ロマンススタイル|ソシオニクスが分類した恋愛の4つの型

ソシオニクスには、恋愛や性的な関係における振る舞いを4つの型に分類する「ロマンススタイル」という枠組みがあります。

提唱者はヴィクトル・グレンコ、判定基準は自我ブロックに置かれた非合理要素です。

参考:https://wikisocion.github.io/content/romance_styles.html

さて、なぜ私がこの記事を書いているか?

お客様からのリクエストです…88,000円を頂いたので期待にはお答えしたく思います。恋愛相談は、全てサイコソフィアにぶん投げようと思っていたのですが、「それはそれ!これはこれ!」と言い返されました。

正直に申し上げます。

恋愛相談、やりたくありません

私が知っているのは、エニアグラム・16タイプ・ソシオニクスのタイプ判定にコミットすることであり、自分のタイプを活かしてもらう事です。恋愛成功の秘訣は専門外だし、むしろ私のほうが教えてもらいたい…とすら思います。

そこで、二度と同じ相談を受けなくて済むように、理論のほうを全部ここに置いておきます。これを読めば、あなたの恋愛の振る舞いがなぜそうなるのかは、だいたい説明がつきます。

読んだうえで、それでも聞きたいことがあるなら聞いてください。

ただしその前に、あなたにはソシオニクスを真面目に勉強していただきます。

順番が逆なんですよ、いつも。

ロマンススタイル

理屈は後回しにします。あなたが読みたいのはそこじゃないと、私はもう知っているので。

見るのは1箇所だけです。自分のソシオタイプの自我ブロック(第1・第2機能)に、どの知覚要素が入っているか。それだけで型が決まります。

  • Seを持つ人 → アグレッサー(SLE・LSI・SEE・ESI)
  • Niを持つ人 → ヴィクティム(EIE・IEI・LIE・ILI)
  • Siを持つ人 → ケアリング(ESE・SEI・LSE・SLI)
  • Neを持つ人 → チャイルドライク(ILE・LII・EII・IEE)

以上です。

あなたが10代から積み上げてきた恋愛観も、読み込んだ恋愛指南書も、判定には1ミリも関与しません。選ぶ余地はありません。

Se|アグレッサー(攻撃役)

自我ブロックにSeを持つ4タイプです。

SLE LSI SEE ESI

好きかどうかで迷いません。迷わないので、隠すかどうかでも迷いません。関心の重心は「相手が自分をどう思っているか」ではなく「自分がどうしたいか?」の側に、最初から置かれています。

やりとりは、優しさよりも強さのラリーになります。主導権は、ある程度こちらが握りたい。

ただし、相手がまったく打ち返してこないと、興味は音を立てて冷めます。彼らにとって、張り合いのない相手は最初からそこにいないのと同じです。優しくされたいのではありません。手応えが欲しいのです。

アグレッサーの詳細を読む

Ni|ヴィクティム(犠牲役)

自我ブロックにNiを持つ4タイプです。

EIE IEI LIE ILI

まず、自分の気持ちが本物かを疑うところから始まります。次に、相手が返してくれるかを疑います。最後に、その気持ちがいつまで持つのかを疑います。

告白する前に三回敗北している計算になります。忙しい人たちです。

好むのは、力や存在感で少し圧倒してくる相手。主導権を明け渡しているように見えて、実は一度も渡していません。押されている状態を、味わっているだけです。

関係が終わったとき「相手から振られた」と素直に言えるのも、この型の特徴とされています。(言えてしまうのが、この型の業です。)

なおグレンコは、ヴィクティムをさらに悲劇型(IEI・EIE)と喜劇型(ILI・LIE)に分けられると補足しています。悲壮に演じるか、笑い話に変えるかの違いです。どちらも自分からは動かないという点では同じですが。

ヴィクティムの詳細を読む

Si|ケアリング(世話役)

