外向感覚(Se)とは
ユングの心理学におけるSe(外向的感覚)は、物理的現実に対する鋭い感覚と即時的な反応を意味します。Seは、目の前の具体的な現実を重視し、物理的な環境に対して敏感であり、外部の刺激に迅速に対応する力を持っています。
ソシオニクスのSe
ソシオニクスにおけるSe(ブラック・センシング)は、物体の運動エネルギーに関する情報を知覚する能力です。これは、他人の意志に対抗して自分の意志を行使する力や、身体的エネルギーの使い方、周囲の物事を管理する能力に関連しています。
内向感覚との違い
Seは、物事や人にどれだけの力や影響力があるか、または必要とされているかを理解する能力です。Seを重視する人は、即座に影響を与えるための行動を好みます。例えば、すぐに行動を起こし、目に見える結果を出すことに価値を置きます。
Seの特徴
- 直接的な行動:Seを重視する人は、考えるよりもまず行動するタイプです。すぐに何かを始めて、影響を与えたいと考えます。
- 競争心:Seを持つ人たちのグループでは、競争心が強く、激しい雰囲気になることがあります。対照的に、内向感覚(Si)を重視する人たちは、もっと穏やかで内向的な雰囲気を持っています。
- 目に見える成果:Seを持つ人は、現実世界で目に見える成果を重視します。何かを試して、それが実際に役立つかどうかを見極めることに価値を感じます。
SeとSiの違い
- Se:目的を達成するために行動し、周りの状況や人々に影響を与える力を持っています。
- Si:自分の感覚体験(楽しいこと、強烈なこと)を大事にし、その瞬間を楽しむことに重点を置いています。
具体例
- Seユーザーの行動:スポーツ選手が試合に臨むとき、結果を出すために全力を尽くす姿勢がSeの典型です。彼らは勝利を目指し、即座に行動し、状況に影響を与えます。
- Siユーザーの行動:同じスポーツ選手でも、Siを重視する人は、試合そのものよりも、その過程や感覚、経験を楽しむことに重きを置きます。
Seを持つ人は、目的達成のために即座に行動し、現実世界に影響を与えます。彼らは競争心が強く、目に見える成果を重視します。対照的に、Siを持つ人は、自分の感覚体験を大事にし、その瞬間を楽しむことに重点を置きます。SeとSiは、同じ状況でも異なるアプローチを取るため、理解して使い分けることが重要です。
MBTIとの違い
MBTIのSeは、即時的な感覚経験を重視し、現実に対する反応力や感覚の鋭敏さを特徴とします。一方、ソシオニクスのSeは、これに加えて、他者に対する影響力や自己の意志を貫く力に焦点を当てています。物事を実現するための行動力や、環境を支配する能力が強調されます。
エニアグラムのタイプ8に最も近い情報要素だと言えます。
クアドラ(ソシオニクスのタイプグループ)の影響を強く受けます。これは、Seがどのように使われるか、またその使い方がどのように発展するかに影響を与えます。
他者への影響
Seを重視するタイプは、自分の意志を貫き、他者に対して強い影響力を持つことができます。彼らは目標達成のために積極的に行動し、人々を動員して目的を達成する能力があります。このため、リーダーシップを発揮する場面や、困難な状況で他者を導く場面で力を発揮します。
ソシオタイプ別のSe
先導(第1)機能としてのSe(SLEとSEE)
SLE(外向感覚の先導者)は、自分の意志と力を最大限に発揮し、他人を動かすことに長けています。例えば、リーダーシップを発揮し、チームをまとめて目標を達成するために、他人を鼓舞し、指示を出します。SEE(外向感覚の先導者)も同様に、自分の意志を他人に押し付けることで、目標を達成する力を持っています。
創造(第2)機能としてのSe(LSIとESI)
LSI(論理直観の創造者)は、自分の目標を達成するために、他人を説得し、特定の状況下で意図的に圧力をかけることができます。例えば、プロジェクトの進行中に必要な行動を取るよう他人を説得します。ESI(倫理直感の創造者)も同様に、責任を真摯に受け止め、他人にも同じことを期待します。
役割(第3の)機能としてのSe(ILEとIEE)
ILE(直観論理の役割者)は、自分自身や他人に厳しい規律を課すことに苦手意識を持っています。例えば、規律や整理整頓ができていない自分を批判し、改善しようとしますが、成功は限られています。IEE(直観倫理の役割者)も同様に、動員や組織化を適切に行う方法を見つけるのが難しいと感じます。
脆弱(第4の)機能としてのSe(LIIとEII)
LII(直観論理の脆弱者)は、攻撃的な行動や対立に過剰に反応しやすいです。例えば、他人から強制されると個人的な脅威と感じます。EII(倫理直感の脆弱者)も同様に、他人のスペースに侵入したり強制的な行動をとったりすることを避けます。
暗示(第5)機能としてのSe(IEIとILI)
