内向直観(Ni)とは

内向直観(Ni)は、時間の流れや出来事の因果関係を把握する能力です。過去、現在、未来を直観的に感じ取り、出来事や行動の順序とその影響を理解します。Niは、時間の中で物事の進展を予測し、最適なタイミングを見極める能力を持つ情報要素です。

ソシオニクスのNi

ソシオニクスにおいて、内向直観(Ni)は、過去と未来のビジョンを持ち、出来事の背後にある無形の関係やパターンを認識する能力です。Ni型の人々は、未来の展望を心に描き、長期的な計画を立てるのが得意です。

時間の流れを超越し、潜在的な変化を見抜くことができます。

MBTIの内向直観(Ni)との違い

MBTIのNiは、過去と未来のビジョンを持ち、出来事の背後にある無形の関係やパターンを知覚する機能です。対して、未来の展望を心に描き、長期的な計画を立てるのが得意です。時間の流れを超越し、潜在的な変化を見抜くことができます。

他者への影響

Niは、時間の流れを見通し、未来の可能性を予測することで、周囲の人々に洞察を与えます。Niを通して、長期的なゴールを描きます。

例えば、歴史的な出来事や過去の失敗から学び、同じ過ちを繰り返さないようにアドバイスができるようになります。

ソシオタイプのNi

先導(第1)機能としてのNi(IEIとILI)

Niを先導機能に持つ人々は、時間の流れや出来事の因果関係を自然に感じ取り、未来の可能性を見通す力を持っています。

例えば、IEIは、あるプロジェクトが将来どのように発展するかを直観的に理解し、適切なタイミングで行動を起こすことができます。ILIは、複雑な問題を時間の流れの中で分析し、最適な解決策を見つけ出す能力があります。

Niユーザーは、幼少期から未来の自分を見据えており、自分の理想を叶えるために、外界を無視して一心不乱に前に進んできました。

例えば、あるIEIは5歳の頃から20年後の自分の姿を見て、その姿になるように動いてきました。もしあなたが20代なら、20年前の自分を思い出してみてください。幼少期に描いた未来像に近づくためにどのように行動してきたかを振り返ると、Niの力が実感できるでしょう。

ILIもまた、将来の展望を見据えて合理的に動いてきました。人からどう思われるかは二の次で、自分のビジョンを実現することを最優先してきました。これにより、長期的な計画を立て、それを実行に移す力が養われます。

創造的(第2)機能としてのNi(EIEとLIE)

EIEやLIEは、興味を持っている状況や話題が将来どう発展するかを予測するのが好きです。彼らは高度に発達した内向直観(Ni)を使って、自分の進むべき道を調整しています。Niを使う目的は、単に未来を見通すことではなく、より重要な目標や活動を達成するための手段として活用することです。

例えば、EIEは新しいプロジェクトがどのように進むかを予測し、その予測に基づいて計画を立てます。LIEはビジネスの成長を見越して、新しい市場に進出するタイミングを計ります。これはまるで運転中にハンドルやブレーキを使って、目的地に向かって進むようなものです。

EIEやLIEは、未来を見据えながら具体的な行動を取ることで、目標に向かって進んでいきます。彼らのNiは、現状を超えて新しい可能性を見つけ出し、それを実現するための道筋を示してくれる重要なナビゲーションシステムのような役割を果たします。

役割(第3の)機能としてのNi(SEIとSLI)

SEIやSLIは、未来の展開を予測する必要性を感じつつも、これまでのパターンや目の前の出来事に気を取られがちです。今が快適であるため、その状態を維持したいと考えます。未来を予測すると気分が滅入ることが多いため、極力見たくないという傾向があります。良くも悪くも、SEIやSLIは「今を生きる人」です。

例えば、SEIは現在の生活が心地よいと感じているため、将来の計画に時間をかけるよりも、今の楽しさや快適さを優先します。具体的な未来のビジョンを描くのが苦手で、目の前の快適さを守ることに集中します。

一方、SLIは仕事の現在の状況に満足しているため、長期的な目標を設定することに抵抗を感じることがあります。未来を考えると不安が募るため、今の状況を維持し、改善することにエネルギーを注ぎます。SLIもまた、今を楽しみ、目の前の課題に対処することを重視するタイプです。