自我ブロックにSiを持つ4タイプです。

ESE SEI LSE SLI

押すのではなく、なめらかに、からかいを混ぜながら距離を詰めます。話を聞き、体調を気にかけ、生活の面倒を見にいきます。世間はこれを「優しい人」と呼びます。

さて、ここからが本題です。

彼らの興味が続くかどうかは、相手がその世話を受け取ってくれるかで決まります。つまり彼らは、尽くしているのではありません。尽くさせてくれる相手を探しています。

(優しさは無償ではありません。受け取ってもらうという報酬で回っています。)

だから、露骨に攻めてくる相手には引きます。快適さが壊れるからです。

ケアリングの詳細を読む

Ne|チャイルドライク(子ども役)

自我ブロックにNeを持つ4タイプです。

ILE LII EII IEE

面白い。不思議。飽きない。他の型から見た評価は、だいたいこの3語に収まります。思いつきの会話と気まぐれな距離感で、関係に軽さを持ち込みます。

そして同時に、こうも言われます。可能性の話ばかりして、一歩も踏み出さない、と。

世話を焼かれるのは好きです。世話を焼くのは、得意ではありません。異論のある人は、直近3回のデートで相手の体調を気にかけた回数を数えてみてください。

チャイルドライクの詳細を読む

相性は「持っていない要素」で決まる

4つを並べると、噛み合わせが露骨に見えてきます。

アグレッサー(Se)とヴィクティム(Ni)。ケアリング(Si)とチャイルドライク(Ne)。この2組は、そのまま双対関係のペアになります。

押す人と、押されたい人。世話を焼く人と、焼かれたい人。

身も蓋もないでしょう。でも、ソシオニクスの理屈からすれば当たり前です。人は自分の弱い側を埋めてくれる相手に安心する。だから、自分が持っていないものを持つ相手に引き寄せられます。

さて、ここで手を挙げる人がいます。「私はケアリングなのに、いつもアグレッサーばかり好きになる」と。

珍しくもなんともありません。

惹かれる相手と、長く一緒にいて消耗しない相手は、しばしば別人です。心臓が跳ねる相手と、家に帰って安心できる相手が一致する確率は、あなたが思っているほど高くありません。

そして、その食い違いこそが、恋愛が難しい理由のほぼ全部です。

男女で現れ方が変わる

ソシオニクスの度胸がわかるのが、ここです。

恋愛を語るときに、男女差を正面から扱っています。

グレンコは著書『Life Scenarios』で、4つの型それぞれについて男性版と女性版を分けて記述しました。

令和の日本では、まず誰も書かない書き方です。

たとえばケアリングの男性は、守るような口説き方で相手の内面に近づき、自分の経験や技能を認めてほしがる。ケアリングの女性は、自分の主導を受け入れてくれる相手を好み、支え、励ますことに喜びを見出す。同じSiでも、社会的な役割の違いで出方が変わる、という書き方です。

ただし、ここは目を細めて読んでください。

この記述はソ連崩壊前後のロシアで書かれたもので、当時の性別観がそのまま漬け込まれています。原典には、現代の日本語でそのまま紹介するには生々しすぎる箇所もあります。

そしてもう一点、これは強く言っておきます。

これらは傾向の記述であって、免罪符ではありません。「自分はアグレッサーだから」は、口説き文句としても、言い訳としても使えません。型は、あなたが相手の意思を無視していい根拠を、一行も提供していません。

タイプ論は、自分を説明する道具です。他人を押し切る道具ではありません。

男女で変わるロマンススタイルを読む

ここからが本題です

自分の型を確認して満足した人は、ここで閉じてもらって構いません。

ただし、その人はまた同じ相談を持ってきます。断言します。型の名前を知っただけの人は、必ず戻ってきます。

ロマンススタイルがなぜこの分け方になるのか。グレンコは、恋愛における振る舞いを「エロティックな態度」と呼び、自我ブロックの非合理要素だけを基準に16タイプを4つに束ねました。

