ソシオ日記|9月4日・5日のインフラ奮闘記
ソシオニクスとは関係ない個人的な日記です。

作業を終えた直後に、こう書き残しました。
ポストの中の「ひよこくん」は、私のことです。
140字では収まらなかったので、続きをここに書きます。
なぜ私が、これほどインフラエンジニアの方々に頭を下げたくなったのか?
その理由は、9月4日と9月5日の2日間に起きたことと、十数年前に私が投げ捨てた仕事の記憶にあります。
以下、その2日間の記録です。
9月4日|サイトが落ちた
正確に言うと、これは1日で終わった話ではありません。
前日の9月4日から始まっていました。
サイトが301エラーを返し、まともに表示されない時間帯が発生したのです。

10年運営してきたサイトが、突然開かなくなる。
この10年の積み重ねが水の泡となる…
冷静な切り分けなど、できたものではありません。
手が冷たくなって、思いついた順にあちこち触って、そのたびに「今の操作で余計おかしくなったのでは」と怖くなる。
原因はディスクの使用量です。
数のphysical Memory Usageをご覧ください。

満員で電車が動きません…という大事故です。原因は、本サイトでタブを50件ぐらい開いて同時並行で作業をしている事でした。
エニアグラム・16タイプ・ソシオニクスの記事を同時並行で処理していました。
9/4は朝から晩までずっとサイトを更新していました。
50記事同時に更新するだけでもサーバーには負荷がかかりますが、WordPressのようなCMS(コンテンツ管理システム)は、裏で色々なデータを自動的に処理してくれます。
1日に50記事のHTMLを更新してくれて、非常に便利ではありますが、リスクもあります。
システムをいじって、ひとつでもコードを間違うと、表示が一気に崩れる…場合によってはサイトが見えなくなる。
その最悪の事態に見事遭遇。
この事件が起きたのは深夜でした。
翌朝、サーバーの提供元に連絡をしたら10分で解決してもらえました。
本当にありがとうございました。
ここでプロのエンジニアさんならこう考えるはずです。
じゃあ、バックアップを取ればよくね?
9月5日|バックアップすら取れず
3通りぐらいの方法でバックアップを試みましたが、途中で処理が止まってしまう…という問題もありました。

Clone、Staging、Backup…とどれもできないやんけ…。
仕方ないので、WordPressのAll in One Migrationというサイトコピー×お引越しツールでひよこ君のすべてのデータをローカルPCに落とそうとしたら、この状態で5時間以上動きません。

この2,192,209って何だよ?データベースがひたすら重く、1日たっても終わりません。
サイトの大規模リニューアル、WordPressのテーマも意向…その前に絶対に取らなければならない、フルバックアップ。命綱です。
それが、74%で固まったまま、うんともすんとも言いません。
サーバーはMixhost。
エラーメッセージすら出ません。
ただ静かに、74%で止まっています。
ここで、正直に書いておかなければならないことがあります。
これはこの日に始まった話ではありません。実はこの1年、同じ現象がずっと起きていました。当時は72%。毎回きっちり72%で止まって、その先に進まない。
なお、サーバーサイドでバックアップも取りましたが、これも95%から動きません。

そして私は、それを放置していたのです。
「あとでやろう」「今は記事を書くほうが先だ」「まあ、今すぐ壊れるわけでもないし」と言い続けて1年です。
つまり私のサイトは、この1年間、バックアップが一度も取れていない状態で走り続けていました。10年分の記事も、読んでくださる方との接点も、収入の源も、全部その上に乗せたまま、命綱なしで。
書いていて、今さら背筋が寒くなります。
このとき私の頭に浮かんだのは、リニューアルのデザイン案でも、記事の移行計画でもありませんでした。
十数年前に、私が投げ出した仕事のことでした。
一応、元インフラ系エンジニア
20代のころ、私は銀行関連のシステムの保守運用をしていました。
某銀行の全国のATMのシステムの保守運用。
数字を入力すれば自動的にデータが反映してくれますが、あれも裏で大掛かりなシステムが動いています。そして、そのシステムをメンテナンスしている人間がいます。そういった人たちがいないと、銀行のATMは止まるかもしれません。そんな生活のインフラを支える仕事でしたが、20代の若造である私はこんな意識でした。
- つまらない、自分には向いていない
- 手順書がある。決められた通りにやるだけ
- 何も起きないのが正解…誰にも褒められない
- 何かを生み出した実感もなければ、スキルも積めない
時々、YoutubeなどでZ世代に関するコンテンツがありますが、当時の自分を見ているようです。
エニアグラムのタイプ3特有の「成果が目に見える形で自分に返ってこない状況」に耐えれませんでした。
正直、20代はかなり不貞腐れていたのか、スキル習得は後回しで副業(ディベート講座とせどり)に振り切った生き方をしていました。
いつも目にするのは紙の手順書と大型の管理画面…
- セキュリティルームに閉じこもり、というスマホも持ち込めない環境
- 大規模なデータを抜き取り、端末内に落ちてくるのを監視する
- 手を動かしているよりも画面を見ている時間のほうがはるかに長い
という環境で心が折れていたのかもしれません。
そんな自分がシステムを運営する側になり、そのありがたさを痛感しました。
いまの状況→システム管理者
ここでいう「システム」とは本サイト|『ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム講座』を指します。
当サイトは、HTMLコードをぱちぱちと売って作っているのではなく、WordPressという『コンテンツマネージメントシステム』を使っています。
ボタンひとつ押せばひよこ君の吹き出しが出てくるのも、裏でシステムが動いてくれるからです。
逆に、コードミスやシステムエラーで、ひよこ君とフクロウ君の吹き出しが全てのサイトから消えます。
話を9月5日に戻します。
74%で止まる原因をずっと調べていました。
ファイル容量、タイムアウト、プラグインの競合。
ひとつずつ切り分けていきます。
そしてデータベースを直接覗きに行ったときに、それを見つけました。
wpiq_popularpostssummary
人気記事プラグインが、記事の閲覧ログを溜め込んでいたテーブルでした。
バックアップが30GBまで膨れ上がっていた原因は、過去に溜まったデータベースでした。
下図をご覧ください。