このように、SEIやSLIは未来の不確実性に対して敏感であり、現在の快適さを大切にするあまり、長期的な計画を避ける傾向があります。

脆弱(第4の)機能としてのNi(ESEとLSE)

ESEとLSEは、Niに苦手意識を持ちやすいです。彼らにとって、Niは恐怖をあおる占い師のような存在です。Niが示す未来の予見は、今下した判断が失敗する未来を暗示し、恐怖や不安を引き起こします。脆弱機能としてのNiに触れることで、この瞬間の判断が鈍り、自己否定モードに陥ることが多いです。

例えば、ESEは仲間たちと一緒に最高の時間を過ごしています。しかし、未来のリスクや展望を考えると、人が離れていく不安や恐怖が募り、感情が鈍ります。ESEにとって、Niの予見は、いまの楽しさや快活さを奪う存在なのです。

同様に、LSEも目の前の問題解決に専念しますが、長期的な計画を立てる際にNiの要素が入ると、計画の不確実性に対する恐怖を感じます。LSEは、確実性のない未来の展望よりも、今すぐ解決できる現実的な問題にフォーカスしたいと考えます。

ESEとLSEはNiが苦手であり、未来の展望を考えるよりも現在のタスクに集中する方が得意です。Niに触れることで自己否定モードに陥ることが多いため、未来を考える際には慎重さが求められます。

暗示(第5の)機能としてのNi(SLEとSEE)

Niを示唆的に持つ人々は、未来の展望を示してくれる人々に強く惹かれます。

例えば、SLEは戦略的なアドバイスを提供してくれるメンターを尊敬し、その指導に従うことを好みます。SEEは、未来の可能性を見抜くことができるパートナーを見つけ、その人の意見を大いに参考にします。

一方で、SLEやSEEは衝動で動くため、Niの存在はよきメンターとなります。両タイプとも、アクセル全開で今を全力疾走している状態であり、いつかは事故ると認識しています。そのタイミングを適切に示してくれるNiのアドバイスは喜んで受け入れるでしょう。

動員(第6の)機能としてのNi(LSIとESI)

Niを動員機能に持つ人々は、外部からの評価を必要とし、それに基づいて行動します。

例えば、LSIは、プロジェクトの進行状況を外部の専門家に評価してもらい、そのフィードバックをもとに次のステップを計画します。ESIは、未来の展望について外部の意見を聞き、それに基づいて行動を起こします。

無視(第7の)機能としてのNi(ILEとIEE)

Niを無視する人々は、未来の可能性よりも現在の多くの可能性に集中します。例えば、ILEは新しいビジネスアイデアを次々と考え、その中から最も興味深いものを選びますが、長期的な計画はあまり立てません。IEEも現在の状況に基づいて新しいプロジェクトを始めることを好みますが、未来の展望にはあまり関心を持ちません。

無視機能自体がNi的な要素を持っているため、ILEとIEEは自身のNiに気づきにくいのです。Neユーザーは次々と新しい可能性が思い浮かびますが、自身のアイディアを実現できずにキャパオーバーになることが多いです。Niが適切に働けば、過去の失敗を思い出させ、同じ失敗を繰り返さないように警告してくれます。このタイプにとって、Niは心地悪いかもしれません(だから無視するのです)。しかし、この機能を味方にできれば、アイディアの拡散を防いでくれます。

Niは精神安定剤のような役割を果たし、Neユーザーにとってバランスを取るために重要な機能となります。

証明(第8の)機能としてのNi(LIIとEII)

LIIやIEEにとって、Niは強力な機能ですが、使いたくないと感じることが多いです。両タイプとも未来の世界について話すことはありますが、そこに自分の感情や思考が反映されていないように感じるため、定められた未来に向かっていくことには抵抗を覚えます。しかし、実際にはLIIやIEEは未来の世界を鮮明にイメージする能力を持っています。

LIIはTi×Neを使い、EIIはFi×Neを使って、未来を塗り替えたいという強い意志があります。これは決して悪いことではありません。新しい可能性を模索し、独自のビジョンを持つことは、社会にとって非常に重要です。しかし、もう少しNiを頼ってみることで、今描いている未来を現実のものとする確率が高まるかもしれません。

