なぜ牧野つくしは、花沢類でなく道明寺を選んだか? 後編
人気コミック「花より男子」ネタです。
主人公・牧野つくしがなぜ花沢類ではなく、道明寺司を選んだのか?
別のホームページでもこの記事について書いていたのですが、決定的な理由がかけずに花沢類と道明寺の違いを説明するだけになってしまったので、こちらの記事で書き直すことにしました。
このサイトのコンセプト-性格タイプ-をテーマにして書いていきます。
牧野つくし、道明寺司、花沢類の3人の性格の違いを知って、なぜ牧野つくしは道明寺司を選んだのか?花沢類じゃなかったのか?について自分なりの考えを書いていきます。
1.答えは【エニアグラム】が知っている
性格診断や相性で迷ったらまずはエニアグラムに相談してみましょう。エニアグラムとは、9つの性格のことです。
これですね。
エニアグラムについては、こちらの記事を参照してください。
では、本題に行きましょう。
2.牧野つくし、道明寺司、花沢類の性格タイプ
こんな感じにまとめることができます。
この記事の読者さん全員がエニアグラムを知っているわけではない、エニアグラムの性格タイプの特徴と牧野つくし、道明寺司、花沢類の性格タイプについてお話をしていきたいと思います。
牧野つくし-タイプ6<忠実な人>
タイプ6の<忠実な人>とは、安全や安心を欲しています。このタイプが望んでいるのは、「安全」「安心」「コミットメント(尽くすこと)」「役割を果たすこと」を通して、内面の不安を解消すること。徹底とした安全主義者です。
では、牧野つくしはどこら辺がこの「忠実な人」なのでしょうか。
ざっと見ていきますね。
- 自分を名門校英徳学園まで行かせてくれた親の期待に応えようとしていた
- トラブルに巻き込まれないことを第一に考えて過ごしていた当たり
- でも、道明寺達の横暴ぶりに嫌気がさして、最後は宣戦布告をする
- 宣戦布告をする者の、やっぱりどこかで不安でビクビクしている
牧野つくしのモットーは、無事平穏な日々を過ごすして卒業まで逃げ切ることでした。もちろん、それができないのが主人公の運命。
F4を通じて様々なトラブルに巻き込まれてしまうわけです。そして、このタイプ6<忠実な人>の魅力は、平穏&ストレスフリーな日々を望んでいながらも、それらを脅かす人たちに対しては徹底的に戦います。
例えば、「やられたらやり返す!倍返しだ!」で有名な半沢直樹さんもこのタイプです。できれば、銀行員として平穏な日々を過ごすことを望んでいましたが、戦わざるを得ないから戦った。
道明寺司-タイプ8<挑戦する人>
タイプ8の<挑戦する人>とは、自分の信念をもって戦う人。いわゆるジャイアンタイプです。自己主張が強いリーダー気質。
そして、自分の下にいるものは擁護します。まさに、道明寺司・・・
まぁ、見ればわかるよね!だけで終わると面白くないので、ちょっと気になるシーンを2つピックアップ。
その1.お姉ちゃんからいじめられていた。
その2.子供の頃に誘拐されかけたことが何度もあった
道明寺がタイプ8と判定したのは、「やらなければ、やられる」という考えを持っているからです。幼少のころから
- 「お姉ちゃんからいじめられた」→何もしないと奪われる
- 「子供の頃に誘拐された」→自分を守れるのは自分だけなんだ
と、生きるか死ぬかの選択を迫られた体験がなんどもあったのでしょう。だから、反射的に戦う姿勢を身につけて、タイプ8<挑戦する人>の気質をもつようになりました。
- 志々雄まこと(流浪に剣心)
- ウシジマくん(闇金ウシジマくん)
花沢類-タイプ4<個性的な人>
さて、最後。気になるキャラクター花沢類です。どんなキャラクターかというと文章で書くと大変なので、ピクシブさんの記事をそのまま引用。
