誠実型(RE)|ソシオニクスのコミュニケーションスタイル
ソシオニクスのコミュニケーションスタイルのうち、内向かつ倫理の4タイプが「誠実型(Sincere)」に分類されます。出典はヴィクトル・グレンコの『Life Scenarios』。記号ではREと表記されます。
該当した人へ。あなたは相手を選べています。ちゃんと選べているのに、選んだことが相手に伝わっていません。今日はその話をします。
該当する4タイプ
内向の倫理型、4つです。この4タイプは、人への近づき方が同じです。
探しているのに、探していないように見える
REという記号は、自我ブロックの配置を表しています。関係の倫理Fiが第1機能にあるか、感情の倫理Feが第2機能にあるか。どちらかなら、あなたは誠実型です。
倫理が自我にあるので、人の好き嫌いの判定は正確です。この人は合う、この人は無理。その判断に、あなたはほとんど迷いません。
問題は、その先です。
内向なので、好意を直接ぶつけません。出るのは間接的な合図だけです。少し長く目を合わせる。連絡の頻度を上げる。相手の好きなものを覚えておく。そういう、静かで丁寧な信号です。
グレンコはこの姿勢を「受動的に感情を探す」と表現しました。探してはいるのです。ただし、探していることが相手のレーダーに映らない設計になっています。
近づき方
あなたの近づき方は、待ち方に見えます。
相手は選び終わっています。距離も測り終わっています。あとは相手が一歩踏み込んでくれば成立する、というところまで、あなたの中では準備が完了しています。
そして相手は、その準備の存在をまったく知りません。
グレンコは、この振る舞いを伝統的な社会で女性に期待されてきた作法になぞらえています。1990年代のロシアの記述なので、性別観の部分は割り引いて読んでください。ただし構造としては正確です。合図は出す。踏み込みは相手に任せる。この二段構えです。
うまくいくと、丁寧で美しい関係の始まりになります。
うまくいかないと、何も起きません。何も起きなかったことは記録にも残らないので、あなたの中には「そういうことが何度かあった」という感触だけが残ります。
この型の、いちばん静かな消耗
誠実型は、関係を心の結びつきの合図の交換として理解しています。だから、揉めごとが起きたときにまず自分の振る舞いのほうを調整します。
これは美徳です。同時に、消耗の入口でもあります。
グレンコは、誠実型が情熱型と組んだときの動きをこう書いています。両者とも倫理型なので、対立が互いにどれだけ負担かは理解している。ただし実際に自分の行動を変えるのは、誠実型のほうだけである、と。
譲る側が固定されると、関係は静かに傾きます。そして、あなたはそれを申し立てません。申し立てること自体が、関係を壊す行為に見えるからです。
(我慢は美徳ですが、無限に供給できる資源ではありません。あなたの在庫が切れるとき、相手は本当に何も気づいていません。)
噛み合う相手、疲れる相手
グレンコの整理で、誠実型が最も安定するのは実務型です。
外向の実務型が動き、あなたが角を丸める。内部で食い違いが起きても、相手が押し、あなたが受けて、関係の形が整い直ります。そして外からトラブルが来たとき、感情の側で先に消耗するのはあなたですが、それを実務型に渡せば、向こうが処理します。
この組の中に、双対ペアが4つ含まれます。EIIとLSE、SEIとILE、IEIとSLE、ESIとLIE。
情熱型とは、そこそこ噛み合います。ただし前述のとおり、折れるのはいつもあなたです。感情の嵐が過ぎれば平和は戻りますが、戻し方を担当しているのは常に片方だけです。
冷血型との組は、いちばん報われません。あなたは関係のために自分を調整し続けますが、相手はその調整に気づきません。気づかないので、感謝もされません。あなたは「自分ばかりが犠牲になっている」と感じ始めます。相手にはその自覚が一切ありません。
そして誠実型同士。衝突は避けられるので、表面上は穏やかです。ただし、いざ問題が起きると、互いに原因を相手の行動に見出します。妥協は早いのに、本音は最後まで出ません。
(ただしグレンコは、共通の目的があればこの組は強く結束するとも書いています。たとえば子育てです。関係そのものを目的にすると保たないが、守るべき対象があれば保つ、という構造です。)
ロマンススタイルと組み合わせる
近づいたあとの振る舞いは、ロマンススタイルが担当します。
誠実型の4タイプは、こう割れます。
- ESI → アグレッサー(押す)
- IEI → ヴィクティム(待つ)
- SEI → ケアリング(世話を焼く)
- EII → チャイルドライク(面白がらせる)
ESIを見てください。近づくときは静かな合図しか出さないのに、始まったあとは主導権を取りにいきます。周囲から「付き合ってみたら印象が違った」と言われがちなのは、この配置のせいです。
一方でIEIは、入口でも出口でも待ちます。この組み合わせだけは、誰かが動いてくれないと本当に何も始まりません。
まとめ
誠実型は、選ぶ型です。人を見る目の正確さは、4スタイルの中で群を抜いています。あなたの「この人は無理」という判定は、だいたい正しい。
ただし、あなたの「この人がいい」という判定は、相手に届いていません。届ける工程が、あなたの機能には含まれていないからです。
対策は書きません。ただ、あなたが丁寧に出してきた合図の大半は、相手には親切な人だなという印象としてしか届いていませんでした。
好かれていたのではなく、いい人だと思われていた。その差が、あなたの十年です。
ここまでお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。



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