Niを信じることで、現実に基づいた戦略的な視点を得られ、理想的な未来への道筋がより明確になるでしょう。LIIやIEEがNiを少しでも取り入れることで、自分たちのビジョンが現実になる可能性が高まります。

内向直観(Ni)を育てる方法

他の真理機能の力を借りて「見える化」すること

内向直観(Ni)の力を効果的に育てるためには、他の真理機能(例えば、外向思考(Te)や外向感情(Fe))の力を借りて、見えにくい未来のビジョンを具体的にすることが重要です。自分の未来予測や洞察を他の人と共有し、フィードバックを受け取ることで、抽象的なアイディアを具体的な計画に変えることができます。

自ら行動すること

内向直観(Ni)の持つ未来予測の力を単なる不思議な能力で終わらせず、実際の行動に移すことが大切です。未来のビジョンを現実にするために必要なステップを考え、実際に行動を起こすことで、Niの能力を現実的な力として活用することができます。

知識や教養を仕入れること

内向直観(Ni)を育てるためには、幅広い知識や教養を身につけることも重要です。歴史、哲学、科学などの知識を深めることで、未来の洞察力がより深く、具体的になります。また、偏った視点や中二病的な考え方を避けるためにも、バランスの取れた教養が必要です。

実際のNiユーザーの特性

実際のNiユーザー(INTJやINFJ、ソシオニクスではILIやIEI)は、自らをそのタイプと名乗ることは少なく(但し、Twitterは除く)、気づくのは数年後のことが多いです。Niはネット性格界隈で特別感があり人気のある機能ですが、混乱を招くこともあります。幼少期から虎視眈々と、自分の描いた未来を実現させるためにコツコツと動けた人たちこそが本当のNiユーザーです。

Niユーザーには、自分が幼少期に描いていた未来の姿になっているかを自問自答してみてほしいです。これにより、自分の内向直観の力を再確認し、その未来予測の実現度合いを評価することができます。これこそが、Niの真の力を理解し活用するための第一歩です。

おまけ:INTJさんへ&INFJさんへ

もしもあなたがINTJ(ILI)やINFJ(IEI)なら、これまで独りで生きてきたかもしれません。

独りの限界に直面したとき、ソシオニクスは助けになるでしょう。

ソシオニクスを活用することで、自分のタイプと他者のタイプを理解し、より良い協力者と繋がる方法を知ることができます。Niの力を最大限に引き出すためには、内省と洞察を通じて、今後先の姿を具体化して、あなたの未来創造に協力してくれる仲間を見つけることが大切になってきます。

16personalities/MBTIから
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ソシオスクール

木村なおき

2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。

ソシオニクス記事一覧

ソシオタイプ
ILE(≒ENTP)SEI(≒ISFJ)
ESE(≒ESFJ)LII(≒INTP)
SLE(≒ESTP)IEI(≒INFJ)
EIE(≒ESFJ)LSI(≒INTP)
SEE(≒ESFP)ILI(≒INTJ)
LIE(≒ENTJ)ESI(≒ISFP)
IEE(≒ENFP)SLI(≒ISTJ)
LSE(≒ESTJ)EII(≒INFP)
モデルA/心理機能

メンタルブロック

1.先導機能2.創造機能
4.脆弱機能3.役割機能

バイタルブロック

6.動員機能5.暗示機能
7.無視機能8.実証機能
情報要素

合理機能

外向論理(Te)外向倫理(Fe)
内向論理(Ti)内向倫理(Fi)

非合理機能

外向直観(Ne)内向直観(Ni)
外向感覚(Se)内向感覚(Si)

筆者紹介

木村なおき

ソシオニクス歴4年。本業エニアグラムでMBTI®に興味を持つが、権利的な事情で断念。2020年にソシオニクスに出会い独学で勉強。2021年にソシオニクス専門のブロガーさんからソシオニクスの理論を教わり、その後すぐにエニアグラム×ソシオニクスの二刀流でタイプ診断に臨む。

診断実績は200を超える(エニアグラムとセット)

2024年4月に16タイプ相性論の講座を開講したときに、「これ…ソシオニクスでやったほうがよくね!」と気づき、本格的にソシオニクスを取り入れる。

クアドラ診断、タイプ診断、タイプ関係論をセットにすると、日本でいちばんソシオニクスを診断をしてきたい人(他に誰かいたら教えてください)

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