社長のジュニアとして厳しく躾けられ、他人と関わり合うのが苦手。性格は実直かつクールでひたすらマイペース。昼寝が好きで常にボーっとしているが、見るべき所は見ている。感性が豊かで鋭い芸術センスを持ち、バイオリンが好き。あらゆる面において器用だが、興味のないことには手を出さない。インドア派で、放課後もF4の他のメンバーように群れて夜遊びすることはない。普段は無表情でありながら、笑いのツボにはまると周りが引くほどの笑い上戸と化す。
青のマーカーのところが全部タイプ4<個性的な人>の特徴を抑えていますね。花沢類は、親から厳しくしつけられた経験がありました。親の価値観にはめられて、本来の自分を否定されていたのかもしれません。
そんな自分の世界を守るために、他人に対して距離を置き、自分の世界を育ててきた経験があるのかもしれません。それが、花沢類を、タイプ4<個性的な人>へのさせたのでしょう。
タイプ4は、自分はだれからも理解されない、という思い込みをどこかで持ち、そんな理解されない自分のアイデンティティを強く持ちすぎて、独自性や個性を養っていきます。
そして、牧野つくしは、花沢類の独自性や感性に上手くはまったのでしょう。なぜ屋上で「ありえないつーの!」がそれなのかがわかりませんが・・・。
3.道明寺司<タイプ8>VS花沢類<個性的な人>
牧野つくし<タイプ6>から見た、道明寺司<タイプ8>と花沢類<タイプ4>の違いについて考察していきましょう。こちらの本を参考にしてみました。
こちらの本の各タイプの人間関係のところで、各タイプの相性について解説されていていたので、
- ふたりの可能性
- 気を付ける点
- お付き合いのコツ
の3つが紹介されていたので、それをもとに、
- 牧野つくし<タイプ6:忠実な人>と道明寺司<タイプ8:挑戦する人>
- 牧野つくし<タイプ6:忠実な人>と花沢類<タイプ4:個性的な人>
との相性についてまとめてみました。
牧野つくし<タイプ6>と道明寺司<タイプ8>の相性
ふたりの可能性
両タイプの大きな課題は「信頼」。信頼できる人が見つかり、”お試し期間”が過ぎれば、強い絆が生まれます。
牧野つくしの宣戦布告から始まり長いお試し期間でしたが、お互いにむき出しに素の部分を見せ合ったことで最後には強い絆が生まれました。それが37巻まで長引くわけですが。。。
気を付ける点
健全度が下がると、問題が発生。どちらも感情的に反応しやすいため、感情の応酬になりがちです。
どちらも感情的に反応しやすいですね。
道明寺は、気に入らないことがあるとスグに態度に表します。これはタイプ8<挑戦する人>のストレートな性格です。
たとえ牧野つくしが好きであっても、「バカ女」「アホ」呼ばわりを平気でします。そして、つくしも道明寺の態度に反応します。
牧野つくし-タイプ6<忠実な人>-は、エニアグラムの性格上、相手の態度を受け流すのが物凄く下手です。ついつい、反応してしまいます。
牧野つくしが道明寺を受け入れられるようになったのは、道明寺の攻撃的な態度が自分を脅かすものではなく、道明寺の性格であり、愛情の裏返しだと気づいたからでしょう。
お付き合いのコツ
できるだけ率直に関わり、自立した関係を持てるようにしましょう。タイプ8との間に依存的な関係を作らないことが大切です。
タイプ8<挑戦する人>とタイプ6<忠実な人>の関係でいちばんダメになるのが、タイプ6の人がタイプ8に依存してしまうことです。
タイプ8<挑戦する人>は、自分の下にいるものは守りますが、弱いままの相手を容認しません。相手に対しても、自分と同じ「強さ」を求めます。
花より男子36巻のプロムのシーンで牧野つくしは道明寺に再び宣戦布告をします。
牧野つくし:あたしがあんたを幸せにしてあげてもいいよ!