この分類が異様なのは、クアドラの線を平然と踏み越えている点です。

ソシオニクスの分類は、たいていクアドラごとに閉じます。価値観の近い4人組でひとまとまり、というやつです。ところがグレンコは言いました。恋愛の場面では、価値観が違っても同じ動きをする連中がいる、と。

つまり、こういうことです。あなたと分かり合えない人間が、ベッドの上ではあなたと同じ挙動をする。分かり合えるはずの人間が、そこだけはまったく別の生き物になる。

(そう、あの人のことです。)

ちなみに、この領域を研究したのはグレンコだけではありません。ヴァレンティナ・メゲドやアレクサンドル・ブカロフも、親密な関係での振る舞いを論じています。ただし彼らはクアドラごとに整理しました。横に切ったのはグレンコだけです。

なお、この分類が効くのは恋愛と性的な関係の場面に限られます。友人関係や仕事のパートナーシップには、ほとんど当てはまりません。上司がアグレッサーだからといって、会議室で口説かれる話ではないので安心してください。(残念でしたね。)

なぜ「16タイプ」だけでは恋愛が読めないのか?

16Personalitiesで4文字を手に入れて、相性記事を片っ端から読んだ夜が、あなたにもあったはずです。

そして薄々気づいたはずです。書いてあることが、ふんわりしすぎている。

当然です。あの手の相性論は「似ているか、似ていないか」だけで組み立てられています。似ていれば安心、違えば刺激。以上。それ以上が出てこないのは、出す部品を持っていないからです。

ソシオニクスは組み立て方が違います。人間は、自分が弱い領域の情報を他人から供給されて初めて安定する。だから「何を差し出せて、何を欲しがっているか」の噛み合わせで関係を見ます。恋愛を、感情の相性ではなく、需要と供給の接続として扱うわけです。

ロマンススタイルは、その考え方を恋愛の場面だけに絞り込んだ、ごく一部の応用にすぎません。

本体は、モデルAと情報要素のほうです。そちらを理解すれば、恋愛だけでなく、職場でなぜあの人と噛み合わないのかまで一気に説明がつきます。恋愛だけを切り出して悩むのは、教科書の1ページ目だけを破いて眺めているようなものです。

まとめ

あなたの型はもう決まっています。ソシオタイプが分かっているなら、自我ブロックの知覚要素を見るだけで確定します。直す余地はありません。

直せないものを直そうとするから、恋愛はこじれます。直せないものを、先に知っておけばいいのです。

そして最後にもう一度だけ言います。

あなたが本当に必要としているのは、恋愛相談ではありません。ソシオニクスの基礎です。あの人の気持ちは私にも分かりませんが、あなたが何を差し出せて何を待っているのかなら、理論のほうが正確に答えます。

まずは自分の型の記事を読んでください。心当たりがありすぎて、少し嫌な気持ちになるはずです。

おめでとうございます。それが、当たっている証拠です。

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ここまでお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。

【お詫び】現在、ソシオニクスの記事は更新が追いついておらず、申し訳ありません

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木村なおき
木村 なおき
ソシオニクス診断専門家 / ENTp(ILE)デザイナー
ソシオニクス エニアグラム統合診断 生成AI制作支援 クリエイター支援
2021年よりエニアグラム×ソシオニクスの統合診断を開始し、 300名超のタイプ判定・個人セッションを実施。 強みと弱みを体系化・言語化し、キャリア・起業・対人関係の現場で 使える指針を届けることを信念としている。
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誰よりも実践を意識し、理論の美しさを崩さずに教える。 2025年からはソシオニクス単体でのセミナーと個人コンサルを本格始動し、 その普及に取り組んでいます。
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ENTp(ILE)デザイナーとしてのフリーランス経験を土台に、 現在は生成AIを活用した事業設計・制作支援の専門家として クリエイターや起業家の事業づくりをサポートしています。

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