コミュニケーションスタイル|ソシオニクスが分類した「近づき方」の4つの型
ソシオニクスには、人との距離の詰め方を4つに分類する「コミュニケーションスタイル」という枠組みがあります。出典はヴィクトル・グレンコの論考『Life Scenarios』。判定基準は、外向か内向か、そして自我ブロックの判断要素が論理か倫理か、この2点だけです。
そして先に結論を言っておきます。この4つと、ロマンススタイルの4つを掛け合わせると、16タイプがぴったり1つに決まります。
ロマンススタイルだけでは、半分しか分からない
先日、ロマンススタイルの記事を公開しました。恋愛相談を二度と受けなくて済むように理論をまとめておく、という趣旨のやつです。
案の定、質問が来ました。「自分はケアリングらしいが、そもそも人に近づけない」と。
そうでしょうね。当たり前です。
ロマンススタイルが説明しているのは、付き合ったあとの話だからです。相手との関係が成立して、距離が縮まって、そこであなたがどう振る舞うか。押すのか、待つのか、世話を焼くのか、面白がらせるのか。全部、始まってからの話です。
始まる前は、何も説明していません。
そこを担当するのが、コミュニケーションスタイルです。誰にどう近づくか。どんな合図を出すか。そもそも自分から出すのか、出さないのか。
つまり、こうです。
近づき方がコミュニケーションスタイル、近づいたあとがロマンススタイル。あなたの恋愛が毎回同じところで止まるなら、止まっている場所がどちらなのかを、まず特定してください。
まず、あなたのスタイルを確定させます
理屈は後回しにします。見るのは2箇所だけです。
自分のソシオタイプが外向か内向か。そして自我ブロック(第1・第2機能)の判断要素が論理(Te・Ti)か倫理(Fe・Fi)か。
- 外向 × 倫理 → 情熱型(SEE・IEE・ESE・EIE)
- 外向 × 論理 → 実務型(LSE・LIE・SLE・ILE)
- 内向 × 論理 → 冷血型(ILI・SLI・LII・LSI)
- 内向 × 倫理 → 誠実型(EII・ESI・IEI・SEI)
以上です。あなたのコミュニケーション能力も、場数も、判定には関与しません。
4つのコミュニケーションスタイル
情熱型(Passionate・ER)
自分の好き嫌いに自信があり、隠しません。感情をそのまま持ち込んで、場の温度を上げて距離を詰めます。グレンコの言い方では「能動的に感情を探す」姿勢です。
非公式な場での社交性は4スタイル中で最高。そしてグレンコは、この型が平均より早く結婚し、平均より頻繁に別れるとも書いています。回転が速いのです。
実務型(Business-like・PL)
活動を通じて人と接触します。感情は、人ではなく仕事や取り組みのほうへ向かいます。グレンコの言い方では「能動的に感情を待つ」姿勢。
つまり、動いてはいるのですが、動いている方向が恋愛ではありません。仕事の渦のどこかで、いい相手に出会えるはずだと本気で思っています。
冷血型(Cold-blooded・LP)
自分の感情に自信がなく、表に出すのを抑えます。非公式な場での社交性は4スタイル中で最低。グレンコの言い方では「受動的に感情を待つ」姿勢です。
待っています。合図は出しません。それで気づいてもらえると思っています。
誠実型(Sincere・RE)
相手は迷わず選べます。ただし内向なので、好意は間接的な合図でしか出しません。グレンコの言い方では「受動的に感情を探す」姿勢です。
探してはいるのです。ただ、探していることが相手に伝わる設計になっていません。
掛け合わせると、タイプが1つに決まる
ここがこの記事の山場です。
コミュニケーションスタイル4つと、ロマンススタイル4つ。この2つを掛け合わせると、16通りの組み合わせができます。そして、その16通りは、16タイプにぴったり一対一で対応します。余りも重複もありません。
見てください。この表には、性格の善し悪しも、恋愛経験の量も、努力の跡も入っていません。
近づき方と、近づいたあと。この2つを指定するだけで、あなたが誰なのかが確定します。
同じアグレッサーでも、情熱型のSEEと冷血型のLSIでは、恋の始まり方がまるで違います。前者は先に感情で場を掌握してから押します。後者は、押す準備が整っているのに、そもそも接触の合図を出しません。
「押しが強い人」と一括りにされてきたあなたの中身は、実は真っ二つに割れているわけです。
噛み合うのは、どの組み合わせか
グレンコは、この4スタイルの組み合わせごとに、関係がどう転がるかまで書き残しています。
もっとも安定するのは、実務型と誠実型の組。そして情熱型と冷血型の組です。
前者は、外向の実務型が動いて、内向の誠実型が角を丸める。後者は、情熱型が感情で押しても冷血型が動じず、そのうち勝手に熱が冷めて争いが自然消滅する。どちらも、放っておいても均衡が戻る構造になっています。
この2組の中に、双対関係のペアが4つ含まれます。LSEとEII、ILEとSEI、SLEとIEI、LIEとESI。
逆に、グレンコが厳しく書いているのが同じスタイル同士です。
情熱型と情熱型は、双方が感情で押し合い、どちらも譲らず、細かい非難が絶えません。実務型と実務型は、互いを自分の目的に使おうとして短く激しく衝突します。冷血型と冷血型は、そもそも争いも起きない代わりに、協力も起きません。
(誠実型同士だけは、共通の目的があれば強く結束するとされています。たとえば子育てです。それ以外はほぼ全部、静かな失望として書かれています。)
ここからが本題です
自分のスタイルを確認して満足した人は、ここで閉じてもらって構いません。ただし、その人はまた同じ相談を持ってきます。
コミュニケーションスタイルが、なぜこの4分割になるのか。
グレンコは各スタイルに記号を割り当てています。情熱型はER、実務型はPL、冷血型はLP、誠実型はREです。ここでEは感情の倫理(Fe)、Rは関係の倫理(Fi)、Pは実務の論理(Te)、Lは構造の論理(Ti)を指します。
そして記号の並び順が、そのまま自我ブロックでの配置を表しています。ERなら、Feが第1機能にあるか、Fiが第2機能にあるか。REなら、Fiが第1機能にあるか、Feが第2機能にあるか。
つまり、同じ倫理の型でも、感情を先に出すのか、関係を先に固めるのかで、近づき方が正反対になるということです。
ここまで来ると分かるはずです。近づき方は、性格でも技術でもありません。自我ブロックの配置が、そのまま外に出ているだけです。
コミュニケーション講座に何万円払っても、この配置は動きません。
動かないものに投資するから、毎回同じ壁にぶつかります。
まとめ
あなたが恋愛でつまずいている場所は、2つのうちどちらかです。
近づけないのか、近づいたあとが続かないのか。前者ならコミュニケーションスタイル、後者ならロマンススタイルの話です。この切り分けをしないまま「自分は恋愛が下手だ」と一括りにするから、何年経っても対策が立ちません。
そして、その2つを指定すれば、あなたのタイプは確定します。16分の1まで絞れます。
まずは自分のスタイルの記事を読んでください。近づけない理由が、性格の問題ではなく構造の問題だと分かるはずです。
気は晴れませんが、少なくとも自分を責める必要はなくなります。
ここまでお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。



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