ソシオニクスのガンマクアドラとは?

みなさんは、会社の中でも自分らしく働き、主体性を発揮できる環境を求めていますか?
例えば、フラットな環境で、個人の強みが活きる裁量がある環境は魅力的ですよね。そんな「組織の中の自由人」として活躍するのが、ガンマクアドラです。
ガンマクアドラは、4つのクアドラの中でもフリーランス/個人事業主の働き方と最も相性が良いグループです。肩書きや年功序列よりも、実力や結果を重視し、実力次第では主導権を握ることができます。
ガンマの理想は、各人が自分の得意分野で自律的に動き、互いの専門性と独立性を最大限発揮できる環境です。
組織の中でも、「この仕事は自分のキャリアにどう活きるか」「自分の能力をどう高められるか」という視点を常に持ち、組織への依存度は比較的低めです。まるで社内フリーランスのように、自分のスキルと成果で評価を勝ち取ることを好みます。
- フレックスタイム制を活用して自分のペースで働ける
- リモートワークとオフィスワークを自分で選択できる
- 会社と個人は対等な関係である!と自信を持って言える
実際、多くのガンマクアドラの人々は、キャリアの中で会社員からフリーランスへ移行したり、複業を始めたりする傾向があります。そんな自立的な個人が自分の力を大いに発揮できる環境ですが、実力が伴わなければ生き地獄です。
ガンマクアドラの住人
ガンマクアドラは、Se(外向感覚)、Fi(内向倫理)、Te(外向論理)、Ni(内向直観)を優先価値とするタイプで構成されています。
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外交官

SEEは、瞬発力と対人関係力に長け、物事を円滑に進めるのが得意です。人々の感情を本能で察知して、すぐさま合意形成を取りながら、自分のペースで物事を進めていく胆力があります。いつの間にかチーム・顧客を自分の味方に惹きつけています。
ガンマクアドラの交渉担当です。
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分析家

ILIは、将来の予測を立て、最短最速で結果を手にするためのシナリオを描く戦略的思考の持ち主です。複雑な状況を分析するに長け、市場の変化や競合の動きを把握して、戦略-戦術-実行計画を緻密に練り上げます。
ガンマクアドラでは、戦略家としてその役割を担います。
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経営者

LIEは、論理的思考と胆力を兼ねそろえ、チームの目標を達成していきます。全体を俯瞰しながら、現在のリソース(ヒト、モノ、カネ、情報、時間)を最適に配分して、必ず結果を残していきます。
ガンマクアドラの組織・チーム統括担当です。
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守護神

ESIは、個人の価値観と社会的倫理を重んじます。自分の信念や正義に基づいて判断を下しながらも、チーム全員から納得を頂けるように水面下で動きます。ひとりひとりの気持ちに配慮して、各々が目的や意義を見失わないように導くんですね。
ガンマクアドラのコンプライアンス担当です。
ガンマクアドラについて学ぶことで、個人の自由と自律性を尊重しながら、深い絆で結ばれた関係を築くことの大切さを実感しました。
自分の価値観を大切にしつつ、他者の考えにも耳を傾ける姿勢が、より良いコミュニケーションにつながるのだと思います。
一人ひとりの個性を認め合い、お互いを高め合える関係を築くことで、社会はもっと豊かになるのではないでしょうか。
ガンマクアドラの特徴を理解し、自分らしさを発揮しながら、周りの人とのつながりを深めていくことが大切ですね。
ガンマクアドラの属性
民主的
ガンマクアドラは、メンバー間の平等性を大切にします。
上下関係にとらわれず、一人ひとりの意見を公平に扱うことを心がけるのです。
例えば、会議では全員に発言の機会を与え、少数意見も尊重しながら、合意形成を図るような姿勢が見られます。
ポイント: メンバー間の平等性を大切にし、公平に意見を扱う
決断型
ガンマクアドラは、迅速な意思決定を好みます。
必要な情報を収集し、適切なタイミングで判断を下すことを得意とするのです。
例えば、市場の変化に素早く対応し、新たな戦略を立てて実行に移すような場面で、その決断力の高さが発揮されるでしょう。
ポイント: 迅速な意思決定と行動力を発揮する
客観主義
ガンマクアドラは、客観的な事実を重視します。
主観的な印象よりも、データや論理に基づいて物事を判断することを大切にするのです。
例えば、プロジェクトの評価において、数値化された結果を冷静に分析し、改善策を導き出すような姿勢に、その客観主義の性質が表れています。
ポイント: 客観的な事実とデータを重視する
クアドラコンプレックス:束縛される恐怖