道明寺司:宣戦布告だな。やってもらおうじゃん
参照:花より男子36巻
これが決め手かもしれませんね。
逆境シンデレラである牧野つくしですが、シンデレラのポジションにつくようなら、道明寺はつくしを見捨てます。
「牧野はそのていどの奴なんだな・・・」と。
逆に、自分に刃向かいこそしても、相手の自立性や強い意志を感じれば、一目置くようになります。(ある程度、分別があればですけれど)
タイプ8<挑戦する人>とタイプ6<忠実な人>にとって、この関係は理想ともいえます。
牧野つくし<タイプ6>と花沢類<タイプ4>の相性
ふたりの可能性
気分の浮き沈みがある両タイプゆえに率直な気持ちを分かち合うことができます。あなた(タイプ6)は、実際的でよく働くタイプ。<タイプ4>のように自分の感性に入りすぎません。
牧野つくしは、本作の主人公なのでかなり行動しています。対して、花沢類は、自分の感性の世界でしか生きていません。もちろん、お互いがその違いに惹かれたわけですが、この違いを恋愛にもっていくまでは大変。
神尾先生も、この部分の違いを埋める難しさがあったのかな、と本作を読みながら思いました。
気を付ける点
健全度が下がると、お互い感情的に反応しやすくなり、相手に対して批判的、悲観的になります。あなたは<タイプ4>を気まぐれで自己中心だと見ます。<タイプ4>はあなたを自由でないと感じます。
花より男子を見る限り、牧野つくしは、花沢類を気まぐれで自己中心だと思うシーンがありましたが、花沢類が牧野つくしに対して「自由ではない」感情的に反応しやすくなるシーンはありませんでした。
タイプ4<個性的な人>である花沢類は、自分の世界に入り込むのが上手でした。
お付き合いのコツ
お互い、感情的な反応に気をつけ、過剰にエスカレートしないよう、心の静けさをと持つことが大切です。
お互いに心の静けさを保つこと…これがキーワードになりそうですね。牧野つくし<タイプ6>と花沢類<タイプ4>の理想の関係は、お互いの世界を尊重しあうことです。よい意味で、感情的にならないことですね。まるで、メトロノームのようにゆったりした関係です。
花より男子37巻で牧野つくしが入院したときに、花沢類が走って病院に駆け付けたときですね。
誰かのために走るなんて俺には一生ないと思っていた。会ってどうなる?
親友の彼女だ。どうにもならないってわかっている。ごめん司花より男子37巻
このシーンを見る限り、花沢類は感情的な反応をしてしまい、過剰なまでにエスカレートしました。そして、自身の内面的な自由を手放しました。
素敵なシーンといえば素敵なシーンですが、読者の花沢類のイメージが壊れるシーンでもありました。もしも、こんなことが連続で続くと、花沢類のキャラがどんどんと崩れていきます。
類自身もこの事には気づているし、何よりも神尾先生も、タイプ4<個性的な人>である花沢類のイメージを崩すところに葛藤があったのだと考えられます。
花沢類の決断と世界観
答えはもうとっくにでている。
俺はこの親友たちがいつまでも好きなことと
—–そして
いつか誰かを好きになることがあるのだろうか。
いつかあると思う。
もう少し時間がかかりそうだけれど—-
と自己理解を終わらせて、道明寺と牧野つくしとその間にいる自分について、こうやって気持ちを整理しました。
俺の話はこの辺で終わり。
人にはそれぞれの役割がある。
俺の役割は、あの2人を見守ることだ
と自分に言い聞かせました。もちろん、言い聞かせるだけでは終わらず、その行動が徹底的です。
収穫まで10年かかるブドウ畑を作り最後にこう言い聞かします。
そしていつかこのぶどう畑から醸造(じょうぞう)できたら、
トスカーナを見渡せるあの丘で、
大切な人達のためにワインをあけよう
そして、花より男子は、花沢類が自分の世界に完全に逆戻りする形で幕を閉じました。そして、花沢類が作り上げた世界に、牧野つくしと道明寺司が割り込む余地はこれ以上ありませんでした。
4.自己成長ツールとしてのエニアグラム
花より男子を読んでいて物凄くおもしろかったのは、エニアグラムの考えに基づいて作られていた点です。作者の神尾先生がエニアグラムを知っていたのかはわかりませんが。
エニアグラムを学ぶ目的
自己理解<本当の自分を知る>や他者理解<お互いの違いを受け入れる>などがよくあげられますが、本当に大事なのは、その後です。
自己理解や他者理解を経て終わりではなく、そこから自己成長をしていくこと
ここに意味があります。
その手段として、いちど自分の内面(根源的恐れや根源的欲求の部分)について言葉で表現できるレベルで知りつくし、いちど手放してみることです。そうすると、人生全般で新しい発見がたくさんあります。
花より男子から学べる事
牧野つくし<タイプ6:忠実な人>
タイプ6<忠実な人>は、自分では気づかないレベルの不安をかかえています。同時にその不安をおびき寄せる体質もあります。だからこそ、不安とは積極的に向き合いながら、精神的に自立することが自己成長の近道になります。
