実務家クラブ(ST)|手は動くが、話は続かない人たち
ソシオニクスのクラブのうち、自我に感覚と論理を持つ4タイプが「実務家(ST)」に分類されます。この分類を最初に適用したのはアウシュラとレイニン、活動分野への構えという呼び方をしたのはグレンコです。
該当した方へ。あなたの集まりは、4つのクラブのなかで最も実物が残ります。そして、いちばん会話が短い。
該当する4タイプ
SLE(ESTp) LSI(ISTj) LSE(ESTj) SLI(ISTp)
開拓者、番人、現場監督、職人。並べると、全員が現場に立っています。
この4人が集まると、何が起きるか
原典の記述は、こうです。
このクラブだけで集団ができると、交流はスポーツ活動か、手作業や工学に関わる案件の議論と協働を中心に組み立てられる。
そして、典型例として挙げられているのが車好きの集まりです。しかも、ただ乗るのではなく、自分の手で修理し、仕上げることが活動の核になっている集団。
要するに、対象物がないと成立しない集団です。
逆に、対象物さえあれば無限に続きます。エンジンでも、道具でも、練習メニューでもいい。真ん中にモノが置かれた瞬間、この4人は黙々と噛み合い始めます。
会話が目的ではありません。作業のあいだに会話が発生しているだけです。
あなたたちが、そろって苦手なこと
実務家クラブの自我には、直観も倫理もありません。
つまり、先の展望と、感情の機微。この2つが4人全員の空白地帯です。
具体的に書きます。
誰も「そもそも何のためにやっているのか」を問いません。手段の精度はどこまでも上がりますが、目的が更新されません。10年前と同じことを、10年分うまくやっているだけ、という状態がしばしば発生します。
誰も空気を扱いません。この集団では、意見の対立が発生したとき、内容の正しさで押し切ろうとします。相手の感情は計算に入りません。
そして、いちばん厳しいところを書きます。
この集団では、誰かが黙り込んでも、誰も追いかけません。追いかけないことが、この集団の礼儀だと思われているからです。実際、半分はそのとおりです。
残り半分は、単に扱い方が分からないだけです。
あなたが溺れているとき、隣の3人はあなたを見ています。そして、道具を渡すことは思いつきます。声をかけることは、思いつきません。
他のクラブを、あなたはこう見ている
原典に記録されている、実務家の目線です。これが4クラブのなかで、いちばん辛辣です。
研究者(NT):軽蔑と、警戒混じりの敬意です。実際の仕事や現実の場面では役に立たないと思っている。ところが、ときどき彼らが鋭い洞察や知識を出してくると、対応に困る。
社交家(SF):一緒にいると楽しい相手。ただし、中身が軽い。
人道派(NF):考えていることも信じていることも、まったく理解できません。あるいは、まったく理解できないという理由で、圧倒されるほど立派に見える。どちらかです。
(この二択の落差に、あなたたちの正直さが出ています。分からないものを、けなすか崇めるかしかできない。)
なお、これらの見え方が有効なのは、相手を活動と興味というフィルター越しに見ているあいだだけです。深く付き合うと、クアドラの関係に上書きされます。
この集団は、深まると割れます
実務家クラブも、重い側と軽い側に分かれます。
重い実務家はSLE(ESTp)とLSI(ISTj)。ベータクアドラの鏡像ペアです。軽い実務家はLSE(ESTj)とSLI(ISTp)。デルタクアドラの鏡像ペアです。
作業をしているあいだ、この4人は完璧に噛み合います。
ところが、交流が作業を越えた瞬間、集団はベータとデルタに割れます。
同じ「現実を扱う人」でも、目的が違うからです。ベータ側は、力と序列のある場所で勝ちにいきます。デルタ側は、無理なく続く仕事と安定した関係を求めます。
同じ工具を握っていた仲間が、独立や出世の話をきっかけに離れていく。理論的には、これがその瞬間です。
あなたのタイプを確定させる
クラブは関心の方向であって、動き方は含みません。動き方は気質が担当します。
これで16分の1まで確定します。
まとめ
実務家クラブは、実物を残せる唯一のクラブです。他の3つが議論と共感と理想で夜を明かしているあいだ、あなたたちは動くものを一つ完成させています。
その価値を、あなたは過小評価しています。周りが騒がしいので、地味に見えるだけです。
ただし、この集団はあなたの人生の方向を修正しません。
やり方の相談には全員が乗ってくれます。やめるべきかどうかの相談には、誰も乗れません。判断材料を持っていないからです。
そして、あなたが本当に参っているとき、この部屋の全員が気づかないふりをします。半分は配慮で、半分は無力さです。
道具を貸してくれる相手と、手を引いてくれる相手は、別にいます。
ここまでお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。



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