ガンマ・クアドラの人々が共通して持つ不安や恐怖のことで、「自分の能力を発揮できる自由が制限されること」への強い恐れです。ガンマクアドラにとって、自分の自由や主導権の喪失は、人生そのものを奪われることに等しいのです。手を縛られて身動きが取れなくなるような恐怖です。
なぜガンマ・クアドラは「手が縛られること」を恐れるのか?
ガンマ・クアドラには3つの特徴があります:
- 民主主義(NT,SF):未来の可能性(NT)を重視し、仲間たちを選ぶ
- 決断主義(Se-Ni):数年後に夢を叶えるため、この瞬間を全力疾走する
- 客観主義(Te-Fi):何ができる(Te)を重視し、ドライな付き合うを好む(Fi)
これらの特性から、ガンマ・クアドラの人々は「行動の自由」「創造的自己実現」「実績による評価」をとても大切にします。各々が自分の夢を追っかけて、ひとりひとりが独立していることが望ましいです。逆に、馴れ合いや足の引っ張り合い、鶴の一声などで自分たちの活動を制限されることに対して激しく抵抗をするのです。
各タイプとコンプレックスの関係
SEE(ESFp)の恐れ
SEE(ESFp)は行動力と意志力に富み、持ち前のフットワークを武器に、自分の影響力を最大化させることでグループで主導権を勝ち取っていきます。自由であればあるほど、SEE(ESFp)は、水を得た魚のようになります。
恐れること:
- ルールや前例にがんじがらめにされ自由に動けない
- 家庭、職場の人間関係が原因で制限を受ける事
- 「いま」「この瞬間」に動けない事
具体例: 企業の規則や上司の干渉によって、行動が制限されると感じた時に、SEE(ESFp)は強い焦燥感を感じます。特に、「前例がないから却下」は、SEE(ESFp)にとっては理不尽極まりない状況と言えるでしょう。一発で退職理由になりますし、場合によっては外国に行くかもしれません。
ILI(INTp)の恐れ
ILI(INTp)は深い洞察力を持ち、将来の展望を見通し、戦略を設計するタイプです。頭脳プレイを得意とし、持ち前の洞察力、分析力、戦略的思考で人々に成功と自由の道筋を提供します。
恐れること:
- 自分の知識、分析、考察、着眼点が軽視される事
- 皆が自分の指示に従ってくれない事(従えない事を含む)
- 能力が低い事…自分より優れている人が近くにいる事
具体例:ソシオ界隈の例で恐縮ですが…SNSなどでソシオニクスの考察をしているとき…自分よりも考察ができる人が目の前に現れたときに、ILI(INTp)は焦ります。ILI(INTp)は自分の考察や洞察には自信を持っていますが、言葉のキャッチボールに対ししては苦手意識があります。強引な事を言うなら、ILI(INTp)は、自分の洞察や考察を黙って聞いてくれるリスナーを求めています。これが理由で、グループやコミュニティから抜けたり、アカウントにカギをかけたILI(INTp)はたくさんいます。
LIE(ENTj)の恐れ
LIE(ENTj)は行動的で、ビジネスチャンスを見つけて実行することに喜びを感じるタイプです。将来の可能性を見出しながらも、一心不乱に事業や組織を育てることで「一国一城の主である」という手ごたえを感じていたいです。組織の大小問わず、メンバーを率いて指揮権を得ることで、自由を感じたいのです。
恐れること:
- 時間や空間、情報への制約を受ける
- リソース(ヒト、モノ、カネ)が枯渇する事
- 部下が自分の命令に従ってくれない事
具体例:副業解禁…でも会社に許可を出すのは就業規則!というルールを押し付けられた知人のLIE(ENTj)氏は、会社に許可を出さずに副業をする道を選びました。なぜ、自由時間に副業をするのに会社に許可を出さなければアカンねん!というのがLIE(ENTj)氏の捨て台詞。因みに、本業はシステムエンジニア,,,副業で人材紹介業をしています。
ESI(ISFj)の恐れ
ESI(ISFj)は誠実で、高い倫理観と規範意識を大切にしています。と…同時に、自分が心の底から担いたい役割を最後まで全うするクソ頑固さがあります。(WikisocionのGulenkoのESIのお勧めの職業がバックオフィス×高度専門職に多いことから頷けます)
恐れること:
- 自分のペースで働かせてくれない事
- 自身の倫理/規範より組織の都合を重視される
- 自分の持ち場を他人から干渉される事