IEI(直観倫理の示唆者)は、外部からの刺激がなければ外界との交流が少ないです。例えば、新しい興味分野を見つけるのが苦手で、過去の経験を再現し続ける傾向があります。ILI(直観論理の示唆者)も同様に、優柔不断で、外部からの具体的な刺激が必要です。
動員(第6の)機能としてのSe(EIEとLIE)
EIE(倫理直感の動員者)は、競争的で挑戦的な取り組みに参加し、他人のサポートを受けて目標を達成します。例えば、障害を克服しながら自分の意志を高めていくのが好きです。LIE(論理直感の動員者)も同様に、他者のサポートを受けながら最終的な選択をします。
無視(第7の)機能としてのSe(SEIとSLI)
SEI(感覚倫理の無視者)は、対立や衝突を避ける傾向があります。例えば、困難に打ち勝つことや競争に勝つことには共鳴せず、自分の内なる欲求に耳を傾けることを好みます。SLI(感覚論理の無視者)も同様に、外界が要求することよりも自分の幸福感を優先します。
証明(第8の)機能としてのSe(ESEとLSE)
ESEは、説得力のある威厳や挑戦的な態度を短時間とることができます。例えば、ある種のショーやゲームのように、深刻にとらえずに対立的な態度を見せます。LSEも同様に、短時間の対立的な態度をとることができます。
まとめ
Seは、他者に対して強い影響力を持ち、物事を実現する力を意味します。物体の運動エネルギーに対する鋭い感覚と即時的な反応を通じて、現実の環境を支配し、自分の意志を貫く能力が強調されます。Seを適切に活用することで、目標達成やリーダーシップを発揮する場面で力を発揮することができます。
Seを育む方法
1. いまを生きる!未来は不安、過去は後悔
Se(外向感覚)を育むためには、まず「いま」を最大限に生きることが重要です。未来の不安や過去の後悔にとらわれず、現在の瞬間に集中しましょう。例えば、スポーツやアクティビティに没頭することで、現在の体験に完全に浸り、感覚を研ぎ澄ますことができます。これにより、Seの特性である即時的な反応力や現実への敏感さが高まります。
2. 衝動に身を委ねる、自分を信じる
Seを育むもう一つの方法は、自分の衝動に身を委ねることです。直感的に感じたことを信じ、行動に移すことで、Seの力を強化できます。例えば、思い立ったらすぐに行動する、計画を練りすぎずにその場の感覚を信じて動くことです。このような経験を積むことで、自分の感覚と直感に対する信頼が深まり、Seの機能がより自然に発揮されるようになります。
3. 失敗しても他の機能が助けてくれると信じる
Seを育む過程で、失敗を恐れずに行動することも重要です。失敗を恐れずに衝動に従うことで、Seの力を引き出すことができます。そして、失敗しても他の機能(例えば、直感や論理、倫理)が補完してくれることを信じましょう。例えば、直感的な判断が誤ったとしても、論理的な分析や倫理的な判断がそれを補正し、全体としてバランスの取れた行動につながることが多いです。
具体例
- いまを生きる!:日常の中で瞑想やマインドフルネスの実践を取り入れる。例えば、散歩中に風の音や足元の感覚に集中することで、現在の瞬間に意識を集中させます。
- 衝動に身を委ねる:新しいことに挑戦する機会を逃さない。例えば、新しいスポーツや趣味を始める際に、計画を練りすぎず、まずはやってみるという姿勢を持つことです。
- 失敗しても他の機能が助けてくれると信じる:挑戦することに対する恐れを軽減するために、失敗した場合のサポートシステムを構築する。例えば、失敗しても相談できる友人やメンターを見つけておくことで、安心して挑戦することができます。
結論
Seを育むためには、現在の瞬間に集中し、自分の衝動に従い、失敗を恐れずに行動することが重要です。これにより、外向感覚の力を引き出し、現実に対する鋭敏さと即時的な反応力を高めることができます。
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2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。
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筆者紹介
木村なおき
ソシオニクス歴4年。本業エニアグラムでMBTI®に興味を持つが、権利的な事情で断念。2020年にソシオニクスに出会い独学で勉強。2021年にソシオニクス専門のブロガーさんからソシオニクスの理論を教わり、その後すぐにエニアグラム×ソシオニクスの二刀流でタイプ診断に臨む。
診断実績は200を超える(エニアグラムとセット)
2024年4月に16タイプ相性論の講座を開講したときに、「これ…ソシオニクスでやったほうがよくね!」と気づき、本格的にソシオニクスを取り入れる。
クアドラ診断、タイプ診断、タイプ関係論をセットにすると、日本でいちばんソシオニクスを診断をしてきたい人(他に誰かいたら教えてください)