見えず楽てすみません。
犯人はコイツです。

16タイプSM診断ではありません。
このランキングのシステムですね。当サイトでは、「本日の人気記事TOP10」と称して、毎日どれだけの訪問者がどの記事を読んだかを記録できるシステムを設置しています。これによってどの記事がどれだけ読まれているかをリアルタイムで見る事ができます。
ここでプロのウェブマーケッターさんならこう思うはずです。
「それなら、別にGoogleアナリティクスで見ればよくね?」
…はい!その通りです。
Googleアナリティスクのほうがもっと正確に数字が取れます。それ以上に、Googleが保有しているサービスなのでこちらのインフラには負担がかかりません。それが正解です。本来ならそうするべきです。では、なぜ、このシステムをわざわざ当サイトに実装しているか?といえば…自己満足です。それ以上でもそれ以下でもありません。
でも、この数字を見たいから、ひよこ君のサイトにログインするモチベーションになります。
自分の成果がリアルタイムで実感できる環境設計をするために、このランキングシステムを10年間愛用してきました。
10年です!10年分のデータがしっかりとデータベース内に保管されていました。
その数字が360万でした。
毎日毎日、誰にも見られないところで律儀にログを書き続けていたわけです。
誰も見ないログを。誰も使わないログを。1件ずつ、360万回のうちの130万件ほどでした。
バグではありません。仕様です。
つまりこれは、10年分の「見ていなかったツケ」が、そのままの重さで積み上がった山でした。
表側で私は記事を書いていました。デザインを整えていました。アクセス解析を眺めて一喜一憂していました。
その間ずっと、裏側では見えない地層が静かに厚くなっていて、ある日それが、サイトの命綱を74%で止めたのです。
荒療治
やることは決まりました。
- まずランキングのシステムを止める(いったん無効にする)
- データベースのテーブルから過去の蓄積データを全部削除する
わかっている方からすれば「まあそうなりますよね」という手順でしょう。
ですが、実行ボタンに指をかけたときは結構怖かった。
これは記事ではありません。デザインでもありません。
一歩間違えれば、10年分が本当に消える場所です。
取り返しがつく作業と、つかない作業がある。いま触っているのは、後者です。
削除しました。
そして、もう一度バックアップを走らせました。
74%を超えました。80%。90%。
そして、3GBの .wpress ファイルが、手元に落ちてきました。

