求があるからこそ、一生懸命仕事に打ち込んだり、自分磨きをします。また、結果として経済活動を活性化させる引き金にもなります。この欲求はなんだかんだで最強の欲求です。
一方で、この欲求に囚われると、周りからどう見られているのかが気になり、自分を見失うこともあります。
タイプ3<達成する人>は、この欲求が顕著に出ますね。承認欲求を目指して、ダイナミックに活動しているタイプかもしれません。(笑)
マズローは、この欲求までを<欠乏欲求>と呼びました。自分に足りないものを満たそうとするネガティブな欲求です。
言い換えたら、コミュニティーや自己評価を気にしている状態は、それが満たされないなくて、満たされたいと願っている状態なんですよ!という残酷なマズローのテーゼです。
そして、この欲求を満たせて、はじめて人間が人間らしい欲求を求めるようになると論じました。
5.自己実現
それこそが、自己実現欲求です。
この欲求は、本当に自分らしく生きたい!と願っている状態です。他人の評価や人のつながりを超越して、自分の目標に向かって走り出している状態です。
もちろん、この欲求に向かって走るのが簡単なようで難しい。例えば、テストでいい点をとって、いい大学に入って、いい会社に入って、いいパートナーを見つけて、家族に恵まれて、幸せに過ごしたい!と願っていても、それ自体が欠乏欲求の可能性が高いからです。
マズローのように、迫害から逃れるためにアメリカに亡命をして、明日生きるか死ぬかわからない状態でも、人間心理を探求したい!という意思を持ち、自己実現を目指したなら、これは自己実現欲求かもしれません。
また、人生を順風に過ごしてきて、老後も安泰だったけれど、私財をなげうってまで本当に自分が臨んだ人生を生きようとしたらのなら、これも自己実現です。
マズロー曰く、自己実現ができるのは、およそ10%です。言い換えるなら、相当な覚悟ナイト自己実現は難しいのかもしれません。
エニアグラム的にいうなら、タイプ8、タイプ1は、自己実現を目指して進んでくタイプかもしれませんね。その過程で9つのレベルにおける試練にたくさんぶつかりそうですが。
6.自己超越
はい、最後にもうひとつ!それが6つ目の欲求「自己超越」です。この状態は、自分の欲求がない状態です。
結局のところ、自己実現も自分がありたい姿や目指している姿に向かっているため、欲求そのものは存在しています。対して、この自己超越は、人間の欲求そのものが欠落している状態です。
「みんなが幸せに暮らせるなら、それでいいやー」といった個人の欲求を手放している状態です。
【欲求=人間らしさ】と定義するなら、それすらない人たちを自己を超越した人たちだと考えられます。
ある本によると、ブッタやイエスキリストはこのレベルに到達したとか。。。
「今日も世界のみんなが笑えますように」と我を忘れて、世界全体のことを考えられる人たちは、もしかしたらこの自己超越レベルなのかもしれません。
エニアグラムが踏み込みない領域ですね。
マズローとエニアグラムでわかったこと
エニアグラムの各タイプのレベル1の<根源的欲求>が満たされている状態が、マズローのレベル5、6に近い状態だと思ってまとめてみました。
一方で、エニアグラムのタイプごとの低いレベルにいても、いきなり高いレベルを目指さずに、まずは目先の欲求をひとつづつ満たしていけばいいんだ、と気づくことができました。
一応、これでも自己実現を目指していますが、まだ満たしたい欲求が目の前にたくさんあるので、ひとつひとつ満たしていこうと感じた33の夜でした。
タイプ3<達成する人>にとって、承認欲求が満たせない状態は、安全欲求が満たせない状態と同じですから。(笑)
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木村真基
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
ウェブデザインだけではなく性格もデザインします♪