外向倫理(Fe)とは?
ユングの心理学では、外向倫理(Fe)は、感情や気分に関する情報を知覚し、他人にその感情を伝える力を意味します。この機能は、外向的で動的な要素であり、感情を通じて他者と相互作用することに重点を置いています。
ソシオニクスの解釈
ソシオニクスでは、Feは人の感情的な状態を敏感に察知し、それを適切に表現する能力とされています。Feが強い人は、他人の感情を読み取り、自分の感情を効果的に表現することで、周囲の人々に影響を与えます。
この機能を適切に使うことで、感情のエネルギーが高い情動空間を作り出し、人々を動かすことができます。
MBTIの外向感情との違い
MBTIでも外向感情(Extraverted Feeling, Fe)は似たような概念ですが、ソシオニクスのFeはより具体的に感情の流れや他者への影響を重視しています。
MBTIのFeは、人間関係や社会的な和を重視し、他者との調和を図ることが目的とされるのに対し、ソシオニクスのFeは感情の変化や影響力に重点を置いています。
他者への影響
Feが強い人は、他者の感情に強い影響を与えることができます。例えば、笑顔でいると周囲の人々も明るくなり、逆に怒りを示すと周囲が緊張します。このように、感情表現は他人の感情や行動を直接的に変える力を持っており、集団の感情的な雰囲気を作り上げるのに重要な役割を果たします。
ソシオタイプ別のFe
先導(第1)機能(ESEとEIE)
ESEとEIEはFeを積極的に活用し、自分が得意だと感じています。
感情の流れを読み、それを理想的な方向に導く能力があるからです。
ESEの人がパーティーに参加すると、場を盛り上げるためにジョークを言ったり、皆を笑わせたりします。EIEの人は、真剣な場面では周囲の人々を集中させるために、適切な感情表現を使います。
周囲の人々は感情に影響され、積極的にその場に参加するようになります。
創造(第2)機能(SEIとIEI)
SEIとIEIはFeを人生を切り開くための手段として活用しています。
周囲の感情的な雰囲気を敏感に察知し、それを適切に調整することで、自分の幸福感を高めるからです。
SEIの人は、友人が落ち込んでいると感じたときに、軽い冗談を言ってその場を和ませます。IEIの人は、長期的な関係を考えて他人の感情状態を配慮し、適切なサポートを提供します。
周囲の感情的な安定を保ち、自身も安心できる環境を作り出します。
役割(第3の)機能(LIEとLSE)
LIEとLSEは社会規範上、Feを必要としますが、本音ではあまり使いたくありません。
集団の雰囲気に順応するために、感情的な表現を求められることが多いからです。
LIEの人は、チーム会議で笑顔で参加し、肯定的な発言をして場を和ませます。
LSEの人は、同僚とのランチタイムに気の利いた話題を提供して皆をリラックスさせます。
集団の中で良好な関係を維持しようと努力しますが、内心では感情的な表現を避けたいと感じています。
脆弱(第4の)機能(ILIとSLI)
ILIとSLIにとってFeはコンプレックスであり、刺激されたくない機能です。
感情の誇示が苦手で、批判を受けやすくなるためです。
ILIの人は、感情的な議論の場でも冷静さを保ち、必要以上に感情を表に出しません。SLIの人は、感情的な集まりには参加せず、静かに観察するだけです。
感情的な衝突を避け、安定した人間関係を保とうとします。
暗示(第5の)機能(LIIとLSI)
LIIとLSIはFeを他者から満たしてもらうと喜びます。
感情的な解放を求めることが難しく、ストレスが溜まりやすいためです。
LIIの人は、ストレスが溜まると無口になり、突然の敵意を示すことがあります。LSIの人は、感情を表現しやすくする友人と過ごすことで、ストレスを解消します。
感情的なバランスを保つための工夫をしています。
動員(第6の)機能(ILEとSLE)
ILEとSLEはFeを他人に頼りながら、一緒に使いたいと考えます。
他人の感情的な主導権を求め、自分では感情的な雰囲気を作り出すのが苦手だからです。
ILEの人は、友人が集まる場で他人が楽しそうにしているのを見るのが好きですが、自分ではその場を盛り上げるのが苦手です。SLEの人は、パーティーを開いて皆を楽しませたいと思いますが、この機能が得意な人に頼ることが多いです。
感情的な充足を求めるために他人に頼ることが多いです。
無視(第7の)機能(ESIとEII)
ESIとEIIはFeを無意識に無視しますが、ピンチになると使用します。
内面的な感情が強く、特定の社交的な場面ではその感情を抑えるのが難しいからです。
ESIの人は、嫌いな人がいるときには表面的に礼儀正しく振る舞いますが、内心では否定的な感情を抱えています。EIIの人は、楽しい集まりでも内面的な不満があると、その雰囲気に積極的に溶け込むことができません。
感情的な雰囲気を維持するのが難しいことがありますが、非常事態には感情を表に出して対応します。
証明(第8の)機能(SEEとIEE)
SEEとIEEはFeを簡単に使えますが、当たり前すぎて価値を置いていません。
感情的な雰囲気を大切にし、自らそれを促進する能力があるからです。
SEEの人は、友人との集まりで積極的に冗談を言ったり、楽しい話題を提供します。IEEの人は、新しい人と出会うときにその場を和ませるために、笑顔や温かい言葉を使います。
積極的に感情的な雰囲気を作り出し、周囲を明るくしますが、意識的に使うことでさらに潜在能力が開花します。
この機能を育てる方法
Feを育てるためには、まず感情の表現に慣れることが重要です。
日常生活で自分の感情を正直に表現する練習をすることで、感情を他人に伝えるスキルが向上します。また、他人の感情に対する敏感さを養うために、観察力を高めることが必要です。周囲の人々の感情を読み取る練習をすることで、Feの機能をより効果的に活用できるようになります。
さらに、感情的な場面で積極的に関わり、他人の感情にポジティブな影響を与える経験を積むことが大切です。
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2024年5月から、主催者:ヤマセミさんのソシオニクススクールでソシオニクスを学ばせてもらっています。また、個人でソシオニクスのテキストを作っています。無料で配布しているので、是非ともLINEオープンチャットにお越しください。
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筆者紹介
木村なおき
ソシオニクス歴4年。本業エニアグラムでMBTI®に興味を持つが、権利的な事情で断念。2020年にソシオニクスに出会い独学で勉強。2021年にソシオニクス専門のブロガーさんからソシオニクスの理論を教わり、その後すぐにエニアグラム×ソシオニクスの二刀流でタイプ診断に臨む。
診断実績は200を超える(エニアグラムとセット)
2024年4月に16タイプ相性論の講座を開講したときに、「これ…ソシオニクスでやったほうがよくね!」と気づき、本格的にソシオニクスを取り入れる。
クアドラ診断、タイプ診断、タイプ関係論をセットにすると、日本でいちばんソシオニクスを診断をしてきたい人(他に誰かいたら教えてください)