30GBが、3GBになっていました。ケタがひとつ違います。
10年間、私が積もらせていたものの正体は、要するにその差分です。
あの瞬間の安堵を、なんと言えばいいのでしょうか?
嬉しいのとは少し違います。達成感でもありません。
「これで、最悪でも死なない」
そういう種類の安心でした。命綱を手のひらに握った感覚です。
ステージング環境と、CSSの裏表
その後はサブドメインを切って、ステージング環境の構築です。
ここでもまた躓きました。キャッシュ機能が暴走して、表示がぐちゃぐちゃに崩れます。
裏で読み込まれているCSSと、表で表示されているCSSが一致しない。直したはずのものが直っていない。直っていないはずのものが直っている。
何が正しい姿なのかわからなくなる、あの気持ち悪さです。
ひとつずつキャッシュを剥がして、どこが嘘をついているのかを特定して、また表示を確認する。地味です。ものすごく地味です。誰にも見せられない作業ですし、見せたところで誰にも面白くありません。
そうやって、気づいたら一日が終わっていました。
この2日間、記事は一文字も書いていません。デザインも一ミリも進んでいません。売上につながることは何ひとつしていません。
それなのに、疲れきっていました。
インフラは大事
Web制作において、サーバーは一番地味で、一番怖い場所です
Web制作をしていると、どうしても目が向くのは表側です。
デザイン、記事、導線、アクセス解析。人に見せられるのも、褒めてもらえるのも、そこです。
ですが、サイトが長く続いて、月間の閲覧数が10万PVを超えたあたりから、話が変わってきます。
ひよこ君のサイトを作り始めたころは、年間6,000円ほどの低スペックなサーバーを使っていました。
それで十分でした。アクセスは少なく、データは軽く、何も起きなかったからです。安さは正義だと本気で思っていました。
その考えが変わったのは、2023年9月です。
実はサイトが一度止まりました。
アクセスが増え、サイトが重くなり、表示できなくなったのです。
あのとき初めて「サーバーは削れる経費ではなく、全部を乗せている土台なのだ」と理解しました。
そこで年間11,000円のプランに切り替えました。差額にすれば、月に400円ほどです。その400円が守っていたのは、私の10年でした。
PVが増えるほど、記事が増えるほど、運営歴が長くなるほど、土台にかかる負荷は静かに上がっていきます。
そして厄介なことに、その負荷は普段いっさい目に見えません。見えるのは、限界を超えて壊れた瞬間だけです。
今回の30GBも、まさにそれでした。
そこで、腑に落ちたのです
そして、腑に落ちました。
これ、インフラを守る仕事ではないか、と。
私は10年かけて、自分のインフラを持っていました。サーバーがあって、データベースがあって、その上に10年分の記事と、読んでくださる方と、お金の流れが乗っています。止まったら困る人がいる。壊れたら戻せない。
そしてこの2日間、私がやっていたのは、それを守る仕事でした。
何も生みませんでした。何も増えませんでした。ただ、失わないようにした。壊れる前に、壊れる場所を見つけた。
あのとき「つまらない」と言って私が投げ捨てた仕事を、私はいま、自分の持ち場で、必死になってやっていたわけです。
しかも、たった一つのサイトで、これです。
バックアップが一本通らないだけで、私は半日を溶かし、指を震わせながらテーブルを削除しました。守る対象がひとつでこれなら、何百、何千のサーバーを、金融のシステムを、社会のインフラを守っている方々は、いったい毎日、何と戦っているのでしょうか?
ソシオニクスのお話

ここでソシオニクスの話をさせてください。
- LSE(ESTj)|問題が起きないように現場を絶えず管理するのが得意なタイプです。新しい事を始めるよりも、常に現場の最前線に立って、人々が間違えないように管理する
- LSI(ISTj)|ルールや仕組みを整えるのが得意なタイプです。特にチームや案件が成長しているときは足元が疎かになりがちです。そんなトラブルをリアルタイムで解決する
どちらも「創造」というより「保守」タイプです。LSE(ESTj)は人々を管理し、LSI(ISTj)は仕組みを管理するのが得意です。各クアドラの中では、チームが滞りなく動けるように働きかける役割があります。
今回のシステム案件に置き換えるなら、保守×運用が得意なタイプといってもよいでしょう。
違いました。
「何も起きなかった」という状態は、自然には発生しません。
あれは無風ではないのです。無数の判断と、地味な検証と、誰にも見られない手当ての結果として、ようやく現れる状態です。
今日どこかの現場で障害が起きなかったのなら、それは誰かが起こさせなかった、ということです。
そして、その仕事の最大の呪いは、うまくいくほど、やったことが見えなくなることです。
障害が起きれば責められる。起きなければ何も言われない。
成功の報酬が「無」で支払われる仕事など、他にどれだけあるでしょうか?
だからこそ、その意味を自分で引き受けられる気質が要ります。
誰も褒めてくれなくても「これは正しく回っている」と自分で判定できる論理が要ります。それがTeであり、Tiです。
私にはそれがありませんでした。だから逃げました。
十数年遠回りをして、自分のインフラを持って、それを守る側に立って、ようやくわかりました。あれはつまらない仕事ではなかった。私が、その尊さを読み取れる人間ではなかっただけでした。
私はデータベースから360万件のゴミを掘り出して、命綱を一本つないだだけで、これほど消耗しています。
あなたは、それをもっと大きな規模で、もっと責任の重い場所で、毎日やっている。
かつてその現場から逃げた人間として、そしていま、ミニチュアのような自分の城で同じ種類の戦いをしている人間として、これだけは言わせてください。
あなたが今日守ったものは、間違いなく社会の一部です。
そして、あなたが今日「何も起きなかった」ことにしてくださったおかげで、私たちは安心して、表側で好き勝手に何かを作っていられるのです。
本当に、ありがとうございます。
ここまでお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。
なお現在、ソシオニクスのタイプ診断セッションを無料で実施しています。
エニアグラムセッション+16タイプセッションを受けてくださった方が対象です。
詳しくはこちら ↓↓
スマホで見て終わるか。
一歩、踏み出すか。
情報を集めるだけではなく、実際に人と話して整理したい方へ。
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