具体例: 寡黙でマジメなタイプですが、個人の自由や担当範囲を頑なに守ります。第三者の介入で、自分の仕事や役割を奪われたときに、ESIは自分の手が縛られたような深い喪失感を覚えます。例えば、組織にありがちな学閥やジェンダーの問題は、ESI(ISFp)にとっては耐えがたい苦痛です。転職するかもしれません。(それ前提で人生設計をしています)
日本社会とガンマ・クアドラのコンプレックス
日本社会には「手続き重視」「リスク回避」「前例踏襲」という特性があります。これはガンマ・クアドラの「縛られた手コンプレックス」を強く刺激する環境と言えるでしょう。
例えば:
- 起業や独立への高いハードル(資金、許認可、前例の少なさ)
- 企業内での創造性よりも伝統を重視する文化
- 今の行動に対して何らかの制限をかけられる事
これらは全て、ガンマ・クアドラの「縛られた手コンプレックス」を刺激します。
手が縛られる恐怖
ガンマ・クアドラにとって、能力を発揮できないことの恐怖は極めて鮮明です:
- 可能性の喪失:自分の才能や能力が埋もれていく焦燥感
- 時間の無駄:意味のない仕事や活動に時間を浪費する苦痛
- 成果の欠如:努力が実を結ばず、成功体験を得られない空虚感
- 専門性の衰え:スキルを使わないことによる能力低下への恐れ
- 経済的自立の喪失:好きな仕事ができないことによる経済的不安
「縛られた手」から脱する戦略
ガンマ・クアドラの人々は「手が縛られる状況」への対策として、以下のような方法を発展させました:
- 独立・起業:他人に縛られない自分の城を築く
- 複数の収入源:一つの組織や人に頼らない経済的自立を確保する
- 専門性の確立:代替不可能な専門家になることで発言力を高める
- 行動による結果証明:実績を示すことで自由な裁量を獲得する
危険なパターン:コンプレックスの負の側面
コンプレックスへの恐れが強すぎると、以下のような問題行動も発生します:
- パートナーや同僚の活動を妨害して自分の自由を確保しようとする
- 物質的資源を独占して他者の可能性を制限する
- 自己防衛のために不誠実な行動をとる
- 責任から逃れながらも権利は主張する
まとめ
ガンマ・クアドラにとって、「手が縛られること」は単なる不便ではなく、自分の存在価値や人生の意義が奪われるような深い恐怖です。彼らは「行動の自由」「創造的自己実現」「実績による評価」を非常に重視し、それが損なわれることに強い不安と抵抗を感じます。
日本社会は近年、働き方改革やフリーランスの増加など、ガンマ・クアドラの価値観と親和性のある変化を見せていますが、まだまだ「手を縛る」要素が多い社会です。ガンマ・クアドラの人々が自由に能力を発揮できる環境づくりは、社会全体の創造性と生産性向上につながるでしょう。
筆者の見解
ガンマクアドラの特徴は、現代社会で求められる自律型の人材像と重なる部分が多いと感じます。
個人の能力を最大限に発揮し、状況に応じて柔軟に対応できる彼らのスタイルは、変化の激しい時代に適したものと言えるでしょう。
ただし、自由を追求するあまり、他者への配慮を忘れてはならないはずです。
個性を尊重しつつ、互いに歩み寄る姿勢を大切にすることが、ガンマクアドラにとっての課題ではないでしょうか。
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2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。
筆者紹介

木村なおき
ソシオニクスを研究し始めて5年。本業はフリーランスのウェブデザイナーとして、IT・デザイン業界の現場でソシオニクスを実践的に活用 しながら活動。MBTI®にも関心を持つが、権利的な制約を踏まえ、より体系的で実践的なソシオニクスの探究へとシフト。2021年には、国内のソシオニクスの第一人者から直接学び、理論と実践の両面を深める。
現在は エニアグラム×ソシオニクスのハイブリッド診断 を強みに、タイプ論を統合的に扱う専門家として活動。これまでに 200名以上のソシオニクスのタイプ診断を実施。
現在、日本で最も体系的にソシオニクス診断の専門家として、現場での実践を重視した診断・教育・研究 に取り組んでいる。(もし同じ分野で活動されている方がいれば、ぜひ情報交換しましょう!)
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