もちろん、本質がネガティブなタイプ6<忠実な人>から不安を拭い去るのは不可能です。ポジティブに考えることを要求すればするほど不安がたまっていきます。
だからこそ、不安を持ちながらも、その不安と向き合いながら行動していくことがタイプ6にとっていちばんの自己成長につながります。
牧野つくしの場合、漫画の主人公という立場上、それをせざるを得なかったわけですが、F4と付き合う中で、その不安と向き合えたことが自己成長につながりました。
+αでF4という自分を支えてくれる頼もしい仲間とも出会えることができました。
道明寺司<タイプ8:挑戦する人>
タイプ8<挑戦する人>は、性格上、自我をコントロールできません。我慢できないから、本能むき出しの行動をとります。F4のリーダーポジションについて傍若無人になるのは、タイプ8ならだれでも一度はあることです。
そんなタイプ8にとって必要なのは、自身の力を自己満足を目的にするのではなく他人を守るために行使することです。
初回の道明寺は、完全に自己満足目的に力をこうしていました。それこそ自分でも抑えられないほど。狂暴そのものだし、女性には無関心どころか毛嫌いをしていた。
それでも牧野つくしに出会ってから、だんだんと惹かれるようになり、牧野つくしを守るためなら、身を挺しても戦うことを覚えました。
ボコボコにされながらも、「手を出したら、俺の負けだ。お前を守ったことにはならねー」といった瞬間。タイプ8にとって、誰かを守るために戦うを経験を得ることができました。
花沢類<タイプ4:個性的な人>
幼少期は他人と上手くかかわれず、自分の殻に閉じこもる花沢類でした。そんな花沢類の内面を修正していたのは幼馴染の藤堂静という存在です。
そんな静に惹かれた花沢類でしたが、その恋もかなわず、やっぱり自分の殻に閉じこもる日々でした。屋上近くの階段で。そんな、花沢類のそばに表れたのが牧野つくしでした。
では、花沢類が牧野つくしに出会って何を得たのかというと、自分の殻から抜け出す感覚です。
タイプ4<個性的な人>は、自分の個性という居心地のよい殻にいることを好みますが、同時にそれが狭い世界だと気づいています。その狭い世界の中で自己を築き上げるのですが、狭い世界で自己完結している状態です。
その結果、いちばん個性について知らない人になっていまう自己矛盾を抱えています。
ジョハリの窓の窓が狭いんです。
誰よりも自己について探求しているタイプ4ですが、開放の窓<自分は知っている/他人は知っている>の領域だけでした、自己を理解していない状態です。
また、相手からは盲点を見透かされているし、秘密の窓に気づく機会もありません。未知の窓については想像できない状態です。
では、タイプ4はどうすればいいのか?というと開放の窓だけの世界にいることに気づき、盲点の窓や秘密の窓を開くように行動を心掛けることです。
- 自分ではなく他人に興味を持つこと
- 過去の経験に囚われず現在の感情を大切にすること
- あえて、何かを計画して継続をしていくこと
そして、花沢類は、牧野つくしと出会うことで、はじめて他人に興味をもつことができて、結果、自己理解を深めて、自己成長ができることができました。
その結果が、ブドウ畑を作ってみんなでワインを飲むという夢だったのですが、花沢類にとっては、友人、好きな人、そして自分の内面と大局をみて、最後に何をするかを決断できたよい体験だったわけです。
結局、牧野つくしとの恋は実らなかったわけですが、自己理解や自己成長という点では、物凄くよい形でおさめることができました。
本当、花より男子は名作ですね。
花より男子とエニアグラム
最後まで読んでいただきありがとうございました。
花より男子とエニアグラムは、いかがだってでしょうか?
少し時間ができたら、西門さんや美作さんの性格タイプについても書いていきたいと思います。
- 西門さん:タイプ3<達成する人>
- 美作さん:タイプ9<平和をもたらす人>
だと思いますが、いちどじっくりと花より男子を読んで、2人の内面にもアプローチしていきます。
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木村真基
ウェブデザイナー/エニアグラム講師
プロフィール
「ひよこ君とフクロウ君のエニアグラム( 9つの性格 )講座」の運営者。性格タイプ判定専門のエニアグラム×16タイプ講師。自身も講師として働きながら、お客様のセミナー集客特化型のホームページを作ることが得意。
本業:ウェブデザイナー(フリーランス)/副業:性格タイプ講師×デザイン講師
エニアグラム/16タイプ/ストレングスファインダーを武器に自分のタイプで生きている人。
・エニアグラム:3w4sp-sx-so&Tritype386
・16の性格:ENTP(討論者)&ILE(発明家)
・ストレングスファインダー:着想、戦略性、学習欲、達成欲、自我